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毎年「行きたい」と思いつつ見逃してきた伝統工芸展を、初めて鑑賞。久しぶりの東京。3年ぶりか?交通費が痛い出費。バス代は、一気に60円も値上げする暴挙よ。東京駅・・・人 人 人 ラーメンやお菓子の店に行列ができている。値上げなんてどこ吹く風だ。駅というよりショッピングモール。日本橋で麒麟像を眺める。久しぶりの東京・・・嬉しい。会場の三越に行くと、まあ!ビックカメラが入っていて驚いた。想像より開放的な展示場。程よく賑わっていたが、平日の昼間なので9割が年配者。見応えあったなぁ。どの部門でもモダンなものが多く、洒落ている。技術にもデザイン性にも目を見張る。久しぶりに「象嵌」「蒔絵」「螺鈿」という大好きなものを鑑賞できて感激した。美しい。思いがけず、竹工芸の人間国宝 藤沼 昇さんとお話することもできた。30歳までサラリーマンだった、ほぼ独学、竹工芸が海外で人気がある…超絶の芸術家なのに、気さくにお話してくださった。(ただただ恐れ多い)すばらしい感性や卓越した技術でもの作りする日本人たちが、活躍できる社会であってほしい。さらっと見てまわるだけでも、休憩なしで3時間もかかった。受賞作に添えてあるキャプションは、小難しくてよく読まなかった。(そんな気力体力ない)一部を除き撮影可能なので、あちこちでカシャカシャやっていて耳障り。消音設定して!デパートに立ち寄っても、あまり気持ちが高ぶらない。気分が昔と違う。本当は色々な美術展に行きたいのだが、なかなかそうはいかない。感性と手先の器用さを、日本人が保っていけるか・・・
2023年09月21日
久しぶりのそごう美術館。都内の催しは平日でも混んでいるが、少し神奈川に入るとアラ!意外と空いている。土日は違うだろうけど。一口に切り絵といっても、7人のアーティストたちそれぞれに表現方法があり、信念がある。切る技術以前の発想力・デザイン力も凄まじい。やはり「絵」なので着想が土台にあって、それを切り絵として表現する能力・センスが圧倒的だ。やはり強烈な印象を受けるのは、超絶技巧の作品だ。「えっ」「うぁ!」「これ、人間業と思えない」「美しい」「すばらしい」これらの言葉が何度も何度も頭の中をグルグルする。まさに「度肝を抜く」「息をのむ」である。切り絵でここまで表現できるのか!と。特に凄いと思ったのは、切り剣masayoの技術。細ーい曲線(2,3ミリか?)の部分が、僅かに波打っている。生き物の作品を主としているようで、どの作品からも愛と尊敬を感じた。美しく、力強い手業に驚き、魅了された。才能の凄さ。ここまで出来る人たちは、国宝だ。* * *会場は空いていて、他に数人しかおらず。「この状況でマスクするなんて、バカバカしい」と外した。が、やってきた警備員からマスクするよう声掛けされてしまった。そこのルールなら仕方ない。即座に従うが、ストレス。政府が「13日以降、マスクは個人の判断に委ねる」と発表したが、結局多くの施設が「マスク着用のお願い」をそのまま続けるのではないか。私の顔は汚くて嫌いだが、それでもマスクはしたくない。早く日本社会が脱マスクしてほしい。不気味だし、相手の声が聞こえないし、本当にイヤだ。
2023年03月09日
美術展、久しぶりだ。1年8か月ぶり。美術に触れない寂しく、乾いた日々が長い。「見に行きたい」と思う美術展がたくさんあったが、都内(上野など)まで出かける気力(元気)が湧かない・交通費もバカにならない・予約制が面倒くさい。「これは行きたい!」と思っても、ネット上でカード決済のみだとか、スマートフォンで予約画面を見せて入場しろだとか・・・ウイルス騒動を機に、煩わしい(私には無理な)ことを規定した美術館があり、泣く泣く諦めた。ずーっと前から行きたいと思っていた、パナソニック汐留美術館に、やっと足を運んだ。大好きな神坂 雪佳の展覧会があると知ったからだ。勢いつけて出掛けるしかない。幸い新橋駅のすぐ近くで、とても行きやすい。実に有難い。平日でも、意外と賑わっていた。(土日は予約制だというのも理解できる)マスクしながらの鑑賞、とても煩わしい。息苦しいし、耳が痛くなってきて辛かった。もっと性能のいいマスクをしていかなかったのが、うかつだった。上映されていた映像で、彼の姿を初めて見た。精悍な整った顔立ちで、体格にも恵まれていたようだ。陶芸や漆芸に図案を提供したり、美術団体を創立したりと、積極的に人々と関わり手腕を発揮した人だと知った。リーダーシップもあったと思われる。自分の世界に籠って、人と会うことを避けるような芸術家ではなかった。絵のイメージからなんとなく、小柄でおとなしい人を想像していたが、違った。十二ヶ月草花図画帖(そうかずがじょう) ふわっと心が和らぐ。これぞ雪佳という作品。螺鈿の鹿にも「おぉー!」と思った。久しぶりに蒔絵も見られて感激。売店にあった「近代図案コレクション 蝶千種・海路」思い切って買えば良かったかな。三千円…どうしよう…迷う。
2022年11月22日
一年数か月ぶりに都内へ。日比谷図書文化館 特別展 複製芸術家 小村 雪岱 を見に行った。 初めての会場。今まで知らなかった施設だ。へぇー、こんな所なのか。 検温と手の消毒 連絡先を書けって あぁ・・・ 入場料は、券売機で支払う。ああ、人員削減・非接触。 混雑というほどではないが、賑わっている。平日にこれだけ入るのは、大したものだ。若者も、中高年もいる。 若い人たちがスマートフォンで撮影している。「えっ、ダメでしょう」 カシャカシャうるさい うるさい! 気になったので、思い切って係員に「写真を撮っていいのですか?」と尋ねると「はい、いいですよ」 エーッ! ここ一年くらいで、鑑賞の仕方が「緩く」なったのか?! カシャカシャうるさいし、目障りだ。 白髪の年配者もカシャカシャやっている。若者だけではない。 どいつもこいつも片時も、スマートフォンを手放さない。何でもSNSに載せようとする。美術館も、SNSの波及効果に期待している。 だからって・・・やめてくれよ! 美術館の判断、私には狂っているとしか思えない。 「観覧室以外の場所」に、撮影スポットをつくればいいではないか。撮りたい人は、そこで思う存分撮ればいい。 スマートフォンの浸透しすぎ・当然化にうんざりだ。 私のこの不快感を理解できる人は、もはや少数派なのだろう。多くの人は「何が悪いの?」と。・・・ため息。
2021年03月17日
昨年開館したことは知っていたが、訪ねるのは初めて。あぁ、川崎に行くのは何年ぶりだ?!美術館に行くのも久しぶりだ。 ん?!新しい改札口に新しい商業施設(アトレ)に驚く。凄いなぁ。 川崎浮世絵ギャラリーは駅と繋がったビルの一角にあり、外を歩かず2,3分で行けてとても便利だ。(当分の間は難しいが)海外からの客も見込めるし、川崎にとって有益な施設だ。 月岡 芳年の「月百姿」を、前期・後期に分けて一挙公開と知り「絶対に行かねば」と思った。 「月百姿」は月をテーマとしながらも、戦国武将や美女など歴史上の人物をはじめ、妖怪や幽霊、動物達も登場し、また謡曲から得た題材も多く描かれるなど変化に富む作品です。(ちらしから転記) 様々な分野の知識がなければ、これだけ多くの題材で描けないな・・・と思う。特に面白いなと思ったのが「嫦娥奔月」じょうがほんげつ。嫦娥は、中国神話の女性。夫が女神からもらった不老不死の薬を盗んで飲み、月に逃げた とキャプションに書いてあった・・・。でも、優しそうなお顔。 小さめの美術館で、今回の展示数は点64点だった。それでも、見終わるのに2時間もかかった。疲れた。スタッフは、客とすれ違うと無視せず挨拶する。ちゃんと教育されているのだな。
2020年09月10日
久しぶりの横浜美術館…何年振りか。やたらと広すぎて、無駄なスペースだらけのバブルの遺物よー。 平日の昼間・猛暑にもかかわらず、賑わっている。老いも若きも・・・みんな元気だなぁ。 ぜひ見たいと思っていた「孔雀明王像」。孔雀に乗っているというのが、幻想的で好き。孔雀も明王も堂々としていて、いいな。 右手に俱縁果(ぐえんか)という果実を持っているのが、またいい。(レモンという説もあるらしい) なぜ孔雀か、なぜ俱縁果か・・・ちょっと調べてみたい。 原 三渓の達筆なこと、達筆なこと! 幼少の頃から書画・漢学・詩文を学び、自らも芸術家というのがカッコいい。 白蓮を好んで描いたのは、故郷・岐阜で蓮の生産が盛んであるから。そういう郷愁も温かく、美しい。 最愛の息子が急死したということも、初めて知った。 数寄者でもあり、美術家のパトロンでもあったというスケールの大きさよ・・・。 円山 応挙「中寿老左右鴛鴦鴨」 柔らかな表情の老人に寄り添う、白鹿がかわいい! 久隅 守景「賀茂競馬図」などもすばらしかった。 三渓園に行ったのは、25年も前よ・・・。涼しくなったら、行こう。 足が棒になった。そして、冷えた・・・
2019年08月03日
平日・昼過ぎ…一般的な絵画展より、中高年男性が多い気がしましたよ。 3分程度の映像が数か所で流されていた。水木氏の半生を作品とナレーションでテンポよく伝えるものや、関係者が水木氏の思い出話をするのを立ったまま見る。こういう展覧会は初めてだな。工夫していると思った。 水木しげるは日本が誇る「芸術漫画家」であり、類まれなる感性・発想力・想像力の持ち主だったことを実感させられた。「虫とか草とかが吐く言葉は、地球の言葉なんです」 幼少期から外で遊び回り、虫や草花に親しんだからこその言葉だと思う。なんだか、スケールが大きい・・・ 編集担当者 「先生のもっている背景が大きい。奥が深い」 インターネットもなければコピー機もない時代に、物事を詳細に調べて探求するというのは、相当な時間と労力を要する。時代背景が今とかなり違うのだから・・・。 背景は緻密に・リアルに、キャラクターはシンプルに描く というのが水木漫画の特徴だそうだ。点描も多い。なるほど、言われてみればその通りである。 直線にしろ曲線にしろ、定規を使わないっていうのも驚いた。 様々な背景画を書き溜めておき、必要な時に適切な大きさに切り、用紙に貼り付ける という工夫もしていたそうだ。締め切りに追われる水木なりのやり方。そうでもしないと乗り切れないほど大忙しの日々だった。 原画の美しさを感じるだけでなく、ゲゲゲの鬼太郎以外の作品を知る機会を得られた。 「河童の三平」の狸がかわいいゾ! 結局、鑑賞時間は4時間に及んでしまった・・・まだ私にこんな気力体力があったとは、意外。さすがに疲れたな。 販売コーナーには当然、水木氏の著書が色々と置いてある。どれもこれも買って読みたいが・・・ひとまず「河童の三平」文庫本を購入。1300円也。本当は、文字が小さくて読みにくい文庫本の漫画は好まないのだが、それより大きい単行本だと値段がかなり上がる。確かに読みやすいのだけれど、値段が・・・。 「ぬりかべ」のぬいぐるみもほしかったが、我慢。 あぁ、会期終了前にもう一度行って、漫画もぬいぐるみも買ってしまおうか・・・ 「つらら女」と「おいで草」 めちゃ怖え!
2019年06月16日
平日の夕方・・・意外とお客さんが入っていましたよ。 モリスの言葉・役に立たないものや、美しいとは思わないものを家に置いてはならない。・部屋に何を置くにしても、まず壁をどうするか考えよ。 壁こそが本当の住まいにするからだ。 何を犠牲にしても壁を優先させなければ、いかに高価で見映えのする家具を置いても、その部屋は間に合わせの下宿屋のようになってしまう。 間に合わせの下宿って…(笑) こんな草花モチーフの壁紙を貼れば、寒い時期でも悪天候の日でも、気持ちが安らぐかもしれない。 壁に彩と美のある生活・・・確かに憧れるわ。
2019年05月30日
6年ぶりの太田記念美術館。その間「これ、見に行きたい!」と思う企画がいくつもあったが、思い切って足を運ぶに至らなかった。 2時間かけてたどり着いた原宿駅・・・平日なのに混んでいる!土日が恐ろしいわ。 「連日、3時頃まで混雑している」という情報を得ていたので、3時少し前を狙った。 確かに混んでいたが、ストレスが急上昇するほどではなくホッ。運よく!ロッカーも借りられた。(たまには私にもいいことがある) 詳しく知らないが、古邨は昨年あたりから人気急上昇らしく、茅ケ崎市美術館での展覧会も大盛況だったらしい。(私は宣伝ポスターを見てとても興味をもったが、行けなかった) 版画とは思えないほど、きめ細かい線と優美な色彩・・・彫師と摺師の技術が圧巻。 特に鳥を好んで描いたというが、他の動物も風景もすばらしかった。蛙、鹿、猿、どれも愛らしく、見飽きない。美しくユーモラスなミミズクも、強い印象を与える。 生き物への愛・慈しみが伝わってくる。 ふっと別世界に誘われる感じ・・・ 前期も見るべきだったと大いに後悔。 図録と絵葉書が5種類くらいしか売っていなかった。狐のファイルは売り切れ と貼り紙が。販売スペースがないからか、商売っ気があまりない。
2019年03月20日
久しぶりのサントリー美術館。何年ぶりか・・・前回は何を見たのかも思い出せない。 やや混雑しており、土日はストレスMAXだと思った。 キーワードは「狩野派絵師と古画学習」 彼の画業の土台である。 何でも描ける 何でも描きたい とてつもない才能と努力で幕末~明治を駆け抜けたこの絵師が、大好きだ!
2019年03月12日
久しぶりの美術展。久しぶりに都内へ。平日の午後にしては、とても混雑していた。意外と、男性客が多かった気がする。 フジタの展覧会なら行かねば・・・と思い、重い腰を上げた。上野まで2時間・・・やはり遠いな。 1時間半で見終えるつもりだったのに、結局3時間もかかった・・・休憩するより早く終えたい気持ちが勝り、ほぼ立ちっぱなし。ふくらはぎがカチカチになり、当然腰にも疲労感。 グロッキー よく知られた乳白色の裸婦や猫もいいが、彼の描く花々も大好きだ。ただきれいなだけではない、品格が感じられる。 戦争画「アッツ島玉砕」かなり大きな作品で、物凄い力作。この作品の茶色が、忘れられない。これ以上の戦争画があるだろうか。 日記帳が10冊くらい展示されていたが、色形がバラバラなのが印象的。綴られた文字は小さく、優しく流れる線はほとんど判読できず・・・。 ぶっとんだ人というイメージがあるけれど、つい先日TVで放送された肉声は、大変穏やかだった。育ちの良さを感じる日本語。晩年の録音というのも関係しているか。彼の声が聞けて感激した。
2018年09月07日
大好きな暁斎のコレクション展となれば・・・引きこもっていられなかった。 久しぶりの美術展・久しぶりの東京・久しぶりの東横線 渋谷駅で下車してハチ公口を目指したが ?!?!?! 駅構内が非常に複雑な上に、案内表示がわかりにくいというか、足りていない。 「こんなにわかりにくいのだから、外国人は大混乱するはず」と思った。設計の失敗としか思えない。昔の方が良かった! 前売り券を買いに、文化村通りにある「チケット フナキ」に行く。ここも久しぶり。値引きなしの1200円。せめて50円でも安く買いたかったが・・・当日券より200円安いから嬉しい。 12時に入場。とても賑わっていたが、人の多さがストレスになるほどではなくラッキーだった。(ランチタイムが過ぎると入場者が増加) 暁斎の描く線の躍動感と、ユーモアが好き。今回は美人画が「地獄太夫と一休」のみだったけれど、彼の描く美人画の雰囲気も気に入っている。 ずば抜けた才能に加え、開国して間もない頃に外国人と交流を深めたということにも惹かれる。おもしろい個性の、懐の深い人だったに違いない。一緒にいて楽しく、優しい気持ちにさせる人物だったのではないか。 中年女性二人組、お喋りしているのを警備員にやんわり注意された。(見過ごさず、言い難いことを言った若い警備員は偉い)しかし、意に介さず喋り続ける。なんという図々しさ。「悪かった」とか「恥ずかしい」とか全く思わないのだね。自分さえ良ければいいのだね。必ずいる、こういう人たち。 「象とたぬき」という作品がとても気に入った。グッズコーナーにその葉書があったのだが、一目見て「えっ・・・」実物より色が濃い。作品のイメージとかなり違うので買わなかった。残念。 暁斎は、若冲のように広く浸透しないでほしい とへそ曲がりな思いを抱いている。
2017年04月05日
「日本画の革新者たち展 福井県立美術館 蔵」久しぶりのそごう美術館、またしても最終日に飛び込み鑑賞・・・。どうしても見たかった菱田 春草「落葉」 想像よりあっさりした印象。静寂、秋の美。狩野 芳崖「伏龍羅漢図」精緻な筆致に引き込まれた。龍を従えている貫禄の聖者。横山 操「川」迫力あったな。高価な絵具が買えないため、銭湯の煙突から出る煤(すす)をもらい、活用して描いた作品だという。横山 大観「秋春図」優美で私好み。燕とルリビタキがかわいらしい。品がいい。一番目に展示してあった 加山 又造「駱駝と人」のっけからインパクトあった。おもしろい。加山 又造はこういうものも描くのか・・・と思った。岩佐 又兵衛という江戸期の絵師の作品も、丁寧で真面目な線が好印象だった。人々の表情がいい。
2016年02月16日
催し物に行って、こんなに重い気持ちになったのは久しぶりだ。はっきり言うと怒り。その理由は、目当ての作品が展示されていなかったから! リーフレットに載っている村山 槐多「庭園の少女」を観たくてわざわざ出掛けたのに、あれ?!ない!作品リストを見ると、あーっ!「前期」の二文字が飛び込んできた。 そ、そんなぁ・・・リーフレットには「前期」と記されていないではないか。こんなこと、初めてだよ!展示期間の表記がなければ、誰だって初日から最終日まで観られると思うものだ。 わざわざ上野まで足を運んだのに・・・・交通費2000円もかかるのに! 責任者を呼んで、ひどいではないかと文句を言いたいところだが、そんな勇気も元気もない。ガッカリしながら、イヤな気持ちで会場を出た。 休憩しなかったこともあり、いつも以上に疲れた・・・また気力体力が落ちたな。 100点以上の鑑賞は、かなりキツイ。作品リストを見て、気力が萎える。 松岡正雄「村の子供達」 四人の子どもたちの視線に注目すると、おもしろい 長谷川 利行「女」 夢に出てきそう・・・怖い 佐伯 祐三の作品が二点あったが、写真では伝わらない筆触が印象的だった。 上野動物園に行きたいな!
2015年08月26日
三菱一号館美術館にて「画鬼暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」を鑑賞。 弟子であり生涯の友だった英国人の建築家ジョサイア・コンドルの絵を初めて見たが、プロフェッショナルな出来に驚いた。暁斎はコンドルに「暁英」という号を与えたというから、抜きん出て優秀かつ信頼のある弟子だったはず。 明治時代に、外国人と親友になるというのが驚きであり、感動的。よほど馬が合ったということ。二人で日光を旅しており、暁斎は上野駅で待ち合わせる様子を日記に描いたり、滝のスケッチなどを残している。ほのぼのするなぁ。 特に見応えあったのが、メトロポリタン美術館所蔵の水墨画作品。「蛙を捕まえる猫図」の猫が、虎のようでおもしろい。 美人あり、滑稽あり、恐怖あり・・・画鬼と称し、傑出した技量で描きに描きまくった絵師が暁斎だった。 9歳の時、神田川に流れついた生首を拾い写生したとか、飴の「榮太郎」主人が破格の高値で買った作品「枯木寒鴉図」こぼくかんあず について「これは烏の値段ではなく、長年の修練の価である」と答えたとか、逸話も興味深い。 関連品売り場で、和紙店「榛原」の商品である絵葉書(桜と楓)を購入。とても美しくて気に入っている。疲れが癒される。 KITTEの裏手で控えめに咲いていた百日紅らしき花が、いい感じだった。
2015年07月23日
ちらし(フライヤーと言う方がいいのかな)に使われているルノワール「猫を抱く女性」をどうしても見たくて出かけた。 初めて三菱一号館美術館を訪れた。これまで、見に行きたいと思う企画がいくつかあったが見送っていたから。何度か庭(広場)を横切ったことはあり、洒落た感じの場所という印象。 「猫を抱く女性」は期待どおり、いい雰囲気の作品だった。放してほしそうな猫の表情がおもしろい。 ルノワールの「髪を編む若い女性」もすばらしかった。実物を見ないと、この作品の魅力はわからないと思った。 ルドンの「グラン・ブーケ」も印象に残った。展示室が暗くされていたけれど、鑑賞のために効果あるのかな…と思った。 庭にバラが咲いていて、きれいだった。美術館内に「半沢 直樹」の撮影が行われたカフェがある。かつてここにあった銀行営業室を復元したそうで、独自の雰囲気らしい。次に来た時には入ってみたい。 いいなぁ、丸の内・・・いつ来ても憧れるよ。道行くビジネスマンたちが、輝いて見える。 エシレバターのお店を覗いた。ひぇ~、フィナンシェが一個300円。どの商品も高かったが、それなりの価値があるのだろうな。(繁盛している) ペルティエでパンを買って帰った。疲れていたので、電車で座れてラッキーだった。
2015年05月22日
どうしても河鍋 暁斎の「地獄太夫」が見たくて、出かけた。 風変わりな着物をまとった遊女 踊る骸骨たち、はしゃぐ一休和尚 おもしろい・緻密・美しい 暁斎ワールドにグッと心を掴まれる。 その隣にあった「風神 雷神」にも目を奪われた。私に絵の専門知識はないけれど、技量が並外れていると思った。 だから好きだ!暁斎。 地下の展示室が二つに分かれていることを、閉館時刻になって出口に向かう際に気づいた。展示品リストを見ると残り30点・・・うち数点を見たかったが、もうヘトヘトに疲れていたので、時間切れで惜しいことをした気持ちは小さかった。
2015年05月15日
久しぶりのサントリー美術館。3時に入ったけれど、混雑している。 展覧会のリーフレットに載っている作品を「ぜひ見たい」と思っていたが、13日までの展示。 エーッ! がっかり 残念 油断していたな。展示替えについて、しっかりチェックしておけばよかった。 何事も、考えて行動しないとダメだと改めて反省。どうせ動くなら、段取りを考えて賢く。精神的にも経済的にも、時間だってその方が得だから。 若冲の描いた「藤娘」は、今にも踊りだしそうな雰囲気。なんというか・・・線に軽快なリズムが感じられる。 若冲の凄まじい技術力と、ユーモアが大好き。 蕪村の「芭蕉愛」がひしひしと伝わってきた。あぁ、「鳶・鴉図」を見たかった。 若冲と蕪村は同い年。共通の知人は、円山応挙・上田秋成。住まいは半径200メートル以内だった。でも、二人の交流について記されたものは、何一つ見つかっていないそうだ。
2015年04月22日
ずっと前から行きたいと思っていた横須賀美術館に、やっと足を運ぶことができた。 横須賀駅・・・久しぶりだな。ご当地キャラクター「スカレー」像に心和む。(私はスカレーファン)駅前の、崖崩れしそうな危なっかしい場所に高層マンションが建てられていて、ヒャ~と思った。まさかここにマンションとは・・・。 バスが来るまで時間があったので、ヴェルニー公園に行くと・・・おっ、海自の港に見慣れない、オレンジ色の大きな船が停泊している。 「しらせ」と書かれている。携帯電話を取り出し、慣れない手つきで写真を撮った。他の人たちも撮影していた。 遅れてきたバスに乗ること約30分、美術館前に到着。道が渋滞しておらず順調に走って30分かかる。走水(はしりみず)辺りまで来ると「遠いな~」と思う。(海に接近した場所にある、走水小学校が凄い。エッ、こんな所に という環境) 「生誕110年 海老原喜之助展 エスプリと情熱」 パリ画壇で称賛されたという「エビハラ ブルー」に感動。雪景色の趣が好き。なんというか・・・寒々しい感じがしない。藤田 嗣治と親交が深く、ブリューゲルに影響されたという。 二枚の凧を描いた作品は、小品で何気ないものなのだが印象に残った。なぜか・・・長くパリで暮らした画家の、郷愁が感じられるからかな。 帰国後の後期作品は全く意向の異なるもので、同じ人が描いたとは思えないほど。 併設のレストランは、目の前に広がる海を眺めながら食事できるので、賑わっていた。観音崎の海はいいなと思った。 交通の便の悪さといい、立派すぎる・大きすぎる建物といい・・・これは、横須賀市の財政圧迫の元凶だと思った。身の丈に合っていない。この美術館のせいで、横須賀市は破滅するのではないかとすら思う。億単位の維持費がかかるわけだし・・・。 私は横須賀が好きだから、悲しい都市になってほしくない。でも、このままでは・・・という大きな危機感を、抱かずにいられない。
2015年04月03日
「雪松図屏風」は、円山応挙の作品で、唯一の国宝だとキャプションに書かれていて「へぇ~」と思った。 美しい。少し離れて鑑賞すると、立体感が秀逸。 沈南蘋(ちんなんぴん)や川端 玉章の作品も見応えあった。(沈南蘋の描いた猫の顔が、歪んでいる・・・忘れられない奇妙な猫)大好きな蒔絵にも感動。 久しぶり美術展に行くことができて嬉しい。疲れるけれど、思い切って出かけないと何一つ観られない。わかっているけれど、なかなか・・・。 おしゃべり女性が多くてムカッ! 平日の昼間だというのに、三越の食品フロアは混雑していた。景気いいな。
2015年01月23日
どうしても藤田 嗣治の「秋田の行事」が見たくて、思い切って秋田まで行った。(日帰り)なけなしの貯金をはたいてしまった・・・。 東京から新幹線で4時間・・・遠かった。仙台までは1時間半で「近いな」と思ったが、秋田は遠い。 美術館は駅の近くで、とても便利な場所にある。でも、コンクリート打ちっぱなしで、なんとも殺風景な建物だ。 目当ての「秋田の行事」は縦3.65m×横20.50mもある大作。大きさに加え、完成度の高さに「たった15日間で完成させたということが、信じられない!神業・・・いや、それ以上だ」と思った。技量はもちろん、気力体力に驚く。天才という言葉以上のものを感じる。 木橇(きそり)に乗った子どもが、実にいい表情をしていてかわいらしい。犬も、藤田らしく丁寧に、親しみを込めて描かれている。 全体的に、美しい。 藤田の、秋田の人々や文化に対する愛が感じられる。 見応えあったが、見上げながらの鑑賞は辛かった。 小さなカフェでキッシュを食べたけれど、薄味だった・・・。 帰りの新幹線は非常に苦痛だった。空調が全く不適切で暑くて気分が悪くなるし、隣席の若者は立ったり座ったり落ち着きがなく、ストレスが溜まった。 次にどうしても見たいのは、大原美術館のエル・グレコ「受胎告知」。20代の頃から切望している。
2014年11月03日
