マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.06.17
XML
 指定席 そして「なめとこ街道」へ 

あれほど快調だった足が止まったのは、確か23km辺りだったと思う。やはり長距離の練習や速いスピードで走ってないため、限界だったのだろう。昨年の「立山登山マラニック」は室堂で終わったが、今年の「萩往還」では初めて250kmを完踏したと話していた東京のK川さんはとっくに前へ行った。

「野辺山」でのT田さんやS藤さんら大崎グループの楽しいエピソードを聞かせてくれたC一さんも前に行った。レース前に腰の不調を心配していたO川さん、今年度一杯で定年になり故郷に帰ると話していたY川さん、高校の後輩で今回は奥様とお嬢さんが応援に来ていたS木さん、ひょうきんでいつも明るいM井さんらの仲間も既に前へ行き、その姿はもう見えなくなっていた。

だが私は嬉しかった。たった23kmだがレースのほぼ4分の1を、スピードのある仲間達と一緒に走れただけでも満足だった。加齢から来る故障が続いた昨年のレースでは、何せ最初から置いて行かれたのだ。あれに比べれば今年はわずかでもスピードに乗ってレースをした実感が得られたのだから。

これが自分の定位置。ここからようやくマイペースでのレースが始まる。8km辺りで感じた左足足底部の痛みは薄らいでいた。後は前回苦しんだ股関節の痙攣が出ないことを祈るばかり。時折仲間のY田さんの姿を見かける。K野さんに一旦追いつかれたのは29.4km地点の第6ASだったか。やはり彼女はスピードランナーだけあった。

カメラ小僧のT田さんに抜かれたのは35km周辺だったはず。記念写真を撮ってくれた後颯爽と去って行った姿に、「野辺山」の疲れは全く感じなかった。彼も昨年は私同様に86.3kmの関門に捕まった。ニコニコして何も語らないけど、きっとあの時の悔しさをバネにして走っているはずだ。時折ちらちらと見えるオレンジ色のランシャツは宮城UMC「群馬支部」の方みたい。

走り易かった曇り空は7時50分まで。その後は強い太陽に照らされることになった。いよいよ暑さとの戦いが始まる。やはりランシャツ、ランパンが正解だった。オレンジ色の帽子を後ろ向きに被り直す。これは延髄を太陽に晒さないため。ここが熱気を帯びると運動機能が落ちるからだ。

40km地点通過は5時間ちょっと。県道12号線を左折するといよいよ花巻温泉街へ入る。宮沢賢治の小説では「なめとこ街道」と呼んでいたとか。道は緩やかに登り、松倉温泉に続いて坂道の途中に志戸平温泉が見えて来る。木陰が涼しくて気持ちが良い。道路脇の気温表示は18度だが、20度を超えているように感じるのはそれだけ体力が消耗している証拠だろう。大沢温泉、山の神温泉とひなびた温泉が続く。<続く>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.06.17 04:42:30
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: