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(もう随分前に書いた文章で今の状況に適していない部分も多いんですが、折角書いたので投稿します)(文中の数字は現在では変化していますので、数値に着目しないで読み進めて下さい) 第一弾から第六弾の銘柄紹介を読んで頂いていない読者は、先にそちらを順に読んで下さい。(お手数おかけして申し訳ありません)過去に紹介した内容を理解されていることを前提として、今回の銘柄紹介を始めます。銘柄紹介 第一弾 7509アイエー銘柄紹介 第二弾 9866マルキョウ銘柄紹介 第三弾 6060こころネット銘柄紹介 第四弾 7865ピープル銘柄紹介 第五弾 9994やまや銘柄紹介 第六弾 7820ニホンフラッシュ銘柄紹介 第七弾 4769インフォメーションクリエーティブ※皆さんご存知の通りですが、この銘柄紹介は買いを推奨しているものではありません。 それぞれ毎回テーマがあり、そのテーマに適した銘柄を紹介しています。 今回のテーマは再生,業績回復です。紹介する銘柄は、折角なので、いちごHD(旧アセットM)としますか。この銘柄は割安銘柄ではありませんが、バリュー銘柄と言えなくもありません。高PER高PBR低自己資本比率型のバリュー銘柄は極めて珍しいですが、決して存在しない訳ではありません。ただし、バリュー銘柄の中では亜種亜流。このようなタイプの企業をバリュー銘柄と認めないバリュー投資家が殆どです。さて、本題に移りましょう。いちごHD(旧アセットM)はライブドアショック後に随分と資産圧縮されましたが、利益面では随分回復。業績ピークの2007月2月期の業績は売上:57,000百万円経常利益:17,500百万円最終利益:9,400百万円です。対して今期2015年2月期の会社業績予想は売上:42,000百万円経常利益:7,700百万円最終利益:6,055百万円来期2016年2月の四季報業績予想は売上:50,000百万円経常利益:9,500百万円最終利益:7,800百万円です。既に業績は当時に追いつきつつあります。しかも、収益力は上昇しています。(ただし、度重なる増資で時価総額は当時以上なので注意が必要です)(再生銘柄を論じるときは、過去の株価と今の株価を比較して何かを判断するのは止めましょう)それでは今のいちごHDの収益源をみてみましょう。現在は下記の比率です。不動産投資・運用:82%不動産施設管理:18%不動産投資・運用がメインです。過去アセットMからずっと変わっていません。(ただし個別案件は、以前と違いハイリスクハイリターンのようなものを避けているとの事です)今現在注目するべきは、不動産投資・運用だけではありません。不動産施設管理の方にも着目しなければなりません。安定した収益力という点では、不動産施設管理の影響が大きいのです。そして、その安定した収益力を背景に、景気の変化点に積極的な不動産投資を行えるからです。そういう意味では、本来の成長銘柄として、この企業の本当の意味での再生を担うのは、不動産施設管理事業です。前期よりクリーンエネルギー事業の収益急拡大を見込んでいます。中でも目玉なのが、2014年4月に建設計画を発表したいちご昭和村生越ECO発電所。これは超大規模メガソーラー事業です。(簡単に儲かるので昨今は多くの企業がメガソーラー事業に手を出しています)この事業の総事業費は130億円の見込み。これによる収益は、2014年2月期:40百万円2015年2月期:300百万円2016年2月期:640百万円2017年2月期:1070百万円2018年2月期:1610百万円以降2033年2月期まで:1610百万円20年間の収益合計:325億円放っておいてもチャリンチャリンとお金が落ちる仕組みを好むのがバリュー投資です。現代の日本においてはクリーンエネルギー買取価格が長期保障されていますので、この事業は正に安定して収益を上げられるシステムそのものです。このシステムに幾らお金を支払うか?という話です。いちごHDは、200億円の差益が確実な事業を保有している、不動産投資運用会社となります。時価総額は1633億円(※2015年1月24日現時点では1266億円になっています)。この事業だけではとても買える企業ではありません。しかし、この事業を通じて得る実績・ノウハウに対してどれほどの評価をするかによって、この企業全体に対する評価が大きく分かれます。企業の保有資産に対してお金を支払うのがバリュー投資ではありません。負債の返済能力を保守的に見積って、その返済能力に対してお金を支払うのがバリュー投資です。(資本に対してはインフレ率を超える収益力が求められます) 次に、バランスシートでの比較。2007年2月期のバランスシート資産:237,740百万円他人資本:155,150百万円自己資本:82,590百万円資産の中身は流動資産:219,000百万円固定資産:18,700百万円個別で見てみると現金預金:34,710百万円棚卸資産:119,100百万円営業投資有価証券:48,570百万円営業貸付金:9,280百万円有形固定資産:6,260百万円投資有価証券:9,940百万円対して、現在のバランスシートは資産:114,940百万円他人資本:64,100百万円自己資本:50,840百万円資産の中身は流動資産:85,760百万円固定資産:29,180百万円個別で見てみると現金預金:24,990百万円販売用不動産:54,080百万円営業投資有価証券:3,580百万円営業貸付金:1,100百万円有形固定資産:21,300百万円投資有価証券:4,280百万円とかなりの筋肉質になっています。その結果、現在は自己資本比率:42.2%ROE:12.4%ROA:6.7%となりました。過去の失敗があるので、収益力(収益の質)向上をかなり意識した経営になっています。安定した収益確保をしながら、増収増益をしています。この業界は、昔は数多くの企業が右肩上がりの業績を叩き出していました。しかし、不動産物件利回りの低下や評価額の減少によって利益は吹き飛び、姉歯問題をきっかけにして2007年以降に多くの特損を出し続ける事になります。たくさん居た同業他社は、殆どが倒産しました。倒産しなかった企業も、何年も大きな赤字を計上しました。資金繰りの為にMSCBなどの増資をせざるを得なくなりました。やっと得た資金は、赤字補填で消えました。結果としてバランスシートを縮小させた残存企業の利益は、特損がなくなった今でも、とても小さなものになりました。その中において、度重なる増資によりバランスシートを大きく縮小させなかったこの企業はかなり異質なのです。日本から不動産事業がなくなる訳ではありません。いつの日かデフレから脱却できたとき。その時はまた活況を浴びることでしょう。その時代を夢見て不動産銘柄に投資をするのが大局投資ですが、ファンダメンタル投資家としては違った見地から投資をしたい。バランスシートの変化、収益力の変化、それらをじっくり見ながら、事業価値を評価していく。一度地べたを這いずり回った企業の再生劇は凄いものがあります。2004年前後に投資をしていた人は、幾らでも思いつくでしょう。前回はそれが2012年に起きました。株価の急激な変化は業績のそれよりも早めに起こります。今は業績が急激に変化している時期です。業績の変動に対して評価をするのは、ファンダメンタル投資家です。株価が急上昇した後で、じっくり業績を見極めながら、ゆっくりと再生銘柄を買う。ファンダメンタル投資には、そういう投資手法もあります。
2015.01.24
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何事も、長くやろうとするならストイックでなければならない。淡々と、同じ事を延々続けられるようでなければ長期的に続かない。株式投資で日々の収支に一喜一憂しているようでは、長期的に同じ手法を続けることは出来ない。山っ気を出して投資手法を変えることもあるだろうし、悲しみの中で投資手法が変わるかもしれない。儲けた、損した、は結果でしかない。そしてこれは非常に難しいことであるが、結果が全てと言われる株式市場は、同じ手法で同じ結果を得ることは出来ない。どんな投資手法であれ、時流に乗っているときは良いパフォーマンスが得られるだろう。しかし一旦時流が変わると同じような良いパフォーマンスは得られない。パフォーマンスばかり気にして投資手法を変えてしまうと、株式市場に踊らされる。そのような投資家は、総じて「ミスターマーケット」と呼ばれる。ミスターマーケットは市場の値動きを決める大きな要素の一つではあるが、値動きを後追いするため持続した儲けを出し難い。やはり投資家たるもの、ストイックにいきたいものである。
2015.01.18
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去年に引き続き、今年もこのシリーズをやります。早速10年前の投資家を振り返ってみましょう。「やがて綺麗な蝶になるために」http://ameblo.jp/greatinvestor/よっしーさんは2006年4月から2008年までを中心にしてブログにファンダメンタル哲学を書かれていました。しかし、この間ちょうど市場が軟調(と表現するには余りにも暴力的な暴落相場)だったため、残念ながらよっしーさんはそれほど活躍されていませんでした。内容的にも、既に様々な所で書き尽くされているファンダメンタルの概念について述べられているというもので、バリュー投資家が跋扈しつくしていた後の当時ではそれほど目新しさはありませんでした。しかし、一つ一つ丁寧に説明されているこのブログの内容は、一読の価値があります。非常に分かりやすく丁寧に書かれていますので、ファンダメンタル投資の道を突き進もうとする投資家であれば読んでみて損はありません。今ではこういうタイプの投資家さん、すっかり少なくなってしまいました。よっしーさんは既に活躍している数多の先人を追いかけるように、そしていつかは追い越せるように、じっくりと基礎を丹念に学んでいました。基礎は何よりも重要です。そして、基礎力を向上させるには、何度も何度も、長い間にわたっての反復が必要です。(このことは近いうち、別の機会に書きます)残念ながらブログは2010年9月の更新を最後に、現在休止中となっています。よっしーさんは始めるタイミングさえ違えば、きっと綺麗な蝶になっていたと思います。もしかすると、昨今のパフォーマンスが良いと持ち上げられている投資家の誰よりも綺麗な蝶になっていたかもしれません。残念です。しかし、もしかするとよっしーさんはブログの更新をしていないだけで、今でも重点的にファンダメンタル哲学を学びながら投資を続けているのかもしれません。よっしーさんとまた何処かで逢える事を楽しみにしている投資家は多いと思います。僕もその中の一人です。※10年前の投資家を振り返る、という題ですが、10年に拘りはありません
2015.01.13