超絶技巧!明治工芸の粋(三井記念美術館)を観に行った。やや混雑。ペンライトで作品に光を当てている初老男性がいて、係員が「ライトは禁止されています」と静かに注意した。すると彼は「だったらもっと明るくしてよ」「向こうに、同じことしているのがいたよ」と反抗。幸い、それ以上の騒ぎにはならなかったが・・・ ああ、これがいわゆる暴走老人だなと思った。 自分本位。自分さえよければOK。 こういう輩は、美術館に来る資格なし! 作品に対する敬意が全くない!傷むだろう! 「ペンライトで照らすなんて、鑑賞の目障り。あんた一人で見ているんじゃないよ」とも思った。 携帯電話があちこちで鳴るのにも閉口。お喋りする人にもうんざり。 展示室内は、電波が届かなければいいのに。本当に、なんとかしてほしい。 マナーの悪い年寄りが多すぎる。
2014年07月04日
どうしても見たかったのが「地中海の猫」と「美しい日々」。前者は、青い海にかかった虹が途中で魚に変わり、猫人間(バルテュス)の前にあるお皿に飛び込んでくる・・・という「流れ」が描かれている。動きの感じられる楽しい絵。魚の新鮮さを愉快にアピール。常連だったレストランのために制作したという話も印象に残る。 後者は、謎めいた雰囲気に満ちた絵。スラリとした脚を投げ出し、手鏡を見つめる、人形のような少女。そばには、暖炉に薪をくべる後姿の男。どれをとっても、何を意味しているのかな~と思う。 再現されたアトリエも見ものだった。ふ~ん、広いなぁと思った。 愛用品や写真パネルを展示しているコーナーもあった。和服を着た節子夫人の、しっとりとした雰囲気がすてき。 彼の言葉が紹介されていた。 「私は、芸術家という言葉が大嫌いだ。 私は画家、あるいは、よりよく言えば職人だ」 「絵を描くことは祈りの一つであり、神に行きつく一つの道だと、確信している」 展示スペースを出ると、お決まりの関連商品の販売コーナーが。はっ?紅茶とか蜂蜜とかお菓子とか売っている。ウ~ン、商魂たくましいなぁ。ご婦人たちが品定めしており、なるほど、ノリで買う人が少なくないようだ。 平日・雨天なのにとても賑わっていた。いつものように「もっと早く来ればよかった」と反省。 かなり疲れて、どこにも寄らずに帰った。乗り換えるつもりだった駅ですら、面倒くさくて腰が上がらず・・・この体力気力のなさが恐ろしい。
2014年06月10日
田能村 竹田の「梅花書屋図」が印象に残っている。 テラスのような開放感のある書斎で、談笑する二人の人物。寛いだ雰囲気がいい。(漫画っぽい)周囲は梅林で、梅の花が控えめに描かれている。 亡くなった友人・頼 山陽(らい さんよう)を偲んで描いたものだそうだ。文人同士、様々なことを語らい、楽しい時間を過ごした日々を追想したのだな。 そういう事情を知って見ると、とても切なくなる。楽しげな様子と死という悲しみは、結びつかないから。
2014年05月02日
会場は、東京ステーションギャラリー。初めての場所だ。(昨年ここで「木村 荘八展」が行われたが、残念ながら出かけられなかった) 東京駅 丸の内駅舎内で、改札口を出たらすぐ!という立地の良さ。入ると、あっ、入館券は券売機で買うようになっている。へぇ~、初めてだな。 東京駅の歴史を物語る「煉瓦壁」にも注目。「重要文化財 触らないでください」と注意書きが。おぉ、重要文化財をこんなに間近に見られるとは。 目当ては黒田 清輝と小磯 良平だったが、岡田 三郎助や矢崎 千代二などの作品も見応えがあり、印象に残った。(数年前に横須賀美術館で開催された「矢崎千代二展」に行けばよかった と後悔) 岡田 三郎助「五葉蔦」 着物の美少女を描いているのだが、透き通るような肌といい、ぱっちりとした目といい・・・美しすぎる!夢の中の人物のようだ。 小磯良平「横臥裸婦」 恥ずかしながら「横臥 おうが」が読めなかった・・・。ポーズをとった指先にしろ表情にしろ、全身から緊張感というか、生真面目さのようなものが漂う作品だ。 やっと鑑賞を終えて展示室を出ると、アレ?出口はどこだ・・・扉があるので開けると、あっ、お店。なるほど「何か買って帰ってね」という構造。東京の建築に関する本が目に留まる。面白そう、読みたいな。杉浦 非水の画集もいいな。でも、ほしいからといってホイホイ買えない。今日は(今日も)見るだけ・我慢。 お店を出ても、まだ美術館の出口がない。どうなっているのだろう・・・とやや不安に思いながららせん階段を降り続けていくと、一階に到着。 疲れたけれど、行って良かった。
2014年05月02日
武井 武雄という人を全く知らなかったが、ちらしに黒柳 徹子の推薦文が載っているのが印象に残り、観に行くことに。 行って良かった。 武井 武雄は長野出身。大正~昭和にかけて、児童雑誌に多くの作品を提供し活躍した。アルバイトとして子供向けの挿絵を描いていたが、次第に「子供たちに、芸術性の高いものを提供したい」と強く思うようになり、片手間ではなく「一生の仕事」として「童画」に取り組むと決めたそうだ。 童画とは彼による造語で〈大人が描く子供のための絵〉という意味。 動物園を描いた作品があり、象とネズミが相撲を取っている。「勝ち目ないよ!」と思わず心の中でフフッと笑う。猛々しく描かれた虎は、しかし色彩やタッチの柔らかさからか、どこかユーモラスな感じ。 最後に展示されていた「空のむこう」(1964年)という作品が、特に印象に残った。水色の空・緑豊かな山・山頂に赤い屋根のお城・翼を広げた大きな鳥 ・・・ 全体的に柔らかい色調。おや、湖畔にぽつんと、背中を向けて立つ少女・・・この子はここで、何を思って佇んでいるのだろう。 詩が添えられていた。 空のむこうに 何があるだろう それを考えるのは 鳥と人だ。 それを目ざして 地球が廻っている。 やがては君も僕も 空の向こうへ 行ってしまうのだ。 「星曜日」という作品に添えられた詩も、無視できない。 遠い星を見ているものは幸である。 星に着陸してその無慈悲な肌にさわるものは不幸だ。 もしも愛するものがあったら 遠くにおいて手を伸ばさない事にしよう。 征服は又の名を惨敗という。 仰ぎみよ、星はいつも君たちの上に居て、 春夏秋冬はこの星空と、 君たちのベッドとの間を静かに流れていく。 星曜日こそ星空の最も美しい日なのだ。 全国のお菓子にも大いに興味をもち「日本郷土菓子図譜」という、データブックのような本も残している。 絵葉書を三枚購入して、やっと終わり。本もほしかったけれど・・・。 今回も、疲れました。
2014年04月28日
生憎の雨・・・でも!今日行かなかったら諦めることになるから(休日は美術館に行かない主義)気力を振り絞って出掛けた。 二度目の「神奈川県立美術館 葉山」。もぎりの女性に「出品リストはありますか?」と尋ねたら「今回は約600点も出品されているので、リストは作りませんでした」と返された。 !? ろ、ろ、600点! 3秒、息が止まった。 ひぇー!そんなに・・・観終わるのに何時間かかるのか・・・ため息。ヘロヘロ必至。いつものヘロヘロの3乗だな。 15歳で院展に入選。早くからその才能を認められ、支援者に恵まれた。風景画から始まった創作活動はやがて、抽象画・風刺画・漫画・ポスター・装丁・写真・俳句へと広がる。 瀬戸内や九州・北京などの風景画や人物画もいいのだが、子供向けの作品も質が高い。 彼は「現代の画家一般は全て、漫画家でなくてはならない」と言うほど、漫画にのめり込んだ。 夏川 八朗という別名で新聞に発表していた「パン太の冒険」という少年向け科学漫画に興味を持った。画面が美しい。伸びやかな線が気持ちいい。 児童雑誌「コドモノクニ」に作品提供していることにも注目。 プロレタリア美術運動に傾倒し、治安維持法の違反で逮捕。新宿駅で空襲により亡くなった。享年45歳。
2014年03月20日
