まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.10.01
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カテゴリ: ドラマレビュー!
テレ朝「終りに見た街」を見ました。

軽さと重さの絶妙なバランスに乗せられて、
あっというまの90分でしたが、

終盤はトラウマになるほど怖かったです。



それにしても、
最近のクドカンの多作ぶりに驚かされる!

オリジナル作品も、
黒澤明や山田太一のリメイク作品も、
縦横無尽に高い水準で書き上げてますし、

社会的な題材にも臆することなく、
きっちりとエンターテインメントに仕立ててる。

そのうえ、
俳優の魅力を引き出し、
新人俳優の才能も発掘して、

なにやら大谷翔平みたいな、
オールマイティな天才ぶりを感じさせます。
かつて日本にこんな脚本家がいたかしら?



クドカンに欠けてるものがあるとすれば、
映画分野の成功と国際的な評価なのよね…。

坂元裕二が、
是枝の映画で国際的な評価を得たように、
クドカンを世界に引き上げる演出家が必要だね。

真田広之の「SHOGUN」の成功もあったし、
日本のドラマが世界に出る機会は増えるはず。

ちなみに、
山崎貴は「オッペンハイマーのアンサー」を撮ると言ってるし、
ジェームズ・キャメロンは「二重被爆」の映画を撮るらしい。
日本の脚本家もそういう題材で世界に出るべきかもしれません。




…てなわけで、
今回のドラマの内容についてです。

いちばん怖かったのは、
子供たちが戦争に生き甲斐を見出していくところ。

そして、
1945年の終戦を乗り越えれば、
平和な現代へ戻れるはずだという安易な期待が、
もっとも最悪な形で裏切られるところです。



敗戦が確実に予見できる状況なのに、
男の子だけでなく、女の子も、
なおも日本が 「勝つ可能性」 に賭けて、
お国のために戦うことを決意する。

いくら親が説得しても話が通じなくなる…その怖さ。

幼き日の母 (三田佳子) も、
勇ましい兵隊さんに恋心を抱いてる。

ドラマのなかでは敏夫 (堤真一) が、
「若者は感化されやすいからね」と言ってて、
ネット上にもそういう見方はあるのだけど、

これって若者だけの話じゃないよね…。



事実、
80年前の太平洋戦争では、
総力戦研究所の分析にもとづいて、
《日本必敗》のシミュレーションがあったにもかかわらず、
指導者たちは 「勝つ可能性」 に賭けて開戦へと踏み切りました。

国の指導者でさえそうなのだから、
一般の無知な国民ならなおさらです。

勝つ可能性に賭けて戦おうとするに決まってる。
「勝てるかもしれないではないかっ!」
「なぜお前たちは戦わないのかっ!」
「なぜ戦う前から諦めるのかっ!」
と言いはじめるに決まってる。

現時点でさえ、ネトウヨなどは、
そういうことを日頃から言ってるわけです。



そういう人たちに対しては、
もはやいくら説得したところで話が通じない。
彼らは国のために戦うことへ前のめりになる。

戦うことに生き甲斐を見出す連中がいるかぎり、
戦争を止めることは不可能になってしまいます。

それは、たとえば、
過去に戻って3月10日の大空襲を予言し、
当時の人々を助けることよりもはるかに難しい。



その結果、主人公は、

結果的には 現代(202X)の戦争で死ぬ ことになります。
日本は同じ過ちを繰り返すはずだから。

そのような絶望的な予言のドラマでした。





そもそも戦争は、
「どちらが先に仕掛けるか」という話ではない。

たとえば、
敵基地のミサイル発射準備に即応した攻撃は、
たとえ自国にとって「自衛」だとしても、
相手国にとっては「侵略」を意味するはずです。

アメリカがイラクに対し、
「大量破壊兵器がある」
との嘘の口実で攻撃したように、
「敵基地でミサイル発射の準備がされた」
との嘘の口実で先制攻撃を加えるのは可能。

むしろ、それこそが、
武器商人 (軍産複合体) が戦争を開始させる常套手段。

彼らは武器を売り、戦争をさせることで稼ぐ。
けっして領土的野心などで戦争するのではなく、
戦争させることそれ自体を目的にしています。

アメリカが定期的に戦争できるのは、
そのようなルーティンを可能にする状況があるからです。
うまく口実を作れば、いつでも戦争を開始できる。
そのような戦争は一種の公共事業です。

日本に真珠湾を攻撃させたのも、
アメリカが「自衛」の口実を得るための挑発であり、
日本はまんまとそれに乗せられただけのこと。

戦争のできる状態を作れば、
すぐにでも戦争は始まってしまう。
したがって、重要なのは、
戦争が不可能な状態を維持することです。


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最終更新日  2024.10.02 13:22:04


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