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2024年03月01日
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テーマ: エッセイ(94)
カテゴリ: 過去のエッセイ
「あといくつ寝ると…」

 お正月には、一年ぶりに家族が揃った。長男は神戸で大学四年生、次男は兄より一年早く社会人になって東京暮らし。たった四人の家族なのに、全員揃うのはお正月だけになった。
「三年は北海道に帰らないつもりだったんだけどな…」
次男の呟きは、故郷への懐かしさを想う東京暮らしを実感させる。
「やっぱり北海道はいいよな。僕も最終的には北海道で暮らしたいと思うよ」
就職を控えた長男も、言葉を重ねる。
 そんな二人の大人びた顔が、いつの間にか幼い頃の顔に重なり、口々に問いかける声が耳に蘇ってきた。
「お母さん、あといくつ寝るとお休み?」
「明日はお休みの日?」
「今日がお休みの日だったでしょ? あと七つ寝るとお休みだよ。
いい子で保育所に行って、お友達といっぱい遊ぼうね」
 子ども達は保育園児。保育園でお友達や保母さんと遊ぶのは嫌ではないけれど、やっぱりお父さんやお母さんがお休みの日が楽しみらしい。
 子煩悩の夫は、休日にはよく遊びに連れて行く。冬はソリすべり、春は野山に山菜取り、夏は海。秋は紅葉の美しい山。動物園や遊園地、水族館などはビックイベントだ。
 休日にはたまった家事を片付けたり、少しはのんびりしたい私にとって、その状況は少々苦痛ではあったが、いつも我慢させている子ども達への罪滅ぼしと、頑張って付き合っていた。
 あの頃の子ども達にとっては、どんなにか「お休みの日」が待ち遠しかったのだろう。毎晩毎晩、よくも同じ質問を繰り返すものだと、未熟な私はうんざりしながら機械的に同じ答えを繰り返していた。
 時には、「あと四つ」などといい加減に答えると、数を知り始めた長男のチェックが入る。
「違うよ! あと三つだよ。お母さん、間違えちゃダメ!」
(知っているなら聞くなよ…)などと、愚かにも心の中で毒づいたりもしたものだ。
 ふと我に返ると、目の前には私が子どもを産んだ年に近づいた息子たちが笑っている。
 みんながお休みの日は、やっぱりいいもんだ。


このエッセイを書いてからもう27年が経っている。
長男の子供二人も社会人となり、当時の私達のように家族が揃うのも年に一度程度となっている。
すっかり世代交代をしていると実感するし、月日の経つのは早いものだと思う。
書き写しながら、そんなことがあったなあと思う。
早く寝てくれと思いながら、絵本を読んだり昔話をしているうちに私の方が眠ってしまい、
子ども達に「おかあさーん、寝ちゃダメ」とか、
桃太郎がいつのまにかカチカチ山になったりして、「お話が変になってるよ」と注意されたり…。
考えてみれば、忙しくていつも何かに追われていたけれど、今となれば楽しい思い出だ。
二人の子どもに恵まれ、育てることができたことを感謝する。





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最終更新日  2024年03月01日 12時46分26秒
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