つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2009.07.05
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テーマ: 本日の1冊(3697)
カテゴリ: Book


『川原泉の本棚』
(川原泉,2003,白泉社)

中学生のとき以来お世話になってる少女漫画界の一等変光星。SF・歴史・技術系のお気に入り作品の本文とともに,川原さんらしい解説が入ります。期待を裏切らないラインナップ。ファン至福の一冊。続編も出ていますが,さっき知ったばかりなので,未読です。

アシモフとポーの短編(大渦に呑まれて)が特に面白かったです。前者は予想どおりの作風,後者は予想外の作風にて。




『萌えで読み解く名作文学』
(牧野武史,2007,インフォレスト)

近代古典とされる和洋の文学作品を取り上げていかにもなイラストを添え,主にアニメ・ラノベファンに向けて平易に紹介している本です。類似作多いですが,その中ではいちばん気に入ってます。

著者の関心の広さを反映した,良心的ラインナップだと思います。ロシア人作家など,ほとんど興味のなかった小説に興味を持ちました。しかし三島由紀夫だけは,どの書評読んでも読む気があまり起きない。




『ライトノベル文学論』
(榎本秋,2008,NTT出版)

文学論というよりは文学史。アマゾンのレビューでは評判わるいですが,私は気に入ってます。「ラノベとはなにか」を解説する本はいくつも出てますが,その多くは基本的には本質を追及しようとしていて,その結果空回りしてる感があります。

その点,歴史的経緯に絞って解説するこの著者の選択は賢明だと思います。ラノベ初心者の私にはとてもしっくり来る内容でした。例えば,ライトノベルの成立に影響を与えた要素として,海外翻訳ファンタジーやテーブルトークRPGを挙げた点などは,なるほどという気がします。

ただ,図表は高校生が授業で作らされた,やっつけ仕事のパワーポイントみたいです。頭悪そうに見えるので,とても残念。







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Last updated  2009.07.05 10:28:10
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inalennon @ Re[1]:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子(09/19) フィンちさん >この世は なんてままなら…
フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
inalennon @ Re:4年はあっという間(03/04) ハオさん >バーチュー&モイヤー組見…
ハオ@ 4年はあっという間 バーチュー&モイヤー組見ました。 優雅…

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