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バリュー投資家がすっかりいなくなってしまった。このところ成長株の株価が好調で、それに伴い成長株に投資をしている投資家のパフォーマンスが良い傾向にある。そんな市況を受けて、多くの投資家に物色されているのは高PBR(或いは高ROE)の成長株。全くもって自然な流れ。資金の流れは資本の意思。資本は自らを増殖させる意思を持って動く。この流れは経験した。いつか来た道。振り返れば自分が通ってきた道。しかし、残念なことが一つ。成長株投資家があたかも優れた投資家であるように考えられている最近の流れに同調するように、多くのバリュー投資家がバリュー投資から成長株投資に軸足を移してしまった。対して、少しずつ軸足をバリュー銘柄寄りに移してきた自分のポートフォリオは、既に半分近くが非成長銘柄に。数年前にはこのような状況になるなんて、予想だにしていなかった。だって本来は僕と貴方たちの立ち位置は逆じゃないか。「バリュー投資に騙されるな!」今では虚しく響く。成長銘柄投資に騙されるな、むしろ今では僕のスタンスはそっちの方がしっくりくる位だ。今ならガチガチのバリュー投資家側になって成長株投資家に過激な発言をするのも悪くない。僕にはバリュー投資の正当性を伝えられる知識が山ほどある。僕はバリュー投資絶対主義を批判するスタンスを採りながら、バリュー投資家と共に歩んできたんだ。しかし、バリュー投資は僕が伝えなくても未来永劫なくならないだろう。別に僕がバリュー投資家側に立って、バリュー投資の正当性を主張することもあるまい。そんな取り止めの無いことを考えながら、山のようにあるこのブログの投稿文章のストックが徐々に時流に合わなくなってくるのを座して見ています。
2015.01.08
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ここから先は僕の用いている特殊な手法について、ハッキリと伝わらないのを覚悟で乱暴に書きます。重要なことから書いている訳ではありません。流れで分かり易いようにしています。0.ガチガチにPER重視。ROE推移を最重視。逆張り分散割安株投資。常に変化率に着目する。起きうる変化の幅に対して市場の評価は?ただし市場はどんな事でも起こり得る。市場はどのような方向に変化すると八卦予想をしているのか?それが思惑通りに行くという根拠は?脆弱なら逆に張るのも一興。1.経常利益に対して最終利益が大きく落ち込んでいる銘柄を好む。特に、その影響が長期的に続く銘柄に注目する。単年度の影響での落ち込みではなく、複数年度の落ち込みを好む。このような銘柄であれば、PERが低い銘柄でなくても可とする。2.景気循環株の中の一部の業種によっては、PERが低いときよりも高いときを好む。PBR推移が中期的に上昇中であれば、低PERでも手を出すことはそれ程多くない。3.一部の業種或いは企業群では、逆張り投資をしない。状況によっては順張り投資をする。順張りを行う場合は買い上がりを好む。買い上がりした銘柄は、一度にタイミングを見計らって大量に売るという行動は余り取らない。売却する時でも大抵はちまちま売り上がる。暴落したら指標と相談。ただし順張りした銘柄については株価下落時の買い増しは滅多にしない。4.売り下がりは殆どしない。売る時は売り上がりか、叩き売り。値動きのない状況下で売却するのは、他の銘柄に乗り換える場合のみ。5.一時的な著しい業績向上は好まない。大幅な上方修正であっても、株価上昇に伴い売却する。大抵は株価が暴騰するので、一度は売り切ることが多い。その後株価が下がらなければ、買い戻すことは滅多にない。6.ROEが持続して上昇する場合。株価はしばしば暴騰する。暴騰後の株価下落時は、殆どの場合は1単元ずつ買い下がる。暴騰後に暴落するのであれば、株価と相談した上で暴落途中で買い進む。着目するのはバランスシートと損益計算書の変動。それにPERやPBRの値を鑑みて、その値段で欲しいと思うかどうか。業績に不安要素がない限り、暴落が続く間はどんどん買い進む。業績に不安要素がある場合でも、それが周知徹底されている場合はどんどん買い進む。7.優待銘柄に投資をする時は、極力権利日を持ち越さない。業績が悪化していない優待権利落ちでの大暴落気配は目を瞑って買う。ただし、気配と違う株価で寄り付く事も多いため、成行買いは余りしない。権利日前に大幅上昇している場合は買いを見送り。8.株価は常に適正価格だから、他人の意見はどうでも良い。自分の買値もどうでも良い。心底どうでも良い。9.常に全力投資。休まない。別に1週間株価を見れない状況に陥っても構わない、だけど1日だって多くのキャッシュポジションは維持できない。常にポートフォリオのリバランスを続けている。リバランスは怠らない。しかしキャッシュポジションは増やさない。相場環境によりポートフォリオの質を変化させれば良いだけで、キャッシュポジションの量を調整する必要は皆無だと信じている。というか判っている。10.証券会社に支払う売買手数料は惜しまない。手数料はポートフォリオのリバランスにかかるコストとして積極的に支払う。常にポートフォリオのリバランスは、中期投資家として売買手数料以上の価値があると信じている。11.株価の急激な変化を好む。市場の評価の急激な変化を鑑みてトレードの方向性を決める。幅広く相対評価を行う割安投資を行うためには暴落時の対応が最重要。暴落相場が続く場合に自分の投資行動にはどのようなリスクがあるか?自分の注力している個別セクターや個別銘柄の影響は?株価変動が大きい銘柄のポートフォリオに占める割合は?その銘柄は既にどれだけ値を下げているか?そして暴落している優れた銘柄を購入するための資金確保として、下落率の小さい万年割安銘柄をいつ売却するか?12.儲けている時はこっそりと、損している時は大々的に。自分が何をやって、その結果どうなっているかを常に把握する。一瞬でも把握できない状況に陥らないようにする。状況の把握に努める。自分の立ち位置は何処で、どの方向を向いているのか。しかし意識しようとすると相場に迷い込む。その為、意識してではなく、無意識下で状況を把握する。結果として、儲けている時はひっそりと、損している時は大々的になる。愛すべき読者様、僕の投資手法についての便所の落書きは楽しんで頂けましたでしょうか。今回の書き込みはとてつもなく長い時間をかけて文章を推敲しました。今回は流石に疲れました。少なからず達成感もありますので、ここで一段落の区切りを入れ、暫く休みます。アクセス数が少なくなった頃にまた再開します。それでは、皆さんごきげんよう。また逢う日まで。それではまた。MEANINGでした(^^)。
2014.09.20
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たとえ類似企業の好調な業績動向から業績を類推して株式を購入する場合でも、単にそれは思惑買いでしかありません。同業他社の業績を調べても、それが直接パフォーマンスの向上に繋がるというのは期待できません。中期投資家にとって、分かっていることは重要視するべきではないと考えています。そして僕は根っからの中期投資家です。自分が分かっていることは皆が分かっていること。重要視するべき事ではない。重要視するべきではない事しか材料にならないので、仕方なくファンダメンタル分析をする材料として使っているだけです。(ここの部分は言葉通り受け取って下さい)イメージする。自分がトレードするときは、そのトレードを極めて客観的にイメージします。ですがイメージしたことでそのとき行おうとしていたトレードに影響を与える事はありません。好きな時に好きな株を買っているだけです。今まさに好きな時に好きな株を買おうとしている自分のトレードの内容を認識します。冷徹に自分のトレードを眺め観る自分の存在。この存在は無意識下でその後の売買に影響を与えていると思います。その影響が結果として自分のパフォーマンスにプラスの影響を与えているのかマイナスの影響を与えているのかは分かりません。しかしこれだけはハッキリと言えます。冷徹に自分のトレードを眺め観る自分の存在により、他人の売買に惑わされる事がなくなります。そこに至るプロセスは割愛しますが、トレードを開始するときに投資家が考えるであろう思考プロセスを明確化し、その結論に至る過程を自分で導き出せるようになります。これは断言できます。次第に自分の取引もまるで他人の取引のように内面的な感情が入り込む余地がなくなります。次第に感情的な売買が少なくなります。そして、最終的に感情的な売買は意識して行おうとしない限り完全になくなります。そのような状態になることをゾーン(或いはゾーンに入った状態)と呼ぶ人も居ます。僕は他人の分析結果や考えに影響されることはまずありません。根拠は売買履歴です。僕は売買履歴を全て記録しています。ポートフォリオは毎週データ整理し、紙媒体に印刷しています。暇つぶしに時々見返したりしていますので本当に良く分かります。自分の取引手法はずっと変わっていません。今回初めて自分の取引手法について詳細に色々な角度から書いてみましたが、書いてみて改めてよく分かりました。やはり僕の投資手法は骨格から細部に至るまでずっと変わっていません。新興バブルで資産を大きく増やしながら、ライブドアショックやサブプライムショックや東北大震災後の大暴落を経験しながら、信用取引の度重なる追証に追われながら、金融資産以外を含めた全資産合計がマイナスになるような致命傷を経験しながら、そして先日過去最高評価額を更新するまで、何も変わっていません。10年以上同じスタンスでやってきました。僕の立ち位置はずっと同じところです。もう僕の投資手法はこのまま死ぬまで変わらないでしょう。自分では平凡が服を着て歩いているような投資家だと思っています。当たり前のことを当たり前に述べているだけのブログですが、少しでも読者の皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。これからも宜しくお願いします。---株式投資は子育てのようなものだと思っています。時には庭師が木を育てるように、隠居老人が盆栽を育てるように、じっくりと。ゆっくりと。余談になりますが、銘柄も平面で表せると、とても便利になるんじゃないかなと思います。例えばROEとPBRのように相反する2つのパラメータに、PER(市場の評価)のように2つのパラメータ両方と相反する傾向のあるパラメータを加えてみる大三角形。実害も多く、総合的に考えると余り有用ではありませんが。安易なレッテル貼りは役に立ちませんし、無意識のうちにイメージが頭の中に刻まれてしまうので注意しなければなりません。この余談の話はとても面白いのですが、今回はあまりに長くなってしまいました。機会があれば別の機会に書くとして、今回はこれで筆をおきます。次回はおまけとして、今まで書いた長文を要点だけ抜粋して箇条書きにします。ただ、最初に書きましたが読者の皆様に誤解を与えかねない文章となっております。次回のおまけはあまり真剣に読まなくて良いです。今回のシリーズはこの投稿で終わり。今回のシリーズに僕の投資手法の全てを書きました。最初にも書きましたが、僕は自分の投資手法の詳細を公開するのは好きではないタイプの投資家です。そのうち気が向かなくなったら消します。その1からその9まで、皆さん本当に長い間お疲れ様でした。
2014.09.13
