マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.12.09
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 疲労困憊でのゴール 

ゴール後の準備のために、先ず那覇行きのバスの時刻表を調べた。だが、いくら沖縄が夜型社会とは言え、最終バスはもうとっくに出た後。。すると先ほど見かけた路線の違うバスは、きっと運行を終えた回送用だったのだろう。次にゴールに最も近そうなコンビニを探す。店内に入ってトイレを済ませ、次にタオルを水で浸す。これで準備はOKだ。

与那原町与那原の三叉路が前方に見え出した。そこが今回のゴール地点。交差点を渡って素早く時計を見て23時01分であることを確認。次にタクシーを停めて、運転手さんに那覇の国際通りまでどれくらいの料金になるか確かめる。最も気になっていた答えは「2千円以下」。直ちに乗ることを告げ、リュックからトレパンを出してタクシーの座席に座る。

2日間に亘る戦いはようやく終わった。第2日目の距離は、ホテル内の1km、迷子になった分の1km、そしてうるま市のバイパス分の1kmを加えて74km。それを14時間26分かかって到達した計算。初日と合わせた距離の総計は150km。長い長い旅だった。

運転手さんに昨年は西海岸を縦断し、今回は東海岸を辺戸岬から与那原まで走ったことを告げると信じられない口ぶり。走っていたランナーが急に走るのを止めて、車を停めたことにも驚いた由。それはそうだと思う。

タオルで体中の汗を拭き、半袖Tシャツに着替える。さすがにパンツを脱ぐ訳にも行かず、せめて汗が座席を汚さないようトレパンを敷いたのだ。運転手さんに走りながらヤンバルの話をすると、やはり最近ではヤンバルまで行く観光客が多いそうだ。そして普天間基地のヤンバルへの移転反対の現場を見たことを話すと、内地人の私にも配慮したのか、沖縄にも色んな立場の人がいると話した。

ある人は基地内にある土地の借料として年間2千万円を政府から支給されるため、仕事もせずに高級車を乗り回しているとか。沖縄の極端な現状に改めて驚く。夜の10時にも関わらず、タクシーが何故淋しい道で客待ちしているのか、先刻感じた疑問をぶつけると、村人は夜でも用件で移動することが多く、会社からの無線を待っているのだとか。まさに夜型社会の沖縄を象徴する話だった。

国際通りへは、別ルートで行った方が近いとは思ったが、口にはしなかった。運転手さんが選んだ道は信号が少なく、きっとホテルへ早く着くと判断したのだろう。ある道を通った時、思わず「懐かしい」とつぶやくと、「沖縄詳しいんですね」。「この近くに3年間住んでたんですよ」。沖縄のタクシー料金が本土よりかなり安いことは知っていたが、そのことが今は本当に有難い。

23時40分。ホテル前に到着。お釣りはもらわず運転手さんに寄付し、御礼を言って降車した。突然夜中に現れた客の服装を見て驚くフロントの係員に、到着が遅れたことを先ず詫びる。チェックインの手続きをしながら、今回辺戸岬から東海岸を150km縦断したことを話すと、信じられないような表情。多分そんな話はこれまで聞いたことがないのだろう。

部屋へ入って浴槽にお湯を張り、宅急便で届いたバッグから着替えを出す。お湯が一杯になるまでの間にビールのロング缶を買いに行く。この夜もシャンプーも石鹸も使わずに、タオルで体をゴシゴシ洗うだけ。浴後、地図に最少の情報だけ記入し、缶ビールを開けて飲む。緊張が急速に解けたせいか、どっと疲労が出始めた。折角買ったビールだが、頑張っても半分しか飲めない。もう全てが限界に達していたのだろう。0時30分、ベッドに轟沈。<続く>








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Last updated  2009.12.09 17:29:51
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