マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.05.21
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 ウルトラと復活 


早朝から藤棚の下で響いていた尺八の音も止んだ。雨の中で白鳥が泳いでいる池。今日は日曜と言うのにほとんど公園内に人影がない。その池で偶然カワセミを発見。翡翠色の羽が美しい。午前11時、疲労骨折の影響があると話していたランナーがレースを終えた。自分では「根性無し」と言っていたが、その足で5時間走れれば十分。何事も無理は禁物だ。

空腹を感じ、コンビニで買ったお握りを食べる。飲み物の他にお握りを3個自分でも用意していた。そのうちタラコ入りのを選ぶ。お茶と一緒に食べるお握り。その塩味が美味しい。ASにも炊き込みご飯のお握りはあったのだが、芯が残っていて食べにくかったのだ。レース中に少しゆっくりしたのはこの時くらいか。

逆周り中に出会った時、M井さんが私とT橋さんの写真を撮ってくれた。後日M井さんのHPを観たらビニール袋が写ってないため、早い時間帯だったかも知れない。そのM井さんとEちゃんは午後1時でレースを終えると言う。逆周りをしながら2人と握手。今月「吾妻スカイライン」でも走る予定のため、今回はあまり無理をしないのだと思う。

さらば友よ、後はまかせて。YちゃんとH口さんは最後まで走るみたい。これは楽しみだ。T橋さんが午後2時で走るのを止めたのを知ったのは後日のこと。コースから徐々に選手の姿が消えて行く。私は相変わらず歌っている。静かな朝は「アヴェ・マリア」。午後からは「ヒナゲシの花」や「夜明けの歌」など色々。そして楽しい空想も。それは庭に垣根を作ること。「あの場所にはこんな材料で」などと考えていると退屈しないで済む。

ASに戻った時に何度か栄養ドリンクを飲んだ。受付でもらったものと、自分で買ったもの。ところが最後のドリンクの後にヴァーム水溶液を飲んだ途端、口の中が苦くなった。体調が悪くなった訳ではない。きっと成分が混じり合って変化したのだと思うのだが、慌ててペットボトルのヴァーム液を半分ほど捨てた。ゴール時間まで残り少ないから、それでも間に合うはず。

黄色の合羽のYちゃんを追い抜く。ゆっくりだが足取りはまだしっかりしている彼女。「また抜いてね」。レース後、彼女が言う。「一度はダメだと思ったけど、また走れるようになった」と。「ウルトラマラソンには復活があるからね。だから諦めてはダメなんだよ」。私はそう答えた。また彼女の話では、千葉からこの朝会場へ着いたT野さんは5時間走に出て30km走った由。仙台に来たのは用事があったからとか。道理であんな大きな旅行バッグを持ってた訳だ。

赤い合羽のH口さんも良く頑張っている。だが走後聞いた話では、レース中に胃がムカムカしていたとか。長い時間走るウルトラでは、血液が足の筋肉などに多く使われるため、本来食べ物を消化すべき胃に大きな負担がかかる。またどんどん水分を摂るため胃液が薄まり、それをカバーしようと逆に胃液の分泌が活発になり過ぎるのがムカムカの原因。走後彼女には、「ウルトラでは食べながら走るのも練習のうち」と。

「記録を狙う」と話していた山形の青年が坂道を歩いている。「もうギブアップです」と彼。きっと飛ばし過ぎて体力を消耗したのだろう。「このコースは最初からペースを守って走らないと、最後には坂を登れなくなるんだよ」。ところが後日この青年が私のブログに「あの叱咤激励で最後は復活出来ました」と書き込みしてくれた。だからウルトラは面白い。人生と同じで何が起こるか分からないのだ。大笑い<続く>





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Last updated  2009.05.21 04:34:10
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