再出発日記

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2006年04月18日
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この間、神様の聖地で人殺しが延々と続いている 「ミュンヘン」 という映画を観たり、9.11の影響が延々と続いているさまを眺めているうち、「神とはなんだろう」という疑問がむくむくとわいてきた。
そんな気持ちもあって、久しぶりに山田正紀の「神狩り2リッパー」というのを図書館で借りてきた。
この本を借りたとき、一応前作からそのままつながっているみたいなので、先ずは前作を読もうと本屋で探して 『神狩り』(ハヤカワ文庫) を買って読んだ。昔読んだのを思い出した。

一応あらすじはこうである。
若き天才情報工学者、島津圭助は、神戸市で調査中の遺跡、花崗岩石室内壁に、ある『文字』を見せられる。
十三重に入り組んだ関係代名詞と、二つの論理記号のみの文字。
論理では解くことのできないその世界の言葉を執拗に追うある組織は、島津の卓越した頭脳に、この文字を通じて『神』の実在を証明することを強要する。
……30年前の山田正紀のデビュー作である。あの頃、半村良やら、小松左京やら、平井正和やら、星新一やら、日本SFを図書館で借りまくっていた。物語はつぎつぎと仲間がやられていって、一人残った島津が神に向かって「お前の正体を暴くぞ」と宣言するところで終わる。まるで平井和正の「幻魔大戦」ですね。なかなか面白かった。スーパーコンピューターがまだ電子計算機で、特権人種しか使えなかったころの話である。さて、30年後満を持して続きを書いたところ、どうなるのだろうか。
神狩り(2)
『神狩り2リッパー』徳間書店 山田正紀
期待して読んだ。謎は解けるのだろうか。

この30年間、山田正紀はこのような小説しか書いてきていなかったのか。これは『濃密な描写』ではない。単なる原稿の増す目潰しである。日本SF大賞をとった『最後の敵』も、推理小説でいろいろ賞をとった『ミステリ・オペラ』も私は読んでいない。だからほとんど25年ぶりの邂逅である。

『この世は神が創造した。それならば、神は人々を裁いてもそれを善い社会にするはずじゃあねえか。にもかかわらず、神は動かない。裁かない。』『人間が何をしようと、しまいが神は勝手に動く。』『神はアリバイが必要だった。そのアリバイを保つために「神」はやむおえずイエスを忙殺する必要があったわけなのさ』

ちょっとわけが分かんない説明で申し訳ない。そもそも山田正紀は人類の秘密の一端をSFという「かっこいい」小説によってみせるということに主眼を置いてきたはずだ。そこはこの間も変わってきていない。しかし、壮大なテーマを前にして、この25年間、前作以上の仕掛けを提示することが出来なかった。こんなにも何も進歩が無かったとは思わなかった。

よって、私は次の小説に手をかけることになる。





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最終更新日  2006年04月18日 23時19分22秒
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