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従来の日本の会計方式では、利益を決めるのは売上と経費です。売上と、売上から経費を引いた数値の割合が、売上利益率です。売上利益率の高い企業は付加価値の高い企業という評価を受け、市場から評価されます。利益率が高いと赤字になり難く、不況時でも強いと一般の投資家に思われます。僕の手法は業績についての変化を重要視するものです。その為、利益率の高さそのものではなく、利益率の変化をとても重視します。利益率の変化は複数年の経費の中身を確認ことなくしては分かりません。(もしこれに異を唱える人が居るなら是非その分析方法を教えてもらいたいです)僕は経費がどれだけかかっているか、経費の内訳は何か、それは今までどのような変動をしているか、を確認します。そして、その変動によって、今後の売上と経費がどのような変動を辿るかを推測します。推測については精度を上げても意味がないと考えています。業績は外部要因によっても大きく変動します。財務諸表に記載されている一部の内部要因だけで決まるものではありません。またバランスシートには無形資産は記載されません。損益計算書で無形資産を評価するのは限界があります。損益計算書に現れるのは、その時の外部要因の影響を受けた結果だけです。外部要因が変化したときの影響がどの程度なのかは分かりません。素晴らしい財務諸表の企業が今後も同じように素晴らしい業績を計上し続けられるかは分からないのです。(もちろんバフェットさんにも分かりません)重要なのは、今後どのような方向に変化すると自分が考えるのか、そしてその可能性はどの程度高いと自分は考えているのか、です。僕は先に述べたように、将来の業績を推測する為の材料として四季報業績の外し方を活用します。(その投資にはどの程度のリスクが隠されているのか?)特定の企業の複数年に亘る損益計算書を羅列してみると、経費がどれだけかかっているか、そしてどのような変化をしているかが分かります。これは誰にでも分かります。ここで重要なのは、「誰にでも分かる」ということです。全く頭の良し悪しは関係ありません。理解力も必要ありません。実際に起こった変化が事実としてそこに出ます。10人居たら10人が分かる筈です。そこに解釈により違いが生じる余地はありません。事実を捻じ曲げるような想像力はない方が良いです。大事なことなのでもう一度言いますが、ファンダメンタル分析に頭の良さは全く必要ありません。僕はインターネット上で多くのファンダメンタル分析家の分析手法を見てきました。僕より多くの分析手法を見た人はほとんど居ないと思います。居たら変態です。その僕が断言します。ファンダメンタル分析に頭の良さは全く必要ありません。義務教育を修学した人が理解できないような内容であるなら、それは分析方法の方が間違っていると断言できます。理解できない人が居た場合、それは理解できない人の頭が悪いのではなく、教え方が悪いのです。優れたファンダメンタル投資家でも、その人の頭が良い訳ではありません。(頭が良いような印象を受けた場合、その投資家が「頭が良いように視られたい」という気持ちがあり、わざと頭がよく視られるような表現を使っている可能性が高いです)さて、ハードルを上げた所で、僕の分析手法の続きに戻ります。僕は一気にまとめて経費を差し引くのではなく、順を追って掘り下げていく分析手法を取ります。売上が最初。そこから様々な費用が経費として引かれます。人件費だったり、設備投資の減価償却費だったり、借金の利息だったりします。経費は少なければ良いというものではないと僕は考えています。売上に対して人件費の割合は企業によって大きく異なりますが、それが良いとか悪いとか言う話ではなく、今までに対してどうなったかの変動が重要だという考えです。設備投資も、土地購入や在庫増加も、支払利息も同様。単体で論じるべきではなく推移をみるべきだと考えています。未来は誰にも分かりませんので、確認するのは過去の推移になります。僕は損益計算書から個々の経費の推移をみて、会社の方向性がどのようになっているかを推測し、未来を推し量る。未来を知るのはこの方法しかないと僕は思っています。経費が増加している場合、僕はその経費を使う事によって今後どのような影響を及ぼすかを推測します。例えば、設備投資であれば生産性向上に繋がるだろう、社員増による人件費増加であれば事業拡大の布石となるかもしれない、特損であれば一時的なものか持続するものかの調査が必要、といった感じです。これらは推測に過ぎません。あくまで八卦予想です。八卦予想はよく外れることを認識しなければなりません。よく勘違いされますが、この業績予想の精度を高める事がファンダメンタル投資家の目的ではありません。分からないことは分からないで良いのです。分かっていないことを分かったような気になるのが問題なのです。先にも述べましたが、長い時間をかけて分析すると、徐々に自分が分かっていないことも分かっていると思い込んでしまいます。これでは駄目です。駄目駄目です。閑話休題。広告宣伝費の増加については、僕はネガティブに受け取ります。増加した広告宣伝によりブランド力が向上し、恐らくは売上増加に繋がるでしょう。しかし、広告宣伝によるブランド力向上はそれ自体の維持が難しく、広告宣伝費の増加は一時的なものに終わらず、長期的に利益を押し下げる要因になりうるからです。成長力鈍化に繋がる場合が非常に多いです。多くの場合、業種に関わらず、広告宣伝費は一時的な増加に終わらないことが多いです。これは僕の経験則です。会社の方針によって計上する経費は大きく変わります。経費を視る上で、会社の方針は重要です。会社の進もうとする方向がどのようなものであるかは、色々なもので推測するしかありません。発表済みの財務諸表であったり、社長インタビューであったり、中期計画であったり、市況であったり、国策であったりします。僕は財務諸表の他に、社長インタビューや中期計画で会社の進もうとする方向性を知ろうとします。会社のHPにあるIRの他にも、株式投資サイトで調べます。基本的にはインターネットのみで調べますが、投資した後は自宅に送られてくる決算報告書のコメントを確認します。送られてくる決算報告書はかなりの量になりますが、全て一通り目を通します。気になる決算報告書は捨てず、保存しています。しかし、結局のところそれらは全て分かっていることです。発表済みの分かっている材料を幾ら知っても、それらは株価に織り込まれています。織り込まれている材料の先が重要なのだと僕は考えています。重要であると考えていますので、僕のトレードの判断に大きな影響を及ぼします。織り込まれていない材料については、・財務諸表・決算報告書の文章・決算説明会や社長インタビューのニュアンス・インターネット上にあふれる雑多な記事や掲示板の書き込みなどのゴシップ情報から判断します。ここで羅列したものは、下に行くほど正確さに欠けます。しかし全て株価に織り込まれている可能性が高いと僕は感じています。またそうであるなら事実と違っていた時にサプライズとして株価変動に繋がる可能性が高いと考えています。僕が非常に注意していることは、織り込まれているのかいないのか、事実が違った場合にどちらの方向にどれだけ株価が動くのか、です。事実かどうかの八卦予想はその次です。これだけしつこく書けば分かって頂けたと思いますので、次にいきます。もう少しだけ続けます。
2014.09.05
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今回は余談という事で、僕のファンダメンタル分析の手法について書きます。といってもいつものように数値は出しません。理由は、ここの読者の皆様ならご存知の通りです。皮算用に意味がないからです。投資手法について詳細を書き始めると、どうしてもかなり長くなります。今までの比ではありません。なので要点だけに留めます。ですが、要点だけでもかなり長くなってしまいました。それでは巻いていきましょう。 僕はバランスシートの『変動』を重視します。過去のバランスシートの変動から、未来のバランスシートの変動を予測する。変動を予測する場合は業績が、つまりは損益計算書が重要になります。入口は大切なのでもう一度。『バランスシートの変動』を予測する為、『損益計算書の変動』をかなり重視します。財務諸表は、主に『バランスシート』、『損益計算書』、『キャッシュフロー計算書』から成ります。これらを重視しないファンダメンタル投資家は殆どいません。ファンダメンタル投資家であれば、これらの財務諸表を穴が開くほど見尽くすのです。バリュー投資であっても、非バリュー投資であっても、財務諸表は確り視なければなりません。ちなみに、僕の場合キャッシュフロー計算書は殆ど重視することはありません。ファンダメンタル投資家の中であって、僕は最もキャッシュフローを重要視しない投資家に分類されると思います。その僕ですら、キャッシュフロー計算書は確り視ています。ここだけの話ですよ。僕の場合は、よく分からない企業の分析では基本的に損益計算書は過去5年分を確認します。現在に近い年度の変化をより重視します。5年前以前にその企業で業績の大転換期がある場合は、その年の前後の損益計算書を視ることもあります。大転換期の損益計算書の内容の変化は視ておいて損はありません。決して損はありません。大事なことなのであと2回言います。決して損はありません。決して得もありません。直近だとリーマンショックの業績悪化期やアベノミクスでの業績回復期、もう少し前だと2003年~2004年の業績回復期やライブドアショックの業績悪化期。これらの時期に大きく業績を変動させている企業はとても多いです。その業績変動の内容を僕は重視します。具体的にどこを重視するか?売上の変動と、それに伴う収益率の変動、この2つの変動です。収益は額ではなく率で考えます。(基本的に僕は何事も率で考える傾向があります)未来はどのようにもなるので、この変動が今後も起こる可能性もあるからです。(当時と今とで状況が変わっているなら、何が変わっていて、その結果どうなるのか。或いはどうなると投資家に思われているのか) 業績の大転換期に関する分析で僕が最も重視するのは、『業績の大転換期以前の四季報業績見込み』です。業績の大転換期より前の四季報業績見込みは過去の四季報で調べます。僕は四季報は滅多に買いませんが、過去に購入した四季報は死ぬまで捨てずに資料として取っておきます。過去の四季報は何度も何度も読み返します。僕は過去の四季報を、四季報業績見込みがどのようであったか、を確認する為にとても活用しています。過去四季報がどのように業績見込みを外しているか、それは何故なのか、を注視します。とても重視します。先にも述べましたが、四季報を重視する投資家が山ほどいるので、四季報がどのように業績見込みを外すかは中期投資家にとってとても重要なことだからです。これを調べないで利益の大転換を経験した企業の株を購入することは、僕の場合は余りありません。 自己資本比率は殆ど気にしません。自己資本の比率ではなく、自己資本の効率を重視します。自己資本比率を上げるのであれば、何故上げるのかの理由を極めて重要視します。自己資本比率を上げる場合、極めて多くの企業が資本効率を下げているからです。先にも書いた通り、自己資本比率の上昇を目的とした経営には反対の立場です。自己資本比率を上昇することが効率的な経営に繋がる場合にのみ、賛成します。その為、自己資本比率の数値単体は気にしませんが、自己資本比率の推移は注視します。とても注目します。会社の目指そうとする方向性が垣間見えるからです。僕は、自己資本比率を低下しながら設備投資をしている企業を好みます。さらにその企業が、売上利益率を下げないで売上高を上げているのであれば、投資先として検討する価値は十分あると考えています。 結果的に、ROEの推移を重視する事になります。ROEは単年度の数値には意味がなく、複数年の推移に意味があると思っています。もし長期的にROEが上昇するのであれば、株主資本比率が長期的に減少するようなバランスシートの変動であろうが問題視しません。逆にROEが低下するのであれば、バランスシートが筋肉質になっても問題視します。長期的なROE推移を予測するのは大変困難です。僕は、常に損益計算書の変動を予測しながらバランスシートの変動を注視しなければ長期的なROE推移を予測しようとするのは不可能だと思っています。