マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.10.24
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カテゴリ: ランニング全般
 走りたいレースと走れるレース 

 走りたくても走れないレースもある。レースに参加するためには実力がなければ行けないし、お金もかかる。場合によっては休暇を取る必要もあるし、家族の理解がないと行けないこともあるからだ。マラソンはタダではない。特にウルトラマラソンともなればエントリーするだけで1万5千円前後するし、その他に交通費と宿泊費も必要だ。

 また、レースには制限時間がつき物。たいていの場合、コースの途中に関門が幾つかあるし、ゴールも何時間以内と決まっている。実力と言うのはそう言うことだ。そのレベルに達してないと、時間内完走は出来ない。だから出たくても出られないレースが結構多いのだが、それはそれで諦めるしかない。また例えエントリーしていても、その後の怪我や体調不良のために参加出来ないこともある。

 ウルトラマラソンの場合はかなり前からエントリーする必要があるが、レースまでの間が長いため、その間の事情で出られなくなることも生じる。加齢が進めばその可能性が高くなるが、これも涙を飲むしかない。残念ながら歳を取れば取るほど、出られるレースは限られて来るのが現実だ。

 ところがマラニックは違う。リュックを背負って自分のペースで走るのなら制限時間も関係ないし、途中で休むのも自由。人と争う必要もない。レースの楽しみは大勢の人と一緒に走ることで高揚感も高まるし、応援も受けられる。マラニックにはそれはないが、レースとは違った自由さと達成感が得られる。ゆっくり走って寄りたい所に寄れば、その土地の観察も歴史の勉強も出来る。

 私が2年前から「峠越え」を始めたのも、そんな理由からだ。ただし自由なペースで走れるのは良いが、リスクも自分で背負う必要がある。食べ物や飲み物の確保、マラニック中の安全も全て自己責任だ。さて、老化で走れなくなったらどうするか。その時は歩こうと思う。歩くのは走るほど脚(足)に負担をかけないし、もっと景色を楽しむことが出来る。ウォーキングのツアーに参加するのも楽しいはず。


 良いお手本 

 所属する走友会には私よりも年長の方が何人か居られる。最高齢は86歳だが、まだ現役のランナー。それもがんを克服した凄い闘志の持ち主だ。距離は短いが、その歳でレースにも出る。その次の先輩は70代半ばまで登山マラソンにも出て、最高齢賞をもらっていた。これはトップとの差が30分以内にゴールしないと完走と認められない厳しいレース。何せトップは高校や大学の運動選手なのだ。

 中には75歳を過ぎてなお、「全国1歳刻みランク」の上位入りを目指す先輩もいるし、70を過ぎてから「ヒマラヤマラソン」に挑戦した先輩もいる。全国各地で登山を続け、私が出られない100kmレースでも見事に完走する実力者だ。また女性でも70過ぎからランニングを始め、ハワイの「ホノルルマラソン」(フル)を見事に完走した熟女も居られる。我が走友会には見習うべき先輩が多いのだ。

 ただし長い間走っていると、たまには悲しいことにも遭遇する。参加したレースで知り合った走友の訃報を聞く時だ。がんのために若くして亡くなった走友。レース中に交通事故で亡くなった走友。残念ながら病気や加齢のために走れなくなった走友など様々だ。いつまでも元気で走り続けていたいのは山々だが、人間には限界がある。でも出来る限り、その限界に挑戦したいと願っている。


 家族の評価 

 3人の子供はいずれも遠隔地で暮らしているが、私が走っていることは知っているはず。幼い頃から走っている姿を何度か見ているし、年賀状には前年のランニングのことも書いてあるからだ。子供達は父親のランニングをどう思っているのだろう。「良い趣味」と見ているか、それとも「年寄りの冷や水」と見ているか。

 さて、一緒に暮らしている妻はどうだろう。「お母さん、とうとう地球2周したよ」。先日妻にそう言ったが、あまり反応は無かった。まだ若い頃から走り続けて来たが、きっと「自分勝手なことをしてる」としか思ってなかっただろう。妻には転勤族の悲哀や管理職の苦しさを話したことはない。現職時代は何度か死を覚悟したほど辛い目にも遭った。だがその苦しさに1人で耐えて来たのだ。

 その苦しみを救ってくれたのがランニング。ランニングがあったからこそ、今日の私がある。生きていて良かった。長い間走って来て良かったと言うのが偽らざる実感だ。ここ数年前から妻も走るようになった。もちろんレースには出られないほどのゆっくりペースだが、ランニングの楽しさは感じているようだ。

 「そのうち一緒に走りに行こうか」。先日私はそんな提案をした。行き先は5kmほどの距離にある温泉。そこまで走って温泉に浸かり、美味しいものを食べるのだ。12km先にも別の温泉があるが、果たしてそこまで彼女が走れるかどうか。彼女も後数か月で定年を迎える。定年後の楽しみが見つからないようだが、「近所の山に登るのも良いのじゃ?」と、これも私の提案。さて、私達にどんな老後が待っているか。<続く>





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Last updated  2012.10.24 04:02:11
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