マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2021.08.26
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カテゴリ: 歴史全般
~「ヤルタ会談」と「ヤルタ協定」そして日本と中国の戦後~



 NHK「映像の世紀プレミアム」を観て書き始めたこのシリーズ。甲子園の高校野球も、後半戦に入ったプロ野球も、そして昨日から競技が始まったパラリンピックも観ず、シリーズを書こうとしている。学校で習わなかった現代史の面白さを知ったからだし、真実に近づきたいと言う私の想いからでもある。理解を深めるためにネットで検索し、新たな知見と同時に、自らの認識を修正することも度々だった。

 皇居前で玉音放送を聞く人々  

 日本人が初めて自国の敗戦を知ったとされる、昭和20年8月15日の「玉音放送」。思い出すのがこの写真だが、これは不自然との意見があるようだ。当時、皇居に一般人が立ち入ることは許されていない。また皇居前に拡声器や放送設備はない。土下座する前方に立っている人物が不自然などがその理由。ただしこの日重要な放送があるとの通知はあった。日本は前日に「ポツダム宣言」を受諾していた。

  ミズーリ号上での調印

 1945(昭和20)年9月2日。東京湾に進入した米国艦船ミズーリ号の船上で、敗戦国日本と、連合国代表との間で、停戦に関する協定が結ばれた。日本の全権は東久迩内閣の外務大臣である重光葵(しげみつまもる)、連合国の代表はアメリカのマッカーサー元帥。ミズーリ号が停泊したのは、江戸末期に「日米和親条約」を結んだ同じ場所。アメリカはその「位置的効果」を計算済みだった。


            <日本のポツダム宣言受諾を発表するトルーマン大統領>

 ポツダムはドイツの一都市。そしてポツダム宣言とは、イギリスのチャーチル首相、アメリカのトルーマン大統領、中華民国の蒋介石主席の名において、日本に対して発せられた13か条からなる降伏要求の最終宣言。正式には「米英中三国共同宣言」と言う。ソ連は後に加わり追認した。

 ミズーリ号上での調印は日本がポツダム宣言を認めたことを意味し、即刻同日に発効した。ミズーリ号では戦勝国を代表してマッカーサー元帥が署名したが、後日日を改めて中華民国、イギリス、ソ連、オーストラリア、カナダ、フランス、オランダ、ニュージーランドの代表も署名した。


 <ヤルタ会談の参加メンバー(左)とヤルタの位置(右)=クリミア半島先端の宮殿>

 このように日本の敗戦は前もって連合国側によって綿密に準備されており、ドイツやイタリアと結んだ軍事同盟など何の役にも立たなかった。驚くことに激しい戦争のさ中に戦後処理まで協議されていた。メンバーは左からイギリスのチャーチル首相、アメリカのルーズベルト大統領、そしてソ連のスターリン書記長。この会議ではソ連の対日参戦、戦後の国際連盟設立など。知らぬは日独伊の枢軸国のみだった。

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 枢軸国のドイツ、イタリア、日本の占領地を戦後どう処理するかを協議したのが1)ヨーロッパ 2)朝鮮半島 3)日本列島をどう分割するかが上の3つの分割図で、図にはないがバルカン半島、台湾、樺太などの北方領土も関係する。もしもこの案が実施されていたら、わずかに近畿を除いた地域が全て外国領となっていたわけで、幸い実行されなかったのは、共産主義に対する不信感からだろうか。

 日本が敗戦を認めた後に、ソ連が満州や北方領土に侵入し、日本兵をシベリアや中央アジアに連行して強制的に過酷な肉体労働をさせたこと、北方領土を未だに返還しないのを非難しても、ロシアは戦勝国として当然との考えだろう。だが「朝鮮戦争」の勃発などで、その後の世界情勢が大きく変化し、日本も遅まきながら「サンフランシスコ講和条約」の締結によって国連に復帰し、再出発出来た。



 それでは中国はどうか。内戦で国民党に勝利した中国共産党は、中華人民共和国を建国し、共産主義を国是とする。一方敗れた国民党の蒋介石(右)は、日本が利権を失った台湾に入る。その台湾が戦後間もなくは国際連合の正式メンバーで、理事国でもあった。だがその後「中共」は「一つの中国」を標榜して台湾を国連から追放、資金援助したアフリカ諸国の力を借りて、安保理常任理事国の座を手に入れた。



 アメリカがアフガンから撤退すると聞いたこの国は、タリバンの指導者を北京に呼んだ。協議したのはアメリカ軍に対する攻撃作戦の伝授と、資金援助の約束。アフガンから撤退する米軍は、対中国包囲網を強化する予定でいた。だが、その計画がもろくも破綻した。今年の北戴河会議(中国共産党幹部のOB会)で批判を受けた習近平は、「黙れ。台湾と尖閣は必ず獲る」と怒鳴った由。ああ怖っ。



 ロシアの国旗は白青赤の三色。で国旗に込められた願いは、白=高貴と率直さ。青=名誉と純粋さ。赤=勇気と寛大さ。なんですって。そんな風には全然感じないけど。国家としてオリンピックに参加出来ない腹いせにサイバー攻撃を。北方領土では軍事訓練をやりたい放題。「国後島から泳いで来た」と言うロシア人が、先日北海道警察に拘束された。だが服は濡れておらず、小さなリュックを背負っていたらしい。難民だろうか。う~む。しかし、どう考えても変な国だ。<続く>





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Last updated  2021.08.26 06:52:01
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