マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.03.19
XML
 老婆と塩飴 


富士登山道入口まで下り切ると、都道の角にSパパがいた。来月から「トランスヨーロッパ」に向かう勇者が、今私達のために雨の中に立ち、声を掛けてくれる。いつに変わらぬ柔和な笑顔に一瞬心が和む。コースはそこから左折して底土キャンプ場のある海岸へと下る。

椰子の木に似た街路樹と黒い敷石が続く。後で栃木のHさんに聞いた話によれば溶岩が地下の深いところでゆっくり固まった玄武岩なのだとか。それをスライスして敷き詰めたようだ。良く整備された歩道がこの後も島内のそちこちで見られた。

底土港を通過し、くれど橋を左折すると再び山道に。八丈島は瓢箪のような形をしているのだが、これから島の南部に聳える700m余りの三原山の麓を一周することになる。ところが海岸は絶壁のため、道路は山の中腹を通るのだ。海抜0mから450mほどの高さまで、うねうねと登り坂が続く。

かなり登った辺りに深い谷が2つ。谷底には川が流れているような気配。これも栃木のHさんから後で聞いた話だが、三原山は八丈富士より古い火山で植物層が豊かなため島で唯一水が湧く場所なのだとか。激しい風雨に交ってウグイスの声が幽かに聞こえる。「越後くびき野の山に似てるね」とM井さん。時々道端に現れる周回道路の案内図で、現在地が確認できるのが嬉しい。雲の中から三原山が顔を覗かす。

23.4km地点の登龍峠展望台ASで小休止。ここには2人の青年がいた。レースでのボランティアは職場の上司から頼まれたため。島内には4つの小学校と3つの中学校があり、彼らは島にある都立高校の卒業生とか。陸運の管轄が品川らしく、島内で何故品川ナンバー車としか遭遇しなかったのか謎が解けた。

バナナ、クリームパンを食べ、アスリートソルト3粒を口にして出発。末吉地区との境界に近い25km地点付近でようやく下り坂となる。この辺りで舘ひろしに良く似た兵庫のKさんが追い着く。結局彼とは57km地点辺りまで併走することになった。

長く厳しい下り坂を下り切ったところが30.3km地点の末吉地区。このASでもバナナを食べたはず。ボランティアの方から間違って左折し、海岸へ行かないよう注意を受ける。集落を過ぎると再び登り坂。M井さんと二人坂の途中から歩き出す。やがて左手に小高い山が見える。島の最南端である小岩戸ヶ鼻はその山の先にあるようだ。

峠を越えると中之郷集落。左手奥に小さな沼が見え、さらに進むと大きなガラス球を浮かべた沼が右手に。きっとこれが島民の貴重な飲料水なのだろうと推測。三原小の手前で雨の中佇む一人の老婆が、4つの塩飴を私達に差し出す。遠慮して1つだけもらったら、全部持って行けとの意思表示。遠慮せず2個ずつもらう。きっとこんな悪天候の中で走っているランナーを、何とか応援したかったんだろう。ありがとうねお婆さん!!<続く>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.03.19 19:14:49
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: