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歌手さだまさしさんのコンサートに行くと、トークがとても面白いです。さだまさしさんは、高校時代・大学時代ともに落語研究会(いわゆる「おちけん」)に所属されていたそうで、落語家としての腕前もかなりのものです。思い出話のディテールを見事に再現するその話の奥深さとおもしろさ。「話をすること」に少しでも関係のある人は、この方のトークはぜひ一度聞いておかれたほうがいいんじゃないかと思います。#話し方の勉強になります!トークの内容は、多岐にわたります。めちゃくちゃ笑える話もありますが、ある教訓が得られたり、感動を覚えたりすることもしばしば。歌よりもトークを楽しみにしているお客さんも多い、というのもうなずけます。そういうわけでトークだけを集めたCDが以前から売られていたりするのですが、なんと、トークだけを集めた本も、出ていました。『さだのはなし ~さだまさしステージトーク集~』[ さだまさし ](絶版につき、リンク先は電子書籍版)この中に、「安本学級」という話が収録されています。(p79~85)「安本先生」は、さだまさしさんが高校2年の時の先生だそうです。とてもすてきな先生だったことが、さだまさしさんのトークの端々から伝わってきます。ぜひ、みなさん、読んでください。#もしくは、聴いてください。トークの最後で紹介されていた「安本先生」の言葉は、次のようなものでした。・「学校というところは勉強しに来るところじゃない。 勉強というものを勘違いするな、 勉強というのは学校を出てからするもんだ。 学校に通う時間というのは、勉強するための方法を教わりに来てるんだよ、 勘違いするなよ」(p85より)さだまさしさんの高校時代というと、ずいぶん昔のことになりますが、これは、今でも通じる、普遍的な、大切なことだと思います。「学校」というものをどうとらえるか?「勉強」というものをどうとらえるか?さだまさしさんのトーク集を読んで、僕は改めて考えさせられました。さだまさしさんのトークは前振りも含めた全体の構成が本当にうまいので、ぜひ全体を通して聞いてほしいと思います。トーク集の最後におさめられていた「『未来』は『希望』の別名」という話も、とてもよかったです。さだまさしさんの話は、笑えるところももちろんたくさんあるのですが、じーんとくる話もたくさんあって、それらが絶妙に混じり合っています。特に、50代以上の方は、さだまさしさんが昔を振り返って話されるエピソードの中のディテールに、共感できるところも多いのではないかと思います。ところで、この本には、「ファンが選んだBEST10ランキング ○○編」というのが、いくつか載っています。その中には「この歌詞が好き!」というランキングもありました。僕はずっと前にさだまさしのファンクラブに入っていたこともあるくらいなので、まあ、だいたいの曲やトークは知っているのですが、僕が知らない曲が、このランキングには何曲か入っていました。さだまさしと言えば、「詞がいい」ということで、有名です。さだまさしの場合は「作詞」と書かずに「作詩」と書く、というほど、詞にこだわりがあり、歌詞が胸を打つものが多いのです。僕の知らなかった曲でランキングインしていたものを調べて聴いてみました。そして、またまた「心の友」と呼べるような、名曲に出会えました。その中の1曲に、「祈り」という曲がありました。曲も詞も、ほんとうに素晴らしいと思いました。映画「祈り -幻に長崎を想う刻-」の主題歌だったそうです。長崎出身のさだまさしさんの平和への願いが、この曲に込められていると思いました。P.S.トークだけを集めたCD、なんと今年にも出ていました。比較的近年の録音が集められている気がします。#ネタは定番の鉄板ネタがおおいかな?【おまけCL付】2024.05.22発売 歌ってはいけないCD ~さだばなし 迷作集 令和六年版~ / さだまさし▼コスモス ~群れあった個々が、別の色~(2016/10/25の日記) ▼さだまさし『アントキノイノチ』(小説)(2009/09/23の日記)
2024.05.28
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うちの子はサッカーが大好きで、よく家の中でサッカーをしています。(笑)僕はサッカーが得意なわけではありませんが、中高生時代には『キャプテン翼』にハマっていました。あの時代、『キャプテン翼』に感化されてサッカーを始めた子が、いっぱいいました。その中からプロも出てきたようです。#ボールは友だち!こわくないよ!そんなわけで、今日は『キャプテン翼勝利学』という本を紹介します。マンガ『キャプテン翼』内のエピソードと、現実のサッカーの試合のエピソードの両方を参照し、興味深い考察を加えている本です。『キャプテン翼』作者の高橋陽一先生の公式の許可をいただいているようで、マンガの大ゴマもバシバシ引用されていて、「キャプつば」ファンなら読んで損はない1冊です。これが、けっこう勉強になります。『キャプテン翼勝利学 』(集英社文庫) [ 深川 峻太郎 ]上の本は文庫版ですが、僕が読んだのはその前の版です。引用に際し、手元の本のページ番号を書きますが、文庫版ともしかするとページ番号がずれているかもしれません。あらかじめご了承下さい。僕が特に勉強になったのは、次の箇所です。第6章の最後「思考を過去や未来に飛ばすべからず」(p72-74)のところです。・試合でのパフォーマンスは「実力+セルフイメージ」の総和で決まる・「セルフイメージは、思考が過去や未来に飛んでいるときに小さくなる」・昨日や明日のことを考えていると、今日のことがおろそかになる(p73より)・目の前のプレイに集中していないから、セルフイメージが縮小してパフォーマンスが落ちるのだ。・人間、「皮算用」にふけってボンヤリしていると、ろくなことはないのである。(p74より)上の考えはスポーツドクターの辻秀一先生のものらしいです。上の記述の前に、その先生の著書が紹介されていました。『痛快!みんなのスポーツ学』 / 辻 秀一 / 集英社インターナショナル スポーツだけでなく、広くいろいろな場面で、このことは覚えておくとよさそうです。大事な場面こそ、「今ここ」に集中することが大事ですよね!ところでこの本には『キャプテン翼』の名台詞も、もちろん引用されています。最後に、僕がたしかにこれは名台詞だと思った名台詞を引用して終わります。・「今のは次藤のオウンゴールじゃない。 おれたち全員のオウンゴールだ」(p93より このシーンのマンガはp92に掲載)このセリフ、覚えておいて、僕もぜひ使いたいと思います。(関連する過去記事)▼今読むべき 公立野球部 改革の物語 ~コージィ城倉/ちばあきお『キャプテン2』 (2021/05/29の日記)
2024.05.26
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明日から3連休です。心弾みますね。こういうときは、おもしろい本を読んで、わくわくを加速させるとよさそうです。めっちゃおもろい本を、ご紹介します。『80時間世界一周』【電子書籍】[ 近兼拓史 ](※紙の本はブックオフなどの古本屋さんで入手可能)▼読書メーターのサイトから試し読みができます。著者は、今では兵庫県丹波市で映画館の支配人をされています。こんな本を出されていたとは、少し前まで、知りませんでした。ほんとうに多彩な活動をされている方です。タイトルの通り、LCC(格安航空)を使って、80時間で、世界一周をされています。それも、ただ一周するだけではなくて、ちゃんと観光もされています。安く航空券をとるワザとか、航空券の値段の裏側にあるしくみとか、各地の歯に衣着せぬレポートとか、とにかく勉強になることがたくさん。自分も世界一周旅行に出かけることを夢みながら、ぜひ、読んでほしいと思います。僕はけっこう世界の国に興味があります。なので、特に各国の滞在記は、楽しく読ませてもらいました。本書の企画である世界一周の前にも、著者は世界各国に何度か行かれたことがあるようで、それぞれの国のことをよくご存じです。たとえば、次のような描写を、驚きながら、爆笑しながら、読ませてもらいました。・中国人の笑い話で 「紙のないトイレと壁のないトイレならどっちがいい?」 という話があるが、 実際には両方ないことの方が多い。 ”ニーハオトイレ”と呼ばれるそのトイレは、 ただ地面に穴が並んでいるだけ。(p84より)この本を読んで、「世界は本当に多様だなあ」と思いました。▼丹波市唯一の映画館「エビスシネマ」の音響は日本一!? (2021/10/11の日記)▼55人の世界一周体験を集めた自主製作本『ROUTE55』 (2021/08/17の日記)▼細貝駿『小学校教師を辞めて、世界の学校を回ってみた』 (2021/08/16の日記)
2024.02.22
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前回の続きです。未読の方は、まず上のリンク先をお読みください。今回も、マンガ『ハルコロ』の第2巻より、今回は、著者によるあとがきから、引用します。『ハルコロ 』2(漫画:石坂啓・原作:本多勝一・監修:萱野茂)・自然との共生――、 いまでこそふつうに唱えられていますが、 その考え方が根づいたアイヌの人たちのくらしには 教わることが多いです。 私が驚かされるのは口承芸術の世界です。・文字があるばかりに、 文字に頼ってしまうところが たぶん私たちにはあります。・絵本なしで、文字なしで、 アイヌのフチ(おばあちゃん)たちは 50も100も子どもたちにお話を聞かせていたというのです。・4晩かかってもまだ終わらないユーカラを、 ひとりで演じることのできる名人。 どんなに胸踊る舞台だったことか、 でもそんな長大な物語が いったいどうやって文字なしで伝承されてきたのか(『ハルコロ』文庫版 第2巻 p281-282より)「自然との共生」は、僕にとっても、大切なテーマです。アイヌ文化が大切にしてきたものは、僕が大切にしてきたものと、かなり通じるところがあります。そして、前回同様、ここでも、文字がないことで、かえってゆたかな口承芸術が成立していたことが、書かれています。実は、「読み書き障害」のお子さんを担当していると、文字を読むのがとても苦手な代わりに、お話をすぐに覚えてしまうお子さんに、何度も出会います。学校では、音読の宿題が出ます。その音読を、教科書を見ずに、ほぼ正確に、読めるのです。いちおう教科書はひらいているのですが、目線を見ると、まったく文字を目で追っていないのです。おぼえているお話を、読んでいるように見せかけて、語っているのです。これは、アイヌの人たちと同じような、才能かもしれません。世の中には、いろんな才能があるのですね。便利なものがあるから、それに頼って、人間自身が持っていた能力が、どんどん鈍っていってしまうということがあります。上の文章ではそれは「文字」でしたが、皆さんはもうお気づきでしょう。そうです。現代社会の「スマホ」などの情報機器も、それにあたると言えるでしょう。便利さを手に入れた代償が、あるかもしれない。そんなことにも気づかせてくれる本でした。漫画として非常に完成された作品です。難しいことは何も考えずに、アイヌのくらしを追体験するようにして読むことができる作品です。ぜひ、お読みください。『ハルコロ』(1) (岩波現代文庫 文芸338)[ 石坂 啓 ]▼この冬読んだ、アイヌに関する本4冊 (2024/01/29の日記)▼過去に学べ ~万博が抱える黒歴史「人間動物園」(東京新聞) (2024/01/28の日記)
2024.02.01
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昨日の日記で、「この冬は、アイヌに関する本をいくつか読みました。」と書いていました。具体的には、以下の書籍です。『知里幸恵物語 アイヌの「物語」を命がけで伝えた人』 (PHP心のノンフィクション)[ 金治直美 ]↑子ども向けに書かれているので、とても分かりやすく、読みやすかったです。『ハルコロ』(1) (岩波現代文庫 文芸338)[ 石坂 啓 ]『ハルコロ』(2) (岩波現代文庫 文芸339)[ 石坂 啓 ]↑マンガです。 和人の侵略を受ける前の、アイヌの暮らしがよく分かります。 著者は、手塚治虫の弟子にあたる方。 とても丁寧なタッチで描かれています。 これは、名作!『アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた 失われたカムイ伝説とアイヌの歴史』[ カベルナリア吉田 ]↑北海道中をまわる旅行記。 ブログを本にしたような感じです。 アイヌに関係ない話題もかなり出てきます。 個人的なレポートという印象ですが、大いに参考になりました。テーマを絞って関連図書を並行読書すると、1冊の本だと見えてこなかったことが見えてきて、立体的な理解につながります。具体的には、また次回以降でご紹介します。
2024.01.29
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毎日寝る前に少しずつ聴いていたオーディオブック。▼デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (Audible版:著者: 丸山 正樹、ナレーター: 岡井カツノリ、再生時間: 8 時間 6 分)ついに、最後まで聴き終わりました。すごく、よかったです純粋に一般読者の方向けに書かれたミステリー小説なのですが、手話を言語として話されている方々に非常に丁寧に取材されて書かれていると感じました。僕が知らなかったこともいっぱい出てきて、驚かされました。↓書籍版は、こちら。『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』 (文春文庫) [ 丸山 正樹 ]僕は、Audible(オーディブル)のオーディオブック聴き放題サービスに入っています。これまでにもこのブログでとりあげたことがありますが、そのクオリティの高さとバリエーションの豊かさには驚嘆しています。いろんな作品が聴けるので、ついいろいろ聴きたくなって、少し聴いてはまた違う作品を聴くことが多いのですが・・・今回の『デフ・ヴォイス』は、のっけからひきこまれ、最近では珍しく、物語の最後まで2~3週間をかけて、ずっと聴き続けていました。岡井カツノリさんの朗読がすごくうまくて、手話のシーンの解説など、僕が読むならすごく悩む場面も多々あったのですが、みごとに変化をつけて読まれていて、さすがでした。原作本をそのまま読むより、オーディオブック版で聴く方が、もしかしたらこの作品には合っているのかもしれないと思いました。この作品はつい最近、ドラマ化されましたよね。先日ドラマ版の前編がNHKで放映され、今後も同じ回の再放送が予定されています。#後編の放送は、12月23日(土)夜10時からだそうです。僕は、オーディオブックを聴き終わってからドラマを観ようと思っていたので、録画したまま、おいてあります。後編の日程が先ほど分かったので、そちらも、今、録画予約したところです。ドラマ版を観るのも、今から楽しみです。▼NHKドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」公式サイト「あとがき」のなかで作者の方が、「読書メーター」でとりあげられてから広く一般読者に読まれるようになっていったということを書かれていました。その「読書メーター」もチェックしてみました。たしかに、すごいレビューの数でした!▼「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」文庫版 (読書メーター内、原作の試し読みも可能)▼おすすめの「耳から読書」は、「ド○○○先生」!(Audibleで聴ける名作児童文学) (2023/01/24の日記)▼ピアノと朗読で聞く「なめとこ山の熊」(Audible)などのこと (2023/06/06の日記)▼楽しくバリアクラッシュ! 手話エンターテイメント発信団oioiさん (2023/04/26の日記)
2023.12.20
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昨日・おとといと、アメリカやイギリスの教育の話が出てきました。ブログを見に来て下さっている方は、きっと「外国の教育ってどうなっているのかな?」と気になっていることでしょう。#きっと、そうでしょう。そこで今回は、『6カ国転校生』という本に書かれた、諸外国の学校での様子を参照したいと思います。『6カ国転校生 ナージャの発見』(キリーロバ・ナージャ、集英社インターナショナル、2022、税別2200円)本書は、実際に子ども時代に6カ国を転校生として渡り歩き、諸外国の学校に児童生徒として学んでいた筆者の体験談が語られている本です。非常に具体的に体験を綴っておられるので、臨場感たっぷりで、おすすめの本です。説明だけでなく、イラストも豊富に掲載されています。教育に関心がある方なら、ぜひ、読んでほしいと思います。僕は、良質の絵本を読んだ後に得られるような「気づき」を、この本を読んだ後に得られました。きっとあなたも、「日本の当たり前」が世界の当たり前ではないことに、気づくと思います。たとえば、普段の筆記具。日本では、当たり前に、鉛筆を使っていますよね。でも、ロシアは、ペンなんです。ほかにも、ロシアでは朝食が学校で出るとか、驚くべきことが、いっぱい書いてありました。フランスでは、「多くの人は家族と一緒にお昼を食べるために家に帰る」んだそうです。「親も同じように長めの昼休みがあって家に帰って食べる人が多い」のだとか。(p52)それぞれの国民性が表れていて、おもしろいなあと思いました。一方で、前回・前々回と同じく、「これでいいのか、日本!?」と思えるエピソードもありました。この本自体は基本的に、それぞれの国のやり方は違っているけれど、それはそれでいい、といった書きぶりで書かれています。ただ、僕には、次のエピソードなどは、かなり気になりました。・わたしは、12歳からベジタリアンになったのだが、そうすると日本の給食で食べられるものはほとんどない。サラダにもハムが入っていたりするし、スープには肉系のエキスが、ごはんは鶏の炊き込みだったりする。そうすると、わたしが口にできるのは牛乳だけ。ほぼ1年間、多くの日、牛乳だけを飲むことが続いた。(p56より)日本に来たら昼食に食べられるものがほとんどなくて、牛乳だけ飲んでそれで給食時間は終わりということが1年間続いたとは・・・「それでいいのか、日本!?」と思いました。ただ、筆者は今ではもうずいぶん大人になっています。この本は自らの子ども時代の各国での学校での生活を、大人になってから思い起こして書かれたもの。なので、今の話ではなく、過去の話なのです。だから、今ではずいぶん違ってきていることも、あると思います。上に出てきたような日本の給食のエピソードも、今ではアレルギー対応などが進んできたこともあり、かなり個別の事情に対応した給食の提供がされるようになったのではないかな、と思います。#アレルギーの子は増えているような気がする。#食べられない食材を除去した給食が個別に提供されることが増えてきていると思う。本書では、単純なモノや環境のちがいだけでなく、それぞれの国の教育で重視していることもかなりうかがえました。それが、とてもおもしろかったです。たとえば、次のようなことが書かれていました。・イギリス → 「ここは個人戦ではないんだ」(p37)・フランス → 「意見を述べないとここにいる意味がなくなる」(p37)・アメリカ → 「目的に応じて座り方を変える」(p39) 「能力に応じて問題を変えることができる」(p39) 「整列するという概念などなかった」(p44) 「ここではカラダを動かすことを楽しむのが体育の目的」(p45)本書は非常に興味深い内容が多く書かれている本なので、また次回も、続きを参照したいと思います。今日のブログは、p57までを読み返しながら書いたので、次回はp58以降を読み返していきます。興味がある方は、また次回も、見に来てくださいね。▼「個別の指導計画」はどうあるべきか?~イタリアやカナダのインクルーシブ教育をふまえて~ (2023/08/14の日記) ▼フィンランドのインクルーシブ教育 ~矢田明恵「フィンランドにおける学習困難への対応」 (2023/08/15の日記) ▼細貝駿『小学校教師を辞めて、世界の学校を回ってみた』 (2021/08/16の日記)
2023.10.10
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昨日までの土日は、大津での学習会に参加していました。そこで思いがけず「池田賢市さん」のお名前が出たので、びっくりしました。ついこの間まで、池田賢市さんの次の本を読んでいたのです。『学びの本質を解きほぐす』(池田 賢市、新泉社、2021、2200円)印象に残ったページの端を折っていたら、半分ぐらいのページを折ることになりました。また、この本と同時並行で、次の本も読んでいました。『冒険の書 AI時代のアンラーニング』(孫 泰蔵、日経BP、2023/2、1760円)この本も、とても勉強になる本で、ページの端を折っていたら、これまた、半分ぐらいのページを折ることになりました。この2冊、共通する点がかなり多くあり、並行読書をしていると、「こっちでも、同じようなことが、書いてある!」と驚きました。どちらも、教育の本質的なところに具体的にグイグイアプローチしていく本です。先生方の夏休みの読書に、おススメです。本の詳しい内容については、また改めて紹介したいと思います。今回はとりあえず、書名の紹介だけ。
2023.07.31
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昨日は少年時代のなつかしいファミコンの話を書きました。ついでに今日も、少年時代を振り返ってみたいと思います。Facebookで、「自分が子どもの頃の教科書が確認できるサイト」を教えてもらいました。▼光村図書 教科書クロニクルhttps://www.mitsumura-tosho.co.jp/webmaga/chronicleあなたの生年月日を入力すると、その頃学んでいた教科書が出てきます!僕の場合、かなり忘れている作品も多かったです。今でも強烈に印象に残っているのは、「つり橋わたれ」。吊り橋を見るたびに、思い出します。4年生の教科書だと思っていたけど、上のサイトで調べたら、3年のでした。そのへんの細かい記憶は、あいまいですね。上のサイトだと、収録作品のタイトルは出てきますが、本文を読むことはできません。↓実際に教科書作品を読みたくなった方は、こちらをどうぞ。Mitsumura library the best selection(全6冊 (光村ライブラリー)光村ライブラリー 中学校編(全5巻) [ 田中 洋一 ]↓フリー画像サイトにあった教科書の画像。これはちょっと古すぎるかな?教科書も時代によって変わっていきますが、僕が子どもの頃に学んだ作品の半分くらいは、今の子どもたちも学んでいるようです。それだけ、普遍的な価値がある作品が多く収録されているということでしょうね。▼国語教科書「たずねびと」の原爆について教える~井上ひさし『父と暮らせば』▼新美南吉「ごんぎつね」の子どもの疑問:火をつけるいたずら「どうやってしたの?」▼スーホは女の子?(小2国語「スーホの白い馬」:「スーホってどんな人?」)▼「たから島のぼうけん」の創作物語を考えるのにも使える!宝島を舞台にしたアンプラグドプログラミング教材▼朗読により文学作品の情景が立ち上がる!~稀代の朗読マンガ『花もて語れ』
2023.07.17
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年度末で忙しすぎて、頭がぱにっくです。ぱにっく・ぱにっく。こういう時期は家でのちょっとした休憩時間には、マンガでも読んで気持ちを明るくしたいものです。ちょうど少し前に楽天Kobo(楽天の電子書籍)の無料作品の案内が来ていました。そこの無料作品の中の「数字であそぼ。」という作品が超面白かったので掘り出し物でした。↓こちらは通常版。送料は無料。レビュー多数。『数字であそぼ。』(1) (フラワーコミックス α)(絹田 村子)数学が得意だったはずが、暗記で乗り切っていたことが分かり、大学入学後の数学が一気に分からなくなって落ち込む主人公の物語です。独特のテンポ感ととぼけた感じが、ツボでした。数学ものですが、笑える要素が強く、教師の気分転換には最適です。(笑)大学が舞台なので、いちおう、学園ものかな。大学時代を懐かしく思い出せる内容で、気持ちが若返るので、そういう面でも、おススメです。↓楽天Koboの無料作品一覧サイト(期間限定)▼無料で読める! :楽天Kobo電子書籍ストア (rakuten.co.jp)↓無料の「数字であそぼ。」(期間限定)▼数字であそぼ。(1)【期間限定 無料お試し版】 (フラワーコミックスα) [電子書籍版]ちなみにAmazonでも期間限定無料でした。楽天でもAmazonでも、期間は3/23まで!
