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昨日に引き続き、以下の本の読書メモをつづけます。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)本書には、いろいろ気になる記述がめじろ押しなのですが、「ここの部分を取り上げるのは、もうちょっと自分でも調べてから」と思うところもあるので、少し飛ばします。今回は、作文の「書き出し」をプロから学ぶ図書館の活用というテーマで本書の中の記述から、あるアイデアを拾いたいと思います。僕が、「なるほど!」と思ったところです。作文において、「書き出し」はとても重要です。そう認識している僕のこのブログ記事の書き出し、まったく工夫がないですね。すみません。もし僕が仮にブログ一本でプロとしてやっていこうとするなら、きっと、今回のようないい加減な書き出しではだめなのだろうと思います。「書き出し」でひきつけてこそ、その続きも読んでもらえるというものです。実際、有料で配信されているプロの方の記事の書き出しを見ると、毎回すごく工夫されているのが分かります。#僕はあるオンラインサロンに入っていて、毎日記事を受け取っていますが、毎回書き出しでまず何らかの仕掛けをされていて、読むのが楽しみになっています。さて、そんな「書き出し」でひきつけるワザを、いかにして身につけていけばいいのか?本書の中で紹介されていた、作文における「書き出し」の工夫を学ばせる指導が、なかなか素晴らしいと思ったので、以下に、引用します。■作文指導の「足並みバイアス」を断捨離する 「書き出し」の指導の実際・図書館に、メモ用紙と筆箱を持って集合した後、 「ここには、プロの書き出しが山のように眠っています。 ノートにできるだけたくさん写してごらんなさい」 と言いました。(p89より)・同様に「書き終わり」「タイトル」など、 局面を限定して練習を積むことで、作文力は格段に伸びていきます。(p91より)「たしかに!」と、僕は思いました。プロの文章がいかに参考になるとはいえ、一冊全部読むのは大変ですし、時間がかかります。ところが、書き出しだけに限定することで、いろいろな本を手に取って、それぞれの書き出しの工夫に触れ、自然と、「プロの書き出し」に共通するエッセンスを、感じ取ることができるだろう、と思いました。軽井沢風越学園などの、新しくできた魅力的な学校は、図書館をベースにしたところがたくさんあります。図書館の活用をこんなふうにおこなっていくのは、新しい時代の学び方にも合致したものだと感じます。「図書館」という言い方で書いていますが、既存の学校の「図書室」も同じです。勤務校でも、なかなか図書室の活用が図れていなくて、子どもたちの読書離れがどんどん進んでいるのですが、図書室を積極的に使っていくことは、子どもたちが自分で学んでいく力をつけていくために、大変重要なことであると思います。また、これは単に作文のクオリティを上げるためだけの考え方にとどまるものではなく、ほかのいろいろなことの習得にも、応用できる考え方だと思いました。自分がプロになりたい分野で、プロの創作物の中から、「局面を限定して」そこだけを見る。それを、いくつものプロの創作物から見つけることを、繰り返す。そして、単に見るだけでなく、まねてみる。こういう手法を実行することで、子どもたちの自己実現力=夢を叶える力が、飛躍的に伸びる気がします。たとえば、教師や芸人の修行でも、同じことが言えて、とにかく「ツカミ」「導入」を勉強しようと思ったら、尊敬する先生の録画の、冒頭だけを、どんどん見る、といったことが考えられます。そうすることで、先達が一所懸命に考えて練りに練って創り上げた「ツカミ」「導入」の工夫を、量をこなすことで、自然と吸収していけるのではないでしょうか。ほかにも、たとえば作曲の場合でも、イントロを勉強する、と決めたら、とにかくイントロだけを聴きまくる。こういったやり方で、「コレ」と決めたところにしぼって情報収集をし、分析をし、まねてみて、気づいたことを自分の実践に生かすことは、自らの学びを自分主導でおこなっていくために、今後ずっと自分を支えてくれる「学び方」のひとつになるのではないかと思います。非常に重要なことを教えてもらった気がしています。ありがとうございます。▼読まずに書ける読書感想文!?~『女王さまがおまちかね』より(2012/08/13の日記)
2024.05.17
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「なるほど!」と思ったアイデアがあります。ちょっと、下の動画を見てください。これって、ほんのワンアイデアですよね。「書く音を大きくする」というだけです。でも、たしかに、これだけで、書くことが楽しくなり、書くことに集中できそうです。音の力は偉大です。こういうことが、ほかにもあるかもしれません。ひとつのアイデアに刺激を受けて、ほかにも転用できないかな、と考えています。↓「Write More」の資料はこちら。▼勉強したくなる机「 Write More 」 (さかわ発明ラボ)
2023.11.01
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僕は、全国的な名称としてはいわゆる「LD通級担当者」という仕事をしています。LD(学習障害)の傾向のある子どもたちへの指導や支援を考え、実施するのが主な仕事です。(ほかにもいろんな子の指導や支援を考え、実施しています。)LD傾向の子どもたちに非常によく見られる苦手さとして、「漢字の読み書き」の苦手さが挙げられます。教科書の漢字のほとんどが自力では読めないとか、漢字テストをするとほとんど正解しないので書く気をなくして無回答だらけになるとか、そういう子は、ざらにいます。全国的にも、かなりいると思います。読めない、書けないのに、クラスの中で読み書きをしないといけない、その気持ちを考えると、やるせなくなります。#個人的には読み書きよりも大事なものがあると思いますが、学校は一般的に読み書きばかりさせるところになっていると思います・・・そこで、そういった子がクラスの中で感じている困り感について思いをはせ、その困り感の改善を目指すのが、僕の大事な仕事になります。通級担当者が全国的に増え、なかには「クラスを離れた別室で指導しているだけ」の担当者も増えているのではないか、と懸念しています。大切なのは、多くの時間を過ごしているクラスの中での指導や支援ではないでしょうか。わずか週に1~2時間の「通級の時間」だけよくても、しかたありません。通級担当者は、クラスにどうかかわっていけるのでしょうか?クラス(=集団で学ぶいつもの教室)での、音読の場面や、漢字テストの場面で、どのような指導や支援をしていくのか。その場にいるのは、もしかすると、担任だけかもしれません。