展覧会の初日に行くのは初めてだ。平日の午前中、当然ながらほぼシニア客。 今回、ギャラリートークを初めて聴いた。解説者(渡邉木版美術画舗の社長)の周りに40人くらいの人たちが集まり、少しずつ移動しながら話を聴く。 「この作品は‘なんでも鑑定団’で紹介され、紳助さんが‘ほしい!’と言いました。すると、店に問い合わせが殺到して、返信するのに2週間かかりました」とか鏑木 清方と巳水の関わりなど、一つ一つがとても興味深い話で「なるほど、ギャラリートークは聴いておくものだな」と思った。もっと色々と聴きたかった。おもしろい。 25歳で清方に入門を希望するものの「修行を始めるには、もう年が行っている」と断られてしまう。27歳で再度お願いし、弟子入りを許されたそうだ。 その後、運命の人・渡邊 庄三郎と出会い、共に歩みながら「新版画」の制作に打ち込む。 関東大震災で家も写生帖も失った巳水は、ひどく落ち込む。失意の彼を励まし、やる気にさせたのは渡邊だった。(渡邊の店も焼失し、版木も作品も失った。でも、いつまでも巳水と一緒に落ち込まず、前向きになるのが凄い) 初めて見る巳水の水彩画。版画と見比べるのもおもしろい。 巳水コレクターのアップル創立者・スティーヴ・ジョブズが初めて購入した作品(実物ではない)もあった。 大好きな巳水の作品を、渡邊木版美術画舗で買うのが私の夢だ!(無理) 疲れてヘロヘロ。
2014年03月19日
「世界文化遺産登録記念 心の美「富士山」を描く名画展 ―近代の日本画・ 洋画・版画にみる―」という展覧会を見に行った。 成人の日。きれいな和服のお嬢さんたちが目を引くが・・・やはり現代っ子。歩き方が汚い!草履をパタンパタンさせる娘・腰が定まっておらずグラグラ歩く娘・大股で歩く娘・・・せっかく美しい着物をまとっているのに。 でも、若い笑顔はピチピチしていて、おばさんには眩しかった。着飾って成人式に行き、旧友たちに会いワイワイ楽しむ一日・・・私は体験しなかったけれど、人生にはそういうシーンがあった方がいいのかもな・・・。ふとそんなことを思ったよ。 富士山の絵ばかり集めた企画というのがおもしろい。おめでたい年明けに相応しいではないか。 まず、最初の展示品・横山 大観「日出処日本」がすばらしかった。 川合 玉堂や安田靫彦の作品も、すっきりと描かれ気品があり、好感がもてた。なんというか・・・画風が好み。 平松 礼二や絹谷 幸二の作品は派手でインパクトがあり、子どもが楽しめそう。 楽しみにしていた川瀬 巴水の作品は、二点あった。すてき・・・感動。見られる幸せを感じる。 写真も展示されていた。波濤と富士山を収めた写真がカッコよかった。「好きだな、この迫力」と。夕暮れの秋谷漁港(横須賀)で撮影された作品も、とても美しくて感動的だった。 もぎりの女性に「すみません、チラシをいただけますか?」と尋ねたら、怪訝な顔をされた。普通に訊いたのに、なぜ?!~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ せっかく日本橋に来たのだから、と三重テラスや「にんべん」の店に立ち寄った。三重テラスには食品・雑貨・書籍が売っている。文庫本まで売っているとは! にんべんの店にも購買意欲を掻き立てる商品がオンパレード。カップに入っただしを求める人が行列していた。寒いからね・・・飲みたくなる気持ちがわかる。 たまにしか来ない所なので、道に迷って無駄に歩いてしまった。ありとあらゆる商品と、世の人々の溢れるパワーにも倒され、疲れ切ってへろへろ・・・。あぁ、虚弱。
2014年01月14日
混んでいると知りつつ午前中に行った。 良き師(岡倉 天心)と良き仲間(今村 紫紅、小杉 未醒みすい、小川 芋銭うせん、冨田 渓山けいさん)との交流をテーマに展開。 導かれたいと思う先生と、気が合い・尊敬でき・切磋琢磨できる仲間が幾人もいるとは、大変幸せなことだ。 横山大観記念館が所蔵する「夜」(大正11年制作)という作品が、息をのむほど美しかった。大観邸の竹林にやってきたみみずくを描いており、凛とした空気感が伝わってくる。大きな目でこちらを見据えたみみずくからは、緊張感が漂う。なんというか・・・人が描いたということが信じがたいほどの筆致。 水墨で雄大に描かれた風景を見ると、気持ちがいい。「湖上の月」という屏風の作品が見応えあった。(六曲一双、大きい) 小川 芋銭「肉案」のキャプションに、こういったことが書かれいていた。 肉屋に来た客が「良い肉をくれ」と言ったところ、肉屋が「ここにある肉は、全て良い」と返した。この様子を見ていた盤山(ばんざん)という禅僧が、一如平等を悟ったという話を表している。 一如平等・・・うーん・・・初めて知る言葉。詳しく知りたい。 コレクション展で上村 松園「楚蓮香之図 それんこうのず」や伊東 深水、鏑木 清方などが見られてよかった。(川上 澄生も展示してほしい!) せっかく横浜に出てきたのだから、と疲れを押してマークイズの食品フロアをぶらぶら。以前から興味のあった「エール・エル」という店などで少し買い物。 疲れている・・・でも、せっかく出てきたのだから!とさらに寄り道。新装開店した東急ハンズへ。 とりあえず一回りする。ふ~ん…ふ~ん…ふーん。おっと思ったのは、スープジャーのコーナー。「こんなに種類があるのか」と思うほどの品揃え。 紳士バッグのコーナーは、明らかにポーター一押し。 新製品のホッチキス(28枚まで楽に綴じられる)を試そうと思ったら、針が入っておらずトホホ。店員さん、まめにチェックしなきゃダメよ。 あっ!東急ホテルがすっかり解体されていた・・・。 帰宅して過食。疲れているからとつい・・・ダメ人間!!「だから太る」とわかっているのに、自制できない。毎度毎度、情けない自分。
2013年11月07日
「大正・昭和初期の装い 邸宅の中で見るアンティーク着物展」という催し物に行った。場所は鎌倉の西御門(にしみかど)サローネ。前から行きたいなと思っていた場所。着物にも興味があるので、見逃すわけにはいかなかった。 鎌倉駅からバスに乗った方が早いが、晴天だし、30分も歩かないだろうと思い、鶴岡八幡宮を通って徒歩で行くことにした。あっ、源氏池に鷺が飛んできた。真っ白な羽が美しい。 600円払って入場。わぁ!様々な柄の着物をまとった、頭なしのマネキン(トルソーというらしい)がズラリ。きれい・かわいい・すてき!受付や案内のお姉さんたちも着物姿だ。大和撫子! レトロな室内の雰囲気と合っている。二階の和室も展示会場として使われていた。 来てしばらくは、お客さんが少なくて緊張していた。静かだった会場がだんだん賑わってきて、お姉さんたちと気軽に会話するお客さんが現われたので、私も思い切って話しかけてみた。 骨董市などで顔見知りになった者が集い、この企画を行うことになった・アンティーク着物でパーティーに行ったらとても喜ばれた・アンティーク着物の着付けは、現代の着付けと異なる等々、丁寧に話を聞かせてくれた。 好き!楽しい!という気持ちが伝わってくる。幸せの元がアンティーク着物なのだ。 これが昭和初期以前に作られたの?!と思うほど、斬新なデザインが多い。遊び心いっぱい。刺繍の美しさにも息を呑む。すばらしい。 本当にすてきな趣味!「自分も着てみたい」と思わずにいられない。(以前から着物に興味があり、和服で茶会に出ることが夢だった・・・。実現するはずがないので、考えるのが辛い) どれもこれも見応えがあり、会場を出たのは2時間後!だった。 携帯電話で、お姉さんが締めている帯を撮ろうとしたら、えーっ!電池切れの表示。残念でならなかった。 長い間、携帯電話で撮った写真をブログに載せることを目指しているのに、いまだに出来ないし・・・携帯電話を使いこなす術のない自分に苛立つ。いまどき、携帯電話の使い方講座なんてやっていない。手にするのが遅すぎた。
2013年10月14日
