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地元広島のショッピングモールで販売員をしている桐生夏生。昔から周囲と自分との感覚の違いに悩んでいた夏生だったが、中学時代に唯一親近感を覚えた佐々木佳道が地元に帰ってきていることを知る。検事である寺井啓喜は、不登校の息子の教育方針をめぐって妻と険悪な雰囲気になっていた。男性恐怖症の神部八重子は、学園祭の実行委員として密かに憧れていたダンスサークルの諸橋大也に出演を依頼することになるが、大也は周囲に硬く心を閉ざしている青年だった。
この映画について書くのはかなり難しいだろうなーっと思いながらも、かなり印象的な作品でした。
見終わったときに、頭の中では「へっ、ダイバーシティだかなんだか知らんけど、なんか勿体ぶった鼻持ちならない映画やったな」なんて鼻で笑ってる感じだったんですよ。
ところが、頭とは裏腹に、むしろ全く逆に、泣いてたんですよ。
なんかドラマチックな書き方になってしまってるけど、事実だからしょうがない。
「あれ?私 … 泣いてる?」なんてシチュエーションは、ヒロインぶった自己陶酔型の人間にしか起こり得ないと思ってましたよ。
でも、このシニカルおばさんにもおこってしまったんです。
なんか書いてるだけで身体が痒くなりそうですが、頭では否定してるけど、感情は同調してたんでしょうね。
何に同調したのかは未だに謎なんですけど。
この多様性の時代でも、やはり思い込みや偏見は存在していて、どうしてもこの世の中では生きにくい人たちは絶対にいるんですよね。
普通とはなにか。
周りから外れていないのが、普通なのか。
普通でないことは悪なのか。
普通であることと正しいことは同じなのか。
少数派はいつだって弱い立場なのか。
そういう話かなぁ?と私は思いました。
複数人が同じ土地に暮らす限り、多数派、少数派みたいなものは当然生まれるし、あとはそれをどう捉えるかってことですよね?
新垣結衣は、この役良かったと思います。
なんか元気印、癒し系みたいな世間のイメージだと思うけど、私的には彼女は卑屈で、暗い役の方が似合うと思ってるんです。
なんかネガティブな要素を感じる女優さんなんですよね。
私のお気に入りの磯村勇斗くんをはじめ俳優陣は素晴らしかったと思いますね。
皆んな陰鬱で、息が詰まりそうに生きてる様子が上手かった。
稲垣吾郎、以外は。
彼は普通側の人間ですが、まず見た目から普通じゃない。
常識的なこと稲垣吾郎に言われたって説得力あります?
彼は狂った役の方が似合いますよね。
説明が難しい作品なんですよ。
そもそも基本的には気に入ってないし、好きなタイプの映画でもない。
でも、なにかが刺さったんでしょうね。
自分でも認めたくないなにかが … 。
だから、オススメポイントとか紹介できないんですが、ぜひ観てみてほしいです。
自分を変わってるって思ってたり、人とは違うんだって思ってる人じゃなく、
割と冷めてたり、こういうタイプのお話があまり好きじゃない人の意見が聞きたいなーと思います。
★★★★☆
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