通級担当者は、そのとき、その場にいることはできないかもしれません。でも、何かできることは、あるはずです。僕が今日やったことを、参考までにお伝えします。今日は珍しく、通級担当としてしっかり仕事をした気がします。日常的な通級指導に加えて、大きく次の3つの仕事をしました。(1)漢字が読めないので音読で困る子どものための 「ルビ付き教科書」のコピーを、その子の担任に渡した。 国語の指導書にはDVD-ROMが付録としてついてます。 そこには、ルビ付き教科書のPDFデータも、収録されています。 紙の教科書にはふりがなはありませんが、このデータを印刷すれば、すべての漢字にふりがながついています。 漢字が読めない子どもが、これを印刷して渡してやるだけで、いきいきと音読するようになりました。 今までも渡していたのですが、そろそろ下巻の学習が始まるので、 下巻の分を、2学期の終わりまでに学習する分をそろえて綴じて、 今日、担任の先生に渡しました。 担任の先生から、下巻の学習が始まるタイミングで、その子に渡してもらいます。(2)漢字の読み書きが非常に苦手な子がいるクラスで 「漢字が苦手でも楽しく参加できる『漢字の広場』の授業」を 担任とのティームティーチングで実施した。 「漢字の広場」というのは光村図書の国語教科書に出てくる1ぺーじものの小単元です。 前学年に習った漢字の復習をして、定着を図るものです。 「習った漢字を使って文を作る」という学習が基本パターンです。 僕が事前に、担任に「させてください」とお願いして実施した特別授業です。 「漢字が苦手な子が楽しく参加できる授業」という、それだけを考えて計画しました。 ほんとは明日する予定だったのですが、都合により今日になりました。 そのクラスには漢字が苦手な子が数人いるのですが、今日の授業は、 あまりにも漢字に重点を置かなかったおかげか、 どの子もとても楽しく笑っていました。 これ以上の詳しいことも書きたいのですが、たくさん書きたいことがあるので、それについては後日、詳述します。(3)漢字10問テストでほとんど書けない子のために、 タブレットで答えられるように準備した。 今までもタブレットで漢字テストを実施できないか考えていたのですが、 今日、ようやくめどが立ちました。 僕が思いついたやり方は、 ■紙の漢字テストを画像としてスキャン → ■パワーポイントの背景に、その画像を設定 →■縦書きテキストボックスをその上に配置 (なにも入れないと消えちゃうので、問題を数問入力) といったものです。 実際の使用は、明日の予定です。 これについても、また改めてブログに書きたいと思います。 ▼指導書に、教科書のルビ打ち/分かち書きのデータあり (2021/09/10の日記)▼タブレットPCで、デイジーのデジタル教科書を使えるようにするには (2018/03/06の日記)▼Word文書でルビ付き漢字の読み上げをさせる方法 (2021/09/02の日記)▼小学校市販テストの合理的配慮等(正進社のパンフレットより) (2019/05/19の日記)▼読み書き障害についての福井県の冊子(無料閲覧可)がすごすぎる! (2018/10/17の日記)▼テキストデータを読み上げるWebアプリ「音読さん」。写真も読むよ♪ (2021/12/15の日記)
2023.09.13
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月曜日ですが、夏休みです。夏休みですが、学校で「読書感想文が苦手で自力では書けない」というお子さんの、読書感想文の指導をしてきました。「読書感想文の指導」と言っても、たいしたことはしていません。僕がやっているのは、AIがサポートするような内容です。つまり、音声を文字化する、ということだけです。#いや、ほかにも少々、やっていますが・・・。夏休み前に、「本も決められない」ということで相談を受けました。そこで、終業式の日に、そのお子さんのために僕の方でオススメの本をセレクトして通級教室に並べておきました。子どもは、ちょっとだけ来て、本を決めて、それを持ち帰って、月曜日の今日、もう一度その本を持ってきたわけです。本は、土日の間に読んできていました。僕も、地元の図書館に行って、土日の間に、同じ本を読んでおきました。子どもにさせることは、自分もする主義です。#子どもが読む本は、自分も読む夏休みのワークには、付録が付いていて、その中に「読書感想文の書き方」というのもあります。僕はそこに書いてあることを、順に尋ねていきました。そして、本人が答えたことを、メモしていきました。読書感想文を書くのが苦手とは言え、対話の中でなら、その本を選んだ理由も、印象に残ったページのことも、本に触発されて思い出した自分の体験談も、いっぱいおしゃべりできることが多いものです。僕はただ、それを引き出し、「文字」にしてやるだけです。これだけで、読書感想文が苦手な子でも、読書感想文を書くことができます。よけいな誘導や、指導は、極力、しないようにします。夏休みの宿題で、大人が手を入れすぎて、子どもの作品ではなくなってしまうことが、往々にしてあります。その子の作品は、その子のものです。読書感想文の場合なら、その子の言葉で語られた内容である必要があります。僕は、AIみたいなサポート役をやってはいますが、読書感想文を代わりに書いてやるAIのようなことはしません。代行ではなく、あくまでも、サポートです。このやり方で、基本的には、1時間半で読書感想文が書き上がります。おうちで書けなくて本当に困っている子だけ、こういうサポートをおこなうことにしています。▼Wordの音声入力で読書感想文 (2018/08/24の日記)▼読まずに書ける読書感想文!?~『女王さまがおまちかね』より (2012/08/13の日記)▼石橋幸緒『生きてこそ光り輝く』~小4以上の読書感想文におすすめ! (2011/08/13の日記)▼井出留美『捨てないパン屋の挑戦』 (2022/08/17の日記) ▼課題図書『クジラと海とぼく』を読む (2011/07/28の日記)
2023.07.24
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新学期2日目です。今日は、市内の他の通級担当の先生に、「小学生YouTuberの画期的な漢字の覚え方」について、教えてもらいました。それがあまりに衝撃的でしたので、皆様にもご紹介します。もともとは以下のブログで紹介されていたものです。▼「漢ミツ」すごい!~小学生YouTuberからの漢字ドリル改革提言 (情報管理LOG様 2022/3/1記事)で、その中にもリンクが張られている、該当のYouTube動画が、コチラです。↓情熱的なしゃべりに圧倒されます。情熱的なのに、理路整然としていて、スッと頭に入ってきます。そして、どんどん話にひきこまれ、「まったくそのとおり」と、共感していきました。「世の中には、こんなすごい小学生がいるんだ」と、唖然とした動画です。プレゼンのうまさにもびっくりですが、提案内容のすごさにもまた、びっくりです。この小学生YouTuberは当時小6だったようで、今では中学生になられているそうです。このミッションがどんどん広がっていくといいな、と思います。▼「広島県の小学5年生の合理的配慮への道!」 (2021/10/17の日記)↑こちらの当時小学5年生の方も、今は中学生になられています。
