まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.05.14
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プレバト俳句。お題は「シューズ売り場」。

今回も「異議あり!」ってほどのことじゃないけど、
個人的な感想です。



小宮璃央。
夏の夜 言葉交わさず下駄の音
夜店の灯 言葉交わさず下駄の音 (添削後)

これが最下位だったのですが、
「才能ナシ」ではなく「凡人」でしたし、
それほど悪い句だとは思いませんでした。

作者自身は、
夏祭りでのデートの場面を詠んだらしく、
その話を聞いてしまうと、
たしかに「凡人くさい」と思えるのですが、

かりに説明を聞かずに原句だけを詠むと、

見知らぬ他人と無言ですれ違った場面のようにも誤読できて、
ちょっと不気味な雰囲気を味わえると思います。

あくまでも誤読ですけど(笑)。

ちなみに作者の意図どおりに書くならば、
いっそ 「夏デート 言葉交わさぬ下駄の音」 としたほうが、
誤解の余地がなくていいんじゃないかと思います…。




梅沢。
帰国の日 アガシの白いハイヒール
帰国の日 アガシの白靴の悲し (添削後a)
帰国の日 アガシの白靴の眩し (添削後b)

作者の下世話な実話を聞いたら、すごく興醒めでしたが、

これも本人の説明を聞かずに原句だけを詠むと、
非常に味わい深く誤読できてしまう余地があると思う。

個人的にいえば、
「若い韓国人女性が帰国する」という場面だけで、
引き裂かれる悲しみを喚起する力が備わってると思うし、
ことによったら、
国家的な背景や歴史的な背景さえも見えてきます。

そう考えたら、添削は不要だと思うのです。

これも、あくまで誤読なのですけど…(笑)。

ちなみに「アガシの白靴」という添削は、
アンドレ・アガシのテニスシューズと誤解される、という問題もあります。




ぼる塾田辺。
泥靴や 頑張る君の夏近し

俳句で「君」と言ったら、
ふつうは恋人のことを意味するらしいのですけど、

この句の場合、
個人的には幼い子供のことだと誤読したい気持ちがします。



本田望結。
夏夕焼 波打ち際のペアシューズ

「夕焼」は、
それ自体が夏の季語なので、
「夏夕焼」とするのは季重なりだそうです。

逆にいうと、
「春夕焼」「秋夕焼」「冬夕焼」ってのは、
夏の本物には及ばない"弱めの夕焼"ってことなのですね…。


先生の添削では単純に「夕焼や」と直していますが、

かりに「夏」という語にこだわるならば、
「夏の夕」「夏夕べ」「夏の暮」
などとする方法もあるのかな、と思います。



キスマイ横尾。
披露宴 白靴のスタッズ眩し
婚祝う 白靴のスタッズ眩し (添削後)

正直な話、
原句には何の面白味も感じませんでした。

でも、
上五を「婚祝う」に変えただけで、
気合を入れてお洒落してきた人物像が見えてくるし、
そこに詩情と面白味とが生まれますね。

これはさすがの添削でした。



的場浩司。
靴の中ギラリちび蜘蛛 我が家ぞ
新品の靴より ちび蜘蛛のギラリ (添削後)

原句のままだと、
下五は「自宅の玄関」の描写に見えてしまいます。
かといって、
擬人化した蜘蛛の台詞だとすれば、なおさらクサいです。

これも先生の添削に納得です。



高田万由子。
白靴や 並びし吾子の父超えて
並べある 父より大きなる白靴 (添削後)

梅沢と先生が指摘したとおり、
原句のままだと「背比べ」をしてるように見える。

おそらく「並びし」の語が、
「白靴」ではなく「吾子」に掛かっているために、
そのような誤解を生じるのです。

かりに背比べを詠むなら、
白靴や 父に並んだ子の高し

靴の大きさを詠むなら、
吾子の白靴 父に勝りて並ぶ
としたほうが分かりやすい気がします。




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最終更新日  2021.05.14 15:23:47


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