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2026.03.08
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テーマ: 読書(9967)
カテゴリ: 読書


(以下、Amazonより)
’’金沢城で生まれた私の結婚相手はわずか生後半年で決まった。(中略)
早すぎると思うかも知れないが、当時ではごくごく当たり前のことで、
大名の子の結婚はすべて政略結婚、
祝言の日まで互いに顔を合わせず、文も交わさぬのが慣習である。
私の生まれた文化の世とはそういう時代であった。――第一章「てんさいの君」より
不思議な縁(えにし)でつながる、三つの時代を生き抜いた三人の女性たち。
聡明さとしなやかさを兼ね備え、自然体で激動の時代を生き抜く彼女らを三部構成でドラマチックに描き出した壮大な大河ロマン!
―――
加賀藩主前田斉広(なりなが)の三女・勇(いさ)は、生後半年で加賀大聖寺藩主前田利之(としこれ)の次男・利極(としなか)のもとに嫁ぐことが決まっていた。やがて生まれ育った金沢を離れ江戸へと嫁いだ勇は、広大な屋敷のなかの複雑な人間関係や新しいしきたりに戸惑いながらも順応し、大聖寺藩になくてはならない人物になっていく。だが、石高十万石を誇る大聖寺藩の内実は苦しかった。その財政を改善させるような産業が必要と考えた利極と勇が注目したのは――(「第一章 てんさいの君」)。
加賀藩の分家・小松藩の子孫である万里子。パリで生まれ、ロンドンで育った彼女は、明治41年帰国し、頑なな日本の伝統文化にカルチャーショックを受ける。やがて家とも深い縁のある九谷焼をアメリカで売る輸出業に携わることとなり、徐々に職業夫人への展望をいだくが、万里子の上に日本伝統のお家の問題が重くのしかかる。日本で始めてサンフランシスコ万博の華族出身コンパニオンガールになった女性は、文明開化をどう生きるのか――(「第二章 プリンセス・クタニ」)。
貴族院議員・深草也親を祖父に持つ花音子は、瀟洒豪壮な洋館に生まれ育ち、何不自由なく暮らした。だが、花音子が幼稚園に上がるちょうどその頃、昭和恐慌によって生活は激変。すべてを失った花音子と母・衣子は、新宿の劇場・ラヴィアンローズ武蔵野座に辿り着く。学習院に通いながら身分を隠して舞台に立つ花音子は一躍スターダムにのし上がるが――(「第三章 華族女優」)。’’
(以上、Amazonより)

「第一章 てんさいの君」を読んでみて、ありきたりの江戸時代の姫としての境遇を語った内容で、強いて読むべきものなのか、とさえ感じた。
続く「第二章 プリンセス・クタニ」は長編で、これだけで一作品となりえる分量。読みごたえは十分で小説となりうるものだと思えた。しかるに、高殿円の「​ グランドシャトー ​」ほどの感動はなかった。
ところがである。分量としては少ないが、「第三章 華族女優」は圧巻であった。武家の出で華族として生きた明治・大正を過ぎ、没落しその称号さえなくした元華族であった家の娘が成長し社会の荒波を生きていく姿は圧巻で豪快で素敵だった。女優という職業も元俳優であった私の心を揺さぶったのかもしれない。舞台の魅力、観客の声援、見る者感じる者の恍惚。波乱万丈の彼女の人生は魅力的でさえあった。この締めくくりでいい本読んだな、と思えた。


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最終更新日  2026.03.08 22:37:52
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