マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.02.21
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カテゴリ: 文化論

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 今夜は最近わしが読んだ本の話をしよう。3日目の夜になって、風は少し治まったようだ。著者は韓国人の柳舜夏(ゆ・すんは)。この人は作家でね、3歳まで京都で暮らしていたそうだ。タイトルはご覧の通り。「帯」には「反日をやめなければ韓国は滅ぶ!」とある。必死の思いで書いた本のようだよ。そもそもわしがこの本を読もうと思ったのは、韓国人の考え方を知りたかったからなのじゃ。理由はお前さん方も予想がつくじゃろう。今日本と韓国はとても険悪な関係にあるからねえ。そう言って男は腕を組んだ。(小学館、2015年)

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 「日本または日本人を批判する日本人は良心的な日本人として称賛される」。本にはそんなことが書かれている。もちろん「韓国または韓国を批判する韓国人は「左派あるいは親日派」として糾弾される」ともね。  「韓国人は、こと日本に関しては、激昴する傾向がある」。「韓国では日本に関する学問研究さえ出来ないが、日本での韓国研究はこれとは反対に、非常に充実している」。そんな状況の中で、この本は書かれたのさ。

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 「昼には反日、夜には親日」。夜はカラオケで日本の歌を歌い、日本料理を食べたり日本酒を飲む人が結構いるみたいだね。「韓国人の短所が、そのまま日本人の長所となっている」。作者はそんなことを書いている。また「韓国には日本人をさげすむ言葉がたくさんあるが、日本語には韓国人をさげすむ言葉はほとんどなく、朝鮮人、韓国人と言った当たり前の表現しかない」。作者はサラリーマンとして何度も日本に来、日本人と接した経験がそう言わせているようだね。

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 「反日の裏にある慕日」と作者は表現する。どうやら韓国人の激しい反日の陰には、日本に対する羨望や称賛や畏敬の念が隠されているようだ。古代から朝鮮半島の国々は、倭(大和)とことごとに張り合って来た。そして近代になってから日本はアジアで一番先に先進国の仲間入りし、韓国はその日本に36年間もの間併合されたことが、強い屈辱感として今でも彼らの胸の中にしっかり刻まれているのだろう。

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 日本と韓国の差が開いた原因を、作者は儒教のせいと考えている。李氏朝鮮王朝時代、儒教は政治を縛り、人々の暮らしを縛っていた。だが儒教の精神は学問上の形式だけで、両班(やんぱん)が実践したことはない。これに対して江戸時代の日本が選んだのは陽明学。これは実学で武士達は実践を重んじた。つまり武士道は現実の世界で生かされ、韓国では今でも形ばかりの儒教精神に拘っていると言う訳さ。元々「兄」の朝鮮が「弟」である日本に物事を教えたと言う気持ちが今でも強いんじゃよ。

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 「韓国(朝鮮)の官吏はほとんど不必要な悪的存在」。作者はきっぱりと言う。「現在の韓国の統治者達も、国民と国家のためにはほとんど不必要な悪だ」。「建国以来大韓民国を駄目にし続けているのは法治の不在」。なるほどこれは思い当たるものがあるねえ。「法を握る支配層の国会議員の前科者数は大韓民国が最高」。これも聞いたことがある。確か半数以上の議員は収賄などでの逮捕歴があったはずじゃ。だが、そこまではっきり書いて、作者は大丈夫なのかと逆に心配になるのう。

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 「法を執行されなければならない人達が公然と保護され、この保護にメディアまで同調してえこひいきする」。「政治が100回変わってみても効果がない。政治家達や社会の指導層が何かをするというのは幻想である」。例の「フェリー沈没事件」や「ナッツリターン事件」を見ても、韓国の闇は深そうだ。何せ財閥と政治家が癒着し、前政権は必ず後の政権によってその悪が暴かれているからのう。

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 この本には作者の日本に対する誤解も一部にあった。また翻訳の手違いも一部に感じられた。日韓の文化の比較や、両民族の考え方の違いなどもっと掘り下げて欲しい部分もあった。だが、これだけの内容を良く勇気を持って書いたと、わしは感心してるんじゃよ。何せあの国では、日本の真実を伝えたり好意的に書こうものなら、学会やマスコミからつまはじきに遭うんじゃ。最後に作者の願いを記しておこう。

 「お互いに反日や嫌韓、独島・竹島、歴史問題で不毛な論争を続けることは愚かなことだ。現在両国に差し迫っているのは中国の脅威である」。わしはヘイトスピーチには反対じゃ。そして「嫌韓論者」などとの評判も全く気にはしていない。わしが知りたいのは「真実とは何か」だけなのじゃよ。<続く>  






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Last updated  2015.02.21 06:29:18
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