2023.01.11
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昨年の7月に、NHKの番組「ウワサの保護者会」で「きれいな字を書くには」という特集がありました。ずいぶん前に見て、ブログの下書きだけ書いてそのままでした。もったいないので、めっちゃ短いけど、とりあえず公開。親指が動かせるかどうかがポイントです!▼きれいな字を書くには<番組内容> (NHK「ウワサの保護者会」公式サイト)今の子は、特に「つまむ」経験をしてきていないのかなー。小学校高学年になってもグー握りで字を書く子、けっこう多いです。ダンゴムシをつかまえる体験を小学校就学前にいっぱいやって小学校に入ってきてほしい。バッタもぜひつかまえてほしい。上級者はカナヘビもつかまえます。さてさて、このときの番組の講師は笹田哲先生。書字指導のポイントを豊富な写真でまとめた本のほかに、もっと大きな体の動きのポイントについても、本を出されています。気になる本がいっぱい!『書字指導アラカルト 気になる子どものできた!が増える』 [ 笹田哲 ]『3・4・5歳の体・手先の動き指導アラカルト 気になる子どものできた!が増える』 [ 笹田哲 ]『体育指導アラカルト 気になる子どものできた!が増える』 [ 笹田哲 ]『体の動き指導アラカルト 気になる子どものできた!が増える』[ 笹田哲 ]
2022.05.28
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昨日の日記でちょこっとだけ書きましたが、このブログの累積記事件数が、わりとすごいことになっています。なんと、今回で1998件目なんです。僕が生きた西暦みたいになってきました。「夏の日の1998」・・・ありゃ、あれは1994だったかな。ともあれ、2000回まで、あと少し!2000回というのは、ちょっとすごいんじゃないかなあ、と自分では思っています。僕の周りの一般ピープルでブログを2000回も書いている人はいません。よっぽどのヒマ人か、物好きか、どちらかですね。なにしろ2000回ですから、200回とはケタが違います。(当たり前)少しくらいは、記念になることを書こうかと思います。今日を入れてあと3回で2000回なので、今日からちょっと「2000回記念特集! ぱんぱかぱーん!」みたいな感じにしていきます。今日は、おそらく普通の人が素朴に思う疑問に、お答えします。「なんでそんなにブログ書いてるの?」簡単に言うと、「アウトプットのため」です。本を読んだり、ネットで調べたり、人から話を聞いたり、ときには有料のセミナーに行ったり・・・インプットは過多になる一方で、アウトプットの機会は、意図的に設けないと、とれないからです。やってみると、ネット上で共有財産化できるので、人の役にも立っているかもしれないし、なにより自分のためには、確実に役立っています。どこにいても過去に自分が書いた記事を検索して読むことができるので、「たしかブログに書いたな」とだけ覚えていれば、検索して読み返すことが簡単で便利です。備忘録としての役立ち具合はなかなかのものです。たまに反応がもらえたりもするので、アウトプットのしがいもありますしね。ここまでだとわりと普通のことで、ほかにも誰かが書いていそうなことです。せっかくなので今回はもう少し、自分に特化して、掘り下げてみます。僕は、ブログを書き始める以前から、「書く」ということは、わりとやってきたわけです。「僕は なぜ 書くのか」ということについて。「書くことの意味」について。僕の場合において、考えてみましょう。僕は、小学生ぐらいのときから、書くことが好きな子どもでした。作文の宿題は何ページも書いて出したりしましたが、先生がそのテンションについてきてくれなくて、反応が薄かったのが残念でした。(呆れられていたのかもしれません。)先日、実家に泊まったら、僕の昔書いたものが母親によって掘り出されていました。「いらんかったら、捨てて」という、ごもっともな言葉でした。高校時代の生徒手帳とかが残っていて、その中には、詩を書いていたりするんですね。恥ずかしいですが、ここまで年数が経ってしまうと、かえって客観的に自分の書いたものを見れるかもしれないとも思うのです。本邦初公開で、その、学生時代に書いた詩というやつを、ここに載せてみたいと思います。自分が読んだ詩の影響をかなり受けているなあ、と思います。やはり、インプットが先にあって、アウトプットがあるんですね。国語の勉強で詩を読んだりして、「いいな」と思って、自分でも、書いてみる。だから、詩を書くというのは、非常にシンプルなものでしかないんでしょうね。食ったものを出す、みたいな。わりと、そうやって書いた詩というのは、今読んでも、「なんか、いいな」という気持ちは一緒なんです。こういう、そのときの気持ちを残せるというのが、「書く」ということの利点なのかもしれませんね。僕みたいに公開の場でこんなに書いているというのは珍しいかもしれませんが、自分しか読まないヒミツの日記であれ、書くということは、自分を見つめなおすことにもなるし、客観視することなるし、表現を工夫することでいろいろなアウトプットの質的向上につながるものでしょう。何らかの形で書くこと、表現することは、とても大事なことだと思います。ちなみに、3つ目の詩は、宮沢賢治の『やまなし』の中の「クラムボン」に触発されたもので、後年、歌付きの曲になって発表しています。ちなみに、僕はたまに絵も描きます。▼エンジェル(詩と絵、1998,2002)でも、「エンジェル」の英語の綴りは間違えています。(笑)
2021.03.28
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3つ前の記事で引用した地域ネタマンガの『うちのトコでは』第6巻より、またしても小ネタをひとつ。↓3つ前の記事(^^;)▼古文は方言に訳した方が分かりやすい? 『県民性マンガうちのトコでは』6【電子書籍】[ もぐら ](今回に関連する4コマは、同書p97「四国旅客鉄道」)なんと、鉄道会社のほとんどは、企業名ロゴの中で「鉄」の字を使っていない!僕にとって、これは、衝撃的な新知識でした。「鉄」は、「金を失う」と書くから、縁起が悪いようで・・・なんと、「鉄」の字を「金」と「矢」を組み合わせた「金矢」と表記しているのだとか!!コレを知ってしまった以上、僕は今後漢字テストで「てつどう」を「金矢 道 」と書いた子に×をつけられなくなってしまいました。。。・・・×も○もせずに、「なんで、こう書いたの?」と本人に聞こうと思います。ちなみに、マンガの中の話では、「四国旅客鉄道」は、企業名の中で「鉄道」表記をしている珍しい鉄道会社として紹介されています。(ほかにも、「鉄道」をそのまま使っている鉄道会社はあるようです。)ネット上では、以下のサイトに同じような情報があります。▼鉄道トリビア(262) 「鉄」が嫌いな鉄道会社がある | マイナビニュース▼金を失う~「鉄」という漢字から見えるモノ…(個人ブログ「近畿旅客鉄道 佐倉線」様)そのうち、文化庁も正式に「鉄」は「金矢」でもいい、と言い出すかもしれません。。。