久しぶりの文化村。前回は何を見に来たのか、覚えていない…。 会場が冷えている気がしたので、セーターを持って入場。案の定、ほどなく寒さが気になりセーターの出番となった。(たまには用意周到・賢い私) 「礼拝」という初期(1918年)の作品が印象に残った。白い衣服を身にまとった若い女性・・・ん?!足が透けている!それも足の付け根あたりまで。太もも丸見え!こんなこと実際にある?想像で描いたのかな? 彼女も、彼女に寄り添う黒い衣服の女性も、深刻な面持ち・・・。何を祈りに来たのだろう。何に困っているのだろう。この二人の関係は母と娘か? 長めの首は、親しい友だったモディリアーニの影響だという。 おもしろかったのがマケット(フランス語で模型)。藤田理想の家とアトリエをドールハウスにしたもの。箒・鍋・お皿といった細々としたものもちゃんとある。壁には絵が数点掛けてあるという凝りよう。 手先の器用さに感嘆。楽しんで作ったのが伝わってくる。マケットと収まった写真(土門 拳による)が、満足げないい表情。 数々の写真を見ていると、藤田は本当に一生懸命・愚直に制作する人だったのだろうと思った。集中力も並外れていたに違いない。 阿部 徹雄という写真家が撮った、ミシンを使う藤田の写真が特に印象に残った。画家が真剣に縫い物まですることが、どこかユーモラスな感じがして。(縫い物をする自画像もあった。いい味出している) 乳白色の女性の傍らに横たわる猫。その表情の違いをよく見るのもおもしろい。 ああ、藤田は犬もうまいな。猫ばかり描いているのだと思っていた。 もっと藤田 嗣治のことを知りたい。行きたいなぁ、秋田県立美術館! 物販コーナーに版画が売っており、美術商の男性が販売員として待機している。そこに40歳前後と思われる女性がやってきた。 会話する二人。 私は、書籍のある方へ行った。 15分くらいしてから、絵葉書を買うためにレジに行くと !! 先ほどの美術商が、女性に名刺を渡している。レジの金額表示は63000円。 あっ・・・!買ったのだ、彼女が版画を。 手提げ袋を受け取った彼女に、おじぎする美術商。 会話していたのは15分くらい。「彼女は、63000円もの買い物を15分で決めたのかー」と少し驚いた。 いいね~、気に入ったものと出会えて、サラッと買えて。 懐が寒くて3000円の画集すら買えなかった女は、そう思った・・・。 美術館と同じフロアに美術書などを扱う店があり、興味を引くものが色々とあった。近いうちに藤田の画集を買いに再訪しよう・・・。 東横線の渋谷駅が不便になったなぁ。やたら歩かされる!帰りは、つい以前のように地上改札を目指して歩いてしまったよ。もうないのに。
2013年10月08日
美術展をはしごする人がいるが、私にはそんな気力体力はない!絶対に無理!一か所でヘトヘトになるから、考える余地はなかった。だが・・・今日は思い切って二か所回った。開催場所が蒲田駅すぐ近くと横浜駅前ということで、移動が楽だったからできた。 まず蒲田で「川瀬巴水 東京の風景」展を鑑賞。専門学校の立派なビルが会場だった。大田区立郷土博物館が所蔵する、東京を描いた作品が約80点が展示されていた。 日々色々なことでストレスが溜まり辛いけれど、大好きな巴水の作品を見ている時は「生きていてよかった・・・」と思う。 かつてあった、日本の美しく情緒ある風景。夢のような情景。 ずっと見ていたい…そう思った。~ ~ ~ ~ ~ ~ 横浜に移動し、休憩してから「ユトリロ展」へ。会場がデパートなので、平日の昼間だというのに混んでいる。「土日に来ないで本当によかった」と思う。 母親が育児放棄 幼い頃、祖母が日常的にワインを与えたため、アルコール依存症になった 精神病院にたびたび入院 母や義父・妻に監禁され、金づるにされる かなり悲惨なのだが、晩年は再婚相手のために花の絵を描いたという。それを知りホッとしたというか・・・少しは救いがないと、悲しすぎるよ。 彼がカトリックの熱心な信者だったと知ると、好んで教会を描いた理由がはっきりわかる。辛い生活の中、どんな気持ちで描いたのだろうと想像する。 私は建物や道だけでなく、木も描かれた作品が好きだな。 ああ、フランスに行ってみたいな・・・無理だけれど。 この後、食器売り場をぶらぶら。女性店員に「○ ○(ある有名陶器メーカー)はどこにありますか?」と尋ねたら「あっ、えーと…」と言ってダーッと走り去った。 ?! わからないから聞きに行ったのだと思いしばらく待ったが、戻ってこない!イライラしてもう帰ろうと思ったら、彼女がのそのそと現われ、ボソボソ喋る。 もーう!何なの、この人!接客態度が酷すぎる! こういう人でも雇われて、給料もらえるんだ…と呆れ、ムッとした。 気持ちよく一日を終えたいのに、なかなか難しいことだ。
2013年09月28日
久しぶりに日本橋高島屋へ。(八重洲地下街を通って、すぐそばまで行けると初めて知った…) お客さんの平均年齢は65か70か・・・男性は僅か。女性シニアのパワーは凄い。 優しい色合いの水彩画に心和む。馴染みのある草花もあれば、全く知らない草花も。背景色に注目して見るのも楽しい。 いいなぁ、水彩画も。描けたら楽しいだろうなぁ。全く絵心のない自身が恨めしい。 御所が植物の宝庫であり、実に貴重な区域なのだと改めて知った。 両陛下が、草花や木々を深く慈しんでおられることに感銘を受けた。 迷った末、図録購入。(寝る前に見ようと思う)
2013年09月11日
3時頃に行ったけれど、混雑していた。既に、チケット売り場から長い列。前売り券を買っておいてよかった。 目玉であるルノワール「ジャンヌ・サマリーの肖像」は、写真で見る以上にお茶目な感じ。背景色のピンクが華やかで、青いドレスを引き立てている。下がり目・むっちりした肩のラインと腕・ほんのり赤みの差した頬が愛らしい。 右肩につけたバラも、画面にメリハリをつけているように思える。 ゴーギャン「医師レーの肖像」のキャプションに「これを贈られた医師レーは気に入らず、早々に売り払った」と記されており、私のそばでそれを読んでいた年配女性が「ぐふふ!」と笑っていた。私は「トホホ・・・とっておけば、子孫に数十億残せた」と思った。 カルル・ヴァン・ロー「ユノ」 ユノはローマ神話の全能の神・ユピテルの妻で、女神だそうだ。彼女が、裸で羽のある童子・クピド(恋愛の神様 神の使いである天使ではない)を優しいまなざしで見守っている。クプドが戯れる孔雀が立派。美しい羽が、画面に気品と華を添えている。 サンテール「蝋燭の前の少女」 なんだか、古い日本映画のワンシーンのような、静かで乙女的な雰囲気。読書する姿は、好きなモチーフのひとつ。 キスリング「少女の顔」が怖かった・・・。 コレクション展も見たかったが、気力体力がなく諦めた。もったいないことだ。 横浜美術館のバブル型余剰空きスペースは、改装などして活用した方がいい。もったいないよ。
2013年09月04日
とっても珍しい企画。福岡市博物館の吉川 観方(かんぽう)コレクションを中心とした約160点の作品が集められた。 どうしても伝 丸山 応挙の幽霊図が見たかった。美人。色調の美しさにも引き込まれる。 河鍋 暁斎(きょうさい)の幽霊図(京都で見たかもしれない)が一番不気味だった・・・。驚異の表現力。こんな絵を注文する人がいたということか・・・?! 月岡芳年「和漢百物語」の一部が観られたのもよかった。 もっともっと絵を見たい。 約3時間、ほとんど立ちっぱなしで疲れた。太ったから、以前にも増してしんどい。 物販コーナーで関連本が色々と売っていた。こういう機会だからこその品揃えで、当然あれこれほしかったが・・・我慢。せめて一冊、買えばよかったかな。 私も絵が描ければなぁ・・・。
2013年08月30日
ここ数か月、行きたい!行こう!と思っていた美術展をいくつも見逃しており、後悔の念が積もる一方。都内に出掛けるとなると、時間も交通費もかかるし、体力も使うからサ・・・決して気軽に行けないのだ。 今回は招待券があるし、会場が駅前のデパートだから負担が少ない。助かるわ~。 場内はシニア女性で大盛況。本当に、彼女らのパワーは凄い。日本経済を支えているのは間違いない。気力体力があって、お金もある。概ね50代で子どもは独立している世代だから、家族の世話からも解放されている。(親の介護を担う場合はあるが)活動的なシニア女性を見ると、そういう背景を推測する。 会場に一歩入ると、そこは美に満ちた空間。目も心も奪われる作品がずらりと並んでおり、幸せな気分になる。 意匠というものの美しさ・おもしろさを大いに堪能する。 立体感・色数の多さ・デザインの緻密さから、織物であるとにわかには信じられない。「刺繍しにしか見えない・・・」と絶句するほどの超絶技巧。 研究心や創作意欲が凄まじい。心血を注ぐとはこういうことなのだ。 織られた人物に表情があるのが楽しい。唐子のような子供たちがかわいい。 地の色も糸の色も実に美しく、特に立体感のある作品は見る角度によって光沢がやや異なる姿が感動的だった。 新しい歌舞伎座の緞帳は、瀧村美術が制作したものだそうだ。ぜひ見てみたい。 日本が誇る美と技術は、圧巻であった。 出口のそばには売店コーナーが。瀧村美術織物の小物やバッグなどが売っていた。ほしいな…と思ったが、安くはないので我慢。
2013年06月04日
久しぶりに日本橋の三越へ。ああ~、地下鉄を使うと楽だ。 多くの作品に解説や清のコメントが添えられており、鑑賞プラスそれら文章を漏らさず読んだので物凄く疲れた。ビデオ上映していたが、とても見る元気はなし。 貼り絵もさることながら、ペン画も見応えあった。フェルトペンは濃淡がつけにくいため、好んで使う画家はいないという。しかしペンは清お気に入りの画材で、点描で濃淡を表現し、見事で温かな雰囲気の作品を数多く制作した。 ヨーロッパの風景は端正で感動的に美しいのだが、国内の風景の方がなんとなく清の素朴さ・味わい・おもしろみが感じられる。 TVドラマ(裸の大将放浪記 懐かしい)で清はランニング・短パンという恰好だが、実際は着物を着て旅していたという。(浴衣が展示されていた。大きい) 油絵は、絵の具が乾くまで待つのが嫌で好まなかったそうだ。ナルホド。 貼り絵の空の色(水色)が爽やか。 また開催してほしいな。 美術展で携帯電話は切るべき。喋るなよー!出ていけ! せっかく来たのだからと、地下のお菓子売り場へ。まあ~、色々なテナントが色々な商品を売っている。色々あり過ぎて目移りする。 「菓遊庵」という全国のお菓子を集めたコーナーをぶらぶらし、三つのお菓子を購入したが、山形の「バターどら」がなかなか美味しかった。ウグイス色の富貴豆(ふうきまめ)の餡が美しく、甘すぎない。生地も良い。でも、バターの風味は感じなかった・・・。(鈍感?) 山形プラザでも売っているらしい。また買おうと思う。
2013年01月11日
会場の日本橋高島屋は、月曜の午前中だというのに賑わっていた。おそるべし、中高年女性。(自分含める・・・) 紫陽花・菊・牡丹などの花をびっしりと描いた「花詰」はなづめ という意匠のものが、女性らしさがあっていいなと思った。(びっしりし過ぎの感はありつつ・・・) たくさんの唐子が無邪気に遊ぶ様子を描いた作品は、表情が実にかわいらしく、生き生きしていた。 万国博覧会に出展した作品は、どれも大きくて迫力あり。香炉だったか、蓋に乗っかった番いの鶏に味わいがあった。いつまでも愛でていたい姿だった。 気が遠くなるほど細かい描写に、細密の美が溢れていた。驚きの職人技。茶碗の内側に一体どうやって、こんな細く小さな文字を書くの?!と思った。 赤絵に金彩を加えた作品は、美しいだけでなく立体感も感じられた。 年配の女性が連れの女性に「赤って色は強いね」と漏らしていた。そう、見続けていると刺激が強くて目が疲れる。 腰も痛い・・・。2,3日、この疲れは取れないだろう。いつもながら、体力のなさを実感する。
2012年11月26日
以前から行きたいと思っていた太田記念美術館に、初めて足を運んだ。思っていたより原宿駅に近かった。 どうしても、前期のみ展示の月百姿「玉兎」を観たかった。 石庭や畳敷きの展示スペースといった、和の設えが珍しい。 「最後の浮世絵師」と言われる月岡 芳年(よしとし)の「血みどろ絵」は、芥川・三島・谷崎・乱歩などの文士たちを惹きつけたそうだ。 彼は、血糊をリアルに見せるために‘染料に膠(にかわ)を混ぜる’という工夫をした。その一方で、美人画や幻想的な作品にも精力を傾けた。 ああ、月百姿の全て(百枚)を観たい。どれだけ感動的だろう。(昨年「開運!なんでも鑑定団」で紹介されたことで、月岡 芳年という人を知った) 集中線を描いている作品は、漫画っぽい。 色彩や構図が端整だと思った。また、妖怪画がおもしろい。(河鍋 暁斎を思い浮かべた)
2012年10月26日
新収蔵作品という藤田 嗣治「キキ・ド・モンパルナス」を観たくて出かけた。 鶴岡八幡宮の境内にある鎌倉館には行ったことがあるが、別館は初めて。八幡宮から徒歩5分くらいで、広い庭には現代彫刻が数点ある。 場所の良さ・陽当たりの良さ・広さからいって「これだけの土地に、のんびり彫刻を展示しておくなんてもったいない!マンションにした方が土地の有効活用になるのに」と思ってしまった。 集客の多い施設なら、カフェを設けて庭でお茶できるようにしたり活用のしようがあるが・・・。 先客の年輩女性たちがやかましい。二人の係員は、全く注意せず・・・。 落書きのような絵を見て「フ~ン、これが作品ねぇ。これに高い価値があるのか・・・」と僅かに首を傾げる。 目当ての「キキ」をじっくり眺める。参考展示として「二人裸婦」という大きな作品も展示されている。あっ、肌の色が違う。前者は乳白色だが、後者はいわゆる肌色だった。 裸で横たわる「キキ」をよく観ていると「このポーズ、特に左腕がきついのではないか?」と思った。 知らない画家の作品で、良いなと思うものがいくつもあった。「出会い」を無にするのはもったいない。作家名と作品名をメモした。 八幡宮で、蓑虫がぶらさがっていた。思わず足を止めて観察。 境内をちょこちょこ歩く鳩がかわいい。(1年くらい前から鳩好き)
2012年09月08日
「沖縄復帰40周年記念」と銘打たれた展覧会。美しい意匠の数々を楽しめた。 紅=赤ではなく色全般、型は模様を指しているそうだ。ナルホド。 絵画のような大きな柄のものもあれば、かわいらしい小紋柄もあった。地の色も様々で、鮮やかなものもあれば、薄いものや渋いものもあった。 同じ模様が連なるリズム感が心地良い。楽しい。 季節感を無視した図案が少なくなく「沖縄の大らかさかな」と思った。季節感より、デザインとしてのおもしろさやバランスを重視していた感あり。 型紙も展示されており、彫りの細かさに感心しきり。型紙からして実に美しい。 豊かなセンス・卓越した技術・作り手の思い が紅型に満ちていた。 キャプションを、声に出して読む年配女性がいた。やめてくれー! 疲れたなぁ。つい無理してしまった。腰が痛い・・・。
2012年07月20日
平日の昼間なのに、なかなかの集客。(そごう美術館) 最初の展示作品のすぐそばに「談笑は、他の人の迷惑です」といった内容の注意書き(看板)が置いてあった。苦情が多いのだろう。わかるなぁ! しかし!そんな注意書きの効果なく、大きな声で喋るご婦人方・・・。そう。お喋りする人は喋ることに夢中でそんな注意書きが目に入らないし、たとえ読んだとしても無視! 大好きな伊藤 若冲や鈴木 其一・酒井 抱一などの作品を観賞。幸せな時間がもてた。俵屋 宗達「双犬図」がかわいらしくて、抱き上げたくなった。若冲「仔犬に箒図」は、やんちゃな仔犬が箒に食らいついているといった様子がおもしろい。仔犬の表情だけでなく、箒の存在感にも注目。 あぁ・・・、今春、絶対に京都の細見美術館に行って観ようと思っていた琳派展。いつものように「絶対に行く!」が「やっぱりダメ。行けない・・・諦める」というパターンだったので、横浜で観ることができてよかった。 いつになったら京都に行けるのやら・・・。 私は、日本画や墨絵に憧れている。絵の才能がまるでないのが、残念でならない。絵を描くことを趣味にできればどんなにすてきか・・・。 もっと色々勉強しないと。 そごうに来たので、メルヘンのサンドイッチを買って帰った。
2012年07月06日
平日にもかかわらず、かなり混雑。11時15分に着いて、入場するのに15分くらい待たされた。(今、公式サイトを見たら‘平日の11時前後が特に混む’との記載が。おとといはそんな告知、なかった。もっと早く教えてくれー) 係員が「第一展示室は大変混雑しておりますので、第二展示室からご覧ください」と言っているので、素直な私!は「しょうがないな。第二も混んでいるでしょう」と思いつつ第二展示室へ。 長谷川 等伯「竜虎図屏風」の虎がユーモラス。丸々と描かれた肩や、大きな爪の生えた太い足、長い!尻尾が印象的。竜の独特な雰囲気も、よく描かれていた。 曽我 蕭白の「鷹図」も大きく、美しくて迫力あった。鷹の美を堪能。(鷹好き) 「風仙図屏風」は、強風に吹き飛ばされる従者と、驚くウサギがおもしろい。 展覧会の目玉である「雲竜図」は、その大きさに注目。これほどの大作を描くのは、構図というか、バランスをとるのが難しいだろう。近くからは、一目で全体を確認できないものな、と。 長くて鋭い爪を見て、楳図 かずお「漂流教室」の化け物を思い浮かべた。顔も、恐ろしげだが漫画のようなおもしろみも感じられた。胴体部分の欠損が残念。 絵巻物は、皆じっくり見るのでなかなか列が進まない。とっくにヘトヘトの私は「とても待っていられない!無理!」と思い、一列目の背後から見ることに。幸い、隙間を見つけて最初から最後まで見ることができた。肩越しに覗き込むので、描かれた人物の表情までははっきり見られなかったが、進まない行列に加わる気力体力のない私は、それでよし。 保存状態が良いのに驚く。色彩が美しい。「吉備大臣入唐絵巻」に、超能力を使って空を飛ぶシーンがある!平安時代に書かれた、ということが衝撃的。 相当疲れて、足が棒。体が重いのに、頑張ったなぁ私。やはり、上野は遠い。
