PR
コメント新着
カテゴリ
誘惑の落陽 (11)
島の空気が変わった。それは俺ひとりだけの思い過ごしなのかもしれない。
それにしたって!
わずか5日か? 6日、会わずに・・・電話もしなかったが・・・
それだけで
「今度、ほったらかしにしたら前歯へし折ってやる!」
って「ほう、やれるもんならやってみな」・・・このせりふは
最近中身が減りつつあった佑の堪忍袋の中へ落とされてしまった。
マキは佑の顔を見ることなく、彼の胸を両手で押しやり、並んでいる送迎バスの方向
へ一歩踏み出して立ち止まり言った。
「あたしたちを乗せてってくれるバスはどれ?」
「あたしたちって・・・マキはどこに泊まるんだ?」
振り返ったマキを改めて頭から、足元までチェックしてみた。
白いTシャツ、ジーンズのハーフパンツ5分丈、スリッポンスニーカー
プロのモデルにしては随分シンプルだと感じたが、佑はシンプルな格好が好きだ。
おっと、鋭い視線を感じたぞ!
「あんたが嫌じゃなけりゃ、同じホテルに予約してんだけど」
けっこう尖った言い方だなあ・・・けどマキらしくて何だか嬉しい・・・
「あ、取れたんだ『コンドイ』! ならあのバスだよ!」
佑は慌てて『リゾートホテル・コンドイ』と大きく白いペイントで書いてある
マイクロバスを指差し、マキの横顔に笑顔まで浮かべて、伝えた。
「あれね。じゃあそれ持ってきて」
と、そのときだけ佑を見て彼女のキャリーバッグを指さした。
「はいよ!」
佑は、いそいそと大きなキャリーバッグを引き回しながらマキの後を追う
(俺は、Mだったのか?・・・)
それにしても、どうだあの歩きっぷり!颯爽としてるじゃないか!
やはり、マキを迎えて、この島の空気は変わった。
ランキングに参加してます。応援よろしくお願いします♪
どれか一つでもポチっとお願いします ☆
Dear昭和 二人だけの国で 2014.07.10 コメント(1)
Dear 昭和 的中以上の展開 2014.06.25 コメント(27)
Dear昭和 話の中身は・・・ 2014.06.19 コメント(14)