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2021年03月10日
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テーマ: エッセイ(94)
カテゴリ: 過去のエッセイ
40代から50代のころ、朝日カルチャーセンターの「エッセイの通信添削」を受けていたことがある。
講師は斉藤信也先生で、エッセイの評価は💮、◎、〇で、先生から見て「これは駄作」と思ったものは評価なしだった。
先生は褒め上手で、駄作であったとしてもどこかは褒めてくれていて、褒めて育てる先生だった。
下記のエッセイは◎。



「許せない」
(45歳)

 夏休みに長男が久しぶりに帰省し、何年かぶりの家族キャンプを楽しんだ。ハプニングがキャンプの醍醐味ではあるが、今回は笑っていられない出来事に遭遇した。
 場所は積丹半島のこぢんまりとした入江。一軒の民宿の前の砂浜に、色とりどりのテントが並び、私達もその一角にテントを張った。
 やがて太陽も沈み、あたりは闇に包まれた。バーベキューの残り火を囲み、他愛もないおしゃべりを続けていた十時過ぎ、後方の民宿から子どもを含めた三十人ほどの集団が、大量の花火とビールを抱えて嬌声と共に浜に現れた。
 民宿を借り切っての、職場の家族慰安旅行のようで、先程までは民宿から宴会のような騒ぎ声が聞こえていた人達だった。
 やがて、華々しく花火が始まった。小さい子ども達もいたが、この夜ばかりは夜更かしも許されるのだろうと見ていたのだが…。
 何とこの人たち、花火の後始末をする様子がないのだ。打ち上げ終わった花火の残骸はそのまま放置して、次々と場所を変える。
 見かねた夫が、近くにいた男性に「すぐに始末しないと危ないし、わからなくなるよ」と声をかけたが、ビール片手に「大丈夫、大丈夫、後でやるから」と、気にする様子もない。(ホントカイナ?)
 やがて手に持つ花火になり、子供達は大喜び。一人の子どもが、火の消えた花火を手に持ち、傍らの大人に聞いている。
「ねえ、これ、どこに捨てるの?」
 これでやっと後始末体制に入ると思いきや、彼は無造作にそれを受け取り、海に向かってポイ。見ている仲間も何も言わない。
 私達は顔を見合わせて絶句し、注意する勇気さえ失った。
 子供達の傍らで、「アブナイ、アブナイ」の叫び声と共に、ねずみ花火飛び回り、爆竹は鳴り響く。
 どこかで、「いい加減にしろ!」の怒鳴り声が聞こえたが、間髪入れずに「お前ら、何しに海に遊びに来てるんだ!」ときた。
 ユ・ユ・許せない! 何も言えない自分たちもナサケナイ。人間不信になりそうだ。


多分、私達の家族キャンプはこれが最後だったと思う。その後次男も就職して家を離れ、何年かは家族が揃うことも少なくなったような気がする。
でも、このエッセイを打ちながら、当時のことがありありと思い出された。
最後の「お前ら、何しにキャンプに来てるんだ」の怒鳴り声で、私たちは彼らの集団がまともではないと感じた。
だから、相手にすることをやめてテントに引っ込んだような気がする。
あの時の子ども達は、今頃どんな大人になっているのだろう。





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最終更新日  2021年03月10日 10時26分02秒
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