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2017年03月12日

駅に降りて、あまり歩いたことがない川端通りを北上することに、途中、貸し自転車屋が、外国人６〜７人に店長が対応中、パンフを参考にもらう、京踊りの提灯が目に入る、鴨川沿いはもう春の準備がすっかり、、

三島由紀夫があの事件の３年前に訪れたという仙洞御所見学の後、玉砂利の音を聞きながら、ゆっくり北に、今出川通りに出て東に、かって利用したＦ銀行、その行内で７万円を拾った記憶が、すぐに届けたが不思議なことに持ち主が現れず、拾い主の手になんてことも、今はＭ銀行になっている、更に東へ、百万遍、この名前のユニークさが気にいっている、、知恩寺、ここの名物市も一度見てみたい、、

あの進々堂で休憩、分厚い木目のテーブルと椅子、ガラス越しの鮮やかなコントラスト、昔とまったく変わってない、

当時、時々紛れ込んでいたＫ大キャンパスを横断して吉田神社に、その広い境内を抜けて吉田山に、すれ違う人もまばらで静寂、木々の間からの街の風景がいい、山を下り、いつだったか、日経の交遊抄でマスターに関する記事をみたことがある「白樺」を探しがてら、、かっての下宿方面に向かった、数年前には建屋があったが何と取り壊されている、その歳月を考えれば至極当然のことなのだろう、近くの時々利用したラーメン店「らんたん」が健在だった、開いていたので暖簾をくぐってみた。当時エネルギッシュに仕事をしていたマスター、８０歳だという、元気だった、４３年経つという。近所の様子などを二つ三つ訪ね、四方山話が弾んだ「生きるって何やろかって、最近考えることがありますわ」「昨日も懐かしがって、訪ねてきた人がいましたわ」「今、坂の上の雲を読んでますねん」「最近の朝鮮の情勢、ほんま良く似てますわ」「政治は安定させなきゃあきまへん」「絶対に戦争したらいかん」ラーメン、昔懐かしい味だった、、

東大路通りを南下する、、あれっ！あった、もうとうになくなっていたと思った赤提灯「あけぼの」感激！ここではよく飲んだ、、また歩く、ふと左手を見ると、何と東山から満月が、これは儲けもの、しばらく月と共に歩く、知恩院の前からも何枚か撮影、

今日はよく歩いた、そのぶん、感動も多かった、、、

　　　　海野泰男著「文豪と京の桜と庭」から