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2013.09.17
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カテゴリ: 恋愛小説

        誘惑の落陽 (12)


送迎のバスに揺られて、と言うほどの距離ではないのだが。

道の両側に隙間無く植えられた背の高いさとうきび畑を見て、

マキは



「すごーい!」



と、佑に拗ねてることを忘れてティーンエイジの

女の子のような声を上げてしまったり、島の中心部に建つ

民宿の傍に円柱状の古い郵便ポストを見つけると



「すごッ!懐かしい!」



と指差して嬉しそうに白い歯を佑に見せたりしたあと

サンゴを積み上げて造られた石垣に並んで咲くブーゲンビリアに

心を奪われたように目を細め



「きれい・・・」



と、ひとりごちて間もなくホテルに着いた。


「早く泳ぎたい!」


と訴えるマキを、もう11時過ぎてるから「昼飯食ってからにしようよ」

「ビーチパラソルも借りなきゃ・・・だろ?」

けんめいに説得しつつ、マキのキャリーバッグを引きずりながら

部屋へ向う佑



それから約1時間後、ランチをかきこむように食べ終えた佑は海パンに

穿き替えていて、撮影隊が片付けを終えたその場所に秋穂君に借りた

ビーチパラソルを立て、デッキチェア(ホテルが用意した物)に

日陰を落とすように角度を調整した。



それは佑が自発的にやっているわけでは無く、秋穂君のアドバイスだ

「今夜、楽しく飲んで過ごすためですから・・・」

(そんなにおっかないのか、マキのやつ?

 ・・・まあ元ヤンの後輩に慕われては、いたな・・・)



とそのとき、ホテルの陰からマキが現れた。


「よお!こっちだ・・・ょ・・・」



語尾が縮小して開いたままの口を慌てて閉じた佑の元へ

マキは、ごく自然に歩み寄り、デッキに腰を下ろした。

けれど彼女は、佑の変化に気付いていた。

サングラスの向こうでマキの目が輝く、佑の心の動揺を

確信した上にさらにそれを楽しんでいるかに見える

悪い娘だ・・・



佑は思った(マキはやっぱりモデルだった)



キャップを目深にかぶり、サングラスをかけ、長袖のパーカーを着

ているが、下は水着だけでショートパンツは穿いてなく、足には

かかとを固定できるビーチサンダルを履いている。


どこでも見かける姿だが、マキが着ると特別な輝きを放つようだ。

さらにパーカーを脱ぎ、オレンジ色の水着だけになると、

真っ直ぐに伸びる、細すぎないが長すぎる脚も、魅力溢れる上半身も、

彼女の素肌を知っているはずの佑にとっても眩し過ぎるほどだ。



「暑いなあ!俺、ひと泳ぎしてくるよ」


そう言ってビーチサンダルをデッキチェアの脇に中腰に置くと

両手を頭の後ろにまわして髪を束ねているマキと目が合った。

顎を引いてサングラスの上から小悪魔のように佑の目を捉えて言った


「なんだか、焦ってるみたいだけど?」


「あ、焦ってるって、誰がだよ」



誰がだよ のあたりですでに佑は反転して海へ駆けていた。
彼を追う風にマキの声が乗り佑の耳に届いた



「カワイイじゃない、そろそろ許してあげようかしらね」
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最終更新日  2013.09.19 01:01:06
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