2019.09.09
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通級の懇談でご紹介して好評だった、無料のアプリを3つ、ご紹介します。(無料ではないが通級でよく使っているアプリも2つ、追加で紹介しています。)「問」と「間」の混同など、漢字の細部を間違える子どもに、見る訓練の一環としてさせています。公式にビジョントレーニングを謳ったものではありませんが、iPadを使ったビジョントレーニングの一環として位置づけ、毎回少しずつ取り組ませています。iPhoneでもプレイ可能です。スコアや正解個数などを記録しておき、「今までの最高記録が出たね」などの声かけをすることで、さらに意欲的に取り組もうとする姿が見られています。どれも非常に短時間でできます。3種類のアプリを複数回させても、5分弱ぐらいしかかかりません。こういう短期集中型のトレーニングアプリは、使い勝手がよいです。ちなみに僕はどのアプリでも難易度設定は一番かんたんな設定でさせています。ただでさえ「見る力」に苦手さがあるのに、課題自体が難しすぎるとイライラしてしまいますからね・・・。(1)たかしのいのこり国語【漢字間違い探し】 ▼iOSアプリのダウンロード=====================たくさんの漢字の中に一つだけ違う文字が隠れています。なるべく速く、なるべく多く間違いを見つけてください。(アプリダウンロード画面の「遊び方」より)=====================BGMがとぼけた感じで、いい感じです。(けっこう気に入っています。)学年の設定などはないので、習っていない漢字も出てきます。しかし僕は、「習っていない、難しい漢字でもできたね」と、ほめる材料にしています。ほかと違う漢字を探すだけなので、習っているとかいないとかはあんまり関係ないのですが。ちなみに、「漢字間違い探し」で検索すると、ほかにも同様のアプリがたくさんヒットします。気に入ったものを試してみるといいと思います。(2)カタカナ ゲーム 子供向け練習アプリ - アイウ早押し ▼iOSアプリのダウンロード============================■ ルール(抜粋)· (上に)表示されているカタカナを(下の)パネルからタップします。· 間違ったパネルをタップした場合はペナルティーで時間が増えます。(アプリダウンロード画面の「ゲームのやり方」より)============================漢字の細部を間違える子どもは、そもそもカタカナを習得できていない場合があります。しかし「今更カタカナの書き取りなんてやってられっか~」と思われてしまいそうなので(^^;)、カタカナそのものを書かせる練習は、基本的にはしていません。一方で、カタカナを見つけてタップするゲームなら、子どもたちは喜んで取り組みます。もちろん、ほかにも、紙と鉛筆で、見つけてマルをするやり方や、単に指さしで答えさせるやり方など、いろいろなやり方が考えられますが、iPadだと準備いらずですし、時間はiPadが勝手に計ってくれるので記録も楽です。(記録については、最後の結果画面に表示された数字を、通級の記録に転記しています。)上のアプリのEasyモードは、アイウエオ・・・を五十音順にタップするだけ。難易度がかなり低く、取り組みやすいです。しかし、「見る力」は、けっこう使います。頭の中で次のカタカナを予測しているか、それとも毎回目標のカタカナを確認してからタップしているかなど、やっている子どもを観察するときのポイントがいくつかあります。プレイ中のそういった様子で気づいたことは、通級の記録に書き留めておくようにしています。↓漢字版もあります。(3)タップで学ぶ 漢字早押しゲーム ▼iOSアプリのダウンロードカタカナが漢字に変わっただけですが、次の漢字が予測しにくくなり、難易度が上がっています。なお、無料のアプリは基本的には広告が入ります。僕の場合はこちらでささっと操作して広告をすぐに消すようにしていますが、気になる方は有料の広告が出ないアプリから教育系アプリを探した方がいいでしょう。(無料でも広告が出ないアプリはあります。)僕が通級でよく取り組ませているアプリには、ほかに「どうぶつしょうぎ」があります。(これは有料。120円)思考力・判断力・相手の立場に立つ力・作戦立案能力などを見るためや、そういった力を伸ばすために役立てています。アナログの「どうぶつしょうぎ」も持っていますが、iPadアプリだとコンピュータが対戦相手をやってくれます。そうすると、指導者はプレイ中の様子を観察することに徹することができるので、観察・記録のためならコンピュータを使った方がやりやすいです。定番ものとしては「こども脳機能バランサー for iPad」(4800円)もよく使っています。これはPC版もiPad版も状況によって併用しています。ほかのアプリに比べれば高く思いますが、発達障害の児童向けに製作されたアプリですので、非常に使い勝手がよく、「勉強ぎらい」の子も、これなら喜んで取り組みます。値段以上の価値は十分にあるアプリです。
2017.12.24
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拗音と促音の指導で困っている先生にMIM(ミム)を紹介したら、喜ばれました。 (独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所)http://forum.nise.go.jp/mim/以下のリンクは、MIMのホームページ内のそれぞれ一部分です。 ▼多層指導モデルMIMのアセスメント MIM-PM:「めざせ よみめいじん」http://forum.nise.go.jp/mim/?page_id=29上で紹介されているアセスメントは、PDFをダウンロードでき、なんと、2分で実施できます。簡便に実態把握を行うことができるのは、ありがたいですね。実態把握後の具体的指導法についても、優れていると思います。具体的にはこちらに記載されています。