2023.03.14
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コミックエッセイが好きで、よく読んでいます。古本屋で買ってきたり、図書館で借りてきたりしています。このあいだ図書館で借りてきた本が、すごくよかったので、紹介します。いろんな職業やいろんな生き方が気になりますが、自分の人生で経験できるのは、ほんのひとにぎり。「やってみる」ことも、「なってみる」ことも、なかなか実際には難しいことも、多々あります。でも、経験しないと分からないことって、たくさんある。知らなかった世界を知ることは、貴重な学びです。マンガには絵やセリフがあって、手軽に没入体験をしやすいので、「こんなんなんだ!」と知る入り口にはもってこいです。あなたもコミックエッセイで気軽にいろんな紙上体験、してみませんか?『農家メシ!』(パウロタスク)農家の暮らしがわかるコミックエッセイ。見やすくてかわいらしい絵柄で、ほっこりします。印象的だったセリフが、こちら。「自分の好物よりも 誰かの好物の方が・・・ その人の幸せを感じられて いいよなあ・・・」(p199より)農家のくらしのあたたかさが感じられる、よい本でした!農家の学習の参考図書としても、使えるかも?『わたしの舞台は舞台裏 大衆演劇裏方日記』(木丸 みさき)大衆演劇の舞台裏がわかって、とてもおもしろかった❗️演劇が大好きなので、個人的に、今回紹介する本の中で一番おもしろかった本です。『カバーいらないですよね』( 佐久間 薫)本屋さんの本です。本屋さん大好きなので、そのお仕事にも興味津々。本屋さんの仕事のバリエーションや、その苦労がよく分かります。本屋さんに興味がある人に、おすすめ!『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』(古泉智浩)著者の「里親」としてのマンガでのレポート。著者は、本職のマンガ家さんです。「うーちゃん」の行動が愛らしく、おもしろい子どもがかわいくて仕方ないところが伝わってくる愛情いっぱいの本。親子関係は血縁によらないことを思いました。『スーパーの野菜売り場でパートやってます。 買い物が楽しくなる!お仕事コミックエッセイ』( 伊吹 かのこ)野菜や果物の選び方や保存に関するお役立ち知識も!読みやすいコミックエッセイです!大学時代にゆめタウンでバイトをしていたときのことを思い出しました!『まんぷく名古屋』(森下えみこ)「るるぶ」を読んで一番気になっていたのが、名古屋メシでした。独特のものが多く、気になりつつも、なんだかよくわからないままだった名古屋メシ。これを読んで、よく分かるようになりました。名古屋のモーニングのサービス精神には、びっくりですぜひ食べに行きたいです。(このシリーズには、ほかにもいろんな地域の「まんぷく○○」があります。)僕の地元にある、T市S図書館は、コミックエッセイの品揃えが豊富です。上に紹介した以外にも、細川貂々さんの本とかも、いっぱいありました。図書館の蔵書には司書さんの個性が出るので、館によって力を入れているコーナーが変わるのがおもしろいですね。T市在住でコミックエッセイが好きな方は、一度行かれてみることをオススメします。公設図書館でも近年はけっこうマンガを置いているところが増えていますね。O市の図書館も、昭和の時代のことがよく分かる古いマンガを置いていて、おもしろいです。(おまけ)いわゆる普通のマンガ単行本に分類される中にも、なかなか経験できないことを疑似体験できるものは、あります。おすすめは、下の本。医学部の学生が医学のどんな勉強をしているのかがかなり詳しく分かるマンガです。↓『Dr.Eggs ドクターエッグス』1(三田紀房)(現在4巻まで出ています。)▼「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験より (2014/03/29の日記)
2023.01.21
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昨日のブログ記事の終わりに紹介した箕輪厚介さんの『死ぬこと以外かすり傷』。かなりエネルギッシュでパワーにあふれた本です。今日はその本の内容で僕が覚えておきたいと思ったところをメモに残していきます。箕輪厚介『死ぬこと以外かすり傷』その1(p137まで)(・太字部分は、本の引用。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)・これからは、その商品にどんなストーリーを乗っけるかが重要になる。・どんな想いを持ってデザインしたのか、 そこに込められたメッセージは何か。(p7より) 小学生で起業されたリウォンさんも、熱い想いをもっていました。 何かを打ち出していくとき、人を共感させ、感動させるのは、ストーリーですね。 今読んでいる本にTEDのプレゼンを解説した本がありますが、その本でも感動的なプレゼンにはストーリーがあることが書かれていました。 「想いとメッセージを明確に」 まずは、そこからですね。 ・一人の人生が変わるようなものを作る。・自分の好きなものに情熱をもってひたすら入れ込む。(p9より)プレゼンにしても授業にしても歌にしても、 目の前に多数の人がいても、 ただ一人に向けて、という芯の強さが 結局は大多数の心を打つのだということは、よく言われます。 このブログにしても、自分以外にもたった一人でも響く人がいれば、 書いている甲斐があるというものです。 その一人のために、情熱をもって届けることができるか。 僕の場合は日々ブレまくりですが、 情熱を忘れずにいたいと思います。 「やりたいことはたくさんあるんだ」と言いながら 時間がどんどん過ぎていっているので、 有言実行でやっていく情熱を大事にしたいです。・予定調和を破壊せよ(p24)黒地に白文字で、上の言葉がデカデカと書いてありました。 それが、本書第1章のタイトルです。 新しいものを生み出そうとする、とんでもない気概を感じます。 ヤラレマシタ!・誰も言わないことを言えるようになるために、 誰もやっていないことに挑戦し、 誰もしてない経験をし、 誰も成しえてない実績を作らなければならないのだ。(p89)「オリジナリティ」ということを、まざまざと考えさせられます。 オリジナリティとは、本来誰もが持っているものだと思います。 ただ、それに磨きをかけるには、人がやっていることを気にせず、自分だけがやっていることを突き詰めていくことが必要です。 それは言葉にすれば簡単ですが、孤独な作業かもしれません。 ただ、自分にとって本当に大事なことがオリジナリティなのだとしたら、我が道を行く勇気を持たなければならないと思いました! そうは言っても、最終的に大きなことを成し遂げるには、仲間が必要ですよね。 本書では、仲間とともに大きなことを成し遂げるために必要なこととして、以下のようなことも書かれています。・何よりも本人が楽しそうにしていることが大切だ。・目をキラキラさせて「宝がある」と叫べ! 乗組員に夢を見させる愉快な船長であれ。(p93)最後のたとえからは、マンガ「ワンピース」のルフィのことを思い浮かべました。 リーダーとは何か、って、めっちゃシンプルなものなのかもしれません。 そうか。「めっちゃ楽しそうな人」に、人はついてくるんだ。 まずは自分が、めっちゃ楽しむこと。 楽しんじゃって、いいんですね。長くなるので、本書第6章「生き方」以降に書かれている具体的なところは、また次回に参照したいと思います。本書p36で紹介されていたマンガ。箕輪さんは『多動力』の本をコミカライズするにあたり、独断でぶっとんだ設定に変えたとのこと。読んでみます!↓『マンガで身につく多動力』 (NewsPicks Comic)[ 堀江貴文 ]
2023.01.15
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僕が今までお会いしたことのある方で一番有名な方は、手塚治虫さんでしょう。僕が小学生の頃のことです。1985年ごろですね。神戸のそごうの8階催事場でした。その時限りのイベントでした。手塚治虫さんが、子どもたちに絵を描いて見せて、子どもたちが「何の絵か」当てるというものでした。そのイベントを目的にそごうに行ったわけではなく、偶然、通りかかっただけでした。そして、小学生だった僕も、参加することにしました。手塚治虫さんは大きな模造紙にすいすい絵を描いていきます。それが、「さかさ」に描いているのです。何人かの子どもたちが挙手をして答えを当てようとしましたが、当たりませんでした。4人目ぐらいに、僕が手を挙げているのを、当ててもらいました。そして、正解しました。正解が何だったのかは、もう覚えていません。正解の景品として、手塚治虫さん直筆の絵が描いてあるその模造紙をもらいました。その後、その模造紙は、僕の家の子ども部屋の壁にはられました。子どもの頃のことですから、手塚治虫さんの絵の値打ちなんて、分かるはずがありません。自分もその模造紙にどんどん落書きしていき、模造紙は絵でいっぱいになりました。なつかしい思い出です。手塚治虫さんは宝塚出身なので、兵庫の偉人として、今では道徳の教科書などでも取り上げられています。ただ、ほんとうの手塚治虫さんのすごさというのは、そういう教科書的なものではなかなか伝わってきません。「手塚治虫、すげー!!」と本気で驚くのは、別の漫画家の視点から彼を見たときです。いろいろな漫画家が手塚治虫さんのことを描いていますが、特に、藤子不二雄の「まんが道」は有名ですね。藤子不二雄があこがれた手塚治虫のすごさが、伝わってきます。最近、また、手塚治虫のすごさを抜群の鮮度で伝えるマンガに出会いました。中古で偶然手に取ったのですが、あまりに面白くて、その後の巻もネットで取り寄せて、今読んでいます。『チェイサー』(1) (ビッグ コミックス)(コージィ 城倉)手塚治虫と同時代を生きた、架空の漫画家の物語です。「手塚治虫を追いかける」という意味で、タイトルが「チェイサー」となっています。時代の臨場感が、ハンパありません。昔懐かしいものが、次から次へと出てきます。昭和の時代をある程度知っている人なら、懐かしくてノスタルジーにひたりながら、読めると思います。「アトムのグラスとか、うちの家にも、昔あったなあ」などと、感慨にふけりながら、読んでいます。昨日は5巻を読みました。その中に、こんなセリフがありました。・子供たちのハートを掴むのは、「勢い」であり、「迫力」です! 子供っぽいことから逃げないで下さい(5巻p46、主人公の漫画家の担当編集者の言葉より)昨日のブログで、「自分はバカでいい」ということにOKが出せるかどうかということを書いたので、昨日の僕に、この言葉が引っかかってきました。手塚治虫さんのことを言っている場面ではなく、むしろ逆に、手塚治虫さんのマンガにはインテリジェンスがあるけれど、それとは逆に、バカなことを描けばいいんだ、ということを、当時の「週刊少年ジャンプ」の編集者が訴えている場面です。僕の世代はほとんどみんなが「ジャンプ」を読んでいた世代です。たしかに、子どもたちはみんな、「ジャンプ」の勢いや迫力に夢中だったなあ、と思います。手塚治虫さんはたしかに偉大な「マンガの神様」ですが、この『チェイサー』は単なる手塚信奉に終わらず、全く逆のもの、アンチテーゼにも満ちているのが面白いです。特に、僕は子どもたちに日常的に接する仕事をしていますので、ここの編集者のセリフは、自分にとっても、大事なことだなあ、と思ったのでした!(たぶん関連すると思う過去記事)▼「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験より (2014/03/29の日記)
2022.12.29
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実家の母のおすすめ本、孫たち向けなのだけれど、まずは僕が読み終えました。とってもよかったので、共有します。『わたしとママのチョコレート物語』(上條さなえ、文溪堂、2005)内容紹介(「BOOK」データベースより) 「ぼく」のママは、金髪のもとヤンキー。ママが家出してから、音信不通になっていたおばあちゃんが、北海道で入院したって聞いたからはるばるでかけてきたんだ。だけど…。著者情報(「BOOK」データベースより)上條さなえ(カミジョウサナエ)1950年生まれ。児童文学作家。執筆や講演を通して自己の体験をもとに家族のふれあいの大切さを訴えつづけている(リンク先商品サイトより、引用)しっかりした子どもと、だらしないママ。この2人の関係性が、小気味よいです。意外な設定のうまさもあり、グイグイ読めます。児童文学の魅力を十分に感じることのできる一冊。挿絵の雰囲気も、本作に合っています。 久しぶりに児童文学の魅力を堪能しました。僕は「家族」を描いた物語が大好きで、じんときました。元ヤンキーのだらしないママを支える子ども。いろいろあるけどがんばって生きていく、暮らしていく。子どもじゃなくても、大人が読んでも、生きる力が湧いてくる。この著者の本は、実家の母が孫たちに読ませるべく、全部で4冊用意されています。僕自身は、とても面白く読みました。さてさて、肝心の孫たちは、いかに?😅うちの子は「読むけど、読むのがめんどくさいので、読み聞かせして」と言ってきます。僕は、何歳になっても、リクエストがあれば、どんな本でも読み聞かせしますよー。著者の上條さなえさんは、現在沖縄在住。沖縄を舞台に書かれた『月と珊瑚』は、2020年の課題図書に選ばれています。次はこの本を読むぞー。『月と珊瑚』 (文学の扉) [ 上條 さなえ ]
2022.11.20
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まだ50代になっていませんが、強く生きたいので、読んでみました。『50代から強く生きる法』 (佐藤伝、三笠書房、2022/6、1320円)今調べたら、文庫化もされているようです。え?今年の6月に出た本なのにもう文庫化されてる?と思ったら、なんと文庫のほうが先に出ていました。文庫の単行本化というのは、珍しいんじゃ?『50代から強く生きる法』 (知的生きかた文庫)(佐藤伝、三笠書房、2015、715円)佐藤伝『50代から強く生きる法』(・太字部分は、本の引用。 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)・縁の力で出会っている(p28) →すれ違ったときに、気持ちよく挨拶する。それだけでいい(p29)僕は、これを読んで、「挨拶するだけでいいんだ」と、気持ちが楽になりました。 ご縁を大事に、せめて挨拶ぐらいは、心を込めてしていきたいと思います。・緊張したら「ベローン」と舌を出してみる(p34)そんなワザは知りませんでした! さっそく、やってみました! カオの緊張が、とれた気がします!(^0^)・「有り難う」とは、「こんなことは、めったにない」という、いわば、「奇跡」のこと。 「御座居ます」とは、「いま、ここにある」という意味です。 つまり、「有り難う御座居ます」という言葉には、「いま、まさに奇跡が起こっています。天の采配に感謝します!」というとても深淵な意味が込められているのです。(p64)「ありがとう」はなるべく言うようにしていますが、漢字で解説されると、その意味がよりいっそう分かりやすくなりますね。 自分なりにもっと感謝しよう、と思えた記述だったので、引用させていただきました。・「すべてがあなたにちょうどいい」・いまのあなたにちょうどいいものだけが、周りに出現している(p69)仏教の教え。ほかの本でも読んだことがありますが、運命に対して、文句を言わずに受け入れる心を説いているのだと思います。 実際、いやなことも、終わってみれば、自分にとって必要なことだった気がしてきます。 自分にとって必要なことが起こっていることに、感謝ですね。・「人が見ていなくても」やることが重要で、それを「陰徳」と言います。 (p96)僕は昔から人目を気にしないところがあります。 人目を気にせず悪いこともするので反省点ですが(苦笑)、人目を気にせず良いことをすると「陰徳」がたまるようので、どうせならよいことをやっておきたいと思います。 このブログも、たとえ誰も見ていなくても、書きますよ!(笑)(般若心経の解説の中で)・「ありのままを受け止める」・「自由だ、自由だ、自由になった。 大宇宙よ、ありがとう」 (p98)般若心経の日本語訳はいろんなものを見てきましたが、この本の訳は、すごい! 「ぎゃーてい、ぎゃーてい・・・」の部分を、「自由だ、自由だ、自由になった」と訳されています。 喜びが体の底から湧いてくる気がして、とてもいいですね。 これからは般若心経を読むときは、この口語訳を頭の中で再生したいと思います。 「はんーにゃ~~しん~ぎょう~~~」・「煩悩即菩薩(ぼだい)」といって、煩悩があるから悟りが開ける。 欲がある人は、それだけ悟りも近い (p104)ここの記述は、本書で一番驚いたところです。 煩悩と悟りは、同じものなんですって! なんという、最強の考え方でしょう。 これで、煩悩のままに生きても、何も後ろ暗いところなく、正々堂々と煩悩道に邁進できます。(笑) 僕のように煩悩が服を着ているような人間には、最強の勇気づけの言葉でした。 調べてみると、以下のサイト様で、マンガつきで解説されているものがありました。 こちらの解説も、分かりやすかったです。 ▼煩悩即菩提(御食国若狭小浜|お菓子処 井上耕養庵、2020/11/1)(禅宗の解説の中で)・人はうんちを覆っている皮、すなわち皮袋にすぎない (p106)ここも、本書を読んでビックリしたところ。 表現が強烈で、印象に残ります。 この言葉の意図としては、外面の美醜を気にしない、ということ。 僕は昔から外面に気を使わない性質なのですが、これを読んで、ますます外面を気にしなくなりました。(ちょっとは気にした方がいいかも?(>。<))・「これまでもってくれてなんとありがたいことか」と感謝するのが正解 (p111)今度は内面の臓器に対して。 年を重ねると、肉体の機能が部分的にどんどん低下していきます。 僕も最近は老眼の進行が顕著で、とにかく近くにある小さい文字が、見えん! それがストレスになっていたのですが、逆なんですね。 「今までもってくれて、ありがとう」 約50年同じ臓器で生きてきて、臓器も疲れてくるのが、当たり前。 むしろ、よくぞここまでもってくれた、というのが、正解なんですね。 今まで無茶をやって体を酷使してきたので、これからはいたわってあげたいと思います。・(さまざまな体重計の中に、)体内水分量や筋肉量などを測定し、肉体年齢をはじき出してくれるものがあるはずです。・50代になったなら、自分の健康のために奮発してください。・肉体年齢は、あなた次第で若返らせることができます。 (p137)宗教的な話から、一気に具体的な家電製品の話に切り替わるのが、伝さんの本の魅力です。 僕はこれを読んで、「肉体年齢を測る体組成計、ほしいなあ」と思いました。 まさに、煩悩のかたまりです。 家にも体組成計はあるのですが、なんか、肉体年齢は、出てこないんですけど。 それ用のちゃんとしたやつを買ったほうが、いいかなあ。 と思っていたら、妻が「だってあなた、自分の年齢や身長、体重、登録してないでしょ」と、一言。 おお、そうか。 そんな初心者的なところから、つまずいていました。 どうやら新しく買わなくても、よさそうです。 でも、新規追加登録のやり方が分からないんですけど。 ちなみにわが息子は、脳年齢を測定するSwitchのソフトを欲しがっています。 僕も昔DSで脳年齢を測定して、トレーニングをしていました。 数字で結果がフィードバックされるのは、トレーニングのしがいが、ありますよね。・法治国家において相続手続きは簡単ではありません。 あなたが男性であろうと女性であろうと、財産なんてほとんどなくても、残された家族のために遺言書は書いておくべきです。・公証役場に行って「公正証書遺言」を残してはどうでしょう。(p195)遺言のことは、実は気になっていたのですが、具体的なことは、何もわかっていませんでした。 これを読んで、唖然としました。 自分で書いて、封をして、表に「遺言」と書いただけだと、ダメなんですかね? 遺言を残すのも、法的効力を持たせるには、ややこしい手続きがいるとは、驚きました。 偽造を防ぐために、ややこしくなっているのでしょうね。 僕は昔からややこしいことは嫌いなので、それだったら遺言は残さない、と、固く心に決めてしまいそうです。 とはいえ、残された家族のために、その方がいいんだったら、ややこしくて面倒でも、作っておいた方がいいんでしょうね。 今回、この本で具体的なキーワードを教えてもらったので、それで検索して、自分でも調べてみます。佐藤伝さんの本は、以前にも読んで、すごく感銘を受けました。そして、書いてあることを実践しようと、すごくがんばっていた時期がありました。伝さんは『〇〇の習慣』という本を好んで書かれているので、感化されて習慣を変えようとする人が、日本国内で続出していると思います。僕も、そんな中の、ひとりです。「読んで終わり」にならずに行動化に結び付けようとする意識に作用する。そんな伝さんの本は、かなりおススメです!
2022.09.03
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今年度の小学校高学年の読書感想文課題図書を読み終えました。井出留美さんの『捨てないパン屋の挑戦』。実話に取材したノンフィクションです。『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』 (SDGsノンフィクション 食品ロス)(井出留美、あかね書房、2021、1300円)環境問題に意識の高い田村さんのパン作りを取材したもの。子どもたちだけでなく、大人にもぜひ勧めたい良書でした。課題図書の選定にあたっては、「特定のお店を宣伝することになる」という批判もあったのではないかと思いますが、よくぞ課題図書に選定してもらえた、と思います。課題図書になることで、広く日本中の家庭で読まれることになったことでしょう。それは、単に実際のパン職人のことを知らせるということだけにとどまらず、「パン」というとても身近な食材について考えを深めさせるきっかけになったと思います。たとえば、田村さんがパン屋の修行をする中で、「ショートニング」を批判的に書かれている場面があります。世の中には「ショートニング」を使っているパンはたくさんありますので、そういった、世の中にたくさんあるパン屋さんの反発を招きそうです。でも、それを怖れずに、そういった情報を知らせていく必要のある時代になった、と思います。僕は、ここ10年くらいは「マーガリン」をとらないようにしています。「ショートニング」も「マーガリン」も、「トランス脂肪酸」というやつが、含まれています。この「トランス脂肪酸」が体に悪いということを知り、摂ることを控えることになったのです。本書における「ショートニング」の描かれ方は、なかなか強烈です。僕は、これを読んで、かなりショックを受けました。ショートニング・ショッキングです。・「これは人が口に入れていいものじゃない。 これは食べものじゃなくて、プラスチックだ!」 人の体温でとけないものは、からだのなかに入っても、とけることはないでしょう。 「ずっと環境問題を解決する仕事をしたいと思ってきたのに、おれはこんなプラスチックみたいなものが入ったパンをつくって、お客さんに食べさせているんだ」 そう思うと、田村さんはどうしようもなく情けなくなってきて、トイレにこもって泣きました。(同書 p38-39より)食材の是非については、ほかにもいろんな食材が議論に上ります。もちろん、「これぐらいは摂取して問題ない」と考えている人もたくさんいます。現代の情報社会の中で、大事なことは「うのみにしない」こと。本にこう書いてあるからと言って、それだけで判断せず、ショートニングを肯定している人の話も聞いたり、自分でもいろいろと調べてみて、「自分はどう思うか」を確かめていくことが大切です。(参考リンク)▼『ショートニング』って何?体に悪いといわれる理由とは? (「オリーブオイルをひとまわし」様、2021年8月10日記事)▼ショートニングとは?本当に危険なの? (「いきぬき笑顔ごはん」様、2020年2月17日記事、2021年同日更新)田村さんの場合は、自分でやってみた結果、「ショートニングを使いたくない」と思ったわけですね。さて、ショートニングなどを使ったパン作りとは対照的に、本書で肯定的に取り上げられているのは、モンゴルやフランスでの食文化や働き方です。特に、モンゴルで羊をまるごといただくシーンは、圧巻でした。食べることは、いのちをいただくこと。それが、スーパーで食材を買ってきて調理して食べていることが多い日本社会では、とても見えにくくなっています。いのちをいただいているという意識が低いことが、給食の残食が多いことにも、つながっています。今までにも「いのちをいただく」というテーマの良書はたくさんありました。ただ、今回の本の場合、予期せずそういうシーンが挿入されていたため、そういう内容を読もうと思っていなかった人に、不意打ちのようにしてそのことを考えさせる効果があったように思います。パン作りの話を読んでいると、いきなりモンゴルでヒツジを食べる話が出てくるわけですからね。具体的には、p54からの、ヒツジの解体のシーンです。ここでは羊ですが、僕らが日頃からよく食べている、牛や豚、鶏も、同じように解体されて、僕らの元に運ばれているわけです。やはり、そういうことを、見ないふり・知らないふりをして過ごすわけには、いかないと思っています。モンゴルの人は、「もうそれほどながく生きられない、年をとったヒツジから食べ、仔ヒツジを食べてしまうようなことはしません」(P58)と書いてあるのを読んで、僕は、子羊を食べる気がしなくなってしまいました。単純に「食べる人」の立場からだけ考えると、仔羊の肉は、柔らかくて、おいしいです。でも、まだこれから長く生きられるはずの命、何年も羊毛を提供してくれる命が失われることを思うと、今度は、食べることを、躊躇してしまいます。食べることは、生きること。でも、何を食べて生きていくのかは、選ぶことができるのです。子どもたちが大人になる前に、できればそういったことを知らせておきたいと思います。「○○を食べるのはダメ」という「禁止」ではなく、「○○を食べる」ということの裏側に隠された、見えていない部分を想像させ、それでも食べるかどうかは、各人の判断に委ねたいです。さてさて、ところで読書感想文というやつは、なかなかやっかいなもので、子どもたちは毎回、何をどう書いていいか頭を悩ませているようです。ところが最近はYouTubeの中で、本の解説や、読書感想文の書き方の例なども、見つかったりします。動画に慣れている今の子は、そういったもので学習する方がいいのかもしれませんね・・・。僕は去年、「読むこと」が苦手な子の保護者の方に、「この本なら、作者本人が朗読している動画がYouTubeに上がっているので、読むことが苦手でも、書きやすいかもしれません」と、紹介したことがあります。昔は、読むことでしか作品を理解することはできなかったのですが、今は、検索すればその本の情報を補完する映像があふれている時代です。びっくり。今回の本について調べてみると、田村さんご本人が公式に出している動画も見つかりました。実際のパン作りの映像を観ることもできましたよ。↓本書の要諦にあたる「捨てないパン屋」の実際も、映像で観られました。 朝日新聞デジタルの動画です。蛇足ですが、本書で取り上げられた田村さんのパン屋は、今は新規注文を全く受け付けず、すでに注文された分だけを作って、休みもふんだんにとっているそうです。僕の住んでいるところなど、田舎の方では、週に数日しか営業せず、自分がほんとうに作りたいパンだけをつくっている方が、何人かいらっしゃいます。パン屋のあり方として、そういったパン屋さんが、少しずつ増えてきたのかもしれませんね。田村さんのパンは新しく手に入らないのですが、なんと田村さんの弟子が兵庫県内におられて、調べてみるとその方のお店が、僕の住んでいる市内にありました。そのパン屋さんも通常営業は今はしていないようなのですが、そちらのパンなら、もしかすると食べる機会があるかもしれません。ぜひ、食べてみたいと思います。↓田村さんのパン屋さんや、お弟子さんについては、こちらの公式サイトを参照しました。▼「ブーランジェリー・ドリアン」 https://derien.jp/田村さんのパン屋さんは広島にあるので、広島の飲食店だと、扱っているお店もわりとあるみたいです。広島にはこのお盆休みの前半期間に、ほんとだったら旅行に行っていたはずなのですが、コロナで断念しました。広島には機会を見つけて、ぜひ行ってみたいです。↓本書のテーマに共通する、こちらの本も、おすすめ!『いのちをいただく』 [ 内田美智子 ]
2022.08.17
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昨日のブログ記事は、吹奏楽の名曲・名演を紹介する本の紹介でした。今回は、映画や小説、絵本の名作を紹介する本です!『鎌田實の人生図書館 あなたを変える本と映画と絵本たち400』(鎌田實、マガジンハウス、2020、税別1400円)こういう、ブックガイドみたいな本、けっこう好きなんです。興味をひかれた本や映画の名前には線を引き、ページの端を折って、後で調べてみることにしました。一番興味を持ったのは、『後継者たち』の紹介内容でした。この本は、ホモサピエンスとネアンデルタール人の闘争を描いた本のようです。とてもびっくりしたのが、「ネアンデルタール人は疑うことを知らなかった」というところ。・ホモサピエンスが弓矢を射ってきても、その矢を「贈り物」と思ってしまう。・自分たちの仲間が連れ去られても、「連れ去られた」という意識がまったくない。(本書p106より)そんなこと、思ってもみませんでした。漠然と、ホモサピエンスに取って代わられた古代のネアンデルタール人は、ホモサピエンスよりも劣る人種のように思っていました。心優しい無垢の人種だったようです。脳天をかちわられた気分です。小説家というのは、すごいところに着目するなあ、と思いました。『後継者たち』 (ハヤカワepi文庫) [ ウィリアム・ゴールディング ]映画の中で一番気になったのは、「落下の王国」(The Fall)。この本で初めて知ったタイトルです。鎌田さんの言葉「こんな美しい映画は観たことがありません。」(p168)は、YouTubeで断片的にこの映画を観てみただけでも、大げさではなく本当だと思いました。YouTubeには、この映画の予告編だけでなく、BEST SHOTS動画も公開されています。その動画の美しさといったら!今すぐでなくても、観ておきたい映画だと思いました。「愛を読むひと」(The Reader)も気になりました。鎌田さんの言葉「人間を完全にするもの、それこそが愛なのだと思わせる秀作です。」が、頭から離れません。最後に、絵本です。これもまた、気になる絵本がめじろ押しでした。鎌田さん絶賛の『100年たったら』は、「絵本ナビ」というサービスに登録することで、スマホで全ページの試し読みができました。『100万回生きたねこ』を思わせる、深い話でした。こんなに絵本らしい絵本はほかにない、と思わせられました。『100年たったら』 [ 石井睦美 ]▼『100年たったら』(絵本ナビ)『二番目の悪者』も、気になります。小学校高学年以上向けと、対象年齢が高めに設定されています。タイトルの「二番目の悪者」とは、うわさを鵜吞みにした者たちを指しているようです。道徳の学習の、いい副読本になりそうです。『二番目の悪者』/ 林木林/作 庄野ナホコ/絵前回の吹奏楽曲と同様、今回の本や映画も、気になった作品はネットで調べてみました。映画の予告編動画の視聴や、本の試し読みなど、自宅で無料でできることが増えていて、ありがたいです。やっぱり、今の時代は、恵まれていますね。自分に合った作品を見つけやすくなった現代。労を惜しまずに興味を持った作品を調べてみて、出会っていくことが、人生を豊かにすることにつながると思います。あなたも、すてきな一冊、すてきな一本に出会えますように!さて、前回の吹奏楽曲の本と違って、今回の本は続編はないのですが、別の角度から作家を紹介する本を見つけました。面白そうだったので、注文しました。『眠れないほどおもしろいやばい文豪』/板野博行こうやって芋づる式に読書は続いていくのであった・・・。
2022.04.19
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この土日は持病の頭痛と腹痛が出まして、寝込んでいました。今日になって、ようやく新聞が読めるようになるまで回復しました。なかなか興味深い記事がありましたので、シェアします。1つは、地元紙の丹波新聞(2022/2/6号、1面)です。「ふるさとクイズ」の問題で、島崎藤村の『破戒』の主人公が、なんとすぐ近くにおられたことが分かりました。柏原中学校(現柏原高校)の2代目校長を務めた大江磯吉(ぎきち)さんが、『破戒』の主人公のモデルなのだそうです。部落差別については近年あまり勉強されなくなってきているのかもしれませんが、『破戒』は名作であり、未読の学生にはぜひ読んでいただきたいものだと思います。『破戒』 (岩波文庫 緑23-2) [ 島崎 藤村 ]もう一つは、これまた地元紙の神戸新聞(2022/2/6号、19面)です。小学校教諭が絵本を出版したことが、書かれていました。作者は大阪の小3を担任する松下先生。絵は、神戸市のイラストレーターさんが担当されたそうです。現役の先生が、先生の日常を語る絵本。いいですね。『せんせいって』 [ まつしたじゅんじ ]
2022.02.06
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学校の教師にも策略が必要だという本について書いた後は、将棋のマンガについてです。12月28日のブログで書いた『リボーンの棋士』全7巻を読み終えました。いやあ、おもしろかった!人物や背景の描写が美しく、「復活」をテーマにしたストーリーと共に、名作に値すると感じました。3巻と4巻から、印象に残ったところを少し引用してみましょう。鍋倉夫『リボーンの棋士』 ・自分の形勢が悪い時に、どれだけ辛抱して考えられるか・・・・ それは勝ってる時に手を読むより、はるかに辛い。 弱い奴は、我慢できずにすぐ指してしまう。 (3巻収録 第27回「刹那」より)・未熟な棋士は劣勢の時に我慢できず、すぐ指そうとする。 悪い局面を見ていたくないから、もうひと踏ん張りができない。 (4巻収録 第36回「阻喪」より) 「自分がそうだな」と思って、ドキンとした箇所です。 将棋だけでなく、人生のいろんな局面で効いてくる知識だと思います。・どんなに強い棋士でも勝ち続けることはできない。 何を思い詰めてるか知らないけど ここからがスタートなんだよ。 近道なんてない。 (4巻収録 第37回「黒星」より) この回のタイトルでもある「黒星」の持つ意味が象徴的に語られている箇所です。 黒星の意味を知るからこそ、白星の意味も分かるのかもしれません。 こういった象徴的な漢字2文字のタイトルも含めて、小説っぽい作品です。将棋好きな人でなくても、オススメです。人生は勝ち負けではないですが、「負け」と捉えて落ち込んでしまう人に、復活の道筋を教えてくれるマンガです。リボーンの棋士(1) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]リボーンの棋士(2) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]リボーンの棋士(3) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]リボーンの棋士(4) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]リボーンの棋士(5) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]リボーンの棋士(6) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]リボーンの棋士(7) (ビッグ コミックス) [ 鍋 倉夫 ]
2022.01.05
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昔から古本屋が、大好きです。いろんな本が、とんでもなく安く買える可能性がある、ワンダーランドです。最近では安売りの傾向が進んで、わりと新しい本でも100円で売られていることがあります。冬休みは読書週間でもあるので、この前、いい本がないか、宝探しに行ってきました。発掘しました!『リボーンの棋士』『リボーンの棋士』(1) (ビッグ コミックス)(鍋 倉夫、小学館、2018)※リンク先で、試し読みできます。なんと、100円でした。将棋は大好きなので、将棋マンガは、けっこうチェックしています。この『リボーンの棋士』も将棋マンガですが、タイトルがしゃれています。手塚治虫の往年の名作をもじっていますが、「リボーン」という語に惹かれました。「リボーン」には、「生まれ変わる」、「生き直す」という意味があります。年齢制限のため、プロ目前でプロになれず、一度は将棋を捨てた主人公が、再び立ち上がり、将棋のプロを目指すという話です。こういうストーリー、いいですね。ゼロからの、再スタート。でも、実際は、がんばっていたときの蓄積がまだ残っているので、決してゼロからではないのです。自分で自分をあきらめていただけ。やってみれば、意外と復活はカンタンだったりして・・・。1巻がよかったので、続きも買ってきました。ストーリーを楽しみながら、自分に重ねながら、読んでいきたいと思います。こういう本から、「自分の生き方」を改めて考えてみるのも、いいかも!?あの頃やっていたことをもう一度始めてみる勇気をもらえるかもしれませんよ。2022年は、個人的に、「あの頃やっていたことをもう一度」の乱れ打ちをする予定です。僕が昔やっていたことに興味がある方は、ぜひ、お付き合いください。
2021.12.28
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『この本読んで元気にならん人はおらんやろ』という本があります。今週は月曜日に雨に打たれて以来、体調を崩していたので、朝はこの本を読んでから出勤していました。たしかに、読むと元気になる本なんです。『この本読んで元気にならん人はおらんやろ』( 水谷もりひと・中村文昭・下川浩二・てんつくマン・大嶋啓介、ごま書房新社、2013、絶版)この本の中には、いくつもの元気づけワードや、元気づけエピソードが出てきます。その中で、僕が1つだけ選ぶとすると、次のワードが、一番衝撃的でした。「潜在能力は、今発揮している自分の能力の3万倍ある」(P176、大嶋啓介さんの言葉より)3万倍ですか!とんでもないですね・・・。潜在能力を引き出すためには、イメージ力が大事らしいです。これを読んで以来、3万倍ある潜在能力を引き出すイメージをするように、心がけています。この本で興味を持ったので、監修者の水谷もりひとさんがされている「みやざき中央新聞」のサイトを見に行ってみました。今では新聞の名前が変更され、「日本講演新聞」になっていました。1か月分無料お試しができるようです。こちらも、非常に気になる新聞です。▼日本講演新聞▼中村文昭流「こどものやる気を引き出し、その気にさせる!」 (2021/04/18の日記) ▼中村文昭さん講演~みるみる元気がわいてくる!(^0^) (2009/10/05の日記) ▼てんつくマンからの色紙 (2010/01/02の日記) ▼本気の朝礼!~朝一番の環境・雰囲気づくり~ (2007/08/14の日記)
2021.11.28
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今日はなぜか小1の子どもたちに読み聞かせをする時間がありました。4冊読んだのですが、その中の1冊が、かなり心に残りました。読む声にも、一番力が入りました。『サーカスのライオン 』(おはなし名作絵本)(川村たかし 作/斎藤 博之 絵、ポプラ社、1972)僕が読み聞かせをする際は、直前に図書室でよさそうな本を見つくろって読みます。なので、自分自身が知らない本を読むことも多いのです。この本は名作だ、と思いました。地域によっては教科書に載っているそうですね。子ども向けであっても、大人向けであっても、名作の文章には、力があります。 ▼「音を聞く」だけでも、分かる! ~西川純『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門』 ▼国語科教材「ごんぎつね」の朗読をYouTubeで公開▼【障害理解教育】2 絵本『にわとりさんはネ・・・』(福井達雨/止揚学園園生)▼【障害理解教育】4 そのほかの教材(本や絵本)
2021.10.05
