再出発日記

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2011年07月01日
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今年も 岩波文庫「読書のすすめ」 を<無料>でいただいた。毎年この時期に呉れるのだと実は今年気がついた。気がついたときには既に第15集に入っている。こんななんだったらきちんと取って置くんだったと今思う。

もちろん寄稿人によって当り外れはあるのである。

それだけではない。今回冨岡多恵子さんが書いているのであるが、 「こういうひとたちの読書のすすめ、あるいは読書法が、本など読まなくても心身健康でマトモに生きているひとにははたして役に立ってきたのかどうか。本が常に必要で、いわば本に密着して生きる職業の人の本談義は、たとえば大工さん―本職が仕事で使っている鑿(のみ)や鉋(かんな)の使い勝手や銘柄を素人にあれこれいうようなものではないかという気もする。」 この言葉には共感する。

私は最近必要があって「鏝」という漢字を初めて知った。荒鏝、ブロック鏝、煉瓦鏝、塗りつけ鏝、仕上げ鏝、目地鏝……、そんな言葉は50年生きていて、必要なかった。それでも生きていけた。

世の中には読書を必ずしも必要としない人もいるのだということは、いつも頭の隅に持っておく必要がある。私のような別に「本に密着して生きる職業」ではなくても小さい頃から常に本が友達だったような人種は別である。

私にはあり難い無料本なのである。

今回赤川次郎さんがこんなことを書いている。

「読書は人生の予防注射になる」
と言ってきた。
(略)
必要なのは「強さ」ではない。時として打ち負かされ、絶望しても、またそこから立ち直る「しなやかさ」である。
けれども、私ももう63才になった。
「人生の予防注射」は必要ないだろう。むしろこれからは、今までの人生で埋められなかった隙間を埋めていくような読書がしたいと思っている。


私はどっちのために本を読んでいるのだろう。

あいかわらず、手当たり次第の濫読はやめれそうにない。

でもそろそろ、隙間を埋めていくのもいいかもしれない。煉瓦やブロックは綺麗に正確に積むことだけが重要なのではない。最後の目地仕上げが綺麗かどうかで全然仕上がりが違ってくる。目地鏝で僅かな材料を掬い取り隙間を埋めて綺麗に仕上げる。というのもなかなかな「仕事」なのである

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最終更新日  2011年07月01日 21時32分19秒
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