マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.12.14
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カテゴリ: 歴史全般
 三井寺と琵琶湖の風景 

 鐘の音が聞こえる。有名な「三井の晩鐘」を、お布施の代わりに観光客にも撞かせてくれるのだ。鐘楼は重要文化財。木々の間に三重塔が見えた。元は奈良県比蘇寺にあった室町初期のもので、徳川家康が寄進した由。その右にはこれも室町初期の一切経蔵が静かな佇まいを見せている。ほとんど誰もいない広い境内を観音堂に向かって歩く。

 別所の微妙寺を観ながら坂を下り、毘沙門堂を見上げつつ石段を登ると高台。入口に観月舞台があり、正面に西国十四番札所の観音堂があった。ここに微妙寺の本尊である十一面観音菩薩が安置されていた。像高82cmの小さな像で「見事な」短足に驚く。これらもすべて重要文化財だ。観音堂の脇から山に登ると琵琶湖と大津市内が見渡せた。天智天皇が近江宮を置いた古代を偲ぶ。

 長い石段を下り、水観寺を経て総門から境内を出た。滞在したのは1時間半ほどだが、まだ観てない個所が多かった。それほど境内は広かった。この三井寺(園城寺)と比叡山延暦寺が争っていたことは、『新平家物語』にも何度か出て来た。共に天台宗で皇室の尊崇も篤かったが、三井寺は後に天台寺門宗総本山となり、豊臣、徳川の庇護を受けて再興されたようだ。

 京阪三井寺駅から穴太(あのう)までの切符を買った。だがそこまで行かずに次の皇子山駅で降りた。隣のJR大津京駅で乗り替えた方がホテルに近いからだ。この周辺には「びわこ毎日マラソン」で有名な皇子山陸上競技場や、近江宮の旧蹟がある。次の唐崎駅で下車。ここから電話するとホテルのマイクロバスが迎えに来るらしいが、小さな構内には電話がない。オーノー!

 仕方なく歩いて行くと、ホテルのマイクロバスが後から追い越した。手を上げたら停まって乗せてくれた。これはラッキー。フロントで予約した友の名を告げると、既に到着している由。2階の部屋に幹事のF君がいた。筑波勤務時代の後輩である彼は、転勤先の部下と結婚して津市内に住んでいるが3年ぶりの再会だった。

 近況を話しつつ、早速缶ビールを開ける。窓の外は琵琶湖。その対岸には秀麗な山。きっと近江富士の愛称を持つ三上山だろう。この琵琶湖は古代から交通の要衝で、継体天皇の妃は琵琶湖の水運を握っていた古代豪族の息長(おきなが)氏。また平家を討った源義経は堅田党と呼ばれる湖賊の助けを借りている。かつての仲間が次々に到着し、ビールから日本酒に変わった。まだ日は高いのだが大丈夫かなあ自分。<続く>







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Last updated  2012.12.14 06:26:55
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