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昨日の記事の最後で少しだけ触れた本『ROUTE55』自主製作本のレベルを遥かに超えてすごくいい本になっているので、詳細に触れていきたいと思います。本の自主製作とか、映画の自主上映って、思いがすごく詰まっていますよね。誰の許可が出なくても、自分たちで作っちゃうんだーという熱い思いが反映されているので、僕は好きです。自主製作映画は一時期よく観に行っていて、「1/4の奇跡」は4~5回観ました。ただ、自分で自主製作CDを作ったときは注文が全くなくてショックでした。自主製作ものは、たくさんの人に伝わるものと、全く伝わらないものに二分されます。(笑)『ROUTE55』は、オールカラーで約250ページ。世界各地で撮影された写真がカラーで見られるだけでもポイントが高いです。それに加えて、世界一周を経験された55人の多種多様な旅人による4ページずつの寄稿。それぞれの個性が出ていて、思いと気づきがギュッと詰まっています。世界一周で一番思い出に残ったことや一番の気づきなどを55人分聞かせてもらえるという大変お得な内容。紙質も装丁もしっかりしていて、とても自主製作本とは思えません。それが信じられないような破格で提供されていて、送料にもよりますが、送料込みで1000円出してお釣りがきちゃうくらいで送ってもらえます。びっくりです。少しだけ、中身を引用しつつ、コメントを加えていきたいと思います。======================= 自主製作本『ROUTE55』 (・の後の太字部分は本書からの引用、 その後の緑文字部分は僕の意見や感想です。) ・世界は今ここだけじゃないし、 何か悩みがあってもそんなに大きなことではない と思えた。 (p19 看護師の方の寄稿より) 大きな海を見たり、満天の星空を見たりしたときにも、「これに比べれば自分なんてちっぽけだ」と思えることがあります。世界の中で自分を感じると、まさに、自分なんてちっぽけだと思えるのではないでしょうか。それは全然悪い意味ではなくて、自分以外の世界が大きく広がっているということが、我欲とか悩みとかを鎮めて、世界の中にとかしてくれるのだと思います。 世界を知るって、やっぱり大事。 「井の中の蛙、大海を知らず」ですよね。 ・何かに埋もれていた価値観が掘り起こされたような気がしています。 (p147 ご夫婦で世界一周をされた方の寄稿より) 世界一周で価値観が変わったかどうかを振り返られて綴られたのが、この一文。 「なるほど!」と思いました。 他の方の文章にも多く書かれているのですが、全く新しい自分に生まれ変わるとか、価値観がガラリと変わるというようなことはなくて、今までもあったんだけど気づいていなかったことに気づけるようになった、というのが、世界一周の後の共通の気づきのように思います。 ・一生分の修羅場を乗り越えたと思う。 エジプトで2m目の前に火炎瓶が降ってきたこと。 ピラミッドの頂上に登ろうとして警察に連行されたこと。 アマゾン川でピラニアを釣って喰われそうになったこと。・・・ (p239より) 具体的なエピソードの数々には本当に驚かされます。 「まさかそんなことが!」と思えることが、この本にはあふれています。 すごいのは、そういったチャレンジに積極的に向かっていっていること。 修羅場をくぐったからこそ、生きる上での覚悟みたいなものができて、より一層今を大切に生きることにつながっているのかな、と思います。 一歩間違えれば死んでいたと思うような怖い体験を読みながら、それでもそれを選ぶという人生があると知り、自分の人生をどう生きるかを改めて考えさせられました。 ・世界中の人と出会って、 「生きるってもっと楽だし、幸せになるってもっと簡単、 仕事ってもっと肩の力を抜いてできるのに」 と心底思った。 (p241 「世界一周先生」細貝先生の寄稿より) 直前の引用個所とは打って変わって、今度は「生きるって、もっとラク」という気づき。 世界中で出会う多くの国の人たちから、自然体でラクに生きていると感じられた旅人も多くいらっしゃいます。 引用個所は、昨日詳しく書かせていただいた細貝先生の寄稿から。 昨日の記事の「余裕」の話につながるところです。 細貝先生は世界中の人に、「あなたにとって幸せとは何ですか?」とインタビューしまくったそうです。 日本は豊かでモノがあふれているのに、海外の方のほうが幸せに生きているのではないかという矛盾・・・。 僕たち日本人は肩ひじ張って無理して生きているところがあるのかもしれませんね。 ↓本書の中で、僕が一番感動した写真です! (p149より) この本には本当にたくさんの写真が掲載されています。 写真の見せ方もそれぞれで、ワクワクしながら見させてもらいました。 中でも、ご自身を中央に配置してとびっきりのジャンプを見せてくれているこういった写真には、「人はどこまででも飛べる!」という可能性を感じました。 =======================細貝先生は世界中の人に「あなたにとって幸せとは何ですか?」とインタビューされましたが、ほかにも、ほかの旅人に好きな曲や言葉を教えてもらっていたという方がいます。(p155)そこで紹介されていた曲の中で、僕が検索して聴いてみて感動した曲を、最後に紹介します。 ♪「路上に咲く花」「その夢は逃げたりしない 叶う日を待っている」という歌詞が、胸を打ちます。 この曲をバックに流しながら本書を読むと、旅の臨場感、バツグンです。(参考サイト)▼【路上に咲く花】国境のないウクレニストHATCHI(ハチ)さんの曲を迷える旅人たちに贈りたい (「YouTube動画ライブラリー」様)
2021.08.17
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約2か月前、非常に興味深いオンラインの教育系イベントがありました。「小学校の先生でもできるんです」登場されたのはおふたりの先生。1年間をかけて世界の学校・教育現場を回られた「世界一周先生」。現役先生なのに1年目に起業された「社長先生」。イベント内では、社長先生に関しては「一般社団法人なので厳密には”社長”と言わないのでは」というツッコミもありましたが、細かいことはいいんです。既存の枠を超えて「こんなことができるんだ!」という夢を感じられるイベントで、大変よかったです。おふたりの先生とは、これを機会にFacebookを通じて「お友達」登録させていただきました。ありがとうございます。そして8月下旬。「世界一周先生」こと細貝駿先生をゲスト講師にして、僕が主催する市内教職員の自主研修会を開催します。日時は、8月20日(金)午前 10:00~11:30。僕の勤務市の教職員であれば誰でも参加可能です。条件に当てはまる方で参加したい方はぜひご連絡くださいね。僕の勤務市の教職員でない方でも、ご安心ください。誰でも参加できるオンラインイベントがその2日後にあります。大規模イベント「未来の先生フォーラム」内のプログラム■世界の学校と日本の学校から考える「より良い教育」とは何か? https://bit.ly/3rqStwI日時は、8/22 (日) 午後 16:00 – 17:00。参加費は1000円です。参加申し込みはリンク先の上のほうにある「参加申し込み」から。細貝先生が世界一周で感じられたことを多くの方に伝えていただけるのをうれしく思っています。そんな細貝先生の著書が『小学校教師を辞めて、世界の学校を回ってみた』『小学校教師を辞めて、世界の学校を回ってみた』(細貝 駿、セルバ出版、2021、税別1700円)ずいぶん前に読み終わっていたのですが、イベントの告知に合わせて、満を持してここにその読書メモを公開したいと思います。=======================『小学校教師を辞めて、世界の学校を回ってみた』 (・の後の太字部分は本書からの引用、 その後の緑文字部分は僕の意見や感想です。) ・手を挙げたり、自分で椅子を倒したりと、小さな行動を自分の意志で行うことがとても重要だ。・「自分で思考し、選択し、行動し、物事を前に進める経験サイクル」の積み重ねが「自ら考えて行動する力」を養うことになっていく。 (p35より)非常に共感できた部分です。 今の世の中、便利になりすぎているので、特に日本では自分でわざわざ行動しなくても普通に生活できてしまうことが多いです。その点、外国のほうがまだまだ、ちょっとしたことを自分でやらないといけないことが多いようです。 日本の教育や日本の社会は、実は「自ら考えて行動する力」を奪ってしまっているのかもしれません。 細貝先生は、オランダの電車の椅子は自分で出して座るものだったというような具体的な経験から、こういった気づきを書かれています。 こういったことをシェアしていただくことで、世界を知らない僕たちでも、日本の教育や社会を改めて見つめなおすことができると思います。 ・海外の学校の授業を見学していて、教師がやりたいこととは全く別のことをしている子どもがいた。 (p38より)・自分の都合で子どもの学びを奪わない (p39より)日本に比べて海外のほうが圧倒的に、子どもたちが自由に学んでいると感じられる場面が多いようです。 これも非常に大事なポイントだと思いました。 日本はまだまだ大人数の教室が多く、教師の都合でやることを押し付けてしまうことも起こりやすいです。 世界の教育を学ぶ際に、僕が一番知りたいこと。 それは、世界の学校は「個」としての子どもをどのように尊重して教育を進めているのか、ということです。 僕は大学図書館というところが好きで、一時期よく行っていました。 大学図書館で一番調べていたのが、世界の学校での教育です。 大学図書館だとDVDも観られるので、映像で観たりもしていました。 やはり、日本とは違うやり方をとっている学校が、多い。 日本の教育はどの学校でも平等に同じ教育を受けられることを重視しているために、画一的・均一的なところがあるのですが、よりよい教育を目指すためには、やはり「ほかのやり方」も知っておいたほうがいいと思っています。ほかのやり方を実際にとるかどうかは別にして、知っておくことは、少なくとも教師の幅を広げます。 多様な子どもたちと向き合って教育活動を続けていくためには、教師としての「幅」は絶対に必要です。 ・先生が不得意なことを教えるのであれば、ICTが発達している現代では、様々なツールをつかったほうがよい (p46より) 世界の教育を学ぶ際に、今なら特に注目しておきたいのは、ICT活用ですね。 日本でも「GIGAスクール構想」と言って、1人1台端末が児童生徒一人ひとりに配られましたが、これも元々は日本が世界格国に比べてICT教育の分野で非常に遅れていたからです。 では、世界の教育現場では、ICT活用がどのように進んでいるのか? これを実際に知っておくことは、ICT後進国としての必須事項です。 僕は細貝先生の本を読む前にも、外国でICTを使って教育を進めてきた事例をいくつか本で知りました。発展途上国の子どもたちが、ICTを使うことで、みるみるうちに学力をつけ、ムラで初めての大学生が誕生するというような事例が、いっぱい起きていました。 ICTは、手段にしかすぎませんが、非常に夢のある手段です。 ICTがなかった場合には不可能だったことが、可能になっているのです。 ドラえもんがひみつ道具で夢を叶えていたのと同じようなことが、実際に起きているのです。 ・ヨーロッパや北欧の人は とにかく余裕のある人が多かった。 (p83より)・オランダの学校に行った際、校長先生が、こう言っていた。 「僕は週4日働いている。妻は週3日働いている。合わせて1週間だろう。それでよいじゃないか? だって家族との時間、恋人との時間、趣味の時間は大事じゃないか?」 (p103より) 日本の教育現場の課題はいくつかありますが、「余裕がない」というのは、かなり大きな課題です。 もちろん学校によって違うのでしょうが…。 学校だけでなく、社会全体で、日本の大人に余裕がないように思います。 だからこそ、海外の事例に学ばなければなりません。 個人的に、一番欲しいのが、「余裕」です!(^0^) 以前、このブログで『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』という本を紹介したこともありました。 勤務時間を少なくすることだけが余裕を作ることではありませんが、余裕がないとミスを連発したり、ちょっとのことでイライラしたりしてしまうことにつながるので、余裕を持つのはかなり大事だと思います・・・。↓次が、最後の引用です! ・人にはそれぞれ居心地のよい体勢と空間がある・リラックスした状態で思考が働きやすい体勢、空間をつくればそれでよい・そもそもなぜ日本は「よい姿勢」を好むのか? (p115より) さっきの「余裕」の話にもかかわってくるかもしれませんが、いつも姿勢を気にしている自分がいます。 自分なりには「よい姿勢」にそれなりの理由を感じていますが、果たしてそれが万人に共通のものなのか? 世界の教育を見てぜひ実際に確かめたいという思いを強く持っています。 日本では当たり前になっていることについて、そもそもなぜそうなのか?と「そもそもを疑う」ことは、学び続ける人にとって必要な姿勢だと思います。 ======================= いかがですか?小学校教師である著者が、教職を一旦辞しておこなった1年間の世界各国の学校行脚。その行動力と世界からの学びから、学ぶことがたくさんあると思いませんか?日本の教育のあり方について一度立ち止まって見つめ直すためにも、ご一読をおすすめします。教師としての働き方を考え直すきっかけにもなるかもしれませんよ。また、細貝先生は世界一周仲間55人と一緒に自主製作本も作られています。その名も『ROUTE55』。オールカラーで世界の絶景や驚きの写真が堪能できて、55人の旅人の体験談や旅からの気づきを読むことができるこの本は、自主製作本としてはあまりにもクオリティが高すぎてびっくりです。素晴らしい本なので、こちらもぜひ多くの方に手に取って読んでもらいたいと思います。ただ、『ROUTE55』のほうは一般の本屋さんに流通していませんので、SNSなどでご本人に直接注文する必要があります。僕に連絡してくださいましたら仲介しますが、気さくな先生なので、面識のない方でも、気軽に連絡を取ってみてください。 ▼世界の子どもたち ~『トットちゃんとトットちゃんたち』 (2010/07/03の日記)▼「動画で見る100人の村」~まず世界の現実を知ることから (2009/06/08の日記) ▼『世界がもし100人の村だったら』シリーズ作品紹介 (2009/06/09の日記) ▼『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』 (2021/01/18の日記)
2021.08.16
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菊池省三先生はもと北九州の小学校の先生。NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられて以降、「学級崩壊立て直し人」として「世界一受けたい授業」に出演されるなど、全国的に有名な教育実践家の先生です。そんな菊池先生が日本全国の著名な実践家と対談された際の内容をまとめた本があります。(教育分野以外の実践家も含みます。)『「教育」を解き放つ 菊池省三対談集』(菊池省三、中村堂、2019,税別2000円)▼菊池省三対談集『「教育」を解き放つ』出版社公式サイト勤務市の市長も対談されていたので思わず買いました。市長の意外な一面を知ることができたのはもちろんですが、他の方も素晴らしい方ばかりで、非常に勉強になりました。日本中に素晴らしい方がたくさんいらっしゃるんだな、ということが分かりました。菊池先生が対談された全国の「トップランナー」の方々は、以下の通りです。出版社公式サイトの目次より、転載させていただきます。(どの方の内容も素晴らしいのですが、太字の方のところだけ、後で引用させていただきます。)=======================1 アクティブ・ラーニングのその先へ 鈴木寛 2 公教育だからこそできること 藻谷浩介 3 自らの力で未来を創り出す子ども育てる 南郷市兵 4 考え続ける人間を育てる 下村健一 5 子どもを育てるのではなく、人間を育てる 柴田愛子 6 「同調教育」から「一人ひとりを大切にする教育」へ 齋藤眞人7 高知県いの町 菊池学園の取り組み 塩田始 & 藤岡孝雄 8 コミュニケーション力で地域を拓く 片山象三 9 「ほめあうまち なかつ(HOME-MACHI)」を創造する 奥塚正典 10 言葉を大切にした教育で人格の完成を 稲嶺進 11 ほめるとは価値を発見して伝えること 西村貴好 12 ほめ合うことで、人間関係豊かな組織・学級づくりを 太田肇 13 今、教師に求められる力とは 陰山英男 14 「主体的・対話的で深い学び」を創る教師の生き方 前田康裕 15 教師の元気が、子どもの元気をつくる 島田妙子=======================最初にこうやってお名前を見たときに僕がすでに存じあげていた方がわりといらっしゃる一方、存じ上げなかった方も、かなりいらっしゃいました。ところが、僕が知らなかっただけでした。どなたも非常に考え方が先進的で知識が豊富です。だから、対談が面白いし、ためになる!たとえばどんなことが勉強になったのか、少し具体的に引用させていただきます。=======================菊池省三対談集『「教育」を解き放つ』 ~鈴木寛~ ・先生方は、もっともっと楽しんでほしいと思います。・イリイチが提唱した「conviviality」 = みんなが生き生きと盛り上がっている、白熱している状態 = 「共愉」・一斉指導では、凸凹をなくすことが課題でした。 これからは、凸凹が科学反応を起こしてたときの楽しさをエンジョイしてほしいと思います。 (p22)鈴木寛(すずき・かん)先生は、元文部科学副大臣。 対談の中で現職教員へのエールを語られ、勇気と元気をいただきました。 イリイチの「コンヴィヴァリティ」は、神戸大学の津田英二先生が著書の中で言及されていたので知っていました。(▼「障害」の「社会モデル」を考える ~津田英二『物語としての発達/文化を介した教育』)鈴木先生の話の中にも登場してきたので、これからの社会では非常に大切な概念なんだな、と改めて思いました。 新しい言葉を知ることで、単に言葉を知るのではなく、世界が広がりますね。 鈴木先生が思い描いている教室は、僕も理想とするところです。 ただ、鈴木先生が過去形で語られている「凸凹をなくすことが課題でした」は、現在進行形でまだまだ多くの学校現場で見られます。 凸凹をなくすのではなく、凸凹を生かす! そういった学校になれば、誰もが学びやすい、生活しやすい学校になると思いました。 ~柴田愛子~ ・子どもが怒っているときに、「どうして怒っているの」ではなく 「怒っているんだよね」と 感じていることに寄り添ってあげると、 「そうだよ!」と気持ちを開いてくれます。 子どもは、訳を知ってほしいのではなく、共感してほしいのです。 (p71)柴田愛子先生は、もと幼稚園の先生。 子どもの立場に立った、非常に愛情深い方で、僕自身の子どもとの関わり方を反省させられました。 特に僕自身の子との関わりについては、思い当たることがありまくり。 「共感ができていなかったなあ・・・」と反省しきりです。 こうやって指摘されると、本当にそうだと思います。 ~齋藤眞人~ ・「指導」の前に「理解」が大切だと思ってやってきました。・学級担任個人の責任を問うような学校ではありませんから、むしろ問題が表出したほうが、教員のためにもなるのです。 (p91)齋藤眞人(さいとう・まさと)先生は、もと中学校の音楽の先生。 2006年から立花高等学校の校長先生をされています。 「一人ひとりの人格を尊重した自立支援教育」(p84)に取り組まれている方です。 この方の話を読んで、思わず「立花高等学校」を検索しました。 学校をあげて子どもたちを大切にする教育に取り組んでおられます。 担任個人の責任を問うような学校ではないというところから、大阪の大空小学校を思い起こしました。全教職員をあげて、子ども一人ひとりを理解し、支える教育。 「学校はこうでなくちゃ」と、理想を再確認させてもらいました。 ちなみに立花高等学校では、「生徒指導部」をなくして「生徒理解部」を作られたそうです。(p90)こういった具体的取組の裏側に、真摯で強い教員の思いが隠れているのですね。======================= 最後に、菊池先生の対談の中での言葉の中から。最も印象に残った言葉を引用し、終わります。======================= ・「よしやるぞ」という強い気持ちがない限り、 どんな手法を使ったとしてもだめだろう (p165)======================= すべての実践の根底にあるもの。理屈より、感情。気持ちの部分。気持ちが冷めないように、引き続き多くの実践家の方々から学ばせていただきたいと思います。本書では新たな考えや実践、重要な示唆の数々に触れ、それぞれの方々をネットで検索してさらに詳しく調べることもしてみました。教師が自ら学ぶ上で、この上ない参考書です。学びたい先生方には、本当におすすめです。ぜひ読んでみてください!(関連する過去記事)▼工藤勇一『学校の「当たり前」をやめた。』 (2021/07/06の日記)▼「障害」の「社会モデル」を考える ~津田英二『物語としての発達/文化を介した教育』 (2020/12/09の日記)▼東井義雄先生 (2018/08/09の日記)▼佐々木正美『子どもへのまなざし』6~しからない、ゆずらない (2009/10/24の日記)
2021.08.15
