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2022年01月07日
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カテゴリ: 洋画(12~)
2021年12月に観た映画は8作品でした。三回に分けて紹介します。

「そして、バトンは渡された」

映画の時、私は「絶対ファンタジーにしてほしくない」と思っていた。ちょっとあり得ない設定だけど、あり得るかな、と思わせて欲しい、と思っていた。それは出来たか?

子役は可愛かったけど、やはり荷が重かったと思う。ファンタジーにしないためには、みぃーたんが父親に捨てられたと思ったとき、みーたんが母親に捨てられたと思ったとき、その傷を隠しながら立ち直る様を映像として見せなくてはならなかった。

それは観客の想像にまかされた。
でも、それは奇跡だと思う。
もちろん、泣くよりは笑顔でいようという母親の教えがあったからこそ、高校生活を乗り越えられたとは思う。でも1番重要だったのは、小学校5-6年だ。その時の複雑な心情を全部省略したのはダメだ。

稲垣来泉が幼い頃の宮崎あおいにそっくりで、ファンとしては、父親になったような気持ちになった。もちろん、幼い頃のようなカリスマ性はない。でも、そっくりというのは、こんな複雑な気持ちなんだ!


【ストーリー】
瀬尾まいこ原作『そして、バトンは渡された』(文春文庫 刊)を永野芽郁×田中圭×石原さとみ出演で映画化。4回苗字が変わっても前向きに生きる優子(永野芽郁)と義理の父森宮さん(田中圭)。そして、シングルマザーの梨花(石原さとみ)と義理の娘・みぃたん(稲垣来泉)。ある日、優子の元に届いた母からの手紙をきっかけに、2つの家族が紐解かれていくー。優子が初めて家族の《命をかけた嘘》を知り、想像を超える愛に気付く物語。映画のラスト、驚きと感動であなたの幸せな涙があふれ出す……。

【公開日】    2021年10月29日
【上映時間】    137分
【配給】    ワーナー・ブラザース映画
【監督】    前田哲
【出演】    永野芽郁/田中圭/岡田健史/稲垣来泉/朝比奈彩/安藤裕子/戸田菜穂/木野花/石原さとみ/大森南朋/市村正親

2021年12月6日
イオンシネマ岡山
★★★

「コレクティブ 国家の嘘」

もの凄いドキュメンタリーを観た。最初はジャーナリストが鋭く国家の嘘を大暴きにして、国が転覆しないまでも一新するのではないかと期待をもたせる。

お決まりの重要人物の事故死があり、直ぐに反対派が保健相に就くなどの改革まである。

想田監督と同じ、観察映画に徹する絵つくりが、まるで映画のような緊迫感を生む。

そして、まさかのラスト。

2016年ごろから世界を席巻するポピュリズムの政治、そして2020年から始まる世界感染症の医療危機をも彷彿させる、ヨーロッパの一小国の「9割が腐敗している」現状、そしてまるで今年冬の日本の総選挙を彷彿させる程投票率のもとでの保守党の「圧勝」!「もう30年、ルーマニアは変わらないぞ」と叫ぶ父親の電話が、もう痛くて痛くて。

(ストーリー)
2015年10月、ルーマニア・ブカレストのクラブ・コレクティブでライブ中に火災が発生。27名の死者と180名の負傷者を出す大惨事となったが、一命を取り留めたはずの入院患者が複数の病院で次々に死亡、最終的には死者数が64名まで膨れ上がってしまう。カメラは事件を不審に思い調査を始めたスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長を追い始めるが、彼は内部告発者からの情報提供により衝撃の事実に行き着く。その事件の背景には、莫大な利益を手にする製薬会社と、彼らと黒いつながりを持った病院経営者、そして政府関係者との巨大な癒着が隠されていた。真実に近づくたび、増していく命の危険。それでも記者たちは真相を暴こうと進み続ける。一方、報道を目にした市民たちの怒りは頂点に達し、内閣はついに辞職へと追いやられ、正義感あふれる保健省大臣が誕生する。彼は、腐敗にまみれたシステムを変えようと奮闘するが…。


カタリン・トロンタン
CATALIN TOLONTAN (47)
調査報道記者・スポーツ記者
ガゼタ・スポルトゥリロル紙の編集長を務めるスポーツ記者。この数年間、ルーマニアのスポーツと政治の腐敗に関する一連の調査を主導し、何人もの大臣の辞任や、何人もの政治家の投獄に繋がった一連の裁判を引き起こしたことで、大きな名声を得た。 クラブ「コレクティブ」の火災の後、編集者チームのミレラ・ネァグ(47)とラズバン・ルツァク(21)と共に、コレクティブの悲劇に関与した国家機関の役割を調査し始めた。コレクティブの火傷患者に影響を与えたブカレストの病院での医療行為に関する彼らの調査は、ルーマニアの歴史において最も偉大なジャーナリストによる捜査のひとつである。また、ヘキシ・ファーマ社に対する徹底的な調査は、医療システム全体を崩壊させた。