損益計算書の変動によりバランスシートがどのように変動するか、それを元にしてROEを皮算用します。大抵少なからず外れますが、自分なりに大きな流れを掴む事はできます。ROEが持続して上昇するか、それとも持続して下落するか、どちらだと自分が考えているかが分かります。どちらかによって戦略が変わります。ROEが持続して上昇するような銘柄であれば、株価下落は気にしません。「買い」あるのみです。あとは株価と相談です。そこでPERやPBRを参考にします。この場合、PERやPBRで株価にROEの上昇による利益の増加が何処まで織り込まれているかを判断します。僕は特にPERを重視します。PERの算出元パラメータの一つである利益が重要となる為、売上と売上利益率の変動を皮算用します。過去どのような時に売上利益率が変動しているかも重要になります。また、過去の業績転換期において四季報が業績見込みを外したのは何故なのか、それは今後起きる可能性が高いのか起きない可能性が高いのか、も重要です。(ここでは難しいことは何も言っていません。非常に単純明快な事ばかりです) 逆にROEが持続して下落する企業であれば、市場の評価との自分の妥当だと思う株価との乖離がより重要になります。市場の評価の推移はチャートになって現れています。過去のPERやPBRの変動と株価の変動を鑑みて、投資妙味があれば買います。ただし、このような銘柄については株価上昇期においてPERやPBRは余り役に立たないという認識です。むしろ、株価下落期での株価下落を食い止める為に、PERやPBRを参考にします。PERやPBRで現れている市場の評価と、それが今後どのような変動をするのかを見積った自分の算段、この乖離がどれだけあるのかを常に意識したトレードとなります。(こちらについては難しいことを言っています。文章で読んで分かったつもりになっても、実践してみると難しい。バリュー投資ではこれを簡単な投資と考えています) 分かっている事(発表済の材料)を過小評価します。分かっていない事(将来発表されるであろう材料)を過大評価します。誤解を招きかねない表現で敢えて言うと、分かっていることを基にして、分かっていない事を推測します。(※この箇所は言葉通り受け取らないようにお願いします)分析に費やす時間が増えるほど、投資家は分かっている事を過大評価する傾向にあります。これらの傾向はバリュー投資家に顕著に現れています。バリュー投資では市場価格は常に大きく間違っており、正しく株式の価値を判断するのは自分という考えだからです。僕は、分析に多くの時間を費やすのは分析によって知った内容を過大評価する事につながり、リスクを不必要に負う事に繋がりかねないので否定的です。結果に繋がらない努力と心の底から分かった上で、好きだからファンダメンタル分析をする、というのであれば問題ありません。本来そうあるべきだと思っています。儲かるからファンダメンタル分析をやるというのでは、ファンダメンタル分析は長続きしません。結果に繋がらない時期が誰にも長く続くからです。好きだから分析する、儲かるかどうかは関係ない、というのでなければ、分析する時間を長くしても良いパフォーマンスは得られないと考えています。僕は、分析の精度を上げる事がパフォーマンス向上に繋がる、というバリュー投資家とは違う考えを持っています。 まだ少し続けます。
2014.08.26
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前回の続きです。今回は、四季報の業績予想が僕のトレードに与える影響についてから始めます。僕は四季報の業績予想を全く信じていません。最初から外れるものだと決め付けています。しかしトレードを始める際は、四季報の業績予想を必ず確認します。四季報の業績予想がどのように外れるのか、を重要視しているからです。外れてばかりの四季報予想ですが、この予想を重要視している投資家はいつの時代も多いです。むしろ、四季報の業績予想がどこの分析サイトでも無料で記載されている今、四季報予想を重視する投資家の割合は昔よりも多くなってきているでしょう。会社の公表している資料以外の材料で分析しようとすると、イヤでも四季報の業績予想が目に入ります。余程意識して避けなければ、分析しているうちに四季報の業績予想をトレードの判断材料に含めてしまいます。その為、どうしても四季報の業績予想が株価に材料として織り込まれることが多くなります。深いファンダメンタル分析を是とする投資家でさえ、分析するかどうかを四季報情報でふるいにかけている人も多いです。そのようになると、当然、四季報業績予想に対しての会社業績発表のサプライズが株価に大きく影響する事になります。新しい四季報が発売されたとき、その業績予想が前号に対して大きく変動した場合でさえ、株価は大きく変動します。その間、会社業績予想に変動がなかった場合でさえ、です。これらを考慮すると、四季報の業績予想を参考にして投資をするのは理に適っていません。四季報の業績予想を追いかけて長期的に優れたパフォーマンスを得ることは至難の業でしょう。何故なら、景気転換点において四季報業績予想は大きく外れるからです。以上を鑑みて、僕は四季報業績予想そのものよりも、その外れ方にサプライズがどのくらいあるのかをとことん重要視します。四季報に限らず、株価に影響を与えている予想ならその外し方を重視します。株価に織り込まれていると思われるような悪材料は気にしません。(気になりません)しかし、株価に織り込まれていると思われるような好材料は気にします。(気になります)逆の人はかなり居ると思いますが、僕はこのスタンスです。材料織り込み済みで株価が反転する可能性は、相場環境によっては決して低くないと考えています。増収増益間違いなし、会社予想を上回る業績が確実視されている銘柄でも、株価が上がれば売り上がります。想定通りの好調な業績であったとしても、株価が上がるかどうかは分かりません。逆も然りです。上昇相場や下落相場が反転する可能性を常に考えて行動する、というのが僕の考えです。今現在がどのような相場環境かは、他の銘柄の値動きを参考にします。ただし、それは無意識のうちに参考にするのであって、意識して参考にする事は余りありません。意識して参考にしているようでは、相場の中に迷い込むと考えています。その為、意識することなしに参考にするという位が丁度良いと考えています。これは、言い換えればアンテナを張るという事だと考えています。割安投資家はこのアンテナで勝負している。僕はそう思います。アンテナを張っている人がセンスのある人といわれることがありますが、なんてことはない、ただ株価の値動きに敏感な人というだけです。僕は割安株投資家なので、常にアンテナを張っています。割安株投資家であればアンテナは張り巡らしていて当たり前です。アンテナは感度が命です。日々相場と向き合う必要があります。これが、前回述べた日々の値動きのフォローに繋がります。多くのバリュー投資家は値動きを追いかける事に対して批判的ですが、結局は値動きをフォローすると一喜一憂して疲れるからそのような考えになるのだと推測します。一喜一憂する必要などないのです。淡々とやれば宜しい。ということで、僕は毎日淡々とやっています。僕は株価は常に適正価格だと思っていますので、株価に一喜一憂する事はありません。株価をフォローしても疲れません。売った株が値上がりしても気にしませんし、買った株が値下がりしても気にしません。多くの投資家は株価推移を気にしすぎると思います。株価の値動きは、『ただそういう事実があるだけ』です。それ以上でもそれ以下でもありません。儲け損なったとか、要らぬ損失を拡大したとか、そういうものではないと僕は考えています。 儲かった投資家が優れた投資家なのでしょうか?儲かった投資家の用いている投資手法が優れているのでしょうか?僕はどちらも違うと考えています。優れた投資家が儲かるかどうかは分からない。優れた投資手法が儲かるかどうかは分からない。僕はそう考えています。 儲かるかどうかは時流に乗っているかどうかで決まると考えています。儲かる為には、うまく時流に乗る事が出来るように相場の流れを判断する方が近道だ、という考えです。相場の流れを判断する為に、マクロ経済を注視し、多くの銘柄について株価推移をフォローするべきだという考えです。これはファンダメンタルを重視しないという事ではありません。ファンダメンタルは基礎なので、しっかり重視しなければなりません。(もうちょっと言うと、重視するべき基礎ではないようなファンダメンタルはファンダメンタルではありません)アンテナを張ることで、意識せずとも無意識下でトレードに影響を与える事になり、結果的に時流に上手く乗ることが出来る可能性が高まる、という考えです。(バリュー投資家と僕とではここの考え方も根本的に違います) このような考えを持って投資をしている為、僕は上昇相場では他の分散投資家よりもパフォーマンスが良く、下落相場では他の分散投資家よりもパフォーマンスが悪いです。投資を始めてからずっとです。これは、上に述べた時流に乗ろうとする事以外にも、下記の投資手法であることが大きく影響していると思います。・常に全力投資でありキャッシュポジションは殆どない・ROEの推移を重視する・変化率を重視する・ポートフォリオの中で資金を循環させ続けている・買い下がりを是とする逆張り投資・相対的な割安株投資・業績よりもサプライズを重視するこれらについては、既に今まで僕の投資手法という形で書きました。愛すべき読者の皆様、分かって頂けたでしょうか。 繰り返しになりますが、僕はブレイクダウン型の分析を主としています。ファンダメンタル分析にはブレイクダウン型とボトムアップ型があります。全体像から個別セグメントに、個別セグメントからの各々のファクターに分け、さらにそのファクターをより細部へ切り分ける。そのような分析をするのがブレイクダウン型。これに対してボトムアップ型は逆に、個別の要因が全体像に与える影響を推し量り、大きな影響を持つファクターを重視するという手法です。乱暴に言うと、月次を重視する投資家はボトムアップ型になります。毎月の売上から、1年の業績を推し量る。僕は月次は殆ど気にならないのですが、(かなり乱暴な言い方ではあるものの)そういう意味でもブレイクダウン型になるのだろうと思います。積み上げていくのではなく、掘り下げていく事に興味を持ちます。スコップで、ゆっくりゆっくり掘り下げる事に興味があります。合わせる足し算ではなく分ける引き算を主とする分析方法に興味がある、と言った方が分かり易いでしょうか。驚いた事に、売上から経費を引くと利益になるのです。今後利益が増えるかどうかは、利益と株価を見ていても分からないのです。もし今後利益が増えるかどうかを知りたいのであれば、そんなものはどうでも良いのです。売上から分析に入るというのが僕の手法です。経費の推移をみれば、今後の利益を推し量ることが少しはできるというものです。利益が少なくても売上の大きな企業であれば、持続した売上利益率の上昇が株価の急上昇に繋がる可能性があります。それではどのように今後の業績を推し量るか?それは業種によっても変わりますし、物の売り方によっても変わります。言い換えれば、売上の上げ方によって変わります。最も重要なのは分析の仕方ではありません。考え方です。僕は分析の精度を上げても仕方ないと考えています。ファンダメンタル分析を主とする投資家は小手先の技術を有難がりますが、重要なのはそこではないと僕は考えています。 といっても仕方ありません。恐らくは多くの読者の皆様が興味があるのは、その重要なところではない部分だと思います。ここからは余談という形で、僕の分析の仕方を少し書きます。 もう少し続けます。