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お盆休みですのでブログを毎日更新します。ブログで紹介したい本が山ほどたまっているのです。たとえば、これ。『ニューエリート』。『まんがで知る未来への学び』の前田康裕先生が薦められていたので購入したように思います。基本的に尊敬できる方が薦められた本は買う主義なので。『ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち』(ピョートル・フェリークス・グジバチ、、大和書房、2018、1500円)著者はGoogle社で長く勤めていたピョートルさん。日本在住歴も長く、本書出版時点で17年となっています。どおりで、日本語がお上手です。Society5.0なんていう言葉が出てきて、社会が急激に変化してきた時代。旧態依然の働き方・生き方が通用しなくなってきます。その具体的な「変化」と「対応」を、Google社の働き方から学べる1冊です。「エリート」という言葉は僕は、あまり好きではありません。ですが、この本は、いいです!「エリート」ではなく、「ニューエリート」ですからね。ニュータイプみたいなもんです。 では、「ニューエリート」とは何か?その定義は、p13の表で、「オールドエリート」との対比でまとめられていました。その最初に掲げられているのが、「利他主義」。そして、「社会貢献」「学習主義」などの言葉が続きます。つねに他の人のことを考え、実践して社会に貢献し、学び続ける人、といった意味でしょうか。=======================・変化は突然やってきます。・変化を受け入れ、変化を乗りこなし、変化を楽しむ必要があるのです。 変わること、変わり続けること。 そのためには、常に次の可能性に備えておくことです。 (p13)=======================変化の激しい時代です。しかし、変化は必然なのです。変化を前提として生きていかなければなりません。ちなみに、変化の必要性に気がついていない人たちのことを、本書では「ゆでガエル層」と揶揄されています。お水がお湯になっているのに気づかずにゆであがっちゃったら気づいた時には死んでますよ!=======================・これからの働き方のステージは、クリエイティブエコノミーです。・情熱、創造性、率先です。・起業精神が必要になります。 (p25)=======================民間企業大手の中には、企業内起業が認められているところがあります。公教育においても、教職員の副業を許可すべきではないかという議論があります。大事なのは、クリエイティブ性です。決められたことだけをやる働き方では、生き残れません。仕事は自分で作っていくのです。やりたいことを、自ら手を上げてやっていくことが求められています。その点、Google社はすごいです。「就業時間の20%の時間で好きなことをしていい」と認められているそうです。(p38)そのほうが、回り回って会社にとっても利益になると分かっているのだと思います。社内での部活も活発だそうですよ。「仲良くなるだけでなく、生産性も確実にアップする」ということです。(p218)本書の最後には「フロー」という言葉も出てきます。「フロー状態になれる職場環境」が重要です。「従業員がフロー状態に入ると、想像力や問題解決力が4倍になり、 さらに、経営者がフロー状態に入ると、会社の生産性は5倍にまで膨れ上がる」とか。(p257)「フロー」はマラソンランナーのランナーズハイのような状態で、没入してすんごく集中している状態です。野球で言うと、集中しすぎて「投げた球が止まって見える」ような状態です。この状態になれば天下無敵ですが、うれしいことに、誰でもなれます。ただ、どうやってなるかが、問題です。環境の重要性がそういうところからも分かります。「フロー状態になれる職場環境」が用意できたら、最強ですね。=======================・「見たい世界」を作るために、自分がやるべきこと=ミッションを探しだし、そのミッションを果たしていきます。・実現しようとする意志の強さが重要です。・エネルギーがあれば、賛同する人は必ず現れます。 (p43)=======================同じようなことを言っておられる日本人がいます。斎藤孝さんです。斎藤孝さんの唱えておられる三拍子。「ミッション、パッション、ハイテンション」。語呂がいいので、ずっと覚えています。大事なことは、変わりません。ピョートルさんの場合は、「ビジョン」を最初に持ってきて「ビジョン、ミッション、パッション」と言っておられます。(p44)なお、ビジョンの叶え方のところで、「自己実現=他者貢献」と言われているところが、興味深いです。(p47)自分のやりたいことが、他者への貢献と重ならないと、ならない。その取り組み方のコツは、本書にいろいろ書かれています。たとえば、「中途半端に取り組まず、120%の力を注ぐべき。」(p101)とあります。100%ではありません。120%です。自分で設定した限界は超えないといけません。まさに、フローです。あふれ出るエネルギーでもって、やり抜くのです。逆に、取り組まないコツも、書かれています。(笑)=======================・自分がやる仕事とやらない仕事をはっきり決めます。・「やらない仕事」は、 「完全に捨ててもよい」 「自動化・仕組み化して行う」 という2つの選択肢があります。 (p103)=======================会社で働いている立場だと「やらない仕事」と自分が決めても、組織としてやらざるを得ないことがほとんどだと思います。なので、実際には「自動化・仕組み化して行う」をどれだけできるかですかね。僕が提唱している「AIを使って自動化・仕組み化」というのも、全く同じです。具体的には、エクセルのマクロ機能などを使って、3時間かかる仕事が3分でできたりします。(参考▼大規模校で役立つ!別のエクセルデータから「探してくる」操作の自動化)本の中で具体的に紹介されている事例は、メルカリでした。「人が同じタスクを2度以上すると自動化のチャンスととらえ、AIと機械学習で自分たちの仕事をこなしていく。」(p103)とのことです。同じタスクを2度以上していることなんて、日常茶飯事ですよね。かなりの仕事が、実際には自動化・仕組み化できることになります。だからこそ、クリエイティブな仕事に時間というリソースをかけられるようになるのです。クリエイティブな仕事の進め方としては、たとえば他者を巻き込んでいくことが書かれています。「著書のタイトル候補が5つくらいあるときに、フェイスブックを通じて意見を募集する」(p141)などのアイデアが、それです。タイトルを一緒に考えてくれた人たちは、仲間意識を強められますし、すごくいいアイデアだと思います。タイトルを客観的な意見をもとに決められるのと、仲間の絆が深まること、一挙両得です。SNSは使いようですね。リーダーシップの取り方についても、本書後半に書かれています。=======================・「予算や納期などの制限がなかったら?」 「10倍のリソースがあれば?」 など、可能性を最大限に広げるような質問を投げかける (p196)=======================自分たちで頭の中に勝手に制限をかけていることってわりと多いです。リーダーはまず、その制限を取っ払う。なんでもできる、自由な発想で考えさせる。いいですね!ちなみに、優れたリーダーは「質問『しか』しない」そうです。「質問」の重要性が分かります。最後に、今風の働き方として、瞬時にデータ化する働き方を引用しておきます。=======================・議事録や資料は、クラウド上のグーグルドキュメントに全員が同時に書き込みます。そうすれば、ミーティング終了時には資料ができあがっています。 (p200)=======================環境としては、学校の教職員についても同じような環境が用意されるようになりました。すでに会議の議事録を会議と同時並行で作っている学校も聞いています。ただ、僕の場合、実際にやると、会議に集中しきれなくて中途半端になってしまいました。可能性は感じるものの、もっと貪欲に実践していかないと、そんなにすぐに理想の形にはなりませんね。 ▼テンションを上げていこう! (2006/09/12の日記)▼前田康裕『まんがで知る未来への学び これからの社会をつくる学習者たち』 (2021/04/19の日記)
2021.08.14
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西野亮廣さんの本を、半年前に、古本屋で買いました。『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』 /西野亮廣【中古】非常に納得できるお話がたくさん。渋谷のハロウィンでゴミがたくさん出る問題を、驚きの発想で解決!「この人、すごい」と思いました。=======================『魔法のコンパス』 ・ヨットの理屈で考えると、その「嫌なこと」は向かい風で、やはりこれも前に進む力となる。・「向かい風も追い風」という感覚は常に持っておいたほうがいい (p60)・基本的に僕らには追い風しか吹いていない。 (p61) 向かい風が吹いていても、「追い風しか吹いていない」なんて、カッコイイ! ・スマホの使用を禁止する前に、 発声の訓練をして、 人を惹き付ける喋りの訓練をして、 人を惹き付けるビジュアルの努力をして、 ショーの世界を覗いて勉強をして、 手や身体の振り方を研究して、 今の流行りを言えるようになることが先じゃないのかな? これらの努力をサボっておいて、「話を聞かないから」でスマホ禁止は、もう軍隊のやることだよ。 (p212-213) 学校の先生に向けたメッセージ。 お笑い芸人として努力して人気を獲っていった西野さんの言葉だからこそ、 重みがあります。 =======================今では、『新・魔法のコンパス』という題名になって、文庫の新装版が買えます。「新」となっていますが、実質、続編です。そちらもちょっと前に読破しました。面白かったです!(たぶんまた後日、改めて紹介します。)『新・魔法のコンパス』 (角川文庫) [ 西野 亮廣 ] ▼「知識」は何のためにあるのか?(西野亮廣さんのアメブロより) ▼映画「えんとつ町のプペル」を鑑賞しました。
2021.07.05
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非常に面白い本を読みました。親が、自分の子から教わったことを書いてある本です。小学生の、息子からです。何を教わったか?自己肯定力です。『自己肯定力 そんなことで私の価値は変わらない』(鴨頭嘉人、かも出版・サンクチュアリ出版、2019、1200円(紙の本は絶版))『自己肯定力〜そんなことで私の価値は変わらない〜』【電子書籍版】僕は教師ですから、子どもたちに自己肯定力を身につけさせたいと思っています。ただ、そんな僕自身、自己肯定力が、あまりありません。本や他の人から、エネルギーをもらったときだけ、後先考えずに「えいやっ」と行動します。でも、長続きせず、疲れると、スマホゲームに逃げています。それの繰り返しです。「自己肯定力」とは、自分で自分を肯定するチカラのこと。永続運転をするための消えない炎のようなものです。常に燃料を補給し続けなければいけない人は、自己ではなく他者に依存しています。他者は関係ない。ありのままの自分で生きていく力。人生で最も大切なチカラかもしれません。そんなわけで、興味深いタイトルに、迷わず手に取りました。(ブックオフで。)そして、先ほど、読み終わりました。いやあ、感動です!「小学生男子が本当にこんなことを言うんだ!」という驚き。この子は、たしかに師匠と呼ぶにふさわしい、と思いました。では、僕が感動した、鴨頭 嘉人さんの子どもさんの言葉と行動の数々を、少しご紹介しましょう。=======================『自己肯定力』 ・「やっぱり!! 変化っていいよね♪ 変化サイコー!!!」 (p30) 周りの大人は、心配していても、 本人はどこ吹く風! 変化を楽しむ息子くん、本当にステキです! ・「そりゃ~ 夏を感じて過ごしたほうがいいでしょ。 だって、今しか味わえないんだから」 (p121) 「夏は暑いのがいやだ」と文句ばっかり言っていた自分が恥ずかしくなりました。 これ!この考え方ができたら、文句の大部分は消えますね! 今しかできないことを楽しむ! 夏は暑いんだから、暑いということを楽しまないと、ですね。 暑いときには暑いということをしっかりと味わう。 仏教で悟りを開いたお坊さんと同じことを言っている、と感じました。 小学生男子でこの考え方ができるって、本当にスゴイ。 ・運動会で負けた夜・・・ 「悔しさを味わい尽くし・・・」 運動会で負けた次の日・・・ 「1日8時間、走り続けた!!」 (p188) ここは本当に感動したところです。 こんなふうに抜粋してしまったら、感動は伝わらないと思いますが、 本書の中で経緯を追って読んでいくと、本当に感動します。 息子くん、めちゃめちゃがんばって、運動会に臨んでいるんです。 大舞台への取り組みの姿勢が、スゴイです。 この子は絶対大成すると、確信します。 ======================= 小学生男子の言葉、行動のひとつひとつに、感涙。人生で大切なことを、小学生に教わる、というのも、いいですね。ふだん読書しない人向けなのか、大きな文字でとにかく読みやすく書かれています。サクッとすぐに読み終わってしまうので、もしかしたら、物足りないかもしれません。そんなあなたのために、続編も出ているようです。こちらも興味津々!『自己肯定力2 ~やっぱり私は素晴らしい~』 [ 鴨頭嘉人 ]『自己肯定力 3』/鴨頭嘉人ところで僕は『自己肯定力』の副題の「そんなことで私の価値は変わらない」を見るたびに、ある歌のフレーズが頭の中に流れ出します。♪すてきな ことは 変わらない~そう、中西圭三さんの「素敵なことは変わらない」です。こちらも、名曲です! ▼肯定の言葉のシャワーを浴びせる (2009/12/11の日記) ▼肯定的な意図を読み取り、相手を尊重しよう! ~若本勝義『夢をかなえるNLP』 (2019/06/17の日記)▼クロイワ・ショウ『出稼げば大富豪』1 ~「意識は肯定にあり。知識は否定にあり」 (2010/11/04の日記)
2021.07.04
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『すぐやる人は、うまくいく。』(文庫版)(中谷彰宏、学研、2016、550円) 【中古:現在価格10円】古本屋さんが昔から、大好きです。行く度にたくさん買ってしまいます。そして、格安の本の中に、思わぬ掘り出し物があるのです。中谷さんのこの本も、そうでした。とんでもなく、いいです!ぜひ、中古で探して、読んでみてください。いつもながら、分かりやすい例で、共感の渦に引き込まれます。「歯医者さんに行くのを先延ばしにしました。」(p96)なんて、「あるある」です。とにかく、「すぐやらなきゃ!」という気に、させられます。=======================『すぐやる人は、うまくいく。』 ・すぐやれる人は、優先順位を決めないで、とにかく手当たり次第やります。 これが、一番速いのです。 (p123) 僕は、優先順位を決めてから仕事にかかるタイプです。 これは、一見よさそうですが、仕事がどんどん溜まっていきます。 僕のパソコン棚の上には、 「読んでみてよかったので、ブログで紹介したい本」がひしめき合っています。 優先順位を考えるから、「どれを紹介しようか」と考えるだけで時間が過ぎてしまうのです。 来たもの順でとりあえずさばく、というのを意識するようになると、 仕事は溜まりません。 この本を読んでから、職場では、わりと意識してやっています。 とにかく依頼が来たらすぐにやるので、気づいたらけっこうな仕事量をこなしています。 家に帰るとのんびりモードに入るので、家の本はどんどん溜まります。 経験からして、あきらかです。 考えずに、来たもの順でやっていくのが、一番速い! ・すぐやれない人は、荷物が多いです。 荷物が多いと、動きが遅くなります。 (p126)・よけいなものをたくさん持つと、動きが遅くなります。 (p127) 家の中には、本も溜まっていますが、ほかにも、モノが溜まっています。 減らさないとなー、と思います。 ブックオフに本を売りに行ったりして、スペースが増えると、 気持ちも軽くなった気がします。 気分がよくなって、また、本を買います。 堂々巡りです・・・。(^^;) 何も持たず、旅をする生き方とか、実は、あこがれています。 ・イライラして、 「このイライラを相手にぶつけたい」 「嫌味の1つでも言ってやろう」 という気持ちになると、マイナスはさらに増えます。・シワ寄せを取り戻せる一番のチャンスは、ムッとしないことです。 (p130) 気をつけます・・・。 めっちゃ、思い当たります・・・。 ・楽しいことは、すぐやるというスピードの中にあります。 (p196)・後手にまわる作業は、楽しくありません。 「仕事が面白くない」と言う人は、後手にまわっているのです。 (p199)・楽しい仕事のやり方は、言われる前に先手を取ることです。・言われる前にやればいいのです。 (p200) 兵法の極意にも通じる気がします。 先手必勝、ですね! 周りを見ても、仕事を楽しんでいる人は、先手を取っていると思います。 =======================この本を読んで、中村文昭さんの「返事は0.2秒」のことも、思い出しました。即答、即断、即行動。考えてばっかりでなかなか行動しない僕みたいな人間は、こういう本を読んで、エネルギーを注入すると、成長が促進される気がします。 中谷さんの本は、しんどいときでもスルッと読めて、 短いのに含蓄のある言葉があちこちにあり、 読んでいるうちに元気になるので、おすすめです。 自分の気の持ちようを何とかしたい方には、特におすすめです。(一人さんの本のときにも、同じことを書いたなあ・・・。)中谷さんの本は、どちらかと言えば、本の後半がおすすめです。エンジンがかかって、加速してくるので。すぐに読めますし、ぜひ通して最後まで読んでみてください。僕は、「いいホテルのお客様は、お正月にチェックアウトする時に来年の分の予約をして帰ります。」(p105)を読んで、来年の予約をしようと思いました。(しかし、まだ思っただけで、行動してない・・・イカンなあ。) ▼中谷彰宏『3分で「気持ちの整理」ができた。』1 ~クイズ番組と同じ。▼中谷彰宏『なぜあの人は逆境に強いのか』3~きちんと仕切っていける強さをもって、一緒に苦労する。▼『人脈より人望のある人が成功する』中谷彰宏▼『人脈より人望のある人が成功する』中谷彰宏 2 ▼中谷彰宏 切る。
2021.07.03
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僕は、学校の子どもたちから、「ドラえもん先生」と呼ばれています。(呼ばせている?)不思議な道具で助けてくれるからです。ドラつながりで、『もしドラ』という本を買ってきました。ブックオフで250円。一世を風靡した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海 著)のアニメコミック版。分厚かったのですが、アニメをそのままマンガにしたものなので、すぐに読み終えました。「もしドラ」入門用としては、かなりいいのでは、と思いました。「どら、読んでみるか」と思った方は、中古で購入してみてください。『もしドラ (アニメコミック)』=======================『アニメコミック もしドラ』・「あらゆる組織において 共通のものの見方、理解、方向付け、 努力を実現するには 『われわれの事業は何か、 何であるべきか』を 定義する事が 不可欠である」 (p39)人によって定義が違うことは、よくあること。 聞いていくと、思いがけない発見があるものです。・「われわれは 何を売りたいか」 ではなく… 「顧客は何を 買いたいか」を 問う。 (p62)これもまた、一人一人に聞いていくと、 思いがけない発見があるものです。・「自己管理目標は 強い動機付けをもたらし… 最善を尽くす願望を起こさせる」 (p135)テストの結果を返すみたいなもの。 データのフィードバックがあるから、がんばろうと思える。 「オレは、ここがこうだから、ここをこうしよう」と思える。 気づきを促し、主体性をはぐくむには、データのフィードバックは、重要ですね。 このブログにしても、アクセス数などのデータのフィードバックが楽天さんからあるから、がんばれるところがあるし、自分で次の目標を立ててめざすことにつながっています。・「相手に体重を重く感じさせるコツは… 意外に思うかもしれないけど、 脱力よ!」 (p176)・「効果的な脱力に必要なのは 下半身の強化! それには 四股を踏むのが 一番の練習法なの!」 (p177)・「走っている時は 手を握らないのが 基本よ‼ 拳を握りしめて 力を込めると、 筋力がこわばってしまうの!」 (p178)やっとここで運動部の練習に使えそうなコツがでてきました。 効果的な体の使い方のコツ。 ポイントは「脱力」のようです。 普段の生活でも、心掛けるとよさそうです。 四股踏みは、斎藤孝さんも推奨されています。=======================ドラッカーの「マネジメント」は名著として有名ですが、小説化したり、アニメ化したり、マンガ化したりして、エッセンスを手軽に吸収できるのは、今の時代に合ったビジネスだと思いました。せっかくなので、恩恵にあずかっちゃいましょう!▼『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(2010年10月26日の日記)
2021.04.12
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先日の兵庫県公立高校入試の国語で取り上げられた小説『水を縫う』。図書館で借りて、読んでみました。『水を縫う』(寺地 はるな、集英社、2020/5、1760円)====================【内容情報】(上のリンク先の「BOOK」データベースより) 「男なのに」刺繍が好きな弟の 清澄(きよすみ)。「女なのに」かわいいものが苦手な姉の 水青(みお)。「愛情豊かな母親」になれなかった さつ子。「まっとうな父親」になれなかった 全と、その友人・黒田。「いいお嫁さん」になるよう育てられた祖母・ 文枝。普通の人なんていない。普通の家族なんてない。世の中の“普通”を踏み越えていく、6人の家族の物語。====================非常に、よかったです。なにげない日常の中にある意味を切り取った、見事な描写に感動しました。家族や、それに近い人たちの視点を章ごとに切り替えながら、それぞれの思いや悩みを綴る内容。僕だったら、こういう小説は書けないなあ、と思いました。繊細で宝石のような小説でした。僕が書くとしたら、非日常的な事件がどんどん起こって、誰が何した、そしたらどうなった、みたいな、出来事を追っていくような小説になってしまいます。日常のありふれた物語にフォーカスを当てて、掘り下げることは、一番難しい。見る角度を変えたり、遠目から見たり、近づいて見たりして、同じものの別の側面を感じさせること。知っていると思い込んでいたものの気づいていなかった値打ちに、気づかせてくれるような、ハッとする描写。そういうものが、巧みに書かれているなあ、と非常に感銘を受けました。日常のやりとりは、ある意味、漫画みたいでも、ありました。『海街diary』みたいな。『海街diary』(1) (flowers コミックス)(吉田 秋生)何気ない日常の中にある密度。めぐりめぐる考え・思考・心配ごとのリアル。こういう小説を読むことは、自分の日常に意味を与えたり、色彩感を増したりすることになると思います。新しく高校生になる人たちから大人たちまで、広く、オススメできる小説です!(関連する過去記事)▼2021兵庫県公立高校入試問題速報 (2021/03/13の日記)