MIMの指導法・教材の内容http://forum.nise.go.jp/mim/?page_id=32視覚化(特殊音節のルールの明確化)動作化(特殊音節のルールの明確化)ことば絵カード(アセスメントと指導とのリンク)ちょっとかわったよみかたのかきとりしゅう(スモールステップで着実な表記の習得)はやくちことば(日常的に既習内容に触れる機会を豊富に用意)ちょっとプリント(指導の多層化を実現)多層指導モデルMIMにおける読み書きに関するゲーム集(指導の多層化を実現)僕は持っていませんが、本格的に勉強したい方は、本も出ていますので、読んでみてください。『多層指導モデルMIM アセスメントと連動した効果的な「読み」の指導』(海津亜希子・杉本陽子、学研、2016、CD-ROM付きで税別3000円)MIMを教えてさしあげた先生は、詩を使った授業を考えておられるということでした。そこで、おすすめの詩として 「けっくう けっくう きゃきゅきょ」 で始まる、与田準一さんの詩「ことばのけいこ」も紹介しました。僕は群読の講習会でこの詩を教えてもらいました。もうずいぶん前の話ですが、この詩の印象が強くて、「促音や拗音が出てくる詩」と言われたときに、真っ先にこれが思い浮かびました。けっこう好きな詩です。けっくう、けっくう。(^0^)こういう、よく意味の分からない、言葉遊びのような詩は、個人的にかなり大好きです。拗音や促音の指導で困っておられる先生は多いようで、こういった情報はニーズが高いかもしれません。というわけで、ブログにも書いてみました。(もともとはFacebookに上げたつぶやきです。(^^))
2017.12.10
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夏休みの宿題といえば読書感想文。今年も通級の子が読んでいる本を僕も読んでみました。(▼去年は課題図書『クジラと海とぼく』のことをブログに書きました。)6年生の女の子が選んだのが、これ。 『女王さまがおまちかね』(菅野雪虫/作 うっけ/絵、ポプラ社、1300円)物語の状況設定が、ちょうど夏休みの、しかも、「読書感想文が書けなくて困っている」というところからスタートします。まさに、今この時期にピッタリの設定です。(^^;)そしてその後、本好きの「女王さま」をめぐるファンタジーのお話として展開する。物語の筋立てとして、非常に面白いのですが、物語についてはここではふれません。この本の中で何度か出てくる「感想文の書き方」が印象的だったので、それをメモっておきたいと思います。 第3話「3つの作文」で、非常に頭のいい子が「読書感想文は本を読まなくても書ける」と主張し、実際に3冊の本で3つの作文をスラスラと書いてしまいます。いわゆる「パターンにはめて書く」という典型で、これが非常によくできており、「確かにこの通り書くと学校の先生から"よく書けました"とほめられそうだ」と思いました。(^^;)もちろん本を読まずに書くことを推奨しているわけではないのですが、物語の終わりの方で主人公のお姉さんが言っていることは、けっこううなづけるものでした。「これは、人に『こういう本を読みました』って伝える文章の仕組みとして よくできてるわ。 まずつかみで、どういう内容の本かすぐにわかるし、 書き手がどういう人間かもわかる。 そして『自分は今までこうだった』っていう考えが、 本を読んで『こうなった』っていうのもね」(p214より)「感想文」とおおざっぱな言い方で言ってしまうと何を書いていいかわからない。でも、上のように要素を具体的に挙げていくと、「そういうことを書けばいいだけか」と、ラクに書けるのはあると思います。また、「お姉さん。まねでもいいの?」という子どもたちの質問に対してのお姉さんの答えも、うなづけるものでした。「勉強はなんでもまねからよ。 特にゆいちゃんたちはまだ小学生なんだから、 基本を身につける時期でしょ。 これを写して型をつかむといいわ」(p215より)全面的に推奨はしませんが・・・。 さて、この本は「文章を書く」ということがテーマになっており、文章を書こうとしている者にとっては「書くヒント」がいっぱい詰め込まれています。物語の中盤で「共作の意義」「表現をふくらますということ」についても書かれています。作中のある小説家のセリフです。「私ならただ 『いい天気だ』としか書けないところを、 彼女は 主人公たちの気持ちに合わせて、 うきうきするような空の色や風のにおいを語れる。 私が、ただ『マヤは家に帰った』と書くところを、 彼女は 冒険を終えた少女のほこらしい気持ちや、 ようやく大好きな家に帰れる子どもの気持ちはこうだと 教えてくれる。 そんな彼女のアドバイスをとり入れながら書くと、 本当にしっくり書くことができたんだ」(p150より)僕は昔から書くことが好きですが、気持ちを入れて表現をふくらますということが苦手でした。「色」や「におい」なんて表現は絶対に出てこなかったです。だからこそ、「こう書けばいいのか」と、「書くヒント」を教えてもらった気がします。 最後に、最終章で印象に残ったところを、少し長くなりますが、引用します。================================ 世の中には、好んでふつうの服より面倒な和服やドレスを着る人もいる。 そこまでいかなくても、 みんな着心地には関係ないはずのファッションにはこだわる。 「そういうもんだろ。 家だって、車だってさ。 みんながみんなオートロックマンションに住んで、 ハイブリッドカーにのりたいわけじゃない。 わざわざ古い家に住む人だっているし、 クラシックカーにのる人だっているんだ」 「そういうもんか」 「なるほどね」 ゆいは想像した。 すごく便利なものを使う人もいれば、わざと不便なものを使う人もいる、 様々な選択肢がある、 まだだれも見たことがない未来の生活を――。 (いまだって、パソコンや携帯の画面で物語を読むのが好きな人もいれば、 紙の本を読むのが好きな人もいる。 いろいろなものを好きな人がいて、 それぞれのやり方を楽しむ人がいるんだ) ゆいは、保冷バッグをリュックにしまいながら、結局使わなかった 『これでラクラクだれでも書ける読書感想文』を見た。 (あたしが好きな本を嫌いな人もいるし、嫌いな本を好きな人もいる。 こういう本で、ほんとに感想文を書ける人もいるんだろうな)(p224-225より)================================感想文をまったくの独力で書くのもよし、感想文が得意な人の力を借りるのもよし。「選択肢はいろいろある」このことには、非常に共感できたのでした。 今日もブログを読んでいただいて、 ありがとうございます。 ブログ王ランキング にかとまの読書メモリスト
2012.08.13
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「漢字のおぼえ方」 という本を読みました。 『漢字のおぼえ方』(漢字塾太郎 著、宮島弘道 絵、太陽出版、2007、1500円)子ども用に書かれていると思っていたら案外難しい内容も含まれていて最初は読む気にならなかったのですが・・・。読んでみたら、けっこうおもしろい内容がたくさん含まれていました。「漢字をパーツで分けて覚える」というやり方が合っている子どもの漢字指導に役立つネタがかなり入っています。以下が、「ブクログ」という読書記録サイトに登録した僕のレビューです。↓↓新 漢字のおぼえ方―マンガだけど本格派 小・中学生用漢字塾 太郎太陽出版発売日:2007-07ブクログでレビューを見る»「小・中学生用」とありますが、漢字に振り仮名がないので、小学校高学年以上でないと読みにくい。”ノと木で「のぎへん」”など、部首に関わるかなり豊富な知識が得られます。子どもで漢字好きな子や、漢字を教える先生におすすめ。漢字をパーツに分けたときにこの部分があればこう読む、といったルールが分かります。たとえば「且」を部分に持つ漢字はすべて「ソ」と読む、など。わりとこういうのを一覧的に解説するものがなかったので、そういう点で有用かと思います。本書の中から一つクイズを。「白」という字は何才でしょう?正解は、99歳。「百」という字から「一」を引くと・・・。ほらね。だから「99才」のことを「白寿」とも言うんだって。勉強になるなあ。(^^) ↓応援していただける方は、クリックをお願いします。
2012.02.17
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突然ですが、先ほど教材・教具の本を読んでいて、漢字のところを読んでいたので、思い出したことを書きます。金曜日、久々に通常学級の集団授業をさせてもらいました。小2 国語 「小1の漢字を使って、主語・述語のある文を作ろう」です。導入は電子黒板の漢字フラッシュ。この時に、習っていない漢字でも読めそうなものはふりがななしで提示することがありました。子どもは、はりきって読みます。まあ、「かん字」と書いたフラッシュの次が「漢字」だったら、普通読めますわな。これ、子どもをほめるためにわざと入れています。「習ってない漢字なのによく読めたねえ」僕が使う常とう句です。(笑) 教科書では、「主語」「述語」という漢字も、ふりがなつきで書いてありました。もちろん、これもいただきです。さっきに比べれば難しいですが、教科書に読み方が載っているので、ちゃんと教科書を見る子は、読めます。習っていない漢字だから、読めなくても別にいいのです。読めても、読めなくても、いい。勉強って、そういうもんだと思うんですよね。強制されるといやになっちゃう。2年で習う漢字じゃないから、覚えなくてもいいけど、覚えたいなら別に覚えてもいいよ、という。(^^)こういう、自主的に子どもが選んで、自ら学ぼうとすることこそ、大事だと思っています。 ノートを書くときにも、「主語」「述語」はわざと黒板に漢字のまま書きました。「2年生で習う漢字じゃないから、 ひらがなで書いたらいいんだよ~。」「書けるよ!」「漢字で書くよ!」う~ん、2年生の子は素直に挑発に乗る子が多いなあ。(^^)こういう感じで、子どもの自尊心をくすぐるように指導を持っていくことが僕の場合は多いです。やる・やらないは子どもの自由です。自由を保障するところに、学びがあるのだ。 かっこいいことを書いてしまいました。「じゃあ、全然勉強しないのも子どもの自由なの?」「書き順とかきちんと教えないでただ写させるだけでいいの?」などの反論が聞こえてきそうです。それについては、また別の機会に・・・(といって、逃げる)。(^^;) ↓気まぐれな記事を応援していただける方は、クリックをお願いします。
2012.02.13
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昨日紹介した「目指せ幸せな生き方」のブログで私が過去に実践したような(この「ような」がポイント(^^;))おもしろ作文の実践が紹介されました。 ▼「かんさつ名人になろう」を楽しく! それを機に、そういえば自分もこんなのをやったなあと思って、自分の実践を見返してみました。 ▼作文パワーアップだいさくせん(2年生への実践記録) そうすると、私の実践は『兎の眼』でのつづり方実践を下敷きにした、と書いてありました。『兎の眼』(灰谷健次郎 、角川文庫、1998、600円)=============================【内容情報】(「BOOK」データベースより)大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生・鉄三。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。そして小谷先生は次第に、鉄三の中に隠された可能性の豊かさに気付いていくのだった...。学校と家庭の荒廃が叫ばれる現在、真の教育の意味を改めて問いかける。すべての人の魂に、生涯消えない圧倒的な感動を刻みつける、灰谷健次郎の代表作。 ============================= とにかく教師を志す人なら必ず読んで欲しいと思う名著ですが、この中に出てきた作文指導の実際とはいかなるものなのか?詳細に引用するとかなり長くなるので今まで避けてきたのですが、今回、その全貌を事細かにここに掲載してみたいと思います。 以下、『兎の眼』作品中の文章より =============================== 今日のつづり方の題は、「なに?」です。みなさんの原稿用紙に、「なに?」と書いてください。それから、「小谷先生は大きな荷物を下げてきました」と書いてください。みんなが同じことを書くのはそれだけです。後はそれぞれ勝手に書いてください。思ったとおりに書いてちょうだいね。 小谷先生はそういって、いちど廊下に出た。そうして、1メートル四方もあろうかという白い布につつんだ大きな荷物を重そうにさげて、ふたたび教室にはいってきた。 大きいでしょう。さあ、なんでしょう。それじゃ、みんなの思ったとおりに書きなさい。なぜ、そう思ったかというわけも書いておくといいつづり方になりますよ。じゃ、純一君、あなたの書いたのを読んでください。はじめからね。それじゃ、この白い布をとりますよ。白い布を取ると、中からカラーテレビのダンボールが出てきた。はい、つづけて書いてください。勝一君、いまのところだけ、読んでね。じゃ、つぎ、いきます。 小谷先生はテレビの箱をやぶいた。するともうひとつの箱が出てきた。その箱には夏みかんの絵が印刷されてあった。 テレビとはちがったようですから、勝一君はどう書いたかな?つづけて読んでちょうだい。箱の中を見てください。 小谷先生は箱のふたの部分をやぶいて子どもたちに中を見せた。新聞紙をくしゃくしゃにしてつめてある。夏みかんを一つ一つ新聞紙にくるんでつめてあるようにも見える。 (子どもの「だまされたらあかんでえ」を受けて、)「ほんとよ、だまされたらだめよ。