2014.08.18
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前回の続きです。僕は頑固な割安株投資家です。それはもう頑固です。バリュー投資と割安株投資を分けて考えています。この2つを別物だと考えている変人は世界中で僕だけだと思いますが、僕にとってはこの2つは投資哲学から分析手法に至るまで、全く似て非なるものです。というより似てもいないと考えています。絶対評価のバリュー投資に対して、割安株投資は相対評価。狭く深く分析するバリュー投資に対して、割安株投資は広く浅く分析する。 バリュー投資であれば1銘柄のみに延々と時間を掛けて分析することが可能ですが、割安投資家はそうはいきません。バリュー投資であれば市場が大きく動く事がなければ何ヶ月も分析しなくてもへっちゃらですが、割安株投資はそうはいきません。バリュー投資であれば購入した後は殆どやる事はありませんが、割安株投資はそうはいきません。バリュー投資であれば気が向いたときに分析をすれば良いですが、割安株投資はそうはいきません。継続した地道な努力を要するのは、バリュー投資ではなく割安株投資だと思っています。(株式投資に必要な分析をする行動を『努力』と表現するのはかなり違和感がありますが)バリュー投資家でも割安株投資家でも、基本は分析・分析・分析の繰り返しです。好きこそ物の上手なれ。やはり分析が好きでなければファンダメンタル株投資家を続けられません。 割安株投資のやり方は人それぞれですが、僕は株価変動率をかなり注視します。前日比の株価変動率は過去に取引を行った銘柄を中心に、毎日数百銘柄見ています。これはどんなに忙しい日でも欠かしません。気になった銘柄はチャートも見ます。これを毎日繰り返すことで、フォローしている銘柄は中期的な値動きが大体分かります。少しでも多くの銘柄について「大体の過去の値動きが分かる」というのは、業績変動を注視する上でとても重要なことだと考えています。テクニカル指標は全て無視します。僕は逆張り投資家ですが、RSIには興味はありません。保有銘柄については先週比変動率を毎週確認します。日経平均とJASDAQの変動率も注視します。どのような理由で変動率に差が出来たのかを推測し、その理由と自分の考えとの差で投資妙味のある場合はトレードを行います。分かり易い材料が発表された場合、その材料により株価が行き過ぎる事があります。この行き過ぎの株価の是正を期待して売買するのはバリュー投資と割安株投資でもっとも異なる部分でしょう。 僕はポートフォリオ内で自分が妥当と判断する位置より上昇率が大きかった(或いは下落率が小さかった)銘柄を売却して、その逆の銘柄を買います。先にも書きましたが、ポートフォリオ内で高い所から低い所へ資金が循環しているイメージです。この高い所というのは、単に株価が上昇したという事ではなく、自分にとって相対的に妥当だと思う株価位置より高いという意味合いです。その為、株価が上昇していなくても、高い所に成り得ます。株価が下落していても高い所に成り得ます。ちまちま売買を繰り返します。ここの度合いはバリュー投資家とは相容れないと思います。 株価は常に適正価格なので、勿論自分の妥当だと思う株価位置の方が間違っている訳ですが、株価は短期中期長期全ての投資家の考える適正価格なので、僕の考える妥当な価格とは違います。第一に、僕は中期投資家ですし、第二に、僕は割安株投資家です。そして第三に、僕は株価上昇を第一目標にして株を購入しているのではありません。そしてなにより、正しいのは僕の判断ではなく株価の方です。株価の方が正しいという認識をもって、トレードを開始します。この認識が僕の投資に長期的に良い影響を及ぼしていることを、僕は確信しています。ともあれ、僕が株式投資において注視するのは、前日比の株価変動率と週間株価変動率、そして個々の銘柄を自分の判断した価値、その2つを比較した相対評価です。株価はどうでも良いです。ただ、結果として逆張り投資になります。何も材料が発表されていないのであれば、相対的な逆張り投資が主となります。相対的な逆張り投資、これが僕の投資手法の基本のき、です。 ポートフォリオ内で逆張りを中心としている僕の投資手法では特定の銘柄に資金が偏ってしまうのではないか、という考えもあろうかと思います。しかし実際のところはそうなることは全くありません。僕の場合はある程度買ってしまうと、それ以上欲しいと思うことがなくなるのであまり資金の偏りはできません。利殖を目的としていないから、資金の偏りがなくなるのではないかと自分では考えています。また、多くの割安銘柄を保有するには、特定の銘柄に資金を流し込み過ぎないようにする必要があります。それでももっともっと買いたくなるようなとんでもない割安銘柄があったとしても、それは自分の知らない何かがあるはずだと考えてしまいます。何しろ、株価は常に僕の考えよりも正しい価格になっているのですから。そのような自分が認識できていない、よく分からないような危険の隠されているかもしれないような銘柄に、多くの資金を注ぎ込むような必要はありません。相対評価をする限り市場から割安銘柄がなくなる心配はないのですから、バリュー投資のようにタイミングを計って投資する必要がないからです。多くの銘柄を保有していますが、非優待株を中心に投資しています。優待銘柄への投資は煩わしいので、僕は全く好きになれません。優待権利落ちを嫌う僕にとって、優待銘柄はのんびりした投資が出来ない。優待は配当と違い、保有株数に応じて分配される権利がある訳ではありません。多くの場合、優待銘柄への単元株以上の買い増しは権利落ちの株価下落リスクを伴います。それを意識した投資をせざるを得ない為、優待銘柄への投資は優待権利日を頭に入れながらトレードをする必要があります。権利日前に株価がどうなるかは問題ではありません。どのような値動きであれ、権利落ちを避けたいのであれば、権利日前に売る必要があります。優待株投資は僕のようなのんびりした投資家にとって、極めて不利な条件が付きまといます。好きな時に好きなだけ株を買うという投資手法を持った投資家にとって、優待銘柄への投資は行うべきではないと考えています。僕は投資しても良いと思える銘柄であっても、優待銘柄への投資は避ける傾向にあります。小型内需株を中心にして70銘柄前後保有している今であっても、優待銘柄は3割ありません。優待権利落ちの大きい銘柄は殆ど保有していません。保有していても、余程の事がない限り1単位までに抑えています。優待銘柄は、その優待(とそれを欲しがる投資家)によって、株価下落リスクが小さくなります。業績悪化に伴い株価下落する場合でも、実態よりも株価下落率が小さく抑えられている事が多いです。その下落するべき株価まで下落しなかった優待銘柄に、一体どんな魅力があるのでしょうか?万年割安銘柄への投資はタイミングを計る必要はありません。いつでも同じように割安だからです。しかし優待銘柄への投資はタイミングを計る必要があります。優待権利日前後で割安度が大きく変わるからです。優待銘柄への投資はタイミングが重要です。自分の投資手法の幅を狭める必要があります。タイミングを計らずにポートフォリオ内で資金を循環させる手法には向いていません。僕にとって優待銘柄は極めて不向きな銘柄です。その為、たとえ魅力のある銘柄であっても、優待銘柄であればできるだけ投資を避けます。それでも投資をしたい銘柄であれば購入しますが、買い増しは極力避けます。買い増しをしても、早めに売却しようと意識します。とても自分の好きなようなトレードが出来ません。僕にとって優待銘柄はリスクが大きいのです。僕が優待銘柄への投資をする場合、権利落ちに買う場合が極めて多いです。権利落ちで馬鹿みたいに暴落する銘柄があるからです。なにより、権利落ちであれば次の優待権利落ちまで猶予があります。その猶予期間に売れば良いのです。(しかし、僕の場合はその猶予期間を過ぎてしまうことが多々あります。僕はのんびりしています。いつまでに売らないといけない、と意識をしなければいけない銘柄は、非常に煩わしい) 業績発表も同じです。業績発表のタイミングを意識して投資をするというのは、僕には煩わしいです。業績発表はとても重要なことです。(僕もトレードを行うときは例外なく必ず確認します)しかし、結果として業績発表のタイミングを意識してトレードを行わないことで、僕は良いパフォーマンスを得られていると強く感じています。四半期決算発表で株価が大きく動くときがありますが、そのような時は往々にして既に株価に期待が織り込まれている場合です。僕は四半期決算に期待を織り込みませんので、高くなったら売りますし、安くなったら買います。最近は上方修正しそうな銘柄の株価は堅調です。逆に下方修正しそうな株価は軟調です。インターネットで誰でも短時間に四半期決算で業績進捗具合が分かるからでしょう。そのような投資をしている人が多いからこそ、四半期決算で織り込まれた期待に沿わなかった時、株価は大きく動きます。サプライズに対する株価変動が大きい傾向にあります。多くの銘柄を浅く広く分析している僕にはよく分かります。 ただ、市場は必ずしもそのような傾向にある銘柄ばかりではありません。四半期決算の業績が好調なのに、株価が伸び悩んでいる銘柄もあります。そのような銘柄への投資を僕はとても好みます。第一に、その後の業績が悪くても株価が大きく下落するリスクが比較的に少ないですし、第二に、そのような銘柄が上方修正した場合に株価は素直に上昇に転じる事が多いです。そして第三に、その上昇は短期的なものに終わらず持続したものになる傾向があるからです。そのような銘柄の中ではROEが持続して上昇する銘柄があります。先に書きましたが、ROEを持続して上昇させるような銘柄への投資を僕は好んでいます。仮に、今期の業績が悪くても、来期以降の業績が明るければ、魅力を感じます。 ここで言う来期以降の業績とは、四季報の業績予想ではありません。 次回は四季報の業績予想が僕のトレードに与える影響についてから書きます。 まだまだ続きます。
2014.08.12