2021.03.22
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仮説社の教育雑誌『たのしい授業』を15年ぶりに買って読んでみました。知らなかったことが、たくさん書いてありました。▼『たのしい授業』2021/1月号 仮説社公式サイト『たのしい授業』はゆるーく読めますし、楽しい話題、知らなかった話題、ハッとさせられる考え方が満載の雑誌。科学的好奇心が旺盛の人にはどの方にもおすすめできる雑誌です。隅から隅まで楽しく読めます。2021年1月号の読者からのおたよりのページには、コロナに関係する違った視座からの情報提供もありました。世界的なコロナウイルス感染症予防対策により、いろいろなことが起こっていますが、なかにはイイコトもあるのだとか。おたよりによると、「海洋の密漁は『密になる』ため避けられた。 水質の汚染は減り、自浄能力と合わせて非常に良い傾向が続く」(『たのしい授業』2021/1月号、p152より)とのこと。「密漁が密だから避けられた」っていうのが、おもしろい。そんなことが、あるんだ。『たのしい授業』は教師向けの雑誌なので教育に関係する内容がほとんどなのですが、扱う範囲が幅広いので、すごいなあ、と思います。2021年1月号の「日本の教員の実態」の分析記事も、国際調査で世界の国と日本を比較するということをされていて、目からウロコでした。日本の教師の仕事時間が他国と比べて抜群に多いことが数字で示されていて、たまげました。「日本の小学校教師の週あたり仕事時間は54.4時間で、(中学校に続き)こちらも調査国中一番多いです(平均は40.2時間)」(『たのしい授業』2021/1月号p124 丸山秀一「日本の教員の実態」より)数字の説得力って、すごい!ただ、その数字はどうやって出したかという背景も含めて知る必要があるので、詳しくは本誌を読んでいただいたり、参照されているOECDの調査の原典にあたるなどして、確認してみてくださいね。1月号は、通級で使わせていただいているカードゲーム「足算」を開発された淀井先生も、たくさん記事を書かれています。「足算 その動物、足は何本?」 (淀井泉、仮説社、カードゲーム、2016、1100円)アドラー心理学の野田俊作さんの特集記事は、ちょうど昨年度に教員仲間の読書会で読んだ本だっただけに、特に興味深かったです。非常に勉強になりました!=========================・「みなさんは、子どもに大切なことを教えるか、子どもと仲良くするか、どちらが大事だと思いますか?」・「そんなの言うまでもないことです。 ”仲良くする”がいいに決まってるじゃないですか」・「関係が先なんです。」(淀井先生が書かれていた野田俊作さんの言葉より:『たのしい授業』2021/1月号 p24,25より)=========================上に引用させていただいた野田先生の言葉、たしかにすごく印象的です。野田俊作さんのトーキングセミナーのオーディオブックが好きで、寝るときとかにたまに聞いています。野田さんの語り節って、面白くって引き込まれます。淀井先生が読まれていた野田さんの本はその後新版となり、かなり内容が整理されています。僕の勤務市であった学校の先生たちによる読書会では、主宰の先生が新旧両方の本を紹介されて、詳しく説明してくださいました。「新しい視座を提供する」という意味では、こちらもおすすめの書籍です。『アドラー心理学でクラスはよみがえる 叱る・ほめるに代わるスキルが身につく』(野田俊作/萩昌子、創元社、2017、1540円)
2021.02.06
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大晦日です!普通なら1年を振り返るところですが、今年はちょっと奮発して、100年振り返ってみたいと思います。年が終わるまでに歴代映画中興行収入1位になった「鬼滅の刃」。その時代設定がおよそ100年前。大正時代です。ちょうどその時代と今を比較する検証本があるのです。今と同じことが100年前にもあったりして、けっこう面白い。『100年前から見た21世紀の日本 大正人からのメッセージ』(大倉幸宏、新評論、2019/10、2000円)本書では大正時代の書物を多数引用し、その時代のことを事細かく伝えてくれます。大正時代の本をそのまま読もうとするとなかなかしんどいですが、一部を引用してくれることで、大変読みやすくなっています。また、現代の視点で見ることで、非常に感慨深いものがあります。たとえば「教員の勤務実態」については、次のような記述があります。====================・今日の小学校教員にはその学校勤務中余裕というものが全くない。 朝から帰るまで勤務に追われて少しも休息時間というものがない。(西川三五郎『立憲的教育施設の実際』1914年、本書p39より)====================「これ、大正時代から言ってたの!」と、驚きを禁じ得ません。小学校に勤めていますので、休憩時間の確保ができないというのは痛いほどよく分かります。小学校教員はトイレに行く間もないという話を聞くことがありますが、本当にそうなのです。そうはいってもトイレにはどうしても行きたくなるときがあるので(笑)、僕の場合は目の前の子どもに断って、「ちょっとトイレに行かせてね」と言ってトイレに行っています。もちろん時間割上の「休み時間」はあるのですが、それは「休み時間」であって「休み時間」でない。次の授業のための準備時間であり、終わった授業の後始末をする時間であり、子どもの話を聞く時間であり、僕の場合はさっきまでしていた通級指導の記録を書く時間であります。通級指導を楽しみにしている子の場合はこの「休み時間」から教室に来ますので、子どもの相手をしつつ、記録を書きつつ、後片付けをしつつ、次の準備をしつつ、トイレに行っています。学級担任の場合はもっと切実だと思います・・・。次の記述も含め、あまりにも今と同じなので笑っちゃいます。笑っている場合ではないですが・・・。====================・今日の小学校は授業参観、職員会議、学年会、やれ何やれ何と毎日のように居残らねばならぬような事務が随分多い、これらは局外者の知らぬ所である。(西川三五郎『立憲的教育施設の実際』1914年、本書p44より)====================100年経って、「働き方改革」の波がやってきました。この波に乗って、働きやすい職場にしていきたいと思う次第です。勿論、この本は教員のことばかり書いてある本ではありません。ほかにもいろんなことが書いてあります。自分の今の職業や立場の「100年前」が出てくると、思いのほか勉強になったり、刺激になったりするかもしれませんよ。それではみなさま、よいお年を。すこしでもよい環境作りにお互い邁進しましょう~。
2020.12.31
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古本で購入した ひろさちやさんの『「ずぼら」人生論』を読み終わりました。『「ずぼら」人生論 』(ひろさちや、三笠書房、2010、現在は古本で安く買えます。)ひろさちやさんは、「仏教思想を、逆説やユーモアを駆使してやさしく説く」ということで定評がある方です。(著者紹介の一部から引用)かなり驚くような主張を平然とされていたりして、自分の常識が覆ります。(笑)読み物として面白く、かつ自己啓発的な刺激を受けたい方にはオススメです。本書の帯には、「社会や他人の「ものさし」を捨て、自分の「ものさし」を持った人は、思い通りに生きていける」とあります。ものさし(一定の価値基準)に縛られがちなココロを揺さぶり、解き放ってくれます。その中には、「学校」における能力主義的なものさしも入っています。「学校」というところは、学力偏重に陥ったり、「できる」・「できない」で判断したりしがちですが、こういった本をたまに読んで、そうでない考え方があるということにふれるのも、大事なことかと思います。============================= 『「ずぼら」人生論 』 ・子供が一所懸命やってとってきた点数は、 たとえ10点であろうと、0点であろうと、宝物・化け物に囲まれて生きるより、宝物に囲まれて生きるほうが、ずっといい (p63より) 点数へのこだわりを捨てきれない自分がいます。 何点であっても宝物、とはなかなか思えずにいます。 しかし、ひろさちやさんは「アホの物差し」という言い方で、以上のようなアンチテーゼを提示します。 せめて、その点数なりのよさというものに気づけるようになりたいな、と思いました。 ・音痴の歌はだれにも唄えないオリジナルです。・世間の物差しでいう長所からはみ出しているのは、全部個性なんです。 (p93より) ひろさちやさんはご自身のことを「音痴」と言いながら、それでいいじゃないかと開き直っておられます。このエピソードからも、世間の物差しを気にしなくて堂々としていればいいんだと気づかされ、勇気をいただきました。 ============================= 「宝物」とか「個性」とかのプラスの言葉は僕も好きでよく使いますが、ひろさちやさんの場合はプラスとかマイナスとかの物差しから完全に逸脱していて、社会通念上マイナスな言葉も逆説的にバンバン使って主張を展開されます。ここでは誤解を受けそうなマイナス的な主張の部分はあえて引用しませんでしたが、通して読むとかなり価値観を揺さぶられるような一見過激な主張も混ぜてあったりして面白いですよ。
2020.12.30
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コロナに気をつけてたら・・・胃腸炎になりました。(涙)胃腸炎といえど、あなどれません。ほぼ3日、寝込みました。本当にこの世の中、気をつけるべきことは、山ほどありますね!胃腸炎でつらかったので、読みかけの『「つらいな」と思ったとき読む本』を読みました。ブックオフで見つけた掘り出し物です。【中古】『 「つらいな」と思ったとき読む本』 だいわ文庫/中谷彰宏【電子書籍版】「つらいな」と思ったとき読む本[ 中谷彰宏 ]毎回思いますが、中谷本は、タイトルの付け方が一流です。まさに、このときに読むべき本!という匂いに、吸い寄せられてしまいます。抜群の吸引力です。本書の内容は、病気でつらいケース以外にも、仕事とか人間関係とか、いろんなケースをふまえて書かれてあるのですが、最後の方に、ありました。「免疫」の話が。これが、今まで読んだどの「免疫」の話よりも、分かりやすかったです。「そうだよなー」と思いました。ほかのことにも、応用が利くなあ、と思いました。どんなことにも、この考え方を活かしていこう、と思いました。それだけ言って、全然引用しなかったら、怒ります?文庫本でかさばらずに読みやすいので、買って読んでいただくのが一番いいのですが、僕が感銘を受けた免疫の話の一部分を、引用しますね。====================・採取したウイルスを動物に注射すると、その動物の中で、重症に向かうものと、比較的軽症のものとに分かれます。 軽症のものは、強い免疫をつくります。 免疫は、インフルエンザウイルスと1カ所違うだけです。 それを打つことで、軽いインフルエンザにかかって、「うちはもう間に合ってます」のような形になるのです。 うつるものは、中に入れてしまえばいいのです。 小言ばかり言う父親から離れても父親の口調が脳内から離れないなら、自分の中で父親のモノマネに変えてしまえばいいのです。 取り入れて、それにかからない体にしていくのです。 一度ひどい食中毒になると、食中毒になりにくい体になります。(文庫版同書p191-192より)====================「免疫」って、実はよく分からずに使っている言葉なのではないか、と思うのです。免疫の正体をよく分からずに、「免疫をつけよう」と思っていると、ニセの健康法とかにだまされたりするかもしれません。免疫とは何か。それは、「すでにある」ということです。だから、避けてたら、免疫は、つかないのです。運悪く胃腸炎になってしまった自分ですが、これを読んで、「ああ。でも、胃腸炎になったおかげで、胃腸炎に対する免疫がついた」とプラスに捉えることができました。「ずっとおなかの調子が悪かったけど、これを機に、治っていくぞ」と。病人に明るい展望を持たせる、見事な本です。(笑)病気を完全に避けるのではなく、少しずつ病気の要素を取り入れつつ、体の中で飼い慣らしていく。病気と友だちになる。病気というのは、かからないからいいとか、治ったからいいとかいうものではなく、免疫をつけてくれるものなのかもしれません。Aという病気になったおかげで、Bという病気になっても、軽症で済むのかもしれません。まさに、人間、何が「さいわい」か、わかりませんな!引用した文の中で著者は「父親の口調が脳内から離れない」ケースに見事に話を置き換えています。こんな風に、病気に限らず、どんなことでも、受け入れる姿勢をもつことこそ、自分をラクにするために、大事なのではないでしょうか。ちなみにこの章の章タイトルは、「相手を許すことで、免疫力が上がる。」です。人を許すことと免疫は、つながっていたんですね・・・。「アクシデントが、チャンスになる。」(だいわ文庫版、本のオビより)
2020.10.03
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前回は、『Think Clearly』の読書メモでした。せっかくなので、続編の読書メモも、続けます。『Think Clearly』の続編は、コレです。『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』(ロルフ・ドベリ/安原実津 訳、サンマーク出版、2020/1、税別1700円)このシリーズには様々な実験が紹介されています。この本の中で、特に面白いと思ったのが、次の実験。=============================・バウマイスターは学生たち全員に、提示された最初の文字につづけて、決められた時間内にひとつの言葉を完成させるよう求めた。 たとえば「パ・・・・・・」からは、「パニック」という言葉を思いつく学生もいれば、「パーティ」「パリ」といった言葉を思いつく学生もいた――そうして、彼らが無意識のうちに考えていることを突き止めたのだ。(p100)=============================これと似たような「書き出し指定1行作文」というのを、通級教室の課題としてよくやっています。「学校」というような言葉だけ与えて、その続きを自由に連想して書かせる、というもの。「自由連想法」や「文章完成法」という心理学の手法がもとになっています。僕が自作したものは、こんなのです。1文字だけ与える、というやり方も面白いな、と思いました。今度やってみようかな。ちなみに、この本の17章「反射的に思いついた答えは疑ったほうがいいわけ」を読んだ僕は、反射的どころかじっくり考えても不正解とされる答えしか思いつかなくて、落ち込みました。「あなたは車を運転して時速100キロでAからBに向かい、 帰りは時速50キロでBからAまで戻ってきた。 あなたの平均速度は、時速何キロだろうか?」(p107)という問題です。僕の頭は、いつまでたっても「75キロ」のままでした。どう考えても、「それ以外あり得ない!」と思ってしまいます。みなさんは、どうですか?=============================・自問をすれば真実や的確な答えにたどり着くという考えは、「内観の錯覚」と呼ばれている。(p116)=============================自分の考えがまるで当てにならないことが分かり、打ちのめされます・・・。さて、この本の副題に含まれる「間違った思い込み」に関する数々の実例のうち、「新薬の効果」に関する話は、特に興味深かったです。=============================・「定期的な服用をしたグループ」には比較的状態のよい患者ばかりが残ることになり、結果として薬の効用は実際よりもずっと高く見えている(p140)=============================こういうことは、非常によくあることだと思います。特に、商品の宣伝に使われるデータには、意図的にしろ、意図的でないにしろ、真実のようでいて思い込みに過ぎないことが隠れていることがよくあります。気をつけたいところです。『Think Smart』の後には『Think right』が控えています。こちらはまだ未読。またまた打ちのめされそうな、予感・・・。『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』(ロルフ・ドベリ/中村智子 訳)
2020.07.14
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『Think Clearly』という本は、なかなか面白い。『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』(ロルフ・ドベリ、サンマーク出版、2019、税別1800円)期待せずに読み始めたのですが、はまりまして・・・今はとっくに読み終えて、続編を読んでいます。一つ一つの章が短く、すぐに読めるのですが、論理的に分かりやすく展開する説明に、「なるほど」とうなずくことが多いです。日々の自分の考え方に偏りや間違いがないか、振り返ることになりました。読書後には高揚感に包まれて、オーディオブック版も買っちゃいました。▼Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法(audiobook.jp) (リンク先で、試聴できます。)もともとは2017年の10月にドイツで刊行されたもの。発売後すぐにベストセラーになり、5ヶ月間実用書部門のトップ10に入り続けたようです。日本で類書を挙げると、中谷彰宏さんの本に、わりと近いかも。各章のタイトルが、考え方や行動のアドバイスになっています。僕が特に自分に当てはまるなあ、と思ったのは、19章かな。=============================『Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法』 19 SNSの評価から離れよう (p160-167) ・「世間の評価を気にしても、私の本の出来が変わるわけではない」・世界一すばらしい恋人なのに、他人からはひどい恋人と思われるほうがいいか、それとも、実はひどい恋人なのに、他人からは世界一の恋人だと思われる方がいいか? (p162) これは、めっちゃ自分に言われている気がしました。 Facebookをやっていて、けっこう、評価を、気にしているので。(>。<;) そういえば僕の尊敬する坂本龍馬先輩も言っていました。 「世の人は我を何とも言わば言え 我がなすことは我のみぞ知る」。 他人の基準より、自分の基準ですね! ・他人の評価からは 自由になったほうがいい。・他人からの評判は操作できるものではない。 (p165) わかっちゃいるんですけど・・・。 ・気をつけないと、私たちはいずれ「他者からの承認を求める機械」になってしまう (p166) 辛辣な表現が出てきて、とどめを刺されました。 はい、気をつけます・・・。39 「心の引き算」をしよう (p310-317) ・「まだ持っていないものについて考えるよりも、いま持っているものを持てていなかった場合、どのくらい困っていたかについて考えたほうがいい」(p316) 幸せを感じる手段は、こんなに簡単なことだったんですね。 =============================続編は、以下のものがあります。シリーズでまだまだどんどん出るのかな・・・。『Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法』(ロルフ・ドベリ/安原実津 訳)『Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法』(ロルフ・ドベリ/中村智子 訳)
2020.07.13