ヴラド・ヴォイクレスク
VLAD VOICULESCU (33)
金融スペシャリスト、慈善家、
保健相(2016年5月〜12月)
ウィーンにあるエルステ銀行の投資部門の副社長として長年勤務していた。27歳で「サイトスタティック・ネットワーク(cytostatic network)」を設立し、薬を入手できない患者のために、オーストリア、ドイツ、ハンガリーからルーマニアにがん治療薬を密輸する数十人のグループを結成。患者の権利を守る活動をしていた彼は、前任者が辞任に追い込まれた後、新たに保健相に就任した。彼は大臣のオフィスをアレクサンダー・ナナウ監督に開放し、保健省への前例のない常時アクセスを可能にする。

テディ・ウルスレァヌ
TEDY URSULEANU (29)
建築家
火災の生存者。頭や体に重度の火傷を負い、指は切断しなければならず、容姿は大きく変わってしまう。しかし、彼女は前向きで、生きていることに喜びを感じる。新しい自分を受け入れ、自分のトラウマをアートで癒すことで、他の人の手本になりたいと考えている。

カメリア・ロイウ
CAMELIA ROIU (47)
ブカレスト大学病院の麻酔医
「コレクティブ」クラブの火災の後、ルーマニア初の内部告発者となった。彼女は、火傷患者の死因についてルーマニア当局が厳重に管理していた秘密を、ガゼタ・スポルトゥリロル紙のトロンタン氏と彼の調査チームに明かすことを決意する。彼女の勇気に触発され、医師や関係者らは、ルーマニアの医療システムに蔓延る不正の告発に乗り出した。

2021年12月7日
シネマ・クレール
★★★★

「パーフェクト・ケア」
医者と施設と後見人が結託したら、合法的にやり放題なのか?とっーても怖い作品。

途中からヤクザと知恵合戦、復讐合戦になるけど、それは映画的サービスに過ぎない。まぁ、どっちともやられて欲しい、できたらマーラの方がやられて欲しいと感じたのではあるが、最悪の展開に‥‥。ラストも、気持ちいい終わり方じゃない。でも、これがこの作品の価値だといえば、その通り。観て後悔はしない、観て良かった。この恐怖感をあと数十年間持続して、間違い犯さないようにしよう!

ところで、途中マーラが奥歯を死体に埋め込んで偽装工作をやる映像が執拗に出てきたが、意味ないので、あれは編集でカットしたほうが良かったんじゃないか?それよりも、あのあとCEOとして成功する過程をもっと描いて欲しい。全然リアルじゃない。

悪の描き方としては、近年ないエグさ。女の同性愛者というのは、あり得る設定であり、許せる。相棒(エイザ・ゴンザレス)も美人で、ちょっと羨ましい。そういえば、敵役も小人で、監督にちょっとこだわりがあるのかもしれない。まぁキャラ設定としては、アメリカあるある。日本ではあまりやらない。


STORY
判断力の衰えた高齢者をサポートする法定後見人マーラ・グレイソン(ロザムンド・パイク)は裁判所からの信頼も厚いが、その正体は合法的に高齢者の資産を奪い取る悪徳後見人だった。彼女は新たな獲物として、資産家のジェニファー(ダイアン・ウィースト)に目を付ける。身寄りのない彼女なら難なくだませるはずだったが、その背後にはロシアンマフィア(ピーター・ディンクレイジ)の影が見え隠れしていた。

(解説)
デヴィッド・フィンチャー監督の映画『ゴーン・ガール』(14)で失踪した妻エイミーを怪演し、第87回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど高い評価を獲得した俳優ロザムンド・パイクのあらたなる最高傑作が誕生した!

主人公マーラを演じたロザムンド・パイクは本作で第78回ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)受賞。監督は『アリス・クリードの失踪』(11)のJ・ブレイクソン。

キャスト
ロザムンド・パイク、ピーター・ディンクレイジ、エイザ・ゴンザレス、ダイアン・ウィースト
スタッフ
監督:J・ブレイクソン
プロデューサー:テディ・シュウォーツマン、ベン・スティルマン、マイケル・ハイムラー
撮影監督:ダグ・エメット
美術監督:マイケル・グラスリー
衣装デザイナー:デボラ・ニューホール
音楽:マーク・キャナム

2021年12月14日
MOVIX倉敷
★★★★





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最終更新日  2022年01月07日 19時41分03秒
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