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前回の続きです。PERやPBRや自己資本比率で銘柄選択に縛りを設けている投資家が多いですが、僕はそのような縛りを行いません。その縛りに意味があるのか疑問に思っています。線引きして銘柄選択するのはバリュー投資です。バリュー投資という手法は絶対的な線引きがあった方がやりやすいです。しかし市況によってその縛りの数値を変更しているタイプの投資家がバリュー投資家を自称している時もあります。相場環境により変動させるのは勿論構いませんが、それはバリュー投資の手法ではないと考えています。僕自身はバリュー投資家ではないので数値にこだわりません。先に書いたように僕はPERをガチガチに重視するタイプの投資家ですが、まず第一に着目するのは時価総額と売上高です。僕がブレイクダウン型の分析しか用いないファンダメンタル投資家なので、時価総額と売上高から入る方がやり易いからです。そして掘り下げていって、最も重視するのは経常利益の伸びとROE推移です。この2つは僕の分析方法の肝となる部分です。しかし、経常利益の伸びとROE推移は後回し。まずは時価総額と売上高とのバランスを見ます。業種を加味して時価総額に対して売上高が低ければ、大幅に興味が薄れます。一応分析はしますが、殆どの場合は投資をしません。売上高が急激に増加する銘柄は極めて評価が高い場合が多く、大抵は僕の投資対象にはならない為です。これは経験上の話です。分析を始める際、多くの場合は、時価総額と売上高とのバランスを注視する手法は取っ掛かりとして便利だと考えています。もちろん売上の中身については良く視なければいけません。その売上の数値にどんな意味があるのか。何が好調で何が不調なのか。会社の軸はどちらに向かっているのか。そして今後どちらに向かっていこうとしているのか。業種によっては売掛金を使うのも良いと思います。僕は売掛金はあまり気にしない事にしています。売掛金の中身を精査する能力は僕にはないからです。(売掛金を気にしないのであれば、その投資にどのようなリスクがあるか?) 中期投資家は市場の評価の変動に着目する。僕が市場の評価を手っ取り早く判断する場合、最初の取っ掛かりはPERでもPBRでもありません。時価総額と売上高です。繰り返しに聞こえるかもしれませんが、意味が異なりますので注意して下さい。市場の評価を手っ取り早く判断する場合にも時価総額と売上高が使える、という事です。そこから入れば企業に対する市場の評価が高いかどうかが手っ取り早くざっくりと分かります。時価総額と売上高を見比べるのは1秒で出来ます。PERやPBRを見ても短時間で市場の評価を判断する事が出来ますが、まずその前に時価総額と売上高を見比べる。これが僕のやり方です。PERやPBRの数値は強烈なパワーを持っていますので、銘柄に対する固定概念が生まれます。なるべく取っ掛かりからは外したい。なるべく違うところから評価を始めたい。ファンダメンタル投資家はPERやPBRから分析に入る人ばかりです。PERやPBRは結果であって、そこから分析に入ると全体像が見えなくなることが多々あります。長い間株式投資をしている投資家は分かっているはずです。それでも何も考えずにいつものようにPERやPBRから企業分析に入ってしまう。それでは何の進歩もありません。PERやPBRは後回しにするべきだというのが僕の考えです。それではどこから分析に入るべきでしょうか。自己資本比率はどうでしょうか?利益率はどうでしょうか?ROEはどうでしょうか?やはり僕は時価総額と売上高のバランスから分析に入ります。売上高が著しく高くなる商社のような業種や、著しく低くなる一部のサービス業のように、売上高の数値で市場の評価をみるのに適していないような業種もあります。業種や企業活動内容を理解することが必要になります。面倒に思われるかもしれません。しかしすぐ慣れます。むしろ、そういうところをすっ飛ばして企業の利益と株式の値段を比べるからいつまでも理解が乏しくなるのだと思います。ファンダメンタル分析で結論を急ぐとろくな事はありません。急がば回れ、利益の前に売上あり、なのです。僕は分析の順番が大切だと考えています。僕の分析はいつも、川下から入るのではなく、川上から入ります。水が流れるように、順を追って見ていきます。何故かこのやり方を主張している人は殆ど見かけませんが、PERやPBRから銘柄を絞り込んで入る分析手法よりも結果的にやり易いと思います。PERをガチガチに重視する僕でさえ、PERから分析するというのは余りスマートではないと考えています。何故なら、第一に市場はそのようなファンダメンタル投資家で溢れていますし、第二に中期的な利益を追求するのであれば周りと同じようなことをやっていてはいけないからです。後から追いかけるのではなく、先回りする。ガチガチの中期投資家として、僕には一家言あるのです。 PER5倍、PBR0.5倍、実質無借金の銘柄が10個あったとします。これらの銘柄が「大体同じ位の価値だな」とはなりません。それぞれで実態は違うのです。PER10倍よりPER20倍の銘柄の方が魅力のある場合もありますし、PBR1倍よりPBR2倍の銘柄の方が魅力のある場合もあります。自己資本比率も同様です。自己資本比率20%未満の銘柄でも優れた銘柄は沢山あります。当たり前です。なので、最初の取っ掛かりでPERやPBRや自己資本比率を着目する方法は僕はあまり行いません。僕の場合はまず最初に時価総額と売上高のバランスを重視します。業種や、企業活動内容(何を誰に売っているのか)も重視します。基本的には売上高の推移は余り重視しませんが、経済環境が劇的に変化している状況下においては、場合によって売上高の推移を重視することもあります。売上高の変動によりROE推移が大きく変動するからです。売上を重視することで将来のROE推移の変化をおぼろげに捕まえられる可能性があるからです。売上利益率の変動は、売上高に対しての時価総額が低いほど株価変動に繋がるからです。経済環境が劇的に好転する状況で株価変動の予測をする時に重要なのは、将来のROE推移の変動だと考えています。また、それが投資家の予想に対してどれだけのサプライズとなるかをとても重視してます。その2つを推し量るのは容易ではありません。多くの場合は、売上利益率の変動が読めないからです。衰退産業の企業では、多くの場合売上はそれ程伸びません。しかし売上利益率は大きく変動します。損益転換点が僅かでも上昇する際に、売上は大きな力となります。利益の急増に伴いPERが減少し、その結果として株価も少なからず上昇するでしょう。それに対して、既に最初から売上利益率の高い企業は見劣りします。売上利益率の更なる上昇が見込み難いからです。サプライズがあるとすれば、予想に反して利益が伸びない時でしょう。勿論ネガティブサプライズです。株価が上昇するようなポジティブサプライズになるのは、売上を投資家の想定以上に伸ばした時です。しかし売上利益率を減少させる場合が多く、なかなか大きなポジティブサプライズにはなりません。(この部分は再読をお願いします) 話を元に戻しましょう。僕は売上高については、売上高推移ではなく、今期の売上高を着目します。逆に経常利益をみる時は、単年度ではなく推移をかなり重視します。(※業種により重視する度合いは変わります)ROE推移を着目するのが僕の手法です。この手法は、ROEに対する理解が浅い多くのバリュー投資家には分からないと思います。彼らの多くは、ROEに対して深く考えていません。これは過去に何度も書いたので今回は割愛します。 僕は本格的な分散投資家です。株式投資を始めてからずっと分散投資一本です。特定の銘柄に注力しないで20銘柄以上に投資をしています。最近は70銘柄前後を保有しています。特定の業種に注力しないように意識したことはありません。結果としてそうなっただけです。ポートフォリオ内に資金を循環させる為には、特定の業種に注力しない分散投資がやり易いのです。僕は分散投資をリスク低減の為に行っているのではありません。攻撃の為の型分散投資という感じです。パフォーマンスを上げる為の分散投資です。過去に不動産や建設業にやや注力していた時期がありました。不動産と建設業を足すと半分程度、という時も一時的にありました。しかしこれはほんの一時のことで、基本的には特定の業種に注力はしていません。多いときで全体の3割程度です。業種による区分けよりも、景気循環株なのか成長株なのか再生株なのか万年割安株なのか、そういう括りの比重の確認の方が大切だと思っています。 先にも述べましたが、ちまちま売買します。売買は買い下がりや売り上がりを主とします。一度に多額の売買をする事はまずありません。新規参入する時は、殆どまず最初に1単元程度の打診買いをします。どれだけ自信がある売買でも、総資産の1%以上の金額を1回の取引で使用することはまずありません。単元株の売買に必要な金額が多い銘柄は、単元株未満の取引をします。単元株未満の取引では証券会社のシステム上指値が出来ませんが、単元株未満の取引では1回の売買金額をさらに少なくするので、あまり気にした事はありません。何時間も分析に時間を費やした結果、現状維持。リバランスする時でも売買するのは1単元(或いは全資産の1%未満)、という事が殆どです。どんなに忙しい時でもポートフォリオのリバランスに毎日それなりの時間を割いていますが、その結果として行う売買でポートフォリオの変動は本当にほんの少しです。毎日これの繰り返しです。短期投資ではありませんが、売買数はかなり多くなります。最近は年間で100回程度売買します。恐らく今年は100回を大きく超えると思います。頻繁に売買することを否定する投資家は多いですが、僕は一度に多額の売買をすることの方が余程リスクが高い非効率な投資だと思っています。今の時代、手数料にかかるコストはとても小さくなっています。頻繁にリバランスをする為の手数料は、積極的に支払うべきだと考えています。 投資を始めてからずっと分散投資一筋ですが、かなり資産変動率が大きいです。恐らく、本格的な分散投資家の中では最も資産変動率の変化が激しい部類の投資家だと思います。どれだけ分散したかではなく、何を買っているかがパフォーマンスに直結すると考えています。その為、分散投資が集中投資にパフォーマンスで負けると言う意見には与しません。集中投資はリバランスがし難い。僕の投資手法にとって、これは致命的です。僕にとってリスクコントロールはポートフォリオのリバランスを常にし続けることです。 まだまだ続きます。
2014.08.05
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バリュー投資の真髄 第一歩 http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304130000/バリュー投資の真髄 第二歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304150000/バリュー投資の真髄 第三歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304190000/バリュー投資の真髄 第四歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304240000/バリュー投資の真髄 第五歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304270000/参照記事「中期投資のコツ」http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201308080000/参照記事「バリュー投資の弊害」http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201403190000/ 暴落相場について。僕は暴落相場を最も重要視しています。暴落相場の対応がファンダメンタル投資家のパフォーマンスを劇的に変える事を経験上知っているからです。逆に言うと、暴落相場の対応が同じであれば、同じ投資手法の投資家は大体似たパフォーマンスになると考えています。上昇相場で人より優れたパフォーマンスをあげることは大して難しくありません。自分が許容できるリスクを積極的に取りに行けばいいのです。勿論これからも上昇相場が続くかどうかは分かりません。上昇相場であった場合に優れたパフォーマンスになるという話です。下落相場であった場合のパフォーマンスは著しく低下します。そんなもんです。上昇相場ではパフォーマンスが注目されます。しかし、本来暴落相場でのパフォーマンスが、もとい暴落相場を通じた中期的な相場でのパフォーマンスが重要だと僕は考えています。暴落相場での対応を間違えると、その後の相場が活況であったとしても、優れた結果は残せません。