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2021年08月25日
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テーマ: 本日の1冊(3691)


「自分で天気を予報できる本」武田康男 中経文庫

私は1時間だけ、人よりも未来を予測できる。
全ての未来ではない。空の未来である。
我ながら自分のこの能力を誇っている。
周りは誰一人としてその能力を持てるのに持とうとしない。仕事上絶対必要なのに!
「何か雨が降りそうな雲行きよね」
というのはまだ良い方。
「今日は雨が降らないかしら」
と、ただ心配するだけ。
「なんだか明るくなったから雨は降らないわよ」
残念でした。反対方向から急速に雨曇がやってきていて、30分過ぎには雨が降り出すのだ。
私は彼らを、心の中だけで、「無学の人」、「義務教育卒業者」として位置付けている。そして私は「高校生」である。私の上には「研究者」、そして一年後もほぼ正確に未来予測できる「知識人」が存在するだろう。
そうです、私は単に、必要な時に「雨雲レーダー」を見るようにしているだけなのである。私たちのように、比較的広い市の海沿いに住んでいる者にとって、テレビの天気予報ほど当たらないものはない。それなのに一般庶民は、未だに雨が降るかどうかは運任せと思っている。私は天気を唯一未来透視ができる分野だと思っている。市の北の辺りで雨は降るかもしれないが、海沿いでは海風のお陰で大抵は雨雲は逸れるのである。それが雨雲レーダーを見ているとよくわかる。しかし、雨雲レーダーが98%当たるのは1時間以内のみ。コンピュータは天気予報官のようなプライドはないから、30分ごとに見事にコロコロと予測を変えてくる。よって私の予測は1時間しか適用できない。しかし、この未来予測のおかげで、私は滅多に雨具の用意で失敗したことがない。

遠い昔、稲作が一千年も続いた弥生時代晩期の頃、一つのクニには、必ず「ソラミ」という専門職がいたと、私は(かってに)想像している。

ソラミに、低気圧や高気圧等の科学的知識はないけど、一千年蓄積された経験があるだろう。山に囲まれたクニだけの予測ならばかなり正確になるだろう。彼はどの山にどの雲が出て、どの風が吹いても即座に予測を立てることができるだろう。おそらく、その知識は「研究者」ぐらいの水準になっていたのではないか。
当然
「澄んだ朝焼けは晴れ」
「朝の虹は雨、夕方の虹は晴れ」
ぐらいは簡単に予測できる。
10分ぐらいでムクムク上がる入道雲は、龍神の登場と思っていたかもしれないが、立髪が流れるように雲が飛んでいけば
「今回は龍神さまは顔をお見せになっただけ」
などと言ったかもしれない。直ぐに流れる入道雲は雨を降らさない。
本書では予測という言い方はされていない。予報なのだ。
あらゆる空の現象は、風の向き、湿度、温度、季節、時、色、等々の総合の中で判断される予報なのである。
おそらく、ここに書かれていたり、写真で説明されているあらゆる「現象」はソラミの常識のようなものだっただろう。

この本は天気予報の入門書みたいなものである。大きな特徴は、具体的な写真が豊富で、見比べて今直ぐの予測が立てやすいことだろう。けれども、「ソラミ」ぐらいになれば、半年後の予測もしなければならない。むしろそちらが重要だ。この本にはそういう情報は一切なかった。






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最終更新日  2021年08月25日 15時38分40秒
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