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2016年05月11日
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テーマ: 読書(10005)
カテゴリ: 読書
最近、 桜木紫乃 の小説を何冊か読んでいる。

何年か前に、『ホテルローヤル』で釧路出身の彼女が賞をとったことを知り、
受賞のほとぼりが冷めて図書館で予約なしに読めるようになってから、受賞作を読んだ。
この時の感想を自分のブログに書いていないかと探したが、書いてはいなかったようだ。
取り上げて書くほどの感動ではなかったのだと思うが、なかなかの筆力を感じたし、
そのせいもあって面白かった。

一ヶ月ほど前、たまたま図書館に行った時に目にとまった 「起終点駅(ターミナル)」 を借りた。
映画化されていたのはうっすら知っていたが、私は映画は見ていないし見たいとも思っていなかった。
しかし、読み進むほどにはまった。
そして思った。
彼女の文体は、どの作品も脳裏に映像化されやすいのだ。
だから、登場人物の周囲の状況描写と絡み合いながら、その心理状況に感情移入しやすい。
そして、どの作品も決して明るいものではないのだが、
人間というものをよく見つめているなと思わせる内容で、
暗いのだがどこかに光が見えるという感じだったかな。(ちょっと記憶が曖昧)

ということで、桜木紫乃に少し興味が湧き、もう少し読んでみようと次に借りたのが、 「ブルース」
パッと見て短編集かと勘違いしたが、読んでみると連作集とでもいうのだろうか。
これで私は、桜木紫乃に本気で感動した。
彼女は北海道の誇る小説家だと思う。
正直なところ、私は「性愛描写」の多い作品はあまり好きではない。
どうもそればかりが強調されるきらいがあり(例えば渡辺淳一など)、
性が人間にとって、男女にとって避けられない一面であることは認めながら、
なんだかうんざりしてしまうことが多いのだ。
しかし、桜木紫乃の作品における性は、人間存在の根源に根ざすものだと自然に理解できるし、
人は決してそれだけで生きるものではないとも何となく感じられる。
人の業には色々な側面があるし、泥沼の中でもがくように生きざるを得なくても、
必ず何かの光も救いもあるのだと思える作品だった。
救いはないように見えるけど、救いはある作品。

ということで次に借りたのが、 「無垢の領域」 である。
昨夜読了したのだが、今までで一番ミステリー仕立ての作品。
感動するというよりも、桜木紫乃のストーリーテラーとしての力量にまず感心する。
それに、最近の日本社会の課題というか、問題になったいることも色々盛り込んで、
社会派ミステリーとも言える。
ただ、発達障害や老人問題のことでは色々な事例を見聞きすることが多い私としては、
ちょっと不自然だったり物足りなかったりすることもあったが、
小説の中にそんなことまで注文するのも余計なことだと思う。

桜木紫乃さんは現在は江別にお住まいとのことなので、
釧路だけではない道内の地域を舞台にした作品も期待したい。
(ひょっとすると既にお書きになっているかも)
久しぶりに、続けて読みたい作家に出会った感じがする。






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最終更新日  2016年05月11日 10時21分01秒
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Re:桜木紫乃の小説(05/11)  
maki5417  さん
北海道の作家と言えば、小林多喜二、渡辺淳一くらいしか思い浮かびませんが、桜木さんのほかにももっといるのでしょうね。 (2016年05月11日 13時17分32秒)

Re[1]:桜木紫乃の小説(05/11)  
maki5417さん

>北海道の作家と言えば、小林多喜二、渡辺淳一くらいしか思い浮かびませんが、桜木さんのほかにももっといるのでしょうね。

結構大勢いらっしゃいますよ。
伊藤整、三浦綾子、小檜山博などは有名じゃないかな?
でも、地域にこだわる作品を書いていなければ、作家の出身地など私もあまり気にしませんから、知らなくても当然ですが。
-----
(2016年05月11日 14時06分31秒)

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