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信用取引をしていない分散投資家でも、去年のアベノミクス景気による株価上昇を通じてパフォーマンスが2倍以上になる人が多かったですが、一方でプラス50%前後に留まる人も多く居ました。
この差は何故出てきたのでしょうか?
パフォーマンスの高い人には少し酷ですが、このパフォーマンスの差は運でも実力でもありません。『投資手法による差』です。
投資手法によってパフォーマンスが異なります。去年のパフォーマンスに大きな差が出てきたのは投資手法による差です。当たり前です。それ以外の要素、例えば『運』などは、分散投資家であればそれ程多くはありません。『運』による差を小さくするのが分散投資なのです。これは『リスク』を小さくするというのとは違います。分散投資はリスクを低下させるのではなく、個々の『銘柄固有のリスク』を相殺するリスクコントロールを可能とする手法であり、このリスクコントロールこそが分散投資家の真骨頂なのです。分散投資家はポートフォリオのリバランスを通じて常にリスクをコントロールする。当たり前のことです。
去年は景気転換期でした。
一昨年後半から続く、景気大転換期でした。
実際に何処まで景気が上昇したかは後になってみなければ分かりませんが、市場は景気転換期だと認識しており、企業の業績見込も景気転換期という形で変化し始めてきました。読者の皆様でも四季報を毎号よく読むタイプの投資家の方などは、この点大きく頷いてくれると思います。
それでは、景気転換期というのはどういう相場でしょうか。
利益を急激に変化させる企業が沢山出てきます。
そのような企業は実際にその業績変動をした時ではなく、多くの場合、業績見込が発表された時点で株価が大きく変動します。
赤字続きの企業が黒字転換見込みを発表した際などを思い浮かべてもらえると、よく分かると思います。
全部の企業の業績が大きく変化するというのではありません。
利益変動の少ない安定した企業であれば、景気の波による業績変動が小さく、株価変動も小さなものとなるでしょう。
安定したキャッシュフローを稼ぎ出せるのであれば、企業に対する評価が大きく変わることはありません。
その為、景気低迷期でも株価下落は比較的小さなものになっています。
優待銘柄はどうでしょうか。
優待そのものにより業績低迷期の株価下落に一定の歯止めがかかっていた場合、株価には優待分のプレミアムがついている状態です。
このプレミアムを考慮して、業績変動に伴う投資家評価の変動を鑑みる必要があります。
当然ですが、1株(または1単元)あたりの投資家評価の変動は優待プレミアム分だけ小さくなるでしょう。
当たり前です。
これらのことは初歩の初歩、誰でも知ってる当たり前の事です。
しかし、パフォーマンスを気にするのに、自分のパフォーマンスが何故低いか分かっていない投資家が多いように見受けられます。
パフォーマンスが低い投資家が間違っていたと捉えがちですが、決してそうではありません。
パフォーマンスが低い原因と、それが今後に及ぼす影響を鑑みる必要があります。
分散投資家はリスクコントロールをし続ける投資家です。闇雲にパフォーマンスを追いかける投資行動は愚作です。
自分が取っている投資行動を理解していない場合は、投資手法を変化させて往復ビンタを喰らってしまう可能性もあります。
今年も景気が腰折れせずにデフレ脱却の道筋が出来るというのであれば、引き続き景気転換期となります。景気転換期としての株価変動をするでしょう。
しかし、そうでなかった場合。去年とは違う株価変動になるでしょう。
ここら辺をしっかり抑えた上で、投資していく必要があります。
当たり前です。これらのことは初歩の初歩、誰でも知ってる当たり前の事です。
「むぎゅ。」の読者の皆様には釈迦に説法ですね。何も面白みのないことだと思いましたが、思うところがあり書かせて頂きました。