よく考えて書いてね」はい、今度は道子ちゃん、読んでください。 小谷先生は新聞紙をとった。新聞紙はただ丸めてあるだけだった。なつみかんの箱の中から、デコレーションケーキの箱が4つ出てきた。 子どもの「みんな同じものが入っているの?」を受けて、そうだと答えた。 先生ちょっとずるいわね。見るだけで中のものを当てさせるんだもんね。先生、反省しました。今度は音をきかせてあげます。どんな音がするか、よくきいてね。 小谷先生は箱をふった。がさがさという音がした。4つの箱はみな同じような音がした。 じゃ、書いてちょうだい。 こういう調子で文を書かせていけば、知らぬ間にたくさん書いていくことだろう。そのときそのとき、心ははりつめているのだから、よい文がかけるに違いない。 それじゃ、たけしくん、読んでください。じゃ、おかしかどうか、みんなにこの箱をさわらせてあげる。 4つの箱はそれぞれのグループにわたされた。子どもたちは、箱を振ったり、においをかいだりしている。 「なんかはいっている!」「ほら、なんかなかでうごいとるやろ。ごそごそしてるやろ」 弘道君、読んでください。やれやれ、こまったナ。さっき、ぜったいおかしだと言って、ちがってたでしょ。今度も違うかもしれない。でもね。先生はみんなをいじめてよろこんでいるわけじゃないから、このへんでタネあかしをしましょう。いま、みんなの気持ち、どんなですか。今の気持ちを、しっかりおぼえておいてね。 小谷先生はカッターで封のセロテープを切ってやった。 いち、にい、さんであけていいわ。いい。いち、にい、さん。 真っ赤で元気のよさそうなアメリカザリガニが、子どもたちの眼の中にとびこんできた。小谷先生は、しばらく子どもたちをさわがせていた。 みんなに1匹ずつあげます。大切に飼ってやってね。さあ、こちらを見て。さいごをがんばってね。今までみんなの心が一番さわいだのは、箱の中を見る前と、箱の中のものが何だったのか、わかったときですね。みなさんのつづり方のさいごに、そのときの心の様子をしっかり書いておきましょう。==============================これは私が自分の参考にするためにかなり前にPCに打ち込んでいた「メモ」をそのまま転載したものです。打ちこんだのはかなり昔なので、原文をどれだけはしょったのかは忘れましたが小説の中のところどころ、自分が授業するのに役立つ参考部分だけを抜き出してつなげたと記憶しています。これを読んで感動したあなたはさっそく小説を買って原文を読んでください。(^-^;)ちなみにこういった「メモ」の集積はエクセルファイルになっていて、「教育関係お役立ちメモ」と名付け、よく開いて見ていました。中身は分類分けしてインデックスをつけ、検索しやすくしていたので、私の教育実践のオリジナル参考書として長い間役立っていました。門外不出のかなり役立つファイルですが、ひさびさに開きました。(^。^)
2009.06.15
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復活しました。通知表もできました。もう大丈夫です。調子にのってネットをしていたらおもしろい商品を見つけました。これ、ほしいなあ~。コミックスメモ 標準価格210円(サカモト) バージョンは各種あり。【在庫アリ!】☆第四巻☆「北斗兄弟対決!トキ宿命!」懐かしの名場面にコメントを入れられる北斗の拳コミックスメモ!「北斗の拳」の漫画の吹き出しに書き込むバージョンがいちばん有名のようです。使用例をみるとはっきりいって吹き出します。もともとは単なるメモ用紙だったようですが、それをフセン紙にしてぺたぺた貼れるようにしたのがまたすばらしいアイデアです。付箋紙版は「週刊誌風フセン」と呼ぶようです。【メール便で送料無料!】北斗の拳 週刊誌風フセン(3巻)【PC家電_005P2】(472円)ネットで買えるようです。職場の雰囲気を明るくするために、慰労会や何かの余興に、いかがですか?大人気につき、すぐ売り切れになるようです。申込みはお早めに。(情報を検索したら6割ぐらいは売り切れでした。)こんなので「伝言メモ」が置いてあったらビックリですよね!!
2009.03.22
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2009年02月22日の日記作文パワーアップだいさくせん(2年生への実践記録)には続きがありました。作文の授業「なにかな?」のあとに、子どもたちが宿題で書いてきたものを通信に載せていました。=============================(平成16年度2年2組学級通信『うれしい!たのしい!大すき!』No. 7より) これはなにかな?クイズ先週の作文の宿題です。内容もよく見てくわしく書けていましたが、クイズの出し方の形式を工夫している子がいて、びっくりしました。書き出しがいきいきとしていたのはIさん。「じゃじゃん、だい1もん」ではじまります。テレビのクイズ番組みたいですね。「わたしは、水がすきです。たいようもすきです。」ではじまるのは、Aさんのなりきりクイズ。「さて、わたしは、なーんだ?」という聞き方が、とてもよかったです。こたえのところがてんてんで書いてあり、なぞるとこたえが出てくるというアイデアは、Tさん。みごとなアイデアです!もんだいに絵をつけて、わかりやすくしたのはFさん、こたえのせんたくしを7つ用意して、せいかいだとおもうものに丸をつけられるようにしたKさんもよくくふうしていました。どんどんおもしろく、どんどんたのしくしていけたら、すてきだね!=============================子どものアイデアには大人も顔負けです。(^^)どれも見事な発想で、自分も見習わなくちゃ、と思います。こういう「楽しくするアイデア」を、忙しかったり疲れたりすると忘れてしまうので、今回この日記を書いたことをきっかけに忘れないようにしたいです。
2009.02.28
