マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2015.02.20
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カテゴリ: 歴史全般

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 日本人は本当に残虐な民族なんだろうか。男がつぶやいた。窓の外では風がうなっている。今は厳しい冬なのだ。わしもかつての戦争で日本軍が何を行ったかは知ってる積りだ。それに関東大震災の時に、朝鮮人や社会主義者が殺されたことも。だが、中国であったとされる南京大逆殺のことは良く分からないんじゃよ。男は悲しそうに瞬いた。今日はわしが知ってることを整理してみようか。そう言って男は遠くを見つめた。

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 疑問は先ずその数なのじゃ。中国は30万人が殺されたと言っている。だが南京市の当時の人口は20万人程度なのじゃよ。だからたとえ全部の市民を虐殺したとしても、まだ10万人も余ってしまうのだ。当初中国政府は虐殺されたのは20万人と言っていた。だが我が国が反論しないとみると、さらに10万人増やした訳だ。どうして犠牲者の数を増やす必要があるんだろうね。20万人としても、全市民を殺すことなどあるのだろうか。なぜ南京市だけ全滅させる理由があったのかも分からない。

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 南京を攻略した部隊の隊長は松井石根陸軍大将だ。彼は孫文の唱えた「大アジア主義」に感銘を受けて中国の駐在武官を志願したと言われている。その彼が昭和12年12月23日に起きたとされるこの事件を知ったのは戦後のことのようだ。全く不思議な話だ。だが彼は東京裁判では事件を自分の責任だとした。当時の部下には皇族がいたんだよ。検事役を務めたジョセフ・キーナン検事は裁判後語ったそうだ。「なぜ彼は自分の責任と言ったのだろう。あれは部下のせいなのに」と。

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 99歳の元日本軍兵士は証言する。「私達の部隊は厳しい監視下にあったし、規律も守られていた。婦女子には決して手をかけないよう厳命されていた」と。だが、そんなことなど聞く人はいない。そして貴重な証言も、高齢化に伴って失われてしまうのが残念だ。また別の証言では、進駐した日本軍と市民の居住区は仕切られていて、お互いに入れないようになっていたと言う。

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 ともあれ昭和59年8月4日付朝日新聞大阪版夕刊に載った生首の写真は、中国軍が切り落とした馬賊(中国人の強盗)の首であることが判明したんじゃ。そして中国の唱える大虐殺は、英国紙の特派員だったハロルド・ディンバリーが書いた『戦争とは何か』が根拠であることも分かった。当時彼は中国国民党宣伝部顧問として党から資金の提供を受けていたそうだ。これは明星大学の勝岡寛次氏(戦後教育史研究センター)の研究で明らかになっている。

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 その著書に記された死者の数は20万人。市民全てが日本軍に殺されたことになる。だが通常兵器しか持ってなかった日本軍が、どうして短期間にそれだけの数の市民を皆殺しに出来たんだろう。参考までに上げると、広島原爆で亡くなった方が14万人、長崎原爆で7万4千人、全部で106回あった東京空襲の最大時(昭和20年3月10日)の犠牲者が8万4千人、この合計でようやく29万8千人なんじゃ。

 どう考えても日本軍がそれだけの人を短期間に殺せる訳がない。それに「大虐殺」があったとされる1カ月後には、南京市の人口が何と25万人に増えている。そんな不思議なことがどうして起きるんだろうなあ。

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 恐らく実態は南京郊外での戦いも含めて日本軍が殺傷したのは2、3万人と言われているが、今となってはそれを証明するものはないんじゃ。日本社会党(当時)のカンパで作られた南京市の歴史博物館は、日本軍の蛮行を世界に訴える内容となり、その後各地に同様の博物館が続々建てられて行った。戦争の賠償代わりだった日本の巨大なODAのお陰で、中国は人工衛星や有人衛星まで打ち上げる大国となり、今や世界第2位の経済力を持つようになったんじゃが、中国国民はそのことを知らされてはいない。

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 戦争とは実に醜いものじゃ。異常事態に置かれると人は人を平気で殺す。戦後ドイツの戦犯は裁かれ、「人道に反する罪」で死刑になった。だが、日本軍戦犯は「平和に反した罪」で裁かれたのじゃよ。つまり人道に反したとされる証拠が乏しかった訳じゃ。だが、中国が抗日戦争勝利70周年を迎える来年に向けて、一層我が国を攻撃することは目に見えている。

 さて、広島の原爆の碑には確かこう書かれていたはずじゃ。「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」と。それこそ人道に反する兵器、原爆を落としたアメリカを非難せずに、自らの行動を省みる日本人とは一体何なのだろうねえ。男の目が哀しそうに光った。外はまだ強い風だ。<続く> 






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Last updated  2015.02.20 06:47:55
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