暴落相場での対応さえ間違えなければ、それ以外の対応を間違えたとしてもさして問題ではないと僕は確信しています。暴落相場はそれほど大切なのです。その後のトレードに中期的に影響を及ぼします。選択の幅が変わります。含み損益が気になる投資家と全く気にならない投資家では、暴落相場で取れる選択肢が劇的に変わります。大切なことだと思いますのでもう一度言います。含み損益が気になるなら暴落相場で逆張り投資をするべきではありません。日々含み損が増加します。気になるなら止めれば良い。暴落相場は下落期間がどれだけ長いかが重要です。逆張り投資家(或いはファンダメンタル投資家)の買うタイミングと暴落相場の長さ。これら2つは銘柄選定そのものよりもパフォーマンスに与える影響が大きいと考えています。僕は暴落相場では特に暴落している銘柄を買い進みます。必然的に成長銘柄や高PBR銘柄が多くなります。今後の業績が悪化する事が明るみになっている銘柄も買います。その場合、株価が何処まで下がっているかを極めて重視します。指標的に割安になってもなお、株価の下落が止まらない銘柄。それらは下がるから売る、売るから下がる、という株価下落スパイラルに陥っているだけのものもあります。僕はそのような銘柄をたくさん見てきました。たくさんたくさん見てきました。なので、そのような銘柄がある事を知っています。その後株価が上がるかどうかは知りません。株価は常に適正価格ですから、僕は自分が買いたいと思う銘柄を買うだけです。暴落相場でテンションが上がるのは、僕が逆張り投資家だから、大チャンスが回ってきたからだと判断するから、それに急激な株価変動自体を好むから、という点からです。割安株投資家は呼吸をするように日々相対評価をしますので、急激な株価変動を好むのです。暴落相場、そして流れが変わる転換相場、これらは割安株投資家にとって仕込み時です。損失拡大しても全く気にしません。これは誇張でもなんでもなく、本当に気になりません。暴落相場で買い下がって拡大した損失なんて誤差みたいなもんだと考えています。誤差が大きければその分、得られる利益が大きくなることが期待できるだろうという算段です。買い下がった幾つかの銘柄の株価が低迷しても、他の買い下がった銘柄が上昇するはずです。この得られる利益の確実性が、分散投資家の最大のメリットの一つだと考えます。※経験しているから知っている、知っているから投資行動を取れる暴落相場で暴落銘柄を取捨選択するのは、本当に割安株投資家冥利につきます。広く浅くのファンダメンタル分析。兎に角忙しい。睡眠時間を削って銘柄分析を行います。この時の僕の気持ちは文章で表現できません。まるでパブロフの犬のように、暴落相場で条件反射的にファンダメンタル分析をしたくなります。美味しい思いをするほど、暴落でテンションが上がるようになります。暴騰相場で倍々ゲームのように資産を急増させるためには、暴騰相場になる前に起きる投資家の評価の劇的な変化を利用する必要があります。これは極めて重要なことです。暴落相場で引きずられて下落してきた優良銘柄を買うべきだ、という意見には組しません。優良銘柄と投資家に思われるような銘柄は、暴落相場での下落率が低いからです。暴落相場ではそれまで急騰していたような銘柄ほど、暴落する事が多いです。上昇分を帳消しにしてもなお、下落が止まらない事が多いです。大暴落した後も勢いが止まらず更に暴落するような場合が多いです。しかし僕は、そのような落ちるナイフは喜んで掴みに行きます。右手を貫通して落ちれば左手でも掴みに行きます。どこで株価が反転するかはあまり興味がありません。僕は欲しい株を買っているだけです。明日も株価が下がるかどうかはどうでも良いのです。どうでも良い事は気にしなくて良いのです。暴落相場では万年割安株の下落幅が小さいものになりますが、そのような場合は万年割安株を売り資金を調達します。暴落が続けば続くほど、僕のポートフォリオには万年割安株が少なくなってきます。暴落相場が長期間続く頃には、万年割安株は殆どなくなっています。万年割安株は、暴落相場の為の資金源として活用します。分かり易く言えば、暴落の緩衝材のような役割を担っています。今僕は自分の投資手法の核心を書いていると思います。ある程度投資を経験した人は大した事を言っていないと思われるかもしれません。しかし今僕は自分のパフォーマンスに直結する事を書いています。銘柄の取捨選択は各々で好きなようにやってもらえば良いです。そんなもの暴落相場の対応に比べたら大した事ではありません。 万年割安株について。低PBRの銘柄が今現在低ROEであり、そして今後もROEを上昇させる見込みがほぼ全くないのであれば、基本的には指数と比べてさほど株価が上昇しないと考えています。そのような銘柄への投資も行いますが、株価が上がる事を期待しての投資ではなく、相場環境が悪化して全面安になった時の緩衝材としての意味合いが強いです。これは先に書きました。株価上昇も株価下落も、変動幅が小さい。その為、それらの銘柄は「万年割安株」或いは「万年低PBR株」と表現しています。何かの切欠で株価が暴騰することもありますが、基本的には株価は余り変動しない。そのような「万年割安株」をバリュー株だと喜んで投資するタイプの自称バリュー投資家を僕はいつも冷ややかな眼差しで見つめています。現金タップリのネットネット株、良いでしょう。低PBR群は株価上昇率の高いアノマリーがある、良いでしょう。そのような銘柄への投資は否定しません。しかし、バリュー銘柄に投資をしておきながら株価が上昇しないのにやきもきする投資家が多いのに辟易しています。普通の経済状況下で株価上昇を期待するのであれば、ROEを重視するべきだと考えています。 月次について。月次は基本的には重要視しません。一部の例外を除いて月次に注目する事も余りありません。月次から業績を予測するという事も滅多に行いません。単発的な月次悪化に伴い株価が暴落する事があれば、買い進みます。ただし、マクロ経済指標は注視します。注視しますが、個別銘柄の取捨選択には影響を与えません。 分析思考について。ブレイクダウン方式です。ボトムアップ方式の分析は行いません。最初に売上、次に営業利益(営業利益率)、次に経常利益(経常利益率)、次に最終利益(最終利益率)。最初に全体の業績推移、次に個別セクターの業績推移。逆の流れはありません。個別セクターやヒット商品などの好調さから会社全体の利益や売上などの業績を皮算用することはしません。業績は複数年の推移を示したグラフを見ます。グラフがない場合は羅列された数字を頭の中でグラフ化します。複数年度にわたる数字の羅列を見るときは必ず頭の中でグラフ化します。僕の分析はグラフから入ります。変動率を重要視するからです。利益は絶対値を見ません。売上で絶対値をみて、各利益は変動率を注視します。繰り返し繰り返し行われる思考。この回路は強力なものなので、今から分析手法を変えるというのはもう無理でしょう。 他人から受ける影響について。他人の意見を参考に売買をする事はまずありません。といっても、他人の意見を参考にしないというようなルールを自分に課している訳ではありません。参考にしたい意見であれば参考にしても良い、という考えです。他の投資家に対しては、まず強固な理論を強く求めます。揺るぎない信念を求めます。小手先の分析方法などどうでもいいと思っています。そんなものに興味はありません。強固な理論と揺るぎない信念が優れた投資家の最低条件だと考えているからです。ただし、平々凡々なバリュー投資家の言うような意見は興味がありません。自分で考えて結論を出した理論であれば、必ずどこかに独自性が生まれるはずです。独自性のないような意見ばかりの投資家には興味がありません。 まだ暫く続きます。
2014.07.28
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バリュー投資の真髄 第一歩 http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304130000/バリュー投資の真髄 第二歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304150000/バリュー投資の真髄 第三歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304190000/バリュー投資の真髄 第四歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304240000/バリュー投資の真髄 第五歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304270000/参照記事「中期投資のコツ」http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201308080000/参照記事「バリュー投資の弊害」http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201403190000/ 前回の続きです。前回はPERとROEとPBRの話を中心に、僕の投資手法を語り始めました。今回は、個別の項目について論じたいと思います。まずROAの話から。ROAはパフォーマンスに直結する投資家にとって大事な指標であると理解した上で、ROAは重視しません。僕はROAを殆ど無視します。ROAはROEと自己資本比率の関係でありますので、自己資本比率を重視しない投資家の僕はROAは関係ないというスタンスです。ROAの話を終わります。さっさと次に行きましょう。 売買のタイミングについて。僕は逆張り投資を主に用いています。下落している銘柄を買い下がり、上昇している銘柄を売り上がるトレードがメインです。暴落して自分が買いたいと思う価格になった時に、もっと下がるだろうからそれまで待とう、とは思いません。また、そういう考え方も好きではありません。ちまちま買い下がり続けます。ちまちま売り上がり続けます。 保有株の下落について。僕は保有株の下落は全く苦になりません。正直なところ、保有株の下落でイライラすると嘆いている投資家の気持ちはサッパリ分かりません。(イライラするような投資手法なんて止めればいいのに。合ってないんだよ。断言しても良い。イライラするような手法は向いてない)ただ、過去に信用取引をしている時と、その後暫くの間は例外でした。損失をこうむる事は苦になりませんでしたが、現物保有株や信用買い建てしている銘柄の下落がとても苦痛でした。信用取引では、保有株の下落により維持率が低下すると、追証回避の為に現物株を売却しなければならないからです。そこに選択の余地はありません。強制的な投売りです。評価額減少だけでなく保有株数が減少するのは苦痛でした。その後暫くは保有株の下落が苦痛に感じる後遺症に悩まされ続けました。しかし、僕は割安株コレクター。割安株を収集することが株式投資の目的の一つです。株価下落により保有株の割安度が上昇するのは苦痛ではありません。もっと買いたいと思いますし、実際に買い下がります。買値は全く意識しません。その為、含み損や含み益も全く意識しません。今の株価が適正価格であるなら、含み損や含み益は全く意味がない、という考えです。この考えは徹底しています。市況が悪化する可能性を考慮して、ポートフォリオのバランスを考えています。株価変動の大きいタイプの銘柄がどの程度あり、万年割安株がどの程度あるのか、というバランスは常に考えながら投資行動を取っています。このバランスの取り方が、逆張り分散投資家にとって肝と言っても良いと思います。 