マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2020.11.04
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~教養と実践力~



 どこかで見覚えがある名前だなあ。その名を目にした時の直感。川勝平太。さてどこだったか。ははあ。国際日本文化研究センターの教授だったか。場所は京都の西山。東山に対する京都での呼称なので正しい住所は知らないが、確か竹林の美しい丘陵地。一度仕事でそこへ行ったことがある。大阪勤務当時だから、もう25年も前。名前を憶えていたのは珍しい姓だったせい。



 その名がなぜか引っかかる。確か日本の古代史に関するはずなのだが。ネットで調べてようやく納得。秦河勝(はたのかわかつ)は大陸から帰化した人物だ。彼は古代豪族秦氏の祖。大陸の最新技術を携えてわが国へ来、京都の太秦(うずまさ)周辺に住んだ。確か養蚕、土木技術、酒の醸造をわが国に伝えたと聞く。秦、羽田など多くの「はた」氏の祖先で、川勝氏はその傍系の子孫の由。なるほどそうだったか。



 オックスフォードの大学院を出た彼は現在静岡県知事。リニア新幹線の工事に待ったをかけた馬鹿な男だ。その男がこともあろうに菅総理を「教養のない人」とツイッターで発信した。さらに「大学は単位を取っただけ」とも。それを聞いて元研究者の偏狭さを改めて知った思い。「日本学術会議問題」などがその典型。世間の常識を知らない専門馬鹿の集団に、へいこらするマスコミや野党の馬鹿さ加減。



 同会議問題は、その後急速に鎮静化した感じ。国会での所信表明に続いて開かれた両院の代表質問でも、菅総理の答弁は実にさっぱりしたものだった。気を衒(てら)うでも臆(おく)するでもなく、淡々とただ事実だけを述べた。しかしその答弁には、国民が知らなかった幾つかの事実が含まれていた。会員の構成が極めて歪んでいることや、選出と推薦方法に多くの問題点があることなどだ。



 そのことで国民の反応も変化し、マスコミもそれまでとは異なる報道をし始めた。それが理由か学術会議も態度を変えた。総理との会見後、偉そうな態度はなりを潜め、組織に持ち帰って代表団による再検討を表明する始末。自分たちが不利だと感じた証拠だ。相変わらず立憲民主党や共産党は拳を振り上げたままだが、そもそも原因を造ったのが共産党の学術会議支配だから、何をか言わんやでR(あーる)。



 確かに大学院修了者に比べれば菅総理の教養度は落ちるだろう。だがそれが一体どんな意味を持つのだろう。研究の世界ならともかく、政治の世界では世の仕組みを正す実力が肝要。詰まらぬ教養など糞食らえ。現実に日本丸の舵取りをしている船長に向かって、何と言う無礼な態度なのだろう。大学院修了の元研究者と聞いただけで震え上がる人がいるかも知らないが、叩き上げの総理には全く通じない。



 総理の所信表明に対して「理念がない」と評した野党党首が2人いた。揃いも揃って馬鹿としか言いようがない。理念を述べるのは簡単。だが中身のない理念を述べることに、一体どれだけの価値があるのか。理念も重要だが自らが目指す政治の方向を明確に示すのが、新総理の最大の勤め。いささか馬鹿正直だが、具体的に課題を上げたのは国民には分かりやすかったと思うのだがいかがなものか。



 新総理は若くから苦労を重ねた立志伝中の人物。やわな政治家の二世や三世でも、金持ちのお坊ちゃまでもない。どぶ板選挙を戦い、着実に前進して来た苦労人。百戦錬磨で実力を身に着け、ついに総理の座を射止めた。彼に上辺だけの言葉は不要。素朴でぶっきらぼうな言葉が東北生まれの彼には相応しい。これからも日本の発展のため、これまで貯えた実力を存分に振るって欲しいと願う。




      総理就任の餞(はなむけ)に以下の言葉を贈りたい。

      巧言令色鮮し仁  こうげんれいしょく すくなしじん

 口先でおべんちゃらを言ったり、表情を取り繕って人に取り入るのは、仁の心に欠けているとの意味。高校1年の漢文の授業で覚えた論語の一節。もう61年も前になる。実直な東北人に相応しいエールだと私は信じる。そして今日の話にもぴったりだとも。ぽっ<続く>





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Last updated  2020.11.04 00:00:13
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