マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2008.08.26
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カテゴリ: スポーツ関係
 あの男は何者なのだろう。そう思ったのは北京オリンピックから帰国した記者会見での発言を聞いた時だ。高橋富昭氏66歳。北京オリンピック日本選手団長としての発言は度肝を抜いた。歯に衣着せぬ物言い。星野監督などへの批判も辛らつだった。JOCの選手強化本部長を務め、日本レスリング協会の会長も兼務している人物のようだが、あれだけのことを平然と言えるのは何故だろう。

 日本大学在学中にはレスリングの世界選手権で金メダルを取る逸材で、その後オリンピックの監督もしたようだ。昨夜私がブログに書いた北京オリンピックで不振だった3つの種目は、彼が指摘したものだ。そして会見の席で、イギリスのスポーツ振興予算が我が国の4.7倍になり、政府に善処を求める発言もしていた。あれだけずばっと本音を語ったスポーツ関係者はいなかったのではないか。

 今大会で中国が獲得した金メダルは51個。前回のアテネ大会より金メダルが19個、総メダル数で37個増えている。これは北京大会を目指し、シドニー大会以来8年間を掛けて、不得意な競技種目を分析し、重点強化する長期計画を進めて来た結果らしい。51個の金メダルの内半分近い25個はオリンピック初参加の若い選手が獲得したことを見れば、それらの政策が成功したと言えよう。

 全体主義国家の中国が自国でのオリンピック開催に当たり、国の総力を上げたことは理解できる。疑惑も多かったが、国内的にはあれで国威発揚が図れたのだろう。その是非はともかく、日本より国土が狭く人口が少ないイギリスや韓国が獲得したメダル数が日本よりも多かったのは何故だろうと疑問を持った。

 先に上げたようにイギリスは2012年に開かれるロンドン大会を目指して、振興策を掲げているのだろうし、スポーツに対する理解度は前々から高かったのだと思う。それが予算額を増加させ、引いてはメダル獲得数につながったのだろう。

 それなら韓国はどうか。同じ民族だが相対する北朝鮮と隣り合って緊張が続く彼の国では、ご存知の通り徴兵制度が布かれている。そしてスポーツは当然のように国威発揚の良い手段となっているのだろう。今回も野球で金メダルを取った。韓国の選手達は日本と違って全員選手村で起居し、巨人のイ・スンヨプ選手も3人部屋で寝起きしていた由。その彼いわく。「韓国の野球チームの場合はもしメダルが取れなかったらチームメート25名中14名が兵役に取られることになっていた」と。どうしても勝たねばならない立場にあったわけだ。

 それに加えて若い投手の年俸はわずか400万円のようだ。日本チームで一番若い田中マー君でも6千万円の年俸と言うのに。彼らのハングリー精神の源は、そんなところにもあるのかも知れない。人口では日本の半分以下。面積では日本の4分の1強の韓国があれだけメダルに拘るのは、国を挙げてのスポーツ振興策があるからだろう。

 福田団長の発言が効いたわけでもないだろうが、「東京オリンピック」実現を後押しするべく、スポーツの総合的な戦略を練る「ナショナルコーチ制度」新設のために、文部科学省が12億5千万円を概算要求する計画とか。これでメダルが量産出来るかは不明だが、健全な青少年を育成しさらなるスポーツ振興のためにも良いことだと思う。

 最後にマラソン選手の大会直前の月間走行距離を紹介しておこう。男子マラソンで優勝した21歳のワンジロ選手が700kmだったのに対し、30歳を越えた女子の野口みずき選手と土佐礼子選手は1200kmを越えていたとか。一日平均で40kmにもなる。それだけの距離の道路を毎日毎日スピードを上げて走り続けていたら、故障しても不思議ではないように思う。きっと彼女達は生理も止まるほど体に負担をかけていたのではないだろうか。





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Last updated  2008.08.26 18:08:22
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