まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.01.16
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プレバト俳句。冬麗戦!
お題は「輪ゴム」です。

今回も「異議あり!」ってほどのことじゃないけど、
個人的な感想です。



いちばん好きだったのは、フルポン村上。
一月や ゴム動力の プロペラ機

いつもなら、
半径1mの視界を拾うのが得意な村上ですが、
今回はめずらしく広々した遠景を詠んでます。

ただし、同じ遠景とはいえ、
フジモンあたりが詠む可愛くてポップで温かい遠景とは違って、
どこか孤独で文学的でシャープな遠景になるのが不思議ですよね。

ちなみに、
1位になった森口瑤子の句も、
風花へ しゅぱんしゅぱんと ゴム鉄ぽう
ってことで、

やはり新春の冷たい青空にむかって、
ピューンと飛んでいく清々しさが共通していました。



もうひとつ印象的だったのは、東国原英夫。
無影灯 下腹に冷たい何か

以前から、この人の句は、
不気味な皮膚感覚にうったえてくると思ってたけど、
今回はまさに自身の皮膚感覚そのものを描写しています。

本人は「麻酔後にメスが当たったような感覚」と言ってたけど、
わたしは、これを読んで「病巣が冷たい」のだと思いました。

ちなみに、これは、
冬の風景を詠んだ句には見えませんし、
やはり無季の句だろうと思います。



4位に甘んじた梅沢富美男。

鏡越し ロット巻く手や 春隣
ロット巻く手や 春近き日の鏡
(添削後)

一見して、
「春隣」の風情を詠んだ良い句だなあと思ったけど、
こうして比べてみると、
やはり先生の添削のほうが優っていますよね。

たぶん梅沢は、
「春隣」という季語から発想したのでしょうけど、
その季語に固執するあまり、
鏡越しに「隣」の人を見るというアイディアを、
なかなか捨てられなかったのかもしれません。

場合によっては、
発想の原点になった季語をあえて捨てて、
別の季語に替えなければならないのかもしれませんよねぇ。
そこが難しいところです。



ついでに、キスマイ横尾の句。
七日の名もなき家事 パズルの樹氷
七日 名もなき家事 ジグソーの一片
(添削後)

最初に原句を読んだとき、
「名もなき家事」の意味が分かりませんでした。
そもそも、炊事や掃除や洗濯のことを、
「名のある家事」だなどと考えたことがないからです。

「na」で韻を踏んでるのは分かるけど、
まずはそこを直さなきゃいけないだろうと思しました。

でも、先生はむしろ、
この「名もなき家事」を残したまま、
ジグソーパズルの映像のほうを描写し直したのですね。

そうすると、あら不思議、
誰にも知られることのない些細な片づけ作業という、
「名もなき家事」の意味がすんなり入ってきます。

これは、先生の添削に感心してしまいました。



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最終更新日  2021.12.31 18:26:11


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