楽しく ひまつぶし Labo

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2026.02.04
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テーマ: 読書(9995)
カテゴリ: 読書
皆さん、こんにちは。
ここ最近、積読(つんどく)の山脈がさらに標高を増している今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

さて、久々に読書記事を書いていきたいと思います!

今回取り上げるのは、本屋さんに行けば平積みされているあの話題作、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』です。

三宅さんといえば、あの「ぶっちゃけ」本
著者の三宅香帆さんといえば、私の中では5年ほど前に読んだあの本のイメージが強烈に残っています。 その名も『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』。


(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法 (角川文庫) [ 三宅 香帆 ]

タイトルからして最高じゃないですか? あの本は本当に楽しかった。「高尚すぎて意味不明……」となりがちな古今東西の名作を、「こう読めば面白がれるよ!」と、砕けた調子で伝授してくれた、私にとっての「読書案内の名著」でした。

そんな三宅さんが2024年に世に放った『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』、遅ればせながら読みました。 これ、ものすごい話題になりましたよね。
発売以来多くの賞を受賞しました! 

・書店員が選ぶ ノンフィクション大賞2024 大賞
・新書大賞2025 大賞
・オーディオブック大賞2025 ビジネス書部門大賞

などなど、三宅さんもマスコミに出まくっていらっしゃいました。 ずっと気にはなっていたんですが……ええ、「働いていて本が読めなかった」わけではない(と言い訳したい)ですが、ようやく読むことができました!

​​​​
■ 予想外の「ガチ新書」でした
で、読んでみた感想なんですが。 正直、前の「ぶっちゃけ本」のような、軽妙なエッセイ風の語り口を想像していたんです。

ところがどっこい。

ページを開いてみると、そこにあったのは、いかにも「新書」らしい、真面目で少々堅めの、ガチの論文的構成でした。「あれ? 思ってたのと違うぞ?」と背筋が伸びました(笑)。

■ 映画『花束みたいな恋をした』の「麦くん」現象
本書の執筆のきっかけとなったエピソードが、映画『花束みたいな恋をした』です。 あんなに本や音楽といったカルチャーが大好きだった主人公の麦くんが、就職した途端にパズドラしかできなくなり、本も音楽も映画も楽しむ余裕がなくなってしまった……あの切ない変貌ぶりです。

三宅さん自身も、就職して麦くんと同じような状態になった経験があり、「なぜこうなるんだ?」と疑問を持ったことから、この力作が生まれたんだそうです。


花束みたいな恋をした [ 坂元 裕二 ]


そこからの展開がすごい。 なんと明治時代から現代に至るまで、「労働と読書の関係」がどう変遷してきたかを、社会情勢やその時代のベストセラーを例にとって徹底的に分析していくんです。これ、相当な労作ですよ。

■ 「教養」が「ノイズ」になった現代
特に唸らされたのが、読書の意味合いの変化についての分析です。

かつて読書は、自分を豊かにする「教養」として機能していました。 しかし現代では、読書は「仕事の役に立つかどうか」という、恐ろしいほどシビアな「生産性の物差し」で測られるようになってしまったといいます。

ビジネスマンにとって、読書は「情報」を得るためのツールとなり、かつての「教養」は単なる「ノイズ」になってしまった。

だから、仕事に熱心になればなるほど、生産性を求めれば求めるほど、「ノイズ」である読書ができなくなってしまう……。 この分析は、さすがですね。

■ 解決策は「全身全霊で働かない」こと!?
では、どうすればまた本が読めるようになるのか。 三宅さんが提示した解決策は、ある意味で衝撃的、かつ本質的なものでした。

それは、「全身全霊で働くことをやめる」こと。

働きすぎない: 仕事に自分のすべてを投げ出さず、読書ができる「余白」を死守する。
「ノイズ」を楽しむ: すぐに役立たない知識や、自分を惑わすような物語をあえて取り入れる。

うーん、言われていることはよく分かる。分かるんですが…… 「全身全霊で働かない」、これが一番難しいんだよなぁー!! と叫びたくなりました(笑)。

とはいえ、仕事だけで人生が埋め尽くされてしまっては、確かに「人間としての余白」がなくなってしまいますよね。


なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書) [ 三宅 香帆 ]

すぐに働き方を変えるのは難しいかもしれませんが、「ノイズ(=役に立たない物語)」を楽しむ余裕を持つこと。 これこそが、豊かな生活への第一歩なのかもしれません。

あらためて、自分の読書スタイルと、日々の生活を振り返る素晴らしいきっかけをくれる本でした。 皆さんも、もし「最近本読めてないな……」と思ったら、まずはこの本を読んで、「働き方」の方から見直してみてはいかがでしょうか?





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最終更新日  2026.02.04 21:24:25
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