マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2018.11.13
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~不法移民の是非~



 当初は150名ほどの集団が、今では6500名ほどの大集団になった。歩きながら彼らが向かうのはメキシコとアメリカの国境。そこから何とかアメリカに潜り込み、あわよくば何らかの職と収入を得たいと言うのが彼らの希望。だがそうそう首尾よくは行かないだろう。なぜならその国には不法移民にとても厳しい大統領がいるからだ。それに国境には高い塀もあれば、不法移民を取り締まる係官も待っている。



 発端はホンジュラスから歩き始めた人たち。これにエルサルバドルやグアテマラやメキシコからの人々も加わった。ホンジュラスはとても治安が悪く、生活も苦しいようだ。自分たちの命を守り、貧困から脱出するために4千kmも先のアメリカを目指した由。これ以前にはコスタリカから約5千kmも歩いてアメリカへ到達した難民もいたと言うから驚く。



 グアテマラもホンジュラスに輪をかけた貧困の国。職の無い若者たちはギャング団に入り、その抗争で毎年大勢の若者たちが死んで行く。先日は日本人の宗教関係者が強盗に襲われて殺されたばかり。26歳の女性で、フルートやピアノに秀でた美人だった。貧困から荒む市民を宗教の力で救おうとしたのだろうが、その尊い志も通じなかったようだ。もう1人の重傷を負った女性が助かったのがせめてもの慰めか。



 この人が大統領になった時、「メキシコとの国境に壁を作る」と言ったのが忘れられない。そんなことが本当に可能なのだろうか。国境線は長く、しかも海や川、砂漠や高山まであるのだから。先日行われた中間選挙では、下院は民主党が過半数を奪還した。それを知った移動中の移民たちは大喜びをしたと言う。だが大統領はこの難民を受け入れない書類にサインし、5600人の軍隊を国境へ派遣すると言明した。



 現在アメリカ国内にいる不法移民は1100万人に上る由。彼らは米市民が嫌う、低賃金の過酷な労働の主要な担い手なのだそうだ。そこで生まれた子供はアメリカの市民権が得られるが、不法移民は見つかり次第出身国に返還されるのが現実だ。白人でアングロサクソン出身でプロテスタント。いわゆWASPが中心だった時代は過去のものとなり、アメリカの多民族化はますます進んでいるようだ。



 かつてシリア難民のヨーロッパへの脱出が問題になった。200万人もの難民が故国を捨て、危険なゴムボートでギリシャの島を目指した。そこからギリシャ本国へ渡り、自分達を受け入れてくれる国を目指して歩いたのだ。数千kmにも及ぶ、当てのない旅だった。その後、大量の難民を受け入れたドイツのメルケル首相は国民の支持を失い、他の国でも移民への風当たりは強くなった。



 翻って日本はどうだろう。ほぼ単一民族で他国と国境を接していない我が国。侵略された歴史もなく、極端な貧富の差もない。そして治安の良さは世界有数。だから難民や不法移民問題の深刻さは、到底理解出来ないように思う。アメリカへ向かう7千人近い人々の前途は、今後どうなるのだろう。





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Last updated  2018.11.13 00:00:23
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