マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.06.21
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カテゴリ: 読書
 「私本太平記」も第4巻目に入った。鎌倉から室町へかけての時代、そして初めて読む吉川英治の文章がとても新鮮に感じる。鎌倉幕府を転覆しようとする後醍醐天皇の謀が漏れ、遠く隠岐の島に流される。楠木正成は戦いに敗れて雌伏する。物語の主人公、足利尊氏(高氏の時代)の動きはまだないが、バサラ大名佐々木道誉の動きが急だ。



 この小説は大河ドラマにもなった。楠木正成役が武田鉄矢で尊氏の弟直義役が高嶋政伸だったことは覚えている。中でも印象的だったのが片岡鶴太郎扮する北条高時の狂乱ぶり。だが、尊氏役の真田広之の印象が薄いのが不思議。調べてみると、放送されたのは平成3年。これは沖縄赴任の3年目で、当時高校3年の長男と2人で暮らした頃。今にして思えば食事の世話などで、テレビどころではなかったのだろう。

 小説中の地名にも惹かれる。公卿日野俊基が綸旨を持って血起を呼び掛けた高野山は、47都道府県探訪最後の県で、記念に110kmのレース「和歌山城~高野山往復ウルトラ」を走った際の折り返し点。またその手前の紀見峠や天見峠は、「大阪府山岳連盟チャレンジ登山マラソン」で走った。どちらもアップダウンが激しく、厳しいレースだった。

 後醍醐天皇が最初に立て籠った笠置山は、最後の未走県である奈良を走った時に傍を通った。急峻な砦への食料補給は柳生から行ったようだが、私は奈良市内から北上して柳生に達し、そこから南下して50kmほど大回りしたのだ。途中で古事記、日本書紀の編纂に加わった太安万侶の墓にも立ち寄ったのが良い思い出だ。

 正中の変で捕まった公卿日野資朝は佐渡へ流され、処刑される。その場面で出て来る地名が雑太(さわだ)と国府川。前者はその後佐和田と変わったが、「佐渡島一周ウルトラ」206kmのコースの途中にある集落。いつも真夜中に通るため誰一人いない不気味な街だ。国府川はその南方12kmほどにある小河川。付近には佐渡に流された貴人の墓も多く、やはり走っていて不気味だった。

 後醍醐天皇が配流先の隠岐に向かう途中に島根県の安来を通る。中の海の沿岸だが、私は直ぐ近くの宍道湖畔を走ったことがある。玉造温泉から松江を往復したのだが、凍った湖水で白鳥が眠っていたのを覚えている。この小説が今後どう展開し、時代はどう変わるのかとても楽しみ。きっと私の想像もますます広がるに違いない。

 40ほどのブログを巡回するのがこれまでの日課だった。だが走れなくなった後、訪れるブログにも変化が生じた。キロ何分で走ったとかの記録を重視するシリアスランナーの日記が面白く感じなくなった代わり、生活感に溢れ、著者の人生観が現れたブログにより惹かれるようになったのだ。テーマは園芸、旅行、文学、映画、評論、写真、美術などなど。老後の楽しみが一層増して来たように思う。





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Last updated  2012.06.21 10:24:58
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