Atelier Mashenka

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2006.07.18
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楽しかった!ジャズはやっぱり好き。身体になじむ。

その後、いつも金曜はバレエとの2レッスンの日だけど、
ここのところ体調がすぐれなかったし、どうしようかな~とちょっと不安。
とりあえず、レッスンの間の時間に、軽くマシントレーニングをした。
そしてふと、先日の友人Gのことを思い出し、走りたくなった。


彼女は1ヶ月ほど前から、毎日ではないけれど5kmずつ走っているという。
最初は私が言いだしっぺだった。
昨年の秋、100kmを完歩し自信がついたので、
「今度は走ってみようと思ってるの。
市民マラソンなんかで10km走れたら、すごく自信もついて満足しそう」
そう話したことがあった。

学生時代はいやがおうでも、
体育の授業や部活や持久走大会などで走る機会があるけれど、
大人になると、朝かけこみ乗車するくらいで(してはいけません(^^;))
長く走る機会はなかなかない。自分でつくらないと、ない。

昨年100km大会に出る前に、ランニングマシンで少し試しに走ったけれど
1kmさえも、ぜえぜえ疲れて歩いてしまった。

普段争いごとが苦手で軟弱な私だが、この日なぜか突然、
むくむくとチャレンジ精神がわいてきた。
Gが走れて、私が走れないなんて悔しい。


でもこの日はジャズシューズとバレエシューズしか持ってきてない。
どちらも底が非常に薄い。
HIPHOPのときはくシューズだったらよかったけど、
これらのシューズではいくら室内のマシンでも、脚を痛めるかもしれない。

でも今走りたい、思い立ったときやらなければ、と強烈に思った。
痛みを感じたらやめればいい、
それ以前に息があがって走れなくなるかもしれないし、と
とりあえず、軽い気持ちで始めてみることにした。


まずは5分、時速5kmにマシンを設定して、ウォームアップに歩いた。
Gが見せてくれた、30分で5km走ってみよう!という
初心者用のランニングの雑誌が思い出され、
"30分で5km"というと時速10kmだから、それで設定して走り出してみた。

超きつい!
時速9kmでもきつい。

そこで時速8kmに落として、30分も5kmもまるで自信はなかったけど
無理のない速さで走ってみた。
とりあえず5kmは無理でも、30分走り続けることを目標にしてみた。
こんな長く走ったのは何年ぶりだろう?
高校のとき以来ではないだろうか?


30分走った。
バレエの時間になってしまったけれど、バレエをさぼって走った。
途中脚が痛かったが、100km歩いたときの教訓で、
痛みは移動するのを知っていたから、様子を見ながら一定で走り続けた。

ガラスに映った自分の姿を見ながらフォームを直したり、
ももの後ろからお尻、背筋へと筋肉の流れを感じたり。
私も負けず嫌いだなあと苦笑しながら。


30分間の最後は、ひどく気持ちが盛り上がった。
マシンのカウンターに出る数字を見ながら、カウントダウンするのが楽しかった。

30分。やったー!30分、時速8kmで4km走れた。
ひどく嬉しかった。
去年は1kmも走れなかったのに。
目標があるとずいぶん違うんだなあ。

その後また時速5kmで5分歩き、さらに2~3分クールダウンして全部で5kmになった。
トータルで45分弱かかって5kmを終えた。
すごい充実感と達成感。
軽くストレッチをしてから、休んだ。

軽い気持ちで始めたけど、目標があるのはすごくいい。
Gに感謝する。
これなら5kmは思ったよりすぐ走れるようになれそう。
わくわくしてきた。
脚も予想ほどは痛くないし、弱点である右足首、右付け根、左ももなどは
気をつけなければいけないけれど、自分で守るくせがついているようだ。

バレエを休んだだけの収穫は十分あったように感じた。
スタミナ不足な私は走るべきだったんだなあ。
今頃気づくなんて。
じっとり毒素を出すような汗をかいた。


Gに報告するのが楽しみだ。
そのうち、5km、10km走って、ハーフマラソンくらいはやれるかなあ?
といきなり気が大きくなってしまって、我ながらおかしい。
ハーフはともかく、10kmは走ったらきっと満足するから
そうしたら今度は泳ぐかもしれない。
ジムのプールを眺めおろす休憩室で休みながら、そんな妄想が膨らんでしまった。

そうしてプールの水を見ているうちに、
さらにいろいろ思いをめぐらせていった・・・


昔からひとりで黙々とやるのが好きだったなあ。
そのことを身体で思い出した。
Gが思い出させてくれた。

子供のころ、庭でひとりでハーモニカを吹いていた。
誰もいないプールでひとり黙々と泳ぎ続けた。
高校の吹奏楽部では、ひとりでトランペットの朝練をしていた。
大学のサークルでは、休みの日に稽古場へ行ってダンスの練習をしていた。

努力っていうのではなく、そうするのが好きだったのだ。
それが満足だったのだ。喜びだったのだ。

そして今日は昨日より少しうまくなる。
少し長く泳げるようになる。
できなかったことができるようになる。


人と一緒にやることも楽しくて大好きだけど、
身体の感覚のにぶい私は、一緒の練習のときはすぐにはできない。
じっくり頭で考えながらでないとやれない。

とても不器用な身体、鈍い感覚が少しずつ少しずつ磨かれて
世界となじむようになる。
そうしてひとりであることを克服し、世界の中に溶けいる。
飛べるようになる気がする。
その感覚を味わうのが、生きてることの実感だったのかもしれない。


時間をかけて何かを身体でつかみ、少しずつ理解していたと思う。
あの春の夕差し、あの夏の青空、あの冬の朝の通学路、
それらを覚えている。
空間と、自分の身体、感覚、それらが鈍い不協和音から、
やがてじっくり対話するようになるまで。
そして、身体が青空に開かれ、歓喜する瞬間。

あの感覚を改めて思い出した。強烈に、強烈に。
Gに感謝している。
そして私はまた先へ進むことができる。







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Last updated  2006.07.19 01:03:31
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mashenka @ Re[1]:生誕120年 棟方志功展(11/12) 一村雨さんへ お久しぶりです! 私もうな…
一村雨 @ Re:生誕120年 棟方志功展(11/12) お久しぶりです。 この展覧会、棟方志功の…
mashenka @ Re[1]:サントリー美術館「京都・智積院の名宝」(01/21) 一村雨さんへ 素晴らしい障壁画でしたね…
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