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『鬼滅の刃』(きめつのやいば)が子どもたちの間で大流行りです。昨年度から流行っていましたが、人気はとどまるところを知りません。学校では低学年の子から高学年の子まで、アニメの主題歌を歌っています。お昼の放送では放送委員がアニメの主題歌をかけまくりです。原作はジャンプコミックスなので、少年誌に連載されている男の子向けのマンガですが、なんと女の子にも人気があります。こんなに男女問わず受け入れられているマンガは、歴史的に見ても、かなり珍しい。ここまで流行っていると、子どもと話を合わせるためにも、どんなマンガか、読んでおきたい人もいるのでは?僕の場合は、自分の子が読みたがっていたこともあり、マンガを読んでおきたいとは、常々思っていました。ところが、全巻買うには、お金がもったいないな、とも思っていました。『鬼滅の刃』は今月21巻が出たところです。書店では売り切れが続出しているようです。これまでも子どもたちから、「発売日当日に朝から並ばないと買えない」などと言われていた『鬼滅の刃』。ちょっとほかのマンガでは考えられないくらい、入手困難になっています。とはいえ、最新刊以外は、だいぶ入手しやすくはなってきたのかな?仮に21巻すべてを今から買いそろえようとした場合、どれくらいの金額になるでしょうか?たとえば、全巻セットで調べてみると・・・新品 『鬼滅の刃』 全巻 1巻〜21巻セット 通常版 集英社(リンク先価格:12,800円)当たり前ですが、1万円は軽く超えます。上のものは「通常版」ですが、「特装版」というものも、あるようです。(特装版については公式サイトをご覧ください。シールとかがついて、値段も上がっています。)ちなみに第1巻だけ買うと、次のようなお値段です。『鬼滅の刃』 1 (ジャンプコミックス) [ 吾峠 呼世晴 ](440円)コミックも新刊で買いそろえるとかなりお値段がしますので、「子どもの好きなものだから」という理由だけで買うには、ちょっと気が引けてしまいます。子どもが自分のお金で買う分には、いいですが。(笑)なんとかして、安く読む方法はないものか?僕は、考えました。いろいろ考えました。うんと、考えました。すぐに思い当たるのは、電子書籍です。電子書籍だと、紙版よりも安く買えることが多いです。ただ、それでも、ちょこっと安くなるくらい。せいぜい440円が380円になるとか、それぐらいです。「1冊100円か、それ以下で読みたい」というのが僕の希望です。そうすると、どんな手段があるか?僕が選んだのは、コミックレンタルでした。僕の住んでいる市には、ゲオがあります。(というか、マンガを借りられるのは、ゲオしかありません。 あとは図書館しか・・・。)ゲオのコミックレンタルの相場は、1週間借りて、1冊50円とか、70円とかです。家族も読むことを考えると、電子書籍ではなく実物が手元にあるに限ります。レンタルなので返さないといけませんが、1週間借りられますし、返却はお店が開いていない早朝でも、ボックス返却が利用できるので、返却もしやすいです。そういうわけで、利用しやすさと安さという点から、近くのコミックレンタル店を利用するというのが、僕の考えたベストアンサーです。とはいえ、人気の本なので、レンタルがずっと「貸し出し中」でした。運よくこの間、1巻から5巻までが返却されていたので、5巻までを借りることができました。それを返した後、6巻はどうしてもつかまらず。7巻と8巻があったので、ひとまずそちらを借りて、6巻は「待ち」に入ることに。ゲオは、ゲオアプリというアプリで利用店舗の在庫確認ができます。(▼ゲオアプリ公式サイト)お店に寄れるときに返却されていたら、そのときに借りればいいや、と思っていたのですが・・・ずっと貸し出し中のまま。もともと6巻だけは3冊しかなく、他の巻は5~6冊あるのに比べて、遭遇率が低いのでした。最寄り店舗のコミックレンタルで次の巻がずっと貸し出し中の場合、どうするか?それも実は運よく解決できました。僕は居住市と勤務先の市が違うのです。勤務先の市のツタヤを帰りがけにネット検索したところ、なんと、6巻があるではないですか!ツタヤの会員証期限はもう過ぎていたのですが、6巻を読まないと7巻と8巻が無駄になるので、220円を払って会員証の期限を延長しました。ツタヤのコミックレンタルは、アプリからでなくても、ネットで普通に在庫検索できました。▼TSUTAYAの在庫検索サイトそういうわけで、『鬼滅の刃』を安く読みたい方、買ってまでは読みたくないがどんなものか読んでみたい方は、「コミックレンタル」が、おすすめです!ただし、「貸し出し中」が多いので、全巻読み終えるまでには、わりと時間がかかると思います・・・。
2020.07.10
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いろいろな「家族」がある。休校中の家庭での過ごし方、休校明けの登校において、このことを考えないわけにはいきません。ただ、漠然と「いろいろな『家族』がある」と思っていても、その具体的イメージがどれだけ描けるか。そうでないと、「家族」にとってむちゃな要求をしてしまうことにもなりかねません。教員の「家族」に関する理解、それは、自分が育ってきた家族が基準になるでしょう。比較的、愛されて育ってきた方が、多いのではないでしょうか。そこに、これまで自分が出会ってきた「家族」の幅が、加わります。いろいろな家庭があることを知っている人は、教職員であれば大規模校での担任歴が長い人かな?いろいろな家庭背景があることを知ることは、とっても重要!!けれど、経験年数が浅い若い先生方には、はっきりしたイメージがわかないかも。学校に長く勤めていると、本当にいろんな家族があり、家庭背景が様々であることに、びっくりします。「いろいろな『家族』がある」ことを知るために、オススメのマンガがあります。「家族」が生まれる、そのスタートに立ち会えるマンガ。『透明なゆりかご』『透明なゆりかご』(1) (KC KISS) [ 沖田 ×華 ]【電子書籍】産婦人科で生まれゆく命、消えゆく命。捨て子、DV、虐待等、非常に重いテーマも扱われます。妊娠・出産を喜んで受け入れられる家族ばかりではありません。「ひとの きもち」「ひとの いのち」「いきると いうこと」について、非常に考えさせられます。様々な家族に寄り添い、気持ちを共有しようとする看護師見習いが主人公。知識も経験もなかった高校生の時の著者。様々な「事情」に出会い、親が育ってきた環境も様々、いまの生活も様々であることを知り、「問題」だと思えることも、一概にはだめだと言い切れない、そうせざるを得ないこともあるんだということを知る・・・。丁寧に紡がれるエピソードの数々から、いろいろなケースがあることが分かります。読者も、主人公と一緒に、家族の多様性について、学んでいける、名作です。基本的に読み切り形式なので、1巻から読まなくても大丈夫。オススメは、2巻と7巻。『透明なゆりかご』 2巻 KC KISS / 沖田×華 【コミック】====================いのちと家族の物語。いろいろなケースについて知り、深く考えさせられます。どの話も救いのある終わり方で終わっていて、自信を持っておすすめできる巻。====================『透明なゆりかご』 7巻 Kiss Kc / 沖田×華 【コミック】====================この巻は特に、さまざまな家庭があることが分かり、とても勉強になります。教育や福祉に関わる人たちに特におすすめ!====================過去には、NHKでテレビドラマにもなりました。こちらも非常に評価が高かったようです。▼NHKドラマ『透明なゆりかご』公式サイト未読ですが、小説版もあります。こちらは上下巻。『小説 透明なゆりかご』 (上) (講談社文庫) [ 橘 もも ]勝手に完結していると思い込んでいましたが、マンガは現在8巻まで刊行されていて、まだ続くようです。新刊が出るのを、楽しみにしています。
2020.06.14
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税所篤快(さいしょあつよし)さんの本を読みました。以前読んだ『「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう』、ほんの少し前に読んだ『前へ!前へ!前へ!』に続き、3冊目。とにかく行動力のある方で、ありすぎるくらいです。非常に、刺激を受けました。『突破力と無力 挑戦し続ければ世界はきっと変わる! 』(税所篤快、日経BP社、2014、1500円)スピード感を持って出版されており、ライブ感満載。どきどき、ヒヤヒヤ感が、たまらない。(笑)ある重要な場面でのパネルディスカッション。東京大学の鈴木寛教授が税所さんの行動力についてふれたところを、少し引用します。====================・そういう存在が必要なんです。そこから揺らぎが出てくる。 こぼれ球でいいんです。・こぼれ球を拾って、つないで、つないで・・・・・・そんなに、きれいになんていかないんですよ。(p67:鈴木寛教授の言葉)====================行動力のある人が道を切り開く状況をサッカーにたとえて、非常に端的に伝えられています。たしかに、1回で決められなくても、こぼれ球になることで、チャンスが生まれます。ちなみにパネルディスカッションでの各出席者の台詞、どれも歯に衣着せない言い方でとても面白いです。税所さんは絶体絶命のピンチに遭いながらも、結果的には周囲のサポートもあり、大きなムーブメントを起こしていきます。税所さんの次の言葉に、その秘訣が集約されています。====================・多くの同級生が僕の「失恋」から始まる物語に「共感」してくれたことで、感動が加速しました。 「かっこつけず」に人間くささをさらけ出す姿勢こそが、国籍を超越して人を巻き込んでいくカギだったのです。(p145)====================僕は、かっこつけずにさらけ出すことが、まだまだできずにいます。それが、イマイチ人を巻き込んでいけない原因だと思っています。税所さんの姿勢に、学ぶべきところは、多いです。税所さんは世界の教育を革新させていった後、今は日本の教育改革にも着目しているようです。新刊『未来の学校のつくりかた』が、出たばかり。こちらも、大注目。『未来の学校のつくりかた 5つの教育現場を訪ねて、僕が考えたこと』 [ 税所篤快 ]
2020.05.31
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未曾有の状況下において、なんとかしたいと新しい提案をしても、なかなか通らない・・・そういう方も、多いのではないでしょうか。今日は、「自分」をしっかりもって仕事にあたるために、ある名言集を紹介しましょう。ある有名なマンガからの名言を引き出したものです。『まんが『ブラックジャック』に学ぶ自分を貫く働き方』(手塚治虫、プレジデント社、2019、1300円)実は自分が買った本ではなく、妻が買った本なのですが、読んでみると、これがなかなか、名言揃いなのです。見開きページで完結しており、左側はマンガのシーンの引用になっています。ここでは、今こそあなたに伝えたい、3つの名言を紹介します。(この本の「名言」はブラックジャックのエピソードをふまえたものであり、 マンガの中に直接出てくる表現ではありません。)============================= 『まんが『ブラックジャック』に学ぶ自分を貫く働き方』 ・「もうムリ」からが 始まり・ただ「やる」のではなく、「やり続ける」ことが大切・「ムリ」「不可能」と言われた時からが本当の勝負。(p32より)(画像は、p33より引用)「ブラックジャック」の仕事の根底に流れている仕事哲学が、これなのかもしれません。 周りの誰もが不可能と思える手術をやり遂げてしまうブラックジャック。 マンガだからこそできること、と冷めた目で見てしまうのではなく、 その姿勢から勇気をもらい、自らの仕事に生かしたいものです。・「消費」より「供給」の喜びを・「手に入れること」より「与えること」・「相手の喜び=自分の喜び」である人が、一番強い(p88より)法外な治療費を要求することで知られるブラックジャックですが、 実際には自分の利益よりも人のために尽くすことを優先する医者でした。 自分のことを脇に置いて、人のために行動できる、そんな人はステキですね。・「できる人」は 「すぐやる人」・時間が経てば経つほど状況は悪化し、手がつけられなくなってしまいます。・口を動かすだけで手を動かさない、不誠実な人にはなるな。(p140より)(画像は、p141より引用)緊急事態においては素早い行動が求められます。 いいことを思っていても、結局何もしないでは、状況放置で悪くなるだけです。 できる限りのことをしよう、しかも、今すぐに。 読者の背中を押してくれる一言です。=============================現実にあった実践例から勇気をもらうということはよくあることですが、たとえそれが虚構であったとしても、すぐれた物語から勇気を得るということもまた、よくあることです。マンガは特に登場人物の生き様を強く訴えかけてくるメディアだけに、大きな勇気をもらえることも。『ブラックジャック』の名言についてはネット上でまとめてあるところが多くあります。たとえば、以下のようなところなど。興味があれば、のぞいてみてください。▼手塚治虫「ブラック・ジャック」の名言&感動エピソード (株式会社りーふねっと「Cinema Gene」より)
2020.05.03
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大河ドラマで明智光秀が始まりましたね。地元が少しだけつながりがあるので、大いに盛り上がっています。僕が好きな歴史上の人物は、なんといっても坂本龍馬です。昨年は高知県の龍馬記念館にも行けて、感無量でした。龍馬のような生き方をしたい!と思います。え? あなたもですか? 奇遇ですね!(笑)そんなあなたにぴったりの、『龍馬の如く』という本があります。タイトル、そして各章のトップには書の名家、武田双雲さんの迫力ある書が、ドドーン!と載っています。その後、見開き2ページで、龍馬からのメッセージが、コンパクトにまとめられています。見開きの右側には、龍馬がしゃべっているようにババーン!とセリフが書かれちょります。左側は、なぜそれが大切か、といった解説です。龍馬が本当に語り掛けてくれているような、見事な企画です。武田双雲さんの書がまた、カッコイイ!『龍馬の如く 自分らしく幸せに生きる82の法則』 (茶谷清志【著】,武田双雲【書】、インフォトップ出版/イーストプレス、2009、定価1500円) (リンク先は古本200円)=============================『龍馬の如く 自分らしく幸せに生きる82の法則』 <仕事> ・どんな仕事でも 雑にすれば、雑用になる どんな雑用でも 心を込めれば、立派な仕事ぜよ(p18より)これを初めて読んだとき、ズガーン!ときました。 「雑にするから、雑用」 まさに! つまらない仕事があるんじゃない。 自分の心が、つまらなくしているんだ!!・中途半端な心の状態が、かえって心を苦しくしているのです。・坂本龍馬が多くの人々から愛され、多くのことを成し遂げられた理由 ……それは、どんな人にでも自分の心を開いていたからです。・人生の達人は、(略)心をオープンにして、生きることを楽しんでいる人なのです。(p65より)「中途半端な心の状態」・・・ 僕は、これは、とってもとっても、思い当たります。 うむ、確かに、龍馬とはほど遠い状態です。 龍馬は行動の人でしたが、その理由は、「中途半端な心の状態」がなかったからなんでしょうね。 時代を変えるには、やはり、心の状態こそ、大事だったのです!・今よりもずっと窮屈だったはずの封建社会で、坂本龍馬があれだけ自由に生きられたのは、龍馬の心が自由だったからです。 (略)命をかけて日本を生まれ変わらせるという覚悟を決めていたからです。(p77より)自由な龍馬は、誰よりも、「日本を生まれ変わらせる覚悟」を決めていたのだと思います。 有名な「日本を今一度洗濯いたし申しそうろう」に、そのことが如実に表れていますよね。 この言葉が入った龍馬の手紙を、実際に龍馬記念館で見ることができて、 僕は猛烈に感動しました。<楽しめる人>・人生を楽しめる人は どうでもいいようなことでも喜んだり、笑ったりできる人 ひとことでいえば 子供みたいな人ぜよ(p122より)「日本を今一度洗濯いたし申しそうろう」には、龍馬の覚悟とともに、 子どものような、龍馬の茶目っ気も感じられます。 「子供みたいな人」という点では、 僕は唯一、自信があります。 僕は僕のままでいいんだ!! ・・・自信をもらいました。(笑)=============================ブログ記事では、武田双雲さんの書の迫力をお伝えできないのが残念です。それでも、茶谷清志さんによる龍馬の生き方のエッセンスが、少しでも皆さんの生き方にも勇気を与えるものであったなら、幸いです。さあ、今からご一緒に、日本を今一度洗濯しましょう!!(^0^)
2020.02.18
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元「日本一のニート」phaさんの『しないことリスト』を読みました。『しないことリスト』 (pha 著、だいわ文庫、2018、650円)『しないことリスト』【電子書籍】[ pha ]妻が買っていたので、軽い気持ちで読み始めたのですが、軽く読めて、なかなか役に立つことが書いてありました。(特に最後のほう!)phaさんはブロガーで、この本もブログ記事がもとになっているそうです。「そうか、ブログにはこういうことを書けばいいのか!」と思いました。一つ一つが短くて、隙間時間に読めます。著者はかなりの読書家で、この本に多くの本から得たと思われる知識が凝縮されています。本をたくさん読むよりも、この小さな文庫本を一冊読むほうが、お得かもしれません。興味を持った話は、紹介されている本にあたるといいと思います。僕は、p190で紹介されていた山田風太郎の『人間臨終図巻』に興味を持ち、読んでみると、僕の年齢でサン=テグジュペリが亡くなっていることが分かりました。サン=テグジュペリの遺志を継いで生きよう、と少し思いました。(^^;)======================== 『しないことリスト』 ・「人間の注意資源は有限」・たくさんのモノを持つほど、一つ一つの扱いはおろそかになってしまう。(p22より)たしかに!・何かをするときは、「それが何の役に立つか」を考えるよりも、そのこと自体を楽しむのが健全だ。(p167より)「今ここ」を生きることは、ストレスレスな生活の必須要素ですね。 しかし、僕は・・・「これが何の役に立つか」と考えまくりです! 考えすぎて、おなかすいてます!・「イネイブラー」は、アルコール依存症や精神疾患などの問題を抱えた人を甘やかすことで、その人に依存されることに依存している、いわゆる「共依存」という状態で、問題を抱えた人が自立すると、自分が必要とされなくなってしまうので、問題を根本的に解決しようとせずにダメな人を甘やかして温存してしまうのだ。(p175より)特別支援に関わる人も、もしかしたらそういうことがあるかもしれません。 無意識に相手にずっと助けを求めつづけてほしいと願っていることがあるのかも。 こういう指摘、たまに読むと、反省します。・ぼーっとするコツは、「乗り物で移動しながら、ただ座っている」みたいに、何もしないでいてもなんとなく気が紛れる状態に自分を置くこと・瞑想では「ある一点にひたすら意識を集中する」とか 「自分の身体を限りなくゆっくり動かして、その身体感覚に意識を集中する」とか、 何かダミー的な目標に意識を向けることで、心の中をクリアにしようとする。(p187-188より)「瞑想」についての本は少し読んだだけで全く実践できていません。 しかし、あくせくとやることに追われて健康を害している気がするので、 「瞑想」的なこと、大事なんだろうなー、と思います。 「瞑想」のコツを、非常に短い言葉でコンパクトにまとめてくれていて、ありがたい。・丹田に意識を集中するというのは、「全身からうまく力を抜くために いくら意識しても力が入らない場所を集中して意識する」ということ(p189より)これもさっきの「瞑想」と一緒で、丹田に意識を集中するとはどういうことかというのを、短く解説してくれています。 齋藤孝さんの本が好きでよく読んでいますが、「そうか、丹田に集中というのはそういう意味があったのか!」と、初めて理解できました。・「自分はもっと早く死んでいてもおかしくなかった、今の人生は余生とかオマケみたいなものだ」と思えば、どんな厄介な出来事が起こっても「人生はいろいろあるなあ」と思って楽しむ余裕が出てくる。(p193より)人生生きていれば本当にいろいろなことがあります。 打ちひしがれるようなことが、立て続けに起こることも。 ただ、そんなときに、若くして亡くなられた他の人たちのことを知ることで、「自分ももっと早く死んでいてもおかしくなかった」と思えれば、残された人生を楽しむことができるような気がします。 今生きていることは、当たり前では、ありません。========================この本のオーディオブックもあります。試聴できますよ。▼https://audiobook.jp/product/244550(朗読:舩山陽司 再生時間 3時間25分 現在標準価格1320円)
2019.12.03
