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2004年08月08日
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カテゴリ: 思い出
中国の北京で開催されたサッカー・アジアカップは、日本が文句なく優勝した。
しかし、会場では試合中、中国人サポーターの日本へのブーイングや、終了後に群集が反日騒ぎをするなどして、日本人サポーターは安全のために会場に足止めをされたとか。
中国において「反日的教育」がされ始めたことについては、 加藤千洋 氏 のコラムがとてもわかりやすかった。

中国の若者達の反日的言動についてテレビや新聞、あるいはネットを見ながら思い出したことがある。
七年ほど前、当時30代半ばの中国人女性が我が家にホームステイしたことがある。
彼女は夫の友人の会社で働く中国人青年の妻で、「日本のことについてもっと知りたい」という願いを持っているということで、日本家庭へのホームステイを希望していたのである。
その会社は、東京の中小企業だが中国人の社員が多いそうで、会社が用意したアパートでみんな生活しているため、日本にいても中国社会で暮らしているようなもので、日本語もなかなか上達できないということらしかった。
彼女が育った頃の中国は、子どもの資質や能力に応じて、自分の意志に関わらず学校などを振り分けられてたようで、能力の高い子どもはエリート教育をされてゆく。
彼女も彼女の夫も、中国においてはエリートの部類だそうだが、全て上層部の意向に従って働くことになることも現実である。
そんな中で、彼女の夫は「自由に自分の力を試したい」と、あえて日本企業で働くことにしたようだ。
一人っ子政策を取っている中国だが、海外に出たならその規制はなくなるらしく、我が家から戻った彼女はほどなく第2子目を妊娠し出産した。
(彼女がホームステイしている間、小学二年生の一人息子は中国の実家に預けられていた)。

彼女との一ヶ月の暮らしの中で、驚きとともに考えさせられたことがいくつもある。
今、一番思い出されるのは、「エリート」だった彼女の底知れぬ頭の良さである。
私は、今までに出会った人の中で、あれほど頭の良い人は見たことがない。
日本語は日常会話程度の彼女は、毎日毎日新しい言葉を貪欲に覚えてゆくのだが、一度聞いたことはまず忘れないのだ。
さらに、あちこちで出会った人を紹介するのだが、それらの人の顔や名前を確実に覚えてゆく。
何回聞いても顔と名前を固定できずに苦労する私は、彼女がコンピューターのように何でも覚えてゆくのは、本当に驚きであった。
そんな優秀な能力を持つ彼女だが、人柄もまたすばらしかった。
何でも興味津々なことは当然だが、全てポジティブにとらえ、物事も総合的に理解したり判断できる力を持っていた。
それに、彼女と比べると「バカじゃないの?」と思えるに違いない私に対しても、常に謙虚で礼儀正しく、しかし中国人としてのプライドを持ち、中国の文化を日本人に少しでも伝えたいという気持ちが伝わってきた。
その中には、「反日的」な感じは全くなかった。

彼女の両親は、かつては「大学教授」だったが、毛沢東の文化大革命時代に農村地方に下放されて、困難な時代をかいくぐったようだ。
その時期に乳幼児だった彼女は、腕を怪我した時に適切な治療が受けられず、そのせいで少し腕が曲がっていた。
そんな両親の体験も踏まえ、必ずしも母国中国を全面的に肯定しているわけでもなかった。
「中国に居る時にはこんなことは言えないけど・・」と、時々本音を語ってくれたこともある。
その本音の一つに、「中国の一人っ子政策は、これから大変なことになると思う」と言ったことがある。
たった一人しかいない子どもを、何とかエリートへのルートに乗せようと、親族一同躍起になっているケースが多いのだそうだ。
さらに、少しずつ豊かになってきたこともあり、「愛する子どもにだけは不自由はさせない」と、「王子様扱い」のような子どもも増えていると。(たしか、そのことを「小皇帝」と言っていたような・・)
「生まれたときから大切にされて、何でも自分の思うとおりになるばかりの育ち方をしたら、絶対に良い人間にはならない」と、彼女は中国の将来を心配していた。
それを聞いて私も、「それは、日本でも同じと思う」と言ったら、「中国はもっとひどいよ」とも言った。
そして、「だから、私は日本で子どもを育てた方が良いかもしれないと思う。でも、日本の学校はあまり勉強はさせないので、それが心配だ」とも。
日本では詰め込み教育が批判されていたが、中国の教育を受けてきた彼女は「日本の学校は遊んでいるみたい」と言っていた。

今回、反日的行動をしていた若者達は、まさに彼女が憂いていた育ち方をしている青年達であろう。
家庭においては自分本位の育ち方をしていて、学校においては反日的愛国教育を叩き込まれ(それを是としなければエリートコースには乗れないだろう)、社会に出てみたら世の中は思い通りにはならない現実があり、ストレスや困難に適切に対処する方法を体得していなければ苛立ちや怒りはつのるばかりということは、容易に想像できる。

今、彼女はアジアカップの状態を見て何を思っていることだろう。
今でも年賀状や時々の電話のやりとりはしているけれど、どうもこのような話題で話すことは難しいのが正直なところだ。
私が、自分は日本に対して色々批判はしても、他国の人から非難されるのは嫌なように、彼女もまた同様だと思うので。





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最終更新日  2018年12月07日 14時43分12秒
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