まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.08.05
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秘密基地夏夕暮れに母の声 冷蔵庫の奥プリンの秘密基地 風薫る放課後今日も秘密基地へ まるで秘密基地博士の夏舘 ケーナの音麦の風吹く秘密基地 弟に秘密の秘密基地真夏 少年の空蝉残る秘密基地 秘密基地水風船のかけらかな
8月1日のプレバト俳句。
お題は「秘密基地」。

名人&特待生の査定でしたが、
そのわりには平凡な発想の句が多く、
先生の添削も例によってイマイチでした。




フジモン。
弟に秘密の秘密基地 真夏


中七は 「内緒の」 とも書けますが、
あえて「秘密」を重ねて修辞上の面白さを狙った形。
それを面白いと思うかどうかは選者しだい。



水野真紀。
秘密基地 夏夕暮れに母の声
母の声 夏夕暮れの秘密基地
(添削後)

さほどオリジナリティはないけど、
まあ及第点って感じでしょうか。

助詞「に」は時間の説明に見えるので、
これは添削案のほうが妥当かな。

追記:
助詞の「に」は、《3時 会う》のように時間の説明に使われる場合と、《公園 いる》のように空間の描写に使われる場合がある。《夕暮れ 》というのは時間の説明とも空間の描写とも解釈できますが、原句の「夕暮れ 母の声」は、たとえば《月 雁》のような背景の描写と解釈するのが普通かなと思う。映像を背景にして音声が聞こえてくるってことですね。そう考えると「説明的」との批判は当たらない気もします。




犬山紙子。
冷蔵庫の奥 プリンの秘密基地
冷蔵庫の奥にプリンの秘密基地
(添削後)

これは句材がユニークでした。

なお、先生は、
兼題の「秘密基地」を、
比喩として使ったことを褒めましたが、

そもそも「秘密基地」って比喩なのよ…。



森口瑤子。
まるで秘密基地 博士の夏舘 なつやかた
青蔦 あおつた の舘 博士の秘密基地
(添削後)

これも句材は面白い。

原句のままでも悪くはないけど、
「秘密基地 + 博士」
から連想されるガチャガチャした感じが、
季語「夏舘」のイメージに相入れない、
…との梅沢や先生の解釈も分からなくはない。
実際、作者自身もそういうイメージだったらしい。

しかし、
「博士の夏舘」がガチャガチャした場所とは限らない。

のみならず、
子供の秘密基地だって、
かならずしもガチャガチャした場所とは限らないのよね。

ためしに、
秘密基地のごと男爵の夏舘

としてみれば、
ちょっとイメージが変わるはずです。

…それはともかく、

先生の添削案はまったくいただけない!
二句一章にする意味がなくなってるし、

そもそも、
「博士の秘密基地」などと書いたら、
それはもう子供の遊び場じゃなくて、
極秘実験場みたいな意味になるはずです。

つまり、先生は、
(犬山紙子の解説を聞いても分かるとおり)

もともと「秘密基地」が比喩だという事実を、
完全に失念してるのですね。



中田喜子。
ケーナの音 麦の風吹く秘密基地


先生は、
「ケーナの音」が「麦の風」に乗ってくるようだと、
この取り合わせを肯定的に解釈したうえで、
動詞「吹く」の必要性も認めましたが…

わたしは、
「ケーナの音」と「麦の風」の取り合わせは、
ややイメージとして重複してて、
いまいち二物衝撃になってないと思う。

たとえ二句一章にするとしても、
「ケーナ」と「風」はワンカットにまとめて、
(季節は変わってしまいますが)

南風 はえ に乗るケーナの音 おと や 秘密基地

のような形のほうがいいんじゃないかしら?

さらに一句一章にまとめるなら、
ケーナの音 秘密基地まで南風に乗り

とも出来なくはない。



梅沢富美男。
少年の空蝉残る秘密基地


作者も、先生も、
「少年が大人になっても空蝉だけが残ってる」
みたいな話をしてましたが、
そんな長い年月がたっても蝉の殻って残ります?


…それはそうと、

フジモンも言ってたように、
「少年のものじゃない秘密基地の空蝉があったら持ってこい!」

と、わたしも思います。

たんに、
蝉の殻だけが残った秘密基地

と書くほうがマシじゃないですか?



皆藤愛子。
風薫る放課後 今日も秘密基地へ
風薫る ルミちゃんと行く秘密基地
(添削後)
風薫る 今日は行けない秘密基地 (添削後)

原句は、内容が平凡すぎてボツ。

その一方、添削案のほうは、
季語が映像化されないまま浮いてる。
しかも動詞の終止形が連体形に見えるので、
せめて「薫風や」にすべきですよね。

しかし、それ以前に、
この季語自体が8月の句としては時期遅れでもある。

それこそ、
映像的な夏の季語を取り合わせるなら、
空蝉や 今日は行けない秘密基地
とでもしたほうがいい。



清水アナ。
秘密基地 水風船のかけらかな


内容にはオリジナリティがあるけど、
二句一章を「かな」で締める形はぎこちない。
たんなる字数合わせにも思えるし、
詠嘆というより疑問のようにも見えてしまう。

切れ字の「かな」は使わずに、
残骸の水風船や 秘密基地

とするほうがマシかもしれません。

一句一章の内容と考えれば、
秘密基地に水風船の残骸

と破調の17音にも出来る。



▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12




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最終更新日  2024.08.09 22:32:25


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