マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.09.10
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≪ 旅の始まり ≫


 そっと部屋を出て、先ずトイレを済ませる。次にテーピング用のテープを持参し、階段の踊り場で、足、膝、大腿四頭筋と後脛骨筋に沿って、丁寧にテーピングした。3時、部屋の照明をつけ、同室のランナーを起こす。サポート機能のあるハーフタイツを穿き、左膝にはサポーターも装着。これで何とか最後まで脚が持ってくれたら良いのだが。首には冷却用の「鉢巻」を巻く。

 昨夜のうちに準備していた「会津魂Tシャツ」からゼッケンを外し、宮城UMCのランニングシャツに付け替え、玄関のシューズにはタグを装着した。ポシェットには、アスリートソルト(ミネラル分補充用)、アミノ酸とクエン酸入りのサプリメント2袋、現金2万1千円、デジカメを入れた。現金はタクシーに乗る場合に備えてのもの。お昼の分の血圧降下剤と不整脈抑止剤も入れた。

 睡眠時間は2時間半だが、横になって休んだ時間を加えれば5時間半。200km超級のレースで2晩寝ずに走ることを思えば、これでも楽な方だ。眠れないままに出した結論は、これまで19年間もウルトラマラソンを走って来れたことに感謝し、今回で卒業する気持ちで走ることだった。それならきっとウルトラの神様も許してくれるはず。



猪苗代湖マラソン.jpg



 3時半、食堂で心の籠った朝食をいただき、4時過ぎに民宿のマイクロバスでスタート地点のホテルへ向かう。深夜の大雨は上がり、周囲は漆黒の闇だ。ホテルに荷物を預けた後、主催者のE藤さんに遭遇。体調が良くないと話すと、彼は65kmを止めハーフマラソンに出ることを勧めてくれた。だがスタートは7時間後と聞き、予定通り走ることを告げた。

 その時心の中で堅く誓った。折角配慮してくれたE藤さんに迷惑をかけないためにも、今日は絶対事故を起こさずに走ることだ。65kmの部の制限は13時間。これまでの経験から、こんな体調の時にはどんな風に走れば良いかは分かっている。スタート地点へ向かおうとした時、S水さんと遭った。昨夜は私の体調を聞いて心配したはず。あの時よりは元気になって良かった。

 スタート地点の一際明るい照明の傍に立っていると、同じ走友会のM井さん、Y田さん、T脇さん、Y広さんが来た。彼らは2時に仙台を出て、ちょうど今到着したばかり。Y広さんが私の体調をしきりに心配してくれた。リタイヤの収容バスはなく、いざと言う時のためにタクシー代を持ってると話すと、彼女は少し安心したようだ。



1スタート前.jpg

 スタート前の私。体調も顔色もいまいち状態だ。



 M井さんのカメラで記念撮影。私は1人でも撮ってもらった。私の前には仮装ランナーがいた。漫画「ゲゲゲの鬼太郎」に出て来る妖怪「一反木綿」だ。あまりの面白さに1枚撮らせてもらう。



2.一反木綿.jpg

 暗闇の中の「一反木綿」ランナー


 5時。100kmの部と65kmの部の静かなスタート。いよいよ長い旅の始まりだ。ホテル構内の下り坂を慎重に下る。1kmも走らないうち、膝に痛み発生。もう2週間以上舗装道路を走っていないのだ。それに20km以上の距離を走るのは2カ月ぶりのこと。堅い道路が傷んでいる脚にどう響くか怖い。ラン仲間のパナップさんが私に声をかけながら追い越して行った。ありがとうパナップさん。俺も慎重に行くよ。<続く>

[ 注意 ] このレポートは無謀な冒険を勧めるものでも自慢話でもありません。体調が悪い場合は決して無理に出走しないでください。私はフルマラソン以上の距離を150回以上走った経験に基づき、走り方を考えれば大丈夫と判断してレースに臨んでいます。距離の長いウルトラマラソンでは、十分なトレーニングをせずに臨んだ場合、重大な事故につながる危険性があることを認識のうえで参加されることをお勧めします。





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Last updated  2013.09.10 07:24:02
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