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昨日で連続1週間ブログを更新しました。今日は研修会(昨日のブログ参照)に行っていたので家に帰るのが遅くなったのですが、せっかく連続ブログ更新を続けていたので、今日も更新します。(^^)新しくいろいろ書く時間がないので、2月22日の続き、過去の学級通信からの転載です。 ================================(平成16年度2年2組学級通信『うれしい!たのしい!大すき!』No. 11より)新しいせいぶつ宿題の「新しいせいぶつ」はけっさくぞろい。どの子も楽しんで書いているのがわかりました。そこで、気をよくして今日の宿題はパート2、 「新しいせいぶつのちえ」です。説明文を書く、となるとむずかしそうですが、自分が考えたせいぶつの説明なら、おどろくほど楽しく、スイスイと書けるもの。さて、今度はどんなすてきなせいぶつが見れるかな?==================================「あたらしいせいぶつ」というのは、子ども向け教育番組「ピタゴラスイッチ」にそういうのが出てきたんです。うちのクラスでは「ピタゴラスイッチ」をよく見せていたので、その中の「あたらしいせいぶつ」というネタを子どもたちにも振って、意欲付けしたという実践です。ちなみにこの学級通信での呼びかけは、単に「絵と文でオリジナルの生物の説明をする」という自由度の高いものから、「その生物にはどんなちえがあるか」と焦点化して説明することを求めています。小学校2年光村図書の国語教材『たんぽぽのちえ』をやっている時期だったのでそれとリンクさせての投げかけでした。これまた前回の実践と同じく、子どもの発想の豊かさにふれ、大変おもしろくて、感動したものです。宿題で書かせているのでほとんど指導は入れず、子ども任せで自由に書かせました。
2009.02.25
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前任校で2年を担任した子どもたちが、この3月で卒業します。その子たちに贈るメッセージを今日は書いていました。(メッセージだけ書くつもりが結局アイデアを凝らしているうちに DVDムービーになってしまった。卒業式前に見せてもらいます。(^^))そんなわけで、今日は当時の(4年前の)学級通信を思い出にふけりながら読み返していました。その中から子どもの反応が非常によかった「おもしろ作文指導」をご紹介します。(このときはかなり「おもしろ作文指導」に力を入れていて、 子どももそれに応えておもしろい作文をどんどん書いてきました。 非常に楽しかった1年間です。)===============================(平成16年度2年2組学級通信『うれしい!たのしい!大すき!』No. 6より) 作文パワーアップだいさくせん!5月10日(月)に、作文の授業「なにかな?」をしました。めあては、「くわしく長くかくこと」。長く書くためのコツは、いろいろありますが、ひとつには「小分けにして書くこと」があります。じゅぎょうでは、最初に「(にかとま)先生が、大きなふくろをもってきました。」の書き出しをあたえて、そのつづきを書かせていきました。ふくろを見せて、「見たこと、思ったことを書きましょう」、ふくろの中を見せて、また「見たこと、思ったことを書きましょう」、さらにまたその中を見せて・・・といった感じで中のものを予想させながら、その時点で書けることを書かせていきました。(灰谷健次郎の『兎の眼』で描かれた授業を参考にしています。)結果は、日記帳と同じマスの原稿用紙に、少ない子でも2ページ、多い子で7ページも書けました。(多い子はKさんです。見たことを素直に詳しく書けました!)「したこと」中心の生活作文では「書くことがない」という事があるので、これからしばらく、「見たこと」を書く日記・作文を宿題でさせたいと思います。ただし、ほかにかきたいことがあったら、じぶんのかきたいことをかいてもかまいません。とにかく楽しんで、頭を回転させながら、書けばいいのです。============================学級通信では、このあと子どもたちの作文が並んでいます。著作権がこちらにないので、これは割愛!(^^)すごくよく書けていましたよ。こういう実践は、教師も子どももどちらも楽しくできるのでいいですね。なお、おもしろ作文指導についてはインターネット上の実践をかなり参考にさせていただいて年間通じていろいろな取り組みを試みました。
2009.02.22
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3色ボールペンで色分けして本を読むようになってからずいぶん経ちます。ただ、市販の4色ボールペンだと、・色が出なくなることがあり、「緑」で線を引きたいのに色が出なくて「青で代用!」なんてことをやっています。引かないよりは引く方がいいのですが、それでも「この色で引きたい」と思ったらやはりその色で引く方がいいというもの。経験上ですが、寝て本を読んで線を引くときなど、次のような罠にはまります。・ペンを上向きにすると、インクが出なくなる気をつけましょう。(^^;)まあ、いくら気をつけていても、インクが出なくなるのはよくあること。高いペンになると、インクが出なくなるトラブルはそんなには起こりませんが、芯の中に空気が詰まって、・まだインクがあるのに出ない!というときは、イライラします。で、発想法としては1) インクが出なくなったのを出すにはというのが一つの解決法です。これについては、・火であぶる ・遠心力でぶんぶん振りまわすなどの方法があるようです。ただ、いちいちそんなことやっとれっかというのももっとも。そこで発想法その22) 書けなくならない色ボールペンはないのかどうもこれがあるようなのです。情報元はこちら◆ハイテックCコレトで「齋藤式3色ボールペン」を実現する方法「これはゲルインクの3色ボールペンで、好きな色のリフィル(替芯)を選んでセットできるのが特徴である。」と、PILOTの「ハイテックCコレト」を紹介しています。また、◆ 「毎日楽しくワッハッハ♪ 元気のガソリン満タン全快!山口航正!」さんのブログ 2008年04月06日(日) 06時46分32秒 「マインドマッパーにオススメデス♪」でも、かなり詳しく紹介されています。肝心の商品名がないのですが、たぶん上のボールペンのことだと思います。 さあて、さっそく買いに行こうかな!(^0^)【お得なセット】まとめて買うなら、絶対お得!!ハイテックCコレト3色用本体3本組+専用レフィル10色セット ◆「ハイテックCコレト」メーカー公式サイト
2008.09.15
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今、4年生が国語で楽しい「言葉遊び」の勉強をしています。今日の宿題は「回文」前回は「しゃれ」を作りました。それにくらべると「回文」を作るのはかなり難しい様子。それではと、個人的にインターネットで調べてみました。・日本回文協会http://kaibun.jp/(回文の説明のイラストがいい感じです。)・回文の部屋http://www.sutv.zaq.ne.jp/shirokuma/kaibun.html「回文の部屋」から、これこそはというものを抜き出してご紹介。「ロダンてさっきの喫茶店だろ?」 これは一大傑作です。 子音が入った回文とは!「イエイ!と言えい。」 しゃれも兼ねています。 しゃれ かつ 回文! 最強です。(^^;)回文の世界、おそるべし・・・
2008.01.17
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