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このブログではたくさんの本を紹介してきましたが、新刊本の紹介は初めてかも?上越教育大学教授の西川純先生が書かれた『個別最適化の教育』の紹介です。『人生100年時代を生き抜く子を育てる! 個別最適化の教育』(西川 純、学陽書房、2019、1600円)西川純先生が書かれた本は、読みたくなるタイトル・内容のものが多いです。これまでも、障害のある子の将来についての本や、「座りなさい」や「静かにしなさい」を言わない授業についての本など、「今、まさにそれが知りたかった!」という内容をまとめてくださっていて、読後はかなり影響を受け、関連情報を自分で調べたりしていました。今回の本も、これまで同様、「教員ならば、読んでおいた方がいい内容/知っておいた方がいい情報」がたくさん掲載されていて、大変満足度の高い1冊でした。本書では、冒頭からいきなり「いま、高校・大学を卒業した生徒・学生の3分の1以上が非正規雇用(年収平均約170万円)になっていることを知っていますか?」(p14)「就職した高校生、大学生は3年以内に3割以上が離職する現状を知っていますか?」(p14)と、現状の大きな問題点を突きつけられます。教員であれば、誰もが教え子たちの将来の幸せを願っていると思いますが、就職に関するショッキングな最新のデータは、「今まで通りの教育を続けていてはいけないのではないか」という自らの教育への反省につながります。本書に書いてあるとおりにしなければならない、ということはありません。しかし、まずは知ることが大事だと思います。「もしかしたら今まで知らずにいたのではないか」ということを確認するためにも、本書はかなり有益ではないか、と思います。たとえば、今後の社会を表すキーワードとして、Society5.0という言葉があります。Society5.0と言われても、具体的にはよく分からない、という方は、本書を読む意味があると思います。具体的な教育実践についての提案については、かなりビックリするようなものも含まれています。個人的には、教員としてある程度経験を重ねて、いろいろな実践家や研究者の話を聞いてこられた方のほうが、腑に落ちるものがあるのでは、と思います。(逆に言うと、自分が受けてきたタイプの教育しか知らない、という方だと、本書の提案にはついてこれない気もしています。)今までの「教育」についての限界を感じ、実際にいろいろ試してこられた方、いろんなやり方を学びながら、これからの「教育」を具体的に思い描こうとされている方ほど、本書の内容が、より理解できるのではないでしょうか。同じようなことを考え、新しいタイプの教育をすでに実践されている方は、西川先生やその仲間の他にも、多くいると思います。たとえば、本書の前半で紹介されていた内容は、東大先端研の研究に近いものを感じました。(ちょうど今年、東大先端研の中邑賢龍先生の講演をお聞きしたのですが、同じようなところを目指されているのかな、という気がしました。中邑賢龍先生は東大先端研の異才発掘プロジェクトというものをリードされている方で、現状の学校のシステムに合わない子どもたちの、得意なところを伸ばすためのプロジェクトをかなり具体的に進められています。僕はひそかに「いいな」と思っています。(^^;) 参考リンク:▼中邑賢龍 異才発掘プロジェクト率いる東京大教授(中日新聞Web「あの人に迫る」))横浜での先進的な通級指導における「コラボ教室」も、その道のプロフェッショナルに直接指導を受けて子どもたちの良いところ・得意なところを伸ばすというのが、本書の紹介しているN中・N高などの新しい教育システムにかなり重なる、と思いました。(参考リンク:▼仏向小学校 CO-LABO(コラボ)教室について(横浜学校支援ネットワーク))一方、本書の後半は、教師の働き方と子どもたちの学び方を重ね合わせ、感覚的に理解しやすいように書かれていました。職員室内での一教員の感じ方を、教室の子どもたちに置き換えて考えることで、イメージがしやすく、説得力がありました。こういった感じ方は、かなり大事なことだと思います。僕は日頃から、子どもたちにさせることは、まず自分が先にやるようにしていますが、子どもと同じ立場で考える/感じる、というのは、教育が子どもたちのものになるために、非常に基礎的なところだと思います。ただ、本書の中の具体的なアイデアの中には、かなり踏み込んだ内容のものもあります。実際に教室での教育を変えるとなると、管理職の立場や教育委員会の立場も理解した上で実施していくことが必要です。本書では周りから理解されにくい新しいタイプの教育をやっていくための具体的な助言も書かれていますので、「新しいことがしたい」「周りでやっていなくても、自分だけでもチャレンジしたい」という方は、やはり読んでおいた方がいいと思います。僕は西川純先生の本をこれまでに5~6冊読んでいたこともあり、すでに知っていた内容もわりとありました。しかし、新しく知って驚いたことや勉強になったことも、かなりありました。本書に書かれている内容は、本当に多岐にわたり、たとえば、子どもたちが就職した後のみならず、結婚して子どもができたときのイメージまで書かれています。「すごいなあ。ここまで考えて、これからの教育をイメージされているんだなあ」と、圧倒されました。というのも、p126に、「夫の祖父母、妻の祖父母の両方の協力を得て、6人で子育てをする必要があります。」という記述があり、「夫と妻の実家が同じ中学校区であることが望ましいのです。」という主張がされるのですが、実際に子育てを経験してきた僕としても、大変うなずける内容でした。以上のように、僕としては、「教員ならば、読んでおいた方がいい内容/知っておいた方がいい情報」が、根拠に基づいた未来予測とともに、書かれている、と感じました。興味を持たれた方は、ぜひ、読んでいただけたら、と思います。
2019.11.04
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夏休みの間、うちの職場ではおすすめの本を持ち寄って好きな本を借りる、という取組がありまして・・・。そこで大人気なのが、『だいすき!!』そして、『ひまわり!!』です。マンガの単行本で、『だいすき!!』は全17巻、『ひまわり!!』は全11巻。2019年の今からだと、『だいすき!!』のほうは少々古い本になるため、書店での流通は終わっています。古本で買うか、誰かに見せてもらうしか、読む方法がないかもしれません。(『だいすき!!』は2005年に連載開始。 シリーズ最終巻の『ひまわり!!』第11巻が出たのは、2016年です。)作者の愛本みずほさんはベテランの漫画家さんで、男女関係なく読みやすく引き込まれるマンガとなっています。特に、笑えるところと、シリアスなところのバランスが、絶妙です。『だいすき!! ゆずの子育て日記』(愛本みずほ、講談社、絶版)『だいすき!!』は知的障害のお母さんが赤ちゃんを産んで育てるお話。全日本手をつなぐ育成会などに取材して描かれています。丁寧に取材されていることが伝わってきます。『ひまわり!!』は『だいすき!!』の続編。本日、昨日からお借りしていた『ひまわり!!』全11巻を読み終わりました。『ひまわり!! それからのだいすき!! 』11(愛本みずほ、講談社BE-LOVE KC)感涙。本当にいい作品です。『だいすき!!』で一番泣いたのは、第7巻だったと思いますが、『ひまわり!!』は3巻と最終巻で一番泣きました。『だいすき!!』の7巻には、知的障害のある姉が、弟の結婚式でスピーチをする場面があります。そこまでの紆余曲折を経て、結婚相手にも、相手のお父さんにも理解され、よく知らない周りの人からの心ない非難から、守ってくれるようになっていました。そして、当日、心のこもった、最高のスピーチが。ここは、泣かずにはおれませんでした。障害をどう説明するか、小学校での障害理解教育がテーマなのは、『だいすき!!』第11巻。理解教育のシーンでは寸劇や疑似体験を通して子どもたちに楽しくわかりやすく訴えていました。『だいすき!!』はテレビドラマになったらしいのですが、僕は知りませんでした。今は、隠れた名作扱い?なかなか、一般には知られていないような気がするのですが、ぜひ多くの方に読んでもらいたい作品です。シリーズの最終巻、『ひまわり!!』の第11巻では、次のような言葉がかなり印象的でした。========================「『あたしの親 知的障害なんだ~』 って、 フツーに話せる 世の中になれば いいのにね。」(p125より)================================================「あたしね お母さんみたいな お母さんになるよ」(p169より)========================p169のこのセリフ、実は『だいすき!!』第9巻にも出てきていて、とても印象的だったセリフです。家族の愛がいっぱいつまったこの作品。この作品を読むと、「家族っていいな」「人間っていいな」って、改めて思います。また、このシリーズ全編にわたって関わってくるのが「支援」という言葉。「支援」に関わるお仕事をされている方、気になっている方は、必読ですよ!
2019.08.31
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『悪魔とのおしゃべり』という本があります。かなり非常識なことが書いてあります。だからこそ、面白いです。初めて読んだときは、驚愕しました。分厚い本ですが、一気に読めます。今日は、その本の中から2つのテーマで引用したいと思います。1つめは、「人間が怒る、たった1つの理由」。2つめは、「病気をやめる」。どうです?中身が、気になってきたでしょう?あなたは、「人間が怒る、たった1つの理由」、なんだと思いますか?「病気をやめる」って、どういうことだと思いますか?『悪魔とのおしゃべり 正しさなんて、ただの多数決』(さとうみつろう、サンマーク出版、2017、1700円)『悪魔とのおしゃべり』【電子書籍版】[ さとうみつろう ]=============================『悪魔とのおしゃべり』 □ 1つめのテーマ 「人間が怒る、たった1つの理由」について・全ての「怒り」は、相手に期待しているから発生する(p56より)・怒りは全部、俺のせい! 自分で勝手に期待し それに応えなかった相手へ 自分が勝手に怒り始める。(p57より)・世界に、期待しすぎているからだ。(p59より)「怒り」については、心理学ではいろいろな解釈がされています。 アドラー心理学だと、「怒りは出し入れできる道具である」と語られ、 人が主体的に選べるものだと説かれています。 怒りに対して、そんなふうにちょっと距離をとってみると、 冷静に自分の感情や、人の感情と向き合えます。 怒りは、不幸感と結びつきやすく、 できれば抱かずに済ませたい感情だと思えます。 実際、立派な人というのは、そう簡単に怒ったりしないようです。 まあ、人間ですから、怒りたくなる時というのは、当然、あります。 ただ、怒ってしまった後、 「ああ、あんなに怒ったのも、相手に期待していたからこそなんだなあ」と リフレーミングすることができれば、 その後にポジティブにつながると思います。 『悪魔とのおしゃべり』は、この「リフレーミング」が実にうまい、と感心します。□ 2つめのテーマ 「病気をやめる」について・右ひざを骨折した人が、ある日「右ひざが痛い」と思うのをやめて、 「私は、左ひざが健康です」 と意識を「ない」から「ある」へ変えただけで劇的に回復した(p348より)・意識をシフトするだけで、病気は「やめられる」・病気は「やめる」ものなのだ。・不幸も「やめられる」。幸せも、勘違いだからだ。(p349より)僕自身が、病気のことをずっと気にしていたりするので、 この話は、特に印象に残っています。 この本を読んだのは今から2年前ですが、 今でもこの考え方は「知れて、よかった!」と思っています。 たとえ病気の床について、立って歩くことができなくなっても、 病気に意識を向けるのではなく、 健康な部分に意識を向けたい、と思いました。 意識を、「ない」から「ある」に変える。 これも、リフレーミングですが、物事の別の側面を見ていますよね。 要は、習慣として、どっちの向きから考えて生きていきますか?ということ。 「ない」と思えば、不満が出る。 「ある」と思えば、感謝がわく。 人間ですから、「痛い」「イヤだ」は当然思ってしまうことはありますが、 それが習慣になってしまうと、抜け出せなくなってしまいます。 意識をシフトする。 有名な『7つの習慣』の中でも、「パラダイムシフト」というのは、重要な習慣であると説かれています。 以下のサイトでは、「パラダイムシフトとは、パラダイム(思い込み)をシフト(転換)することです。」と紹介されていました。 ▼【7つの習慣】パラダイムシフトとは?使い方や具体例を紹介! (ブログ「ほっこり営業LABO」内)=============================本書の中のテーマは多岐にわたっていますが、その中から今回は2つにしぼってお伝えしました。興味を持った人は、ぜひ手に取って読んでみてくださいね。本を読むのはメンドクサイとか、本を読むのが苦手という人は、オーディオブックも出ています。PCやスマホで再生できます。役者さんの臨場感あるしゃべりで、また一段と楽しめますよ。▼audiobook.jp『悪魔とのおしゃべり』(7分以上試聴できます。)▼「悪魔とのおしゃべり」がオーディオブックで登場!音で聞いても衝撃的。 (ブログ「あまかずさん@がんまらない」内)それでは、また!
2019.08.26
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ミヒャエル・エンデの『モモ』と言えば、大変名高い児童文学。『モモ』 [ ミヒャエル・エンデ ]『モモ 愛蔵版』 [ ミヒャエル・エンデ ]これまで何度か読もうとしましたが、なにしろ辞典よりも分厚い。少しだけ読んで断念していました。ところが、今年になって、オーディオブックの『モモ』を発見。しかも文章量が多い割に、お安いのです。(^^)購入して、通勤の車の中や、夜寝る前などに、少しずつ聴いていました。これは、すばらしい内容でした!大切なことを教えてくれるという点では、サン=テグジュペリの『星の王子さま』にも似ています。『モモ』は、「時間」をテーマにした作品。時間に追われる現代人こそ、ぜひ読むべき作品だと思いました。素晴らしい作品はどれもそうですが、登場人物の個性がとても輝いていて、生き生きとしています。主人公のモモだけでなく、お話をアドリブで作って聞かせるのがとてもうまいジジや、コツコツと生きる道路掃除夫のベッポなど、それぞれの登場人物の個々のエピソードだけで、十分面白く、引き込まれます。そして、それぞれの生き方から自分自身の生き方を思い返し、とても、刺激を受けました。面白くて、ためになる。今まで読書をしてこなかった人にも、ぜひ、オーディオブックで聴いてほしいと思います。僕が聴いたオーディオブックは、1人の方が読まれているのですが、登場人物それぞれがしゃべっているように、見事な声優ぶりを発揮されています。プロの朗読のすさまじさを感じました。モモの声は本当にかわいらしく、時間泥棒の声はほんとうに平坦で冷徹です。▼audiobook.jp『モモ』(朗読:佐久間レイ、 音楽監修、作曲、演奏:佐田詠夢 )ただ、物語の中盤は、重く苦しい状況が続き、続けて聴くのが少々苦痛になるときも、ありました。それでも、序盤はほんとうに明るく楽しくためになり、また、終盤にはそれまでの苦境を覆す感動があります。大きな不安が勇気に変わる。そのターニングポイントは、強烈に印象に残りました。物語全体の完成度は、ほんとうに素晴らしいと感じます。これぞまさに、ファンタジー文学の傑作です。名作だけにネット上にも情報がいっぱいあります。主だったものに、リンクを貼っておきます。『モモ』をすでに読んだことがあり、懐かしく思われた方は、リンク先を読んで本書を思い返されてみるのも、いいのではないでしょうか。▼ミヒャエルエンデ『モモ』*登場人物の生き方と「時間」の哲学 (ユキコさんのブログ「ユキコユキ」様)▼絵本ナビ『モモ』▼ミヒャエル・エンデ『モモ』のあらすじ(ネタバレあり)時間どろぼうとの対決にハラハラドキドキ (ブログ「エンタメ娯楽街道 五十三次」様)オーディオブックでは、特徴的な素晴らしい挿絵を見ることができなかったので、本の形でもまた読んでみたいと思います。素晴らしい作品を、ありがとう!
2019.06.18
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来年のゴールデンウイークは10連休だそうです。10連休となれば、やはりどこか旅行に行きたいなあ、と思いました。ずっと行きたかったところに行ってこようと思います。それは、岩手県。宮沢賢治のふるさと。イーハトーブ。宮沢賢治は教師をしていたときもありました。彼は、どんな子ども観を持っていたのでしょう。『見る見る幸せが見えてくる授業』(ひすいこたろう、サンマーク出版)に、宮沢賢治の教師時代のエピソードが書いてあります。========================・宮沢賢治は、作家になる前に高校の先生をしていました。 0点でも、名前だけ書いてあれば 20点をつけてくれたのだそう。 なぜなら、0点の存在など この世界にいないからです。(『見る見る幸せが見えてくる授業』p273より)========================僕の知っている先生の中にも、なかなか点数がとれない子どもたちになんとかマルをつけてあげたいと、名前のひとつひとつにマルをしてあげる先生がいます。そんな先生、すてきですね。『見る見る幸せが見えてくる授業』 [ ひすいこたろう ]『見る見る幸せが見えてくる授業』【電子書籍】[ ひすいこたろう ]僕は宮沢賢治の『やまなし』が好きで、歌も作っています。ついでに、宣伝します。(^^)▼クラムボンはわらったよ(宮澤賢治『やまなし』より「五月」の主題による小品)
2018.10.28
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「芸術は、爆発だ!」で知られる岡本太郎。彼の本もまた、芸術的です。芸術とは何か。あなたはどう生きるべきか。あなたが芸術的に生きるためのヒントが、きっとあります。『原色の呪文』(岡本太郎、講談社文芸文庫)▼【電子書籍版】=============================岡本太郎『原色の呪文』 ・ごま化して功利的に動こうとすると、自分自身に信用がおけなくなる。 かえって無限に己れを弱くしてしまう。(p14)・見るということ自体に、あなた自身が創るというけはいがなければならない。(p131)・「なぜ、あなたがたはうまく描こうとするんですか。」 「うまく描く必要なんかみじんもありません。 かまわないから、どんどん下手に描きなさい。」 「そうです。でたらめなら、なおいいんだ。 でたらめに描いてごらんなさい。」(p137)・おもしろいところで作った芸術でなきゃ、おもしろいはずがない。(p210-211)・大事なことは、功利的でない、無目的な生のよろこびに全身をぶつけ、真剣に遊ぶことだ。 むなしい目的意識や卑小な合理主義にふりまわされてしまわないで。 自分が<何々である>とか<何々が出来る・出来ない>ということよりも、 <こうありたい>、<こうなりたい>ということのほうを中心に置く。(p233)=============================本の中に所収された、書かれた年がそれぞれ違う岡本太郎の著した文章より、その断片をつなぎあわせてみました。そうすることで、年を隔てて見えてくるものが、ある気がします。はっきり言って、それぞれ別々に読んでいたときには、なんだかよく分からなかったです。(笑)今から新しい挑戦をしようとする、すべての芸術家への強烈な檄。やりたいことをやってみようとする元気を、もらいました。爆発的エネルギーを、あなたにも。
2018.10.27
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「これはとてもよかった。ブログで紹介しよう!」と思える本があります。今、かなりたまっています。(笑)今日はその中から、シンプルな教えの一人さんの本をご紹介。一人さん本は今までに何度かご紹介しましたが、かなり久しぶり。書かれたのは一人さんのお弟子さんの柴村恵美子さんです。一人さんの教えがでっかい字で、ばーんと飛び込んできます。おすすめです。『斎藤一人あなたに奇跡が起こる不思議な話』(柴村恵美子、PHP研究所、2018/4、1000円)『斎藤一人 あなたに奇跡が起こる不思議な話』【電子書籍】(柴村恵美子、850円)=============================『斎藤一人 あなたに奇跡が起こる不思議な話』・キーワードは、 「本気ですか?」(P9)・人に威張らない。これだけ気をつければいい(P32)・「自分は困らない」を前提にするんです。 なぜ困らないのか、理由は必要ない。 まず「自分は困らない」と決めつけるんです。(P39)・最終的には、笑顔とやさしさ・ひとりひとり、違う楽器 (P122)・相手を美化して見る、いいほうにデフォルメして見る (P131)・相手が愛を感じるような表現のしかたを、もっとよく、もっとよくしていこうと、自分を磨き続けること(P136)=============================今、健康面でも仕事面でもちょっとした壁にぶち当たっています。壁を乗り越えられるかどうかは、ここに挙げられていた心がけ次第かな、と思っています。本気かどうか。困る必要はない。笑顔とやさしさ。相手のいいところを見る。こういったシンプルな教えを忘れずに、来週顔晴ります!関連する過去記事▼斎藤一人『絶対、よくなる!』( 2016年10月30日)
2018.10.07
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