2012年05月17日
平日の昼間なのに、なかなかの客入り。(震災を機に、彼に注目が集まっている とチラシに書いてある。ナルホド、そうらしい)雨ニモマケズ手帳が見られて、少し感激。勉強不足で、彼が農業指導者だったと知らなかった。「私 は、詩人としては自信がありませんが、 一個のサイエンティストとしては認めていただきたいと思います」という言葉を残していることが興味深かった。彼が書いた童話の絵本原画がたくさん展示されており、どれも読んでみたいと思った。彼は父に次の遺言している。「国訳妙法蓮華経を千部刷って、友人知人に渡してほしい」「私の一生の仕事はこのお経をあなたの御手許に届け、そしてあなたが仏さまの心に触れてあなたに一番よい、正しい道に入られますように」書き添えることも頼んだという。あなたが一番よい、正しい道 か・・・いい言葉だなぁ。簡単な言葉だけれど、胸に染みる。自分にとって一番よい、正しい道とは何か・・・。それを手に入れられるか・・・。ウーン・・・ウーン・・・。最近「よだかの星」を読んで「‘星になりたい’は、究極の願いだな」と思った。「注文の多い料理店」は、教科書に載っていたが内容をまったく覚えていない。(インパクトのある題名は忘れられず)これを機に、彼の作品を色々と読もうと思っている。
2012年04月20日
東海道五拾三次 保永堂版・隷書版を中心に を観に行った。またしても‘駆け込み鑑賞’(明日が最終日)。毎度毎度「今後は絶対に会期中盤までに行く!」と心に誓うのに。ギリギリにならないと腰を上げない、ダメな私。 美術館のサイトに「日中は大変な混雑なので、四時以降がお勧め」とあったので五時頃に到着したのだが、とても混んでいた。明日が日曜日・最終日なので予想はしていたが「あ~あ、これでは時間がかかるなぁ」とウンザリ。 でも、やはり観に行って良かった。単純に、見ていて楽しい。風景美や色の美しさに心奪われるし、江戸時代の旅の様子が知れるのもおもしろい。 解説に幾度か「難所」という言葉が出てくる。「歩きだから・・・大変だよね」と思った。川もあるし。 頻繁に描かれている富士山が、親しみと誇りを込めて描かれているような気がした。日本人の心だなぁ!という感じ。 旅人が景色に見入っている傍らで、現地村人は知らん顔で歩いているのも笑いを誘う。 犬の伊勢詣がかわいい。飼い主の代参として、旅費や初穂料などを携えて旅をするのだという。なんと健気な! 心得ている人々の厚意で世話をされ、役目を果たしたら帰宅の旅をするというから驚き。ちゃんと伊勢神宮に行き、無事に帰ってくる犬がいたのか?!と思う。
2012年01月14日
初めて神奈川県立近代美術館 葉山館へ行った。海岸に隣接しており景色が良く、波の音が聞こえる。なかなかのロケーションで、お得感あり。併設のレストランに入らずとも、眺望を楽しめる。(短い遊歩道もある) 立派な建物で、展示室も広々としている。図書室もあり、他の美術館の図録などを見ることができる。 玉堂の描いた日本の四季・風景に心が洗われた。山岳風景も魅力的だった。木々や水や空気の美しさ。自然と共に暮らす人々の素朴さ。古の豊かさが描かれていた。 鑑賞後、浜辺に降り立った。何年ぶりだろう? 久しぶりに肉眼で見る海!水面がキラキラ輝いて、ダイヤモンドのようだった。 海は広いな 大きいな♪ やっぱり海はいい。あぁー、イイ! 散歩する人、カヌーする人、スタンドアップパドル・サーフィンする人、マリンスポーツ教室の講師と生徒達・・・人それぞれが海を楽しんでいた。 ついでに「しおさい公園」にも行こうかと思ったが「疲れる前に帰った方がいいな。また別の日に来てゆっくり見よう」と考え直した。 帰りに、のり弁(290円!)購入。フライがサクサクしていて、意外と美味しかった。
2011年11月23日
色合いがきれいで感動する。柔らかく、落ち着いた感じの配色に癒される。 「ふしぎ」「旅」「数学」「科学」 「古典」「風景」というテーマで構成されており、画風の違いが楽しめる。 彼はエッシャーに強い影響を受けたそうで、隠し絵や立体と平面が混在した不思議な絵は、大人も子どももつい夢中になるおもしろさ。細部まで丁寧に美しく描かれているからこその作品力。 「旅」「風景」の作品を鑑賞していると、心が静まり優しくなる。特に緑色とレンガ色が美しい。海の青色も印象的だった。 穏やかな色調ながら、ぼやけた感じがしないのがいい。 絵本も十分に美しく印刷されているのだが、やはり原画の方が発色がよく、瑞々しい感じがする。 およそ200点が展示されており、疲れたけれど見応えがあった。 「ふしぎなたね」と子ども時代を描いた「昔の子どもたち」が特に好印象だった。これらの絵本を購入して、手元に置きたいと思った。 絵本コーナーが設置されているのも、いいアイディアだと思った。子どもたちが熱心に読んでいた。 絵本作家としてデビューしたのが42歳の時だった というのが意外。遅咲きでも、これだけ成功するのだな。 人気作家・日曜日 ということで、とても賑わっていた。(外出はやはり、平日の方がいい) これを機に、彼の絵本を色々と読みたくなっている。
2011年10月09日
江戸時代の日本人の美意識と、手先の器用さを知らしめる内容だった。 斬新な意匠は、まさに「江戸のアバンギャルド」。現代人が見てもおもしろい。 日本人にとって「着物はキャンバス」なのだと思った。図案力がすばらしい。 卓越した職人技による染色や刺繍に目を見張る。驚異的な技術。 これだけ美しいもの・手の込んだものを身に着けるとなると、着物に負けてしまわない(食われない)風格が必要だと思った。着る者の責任を感じさせるほど、美麗なる着物ばかりだった。 意外な発見は、緑色系の着物の美しさ。赤い着物とは違った若々しさが感じられ、好感が持てる。 特に驚きと感動を抱いたものは、総鹿の子の振袖。よくぞここまで・・・と感嘆のため息が出るほど見事で、高度な技術にただただ脱帽。これを身にまとうということは、大変な贅沢だと思った。実に見応えがあった。 ずっと前から着物に興味があるのだが(着物雑誌などを見るのが好き)、残念ながら着て楽しむまでに至っていない。憧れは常に抱いているのだが・・・。
2011年09月30日
初めて山種美術館に行った。平日の昼間だったが客入り上々。夏休みの子どもに来てもらおうという企画だが、新学期が始まったからだろう、子どもの姿は全くなかった。 (夏休み期間中も、圧倒的に大人客が多かったのだろう) 動物大好き・日本画大好きな私にとって、楽しみな企画展だった。 川端 龍子の「黒潮」が特にインパクトがあったなぁ。二曲一双の大きな屏風に、青い海を跳ねながら突き進むトビウオ6匹が描かれている。ダイナミックでおもしろい。トビウオの体が実にリアルに描かれており、生々しい感じが伝わってきた。 思いがけず、柴田 是真の作品も展示してあり嬉しかった。山口 華楊もすばらしかったな。 西山 翠嶂(すいしょう)や川崎 子虎(しょうこ)といった画家を知ることができたのも収穫。 「これがアユ・・・ふ~ん、アユ・・・」と作品ごとに独り言を言う年配の女性がいた。いちいち声に出さないでくれ~。 動物の魅力を、それぞれの画家がそれぞれの美意識と持てる技術を出し切って、魂込めて描いていると感じられた。もちろん、慈しみを抱いて描いていることも。 動物のもつ愛らしさ・おもしろさ・神秘・美しさ・逞しさを、楽しむことができた。
2011年09月07日
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