マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.09.14
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≪ 名付け親の意地 ≫

 集落に私設の給水所があった。ただ水があるだけだが、その水が冷たくて美味しい。どうやら井戸水のようだ。ああ生き返った。お礼を言って前進。少し行くと松林。その向こうには猪苗代湖の湖水が光っている。この光景を眺めるのはこれで4度目だ。 

32秋山浜2.jpg 秋山浜の松林

 湖畔の道を暫く行くと中浜AS(エイドステーション)。ここにも集落の人々の心の籠った食べ物が、たくさん用意されていた。茹でたアスパラにマヨネーズをつけたもの。大根の漬物。千切りのゴボウを味噌味で揚げた「ミソ揚げ」。それにお握りなどなど。まさにこれぞ「お・も・て・な・し」。疲れたランナーの体に良いものばかり。夢中になってたくさんいただくランナー達。

33中浜AS.jpg 中浜ASのご馳走

 勇気百倍になって湖畔の道を進む。少し日が差して暑い。腰に挟んでいた帽子を後向きに被る。角を曲がると飯場の前に、40km地点の標識があった。何だか淋しい場所だ。

34.40km11:03.jpg

 時間は11時03分。スタートから既に6時間3分が経過している。この5kmに51分かかった。ここから湖畔を離れて山道に入る。本日5つ目の山道だが、これが最後の登りではない。団子3兄弟の長兄が私を追い抜いて行った。元気の良い若者だ。彼にその先のコースとASの様子を教える。

 この山道はパンフレットの高低図とはかなり違って、さほど勾配がきつくない。面白みのない坂道を下ると、沼地のような湖畔に出る。この辺りから猪苗代湖の東岸が始まる。湖南公園の岸辺に釣り人。何が釣れるか尋ねると、ブラックバスとのこと。こんな湖にも本来の生態系を崩すブラックバスを放流する輩がいるんだねえ。

37船津公園かき氷.jpg 船津ASのかき氷

 間もなく船津公園のASに到着。ここは44km地点で、湖の東岸を走るフルマラソンの折り返し地点。早速名物のかき氷にありつく。量が少ないので2杯目を食べると、さすがに喉の奥が痛くなる。オレンジとパンを食べて元気回復。次々とフルの部のランナーがやって来て、中にはかき氷を食べる若者もいた。

38船津公園の道.jpg

 これが船津公園前の松並木。前から次々にフルの部のランナーがやってくる。彼らはまだ20kmを過ぎたくらいなので、かなりのスピードだ。ここから船津川沿いの砂利道に出る。橋を渡って向こう岸へ行くと、後から団子3兄弟が抜いて行った。おお~っ、3兄弟が揃ったのは久しぶりだ。これは写真を撮ろう。そう思って彼らを呼び止めた。ついでに私もパチリ。頭部に見えるのは濡らしたタオルハンカチ。これで頭を冷やすことが出来る。首の鉢巻も冷却用だ。

39団子3兄弟.jpg40船津川の私.jpg

 若者2人はさっさと前へ行った。「済みませんね」と謝る長兄。「良いんだよ、若いんだから」と私。あの様子では、そのうち必ず追い着くはず。何せ私は超ベテランのウルトラランナー。彼らとは年季が違う。それに私はこのマラソンの「名付け親」なのだ。 

 以前は「磐梯高原ウルトラマラソン」と言っていたこのレースだが、磐梯高原を走るコースは第3回まで。それ以降はずっと猪苗代湖畔を走るコースに変わった。そこで私はアンケートに「猪苗代湖をレース名に入れるべき」と書いたのだ。それが今回から正式に採用された。そんな訳で、私はどうしても完走する必要があった。まだまだ経験の乏しい若者に負ける訳には行かない。<続く>






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Last updated  2013.09.14 05:32:25
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