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第75回全日本合唱コンクール全国大会がすべて終了して10日ほど過ぎました。昨年、新しく常設団体になった男声合唱団に入って、全日本合唱コンクールに参加し都大会を抜け、全国大会でも同声部門1位金賞という、ある意味コンクールの頂点に行ってしまいました。そして今年はシード団体としていきなり全国大会に出場、3位金賞という成績となりました。ということで、コンクール全般を経験したのを踏まえて、合唱コンクールに対する私見を書いてみたいと思います。合唱や吹奏楽のアマチュア対象のコンクールに対しては、いろいろな意見があります。音楽に順位をつけるのは間違っている。審査基準が明確ではなく、審査員の好みで結果が左右される。とくに学生さんですが、コンクールで良い成績を取ることが目標となってしまっているため、ブラック部活問題などが発生している。これらは全てある意味事実でもあり正論でもあるかと思っています。では、なぜ自分自身がコンクールに参加しているのかを振り返って考えてみると、一番の原点としては、メンバーと一緒に創った音楽を多くの人に聴いてもらいたいということだと思います。多くの人に聴いて頂く方法としては、演奏会とかイベントで演奏するというのももちろんありますが、コンクールの特徴として、少ない曲を徹底的に追及した演奏が出来る。いろんな他団体と比較して自分たちに不足している点などを客観的に見つめ直すことが出来る。ということが、通常の演奏会とは違った面になるかと思っています。井の中の蛙にならず、いろんな音楽へのアプローチを実感できる場なのではないかと思っています。私の中で、音楽を演奏する意味というのは、聴いて頂いた人の心を動かすことだと思っています。聴衆無しでの音楽芸術は成立しないと思っています。ただし、人の心を動かす演奏というのは、そんなに簡単なものではなく、その目的を達成するためのツールの一つがコンクールなのだと思っています。
2022.11.29
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私が所属する合唱団WAKAGE NO ITARIは、先週三重県津市で行われた全日本合唱コンクール全国大会同声部門に出場し、金賞NHK賞(3位)を受賞することが出来ました。昨年は、同じ大会で常設団体になって1年未満で1位シードを獲得しており、今回は団としていろいろプレッシャーも感じながらの活動になりましたが、なんとか2年連続の金賞を受賞できてほっとしている気持ちが強いです。さて、この合唱団WAKAGE NO ITARIですが、常設団体としてはまだ2年たっていないということもあり、いきなりコンクールに出て来てどんな団体なのよく分からないという声も多いので、すこし説明します。まず、名前の通り20代のメンバーが主流なのですが、私を含め60代も2名、40代、30代の方も若干在籍しています。メンバー構成としては早稲田大学出身(現役)が多いのですが、早稲田自体、フリューゲル、早稲グリの男声2団体、早混、早合という混声2団体という大きな学生の合唱団がありそれら4団体から集まっています。指揮者は、フリューゲルで指揮をされている真下先生ですが、けっしてフリューゲルのOB団体ではありません。また、他の大学(都立大、東工大等)出身者も在籍しています。なので、いろんな背景や合唱経験を持った方の集合体ということが言えると思います。昨年コンクール全国大会の講評(雑誌ハーモニー)で作曲家の千原先生から「バリバリ歌える人が多い合唱団でブレンド感を求めたい」というご意見も頂いていますが、まさにその通りだと思います。ただ、歌える人が勝手に歌っているのではなく、指揮者が表現したい音楽を実現しようと、それぞれの背景にある技術をつかって合わせて行こうとする意識は非常に高いと思っています。例えば、テナーに対して「軽く明るい声質で、浮遊感があるように・・・」という指示に対して、個々の発声法は違っていても、それを実現させるアプローチを個々で行っているということ、自分はこの声質しか出せない、この声質が一番良いという考えはまったくない。とにかく合唱表現を合わせる意識が揃っていることが強みなのだと思っています。さて、この合唱団の次の本番は、来年3月5日に行われる第2回演奏会になりますが、ここに客演指揮者として宮崎学園を長く指導されてきた、有川先生をお呼びして演奏しますので、ぜひよろしくお願いします。
2022.11.26
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