保有株の上昇について。保有株の上昇をキャッキャキャッキャ喜ぶお猿さん。そういうお猿さんが微笑ましい。日経平均やTOPIXやJASDAQ指数と比べて上昇率が高いというのは、その人の投資手法が優れている事ではありません。時流に乗ったからそうなったのです。そうならなかった可能性を盛り込んでの株価です。そうならなかった可能性を排除して、結果だけで判断しても、「運が良かった」だけ。それを理解しないでパフォーマンスを公表している人はピエロです。ピエロは皆を楽しませてくれますが、ちやほやされないとヘソを曲げます。けちょんけちょんに貶されたり、批判されたりする事にはとても弱い。市況が良い中でパフォーマンスが良い投資手法は、その投資手法を変えずにいると市況が悪かった時にパフォーマンスが悪くなる可能性が極めて高いです。要は、バランス。程度の問題。投資哲学や投資手法を見れば、その時のその人のパフォーマンスは大体分かります。同じ投資哲学や投資手法を用いていたら、過去のこの時にはどのようなパフォーマンスになったかも大体は分かるのです。ただ、人の考えは変わります。相対的にパフォーマンスが良くて自信を持つようになった投資家は、相対的にパフォーマンスが低下すれば自信喪失するようになります。そして今の自分の投資手法について疑問を持つようになります。自信喪失して投資哲学や投資手法を変えるから良くないのです。同じやり方を長く続けていれば、いずれ慣れるのです。成長銘柄が業績悪化に伴い株価が半値八掛け二割引になる過程で、投資哲学がどのように変化し、その結果どのようになるか。多くの場合は保守的になります。保守的になった投資家は、もうダメですね。PBRとか配当利回りとか、そういう数値にばかり目を向けています。あと優待とか気にするようになります。ご愁傷様です。僕は相対的な株価上昇により割安度が減少した保有株については興味が薄れます。そのような株は、遠慮なくチマチマ売り上がります。売却する時は、自分の保有株を自分より欲しがっている人に売ってあげるというイメージが重要だと考えています。欲しい人が居る間に、自分よりも欲しい人に少しずつ妥当な価格でお譲りする。売った側も買った側も嬉しい。それが良い取引。そのような考えで投資をしています。徐々に売却するというのは非常に大切だと考えています。株価が暴騰しても急いで売却せず、徐々に売却。その後株価が引き続き急騰を見せるか急落するかは分かりません。株価が反転して下落しても、売りたいかどうかはその値段で決める。反転前の値段は今は何の意味もありません。売りたければ売る。売りたくなければ売らない。急騰後に株価反転した場合は、対応をすぐに決めます。売るなら成行で叩き売り。売らないなら買い増しを検討します。 キャッシュポジションについて。僕は常に日本株に全力投資です。キャッシュポジションは殆どありません。投資を始めてからずっと、日本株に強気です。キャッシュポジションがないので、他の銘柄を購入するためには保有株を売却する必要があります。必然的に、購入するのは保有株を売却してでも購入したい銘柄になります。常に保有株の売却候補がどの銘柄であるかを意識します。常にポートフォリオは今現在の株価で売りたくない銘柄ばかりですが、株を買う時には必ず何か売らなければいけません。株価が上がりそうだと思っていても、近いうちに上がる可能性が極めて高いと判断していても、それを上回る魅力のある銘柄を買うためであれば、しぶしぶ売却します。証券口座の現金余力は、2%を上回る事は殆どありません。日本市場は常に買いたい銘柄で溢れています。 ポートフォリオについて。株価が暴騰している銘柄を売り上がり、その資金で株価が下落または低迷している銘柄を買い進みます。トレードは最低単元株数での売買が多いです。1単元ごとに、ちまちま売り上がり、ちまちま買い下がります。『ポートフォリオ内で資金が循環している』イメージです。このイメージの表現は今回文章にする為に無理やり書いたもので、今までこの言葉を意識したことはありません。上手く伝わっているかどうか不安ですが、これ以外の表現が思い浮かびません。付け加えると『高いところから低いところへと資金が流れ込む』イメージです。水ではなく油のようにゆっくりと。こっちが高くなったら徐々にあっちに、あっちが高くなったら今度はそっちに流れ込む。このイメージは結構大切なことだと思っています。 投資スパンについて。ガチガチの中期投資になります。中期投資目的以外で投資することは殆どありません。短期投資と中期投資が違うように、中期投資と長期投資は全く別物だと考えています。『中長期投資』という概念は持っていません。世間一般に言われている中長期投資という言葉を使っている人は、中期投資が何か、長期投資が何か、確りした定義を持っていない人だと考えています。投資に真面目に取り組んでいない人なんだろうなぁと思ったりします。どちらかと言うと、『中長期投資』というより『短中期投資』という言葉を使っている人の方がセンスがあるように思います。中期投資は短期投資とも長期投資とも違いますが、どちらに近いかといわれれば短期投資だと考えています。短期投資と中期投資と長期投資を線引きして2つに分けるなら中期投資と長期投資の間。短期投資と中期投資は同じ括りではないでしょうか。僕の言う中期投資は、投資期間が一年から三年の間が中心です。半年以下は短期投資、五年以上は長期投資。その間は中間。グレーゾーン。敢えて無理やり言うならそこが短中期投資或いは中長期投資となるのかもしれません。その位の期間を中長期投資と言っているのであれば、まだ分からないではないです。ただ、中期投資と長期投資を合わせた期間を中長期投資と呼ぶのにはかなり抵抗があります。中期投資と長期投資は考え方や用いるべき投資手法が全く違う。中期投資と長期投資との違いは、別の機会に書きます。(過去にも書きましたが) ともあれ、僕が投資をする時は一年後から三年後の売却を見据えて株を買うことが殆どです。例外もありますが、長くなるので止めます。(例外の話は結構面白いと思いますので何かの機会に書くかもしれません) 長期投資について。僕は長期投資は殆ど行いません。結果として5年以上の投資となるトレードもまれにありますが、長期投資をやろうとして株を買うことはまずありません。例外として、過去に長期投資として株を購入したことが2銘柄ありました。長期投資を行う銘柄については、ROEを徹底的に重視します。誤解を恐れず言うと、PERの重要性は中期投資よりも低くなります。高ROEを長期的に維持できる仕組みを持っているか、たとえ今ROEが高くなくても今後長期的に上昇させる銘柄でなければ、長期投資は意味がないと思っています。長期投資家を名乗るバリュー投資家で本当に長期投資をしている人を見た事がありません。僕が今まで見たブログでは、長期投資家は居ませんでした。ただの一人も。長期投資をしていないバリュー投資家はバリュー投資家でないのかどうか。これは非常に興味深いテーマですが、今回のテーマとは関係ないので閑話休題。 暴落相場について。これについては少し長くなります。文字制限のため次回に書きます。 まだまだ続きます。
2014.07.22
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バリュー投資の真髄 第一歩 http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304130000/バリュー投資の真髄 第二歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304150000/バリュー投資の真髄 第三歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304190000/バリュー投資の真髄 第四歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304240000/バリュー投資の真髄 第五歩http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201304270000/参照記事「中期投資のコツ」http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201308080000/参照記事「バリュー投資の弊害」http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201403190000/これから暫くの間、数回に渡り、僕の投資手法について書きたいと思います。僕の記憶にある限り、僕の投資手法の詳細を書くのはこれが初めてです。このブログの他にも、2ちゃんねるやヤフー掲示板でも書いたことはありませんし、まして実際に対面で誰かに向けて言ったことなどありません。僕は自分の投資手法の詳細について書くことを余り好みませんので、恐らくこれが最初で最後になるんじゃないかと思います。自分の投資手法を他人に説明して何の得があるのか?むしろあるとしたら損ばかりではないか?他人のアドバイスなんてクソ喰らえ。僕は僕のやり方でやる。そんな偏執狂です。もしかしたら後になって微修正を繰り返す可能性もあります。何卒ご了承下さい。 僕の投資手法は独自のもので、参考にしたサイトや書物はありません。僕が投資を始めた頃から既に基礎的な事はインターネットで調べられました。専門用語や基礎指標の意味、取引方法などはやりながら覚えました。投資を始めて1年後には大体投資手法の方向性が定まっていったと思います。更にもう1年が経つ頃には、投資手法が固まっていきました。投資を初めて2~3年経つ頃に自分が書いた文章を今読み返してみても、殆ど間違っていないと思います。僕の投資手法や投資に関する考え方は投資を始めて2~3年後からずっと変わっていません。10年以上この投資手法でやってきました。その間、暴騰相場や暴落相場が何度もありました。ずっと続くと思えるような長い上昇相場や永遠に続くとも思えるような長い下落相場を経験しました。それでも、結局やってる事は同じでした。考え方も同じでした。知識が増えてもやることは同じ。ずっと同じところで同じ方向を見て同じ事をやっています。ただし、信用取引は例外です。信用取引には過去に長期シリーズで書いたようなとてつもなく難解でトリッキーなルールがあり、取引手法が制限されるのです。割安株投資家が現物株取引と同じ手法を用いるのには適していませんでした。必然的に株価の値動きを念頭に入れたトレードになってしまいます。僕も例外ではありません。株価が上昇するか下落するかで取れる選択肢の数が変わってくるのです。信用買い建てした銘柄が大幅に下落したらさあ大変。しかし、信用取引でも現物取引の投資手法と同じような考えを捨て切れきれなかった。僕は信用取引を用いるには向かない投資家でした。絶望的に向かない。そのため今回の僕の投資手法は、信用取引を除いた現物取引の投資手法に限定します。今回紹介する僕の投資手法は信用取引で用いるべき手法ではありません。どうか、愛すべき読者の皆様、それだけは忘れずに念頭に入れて読んで下さい。読者の皆様にも信用取引をしている方がおられるようですので、その読者様は読まない方が良いです。百害あって一利なし、です。長い前振りになりました。しかし、本題はもっともっと、呆れる位に長いです。さっさと進みましょう。 -注意点-最後に要点だけ書きますが、要点だけ読んでも誤解をされるだけだと思います。要点だけ読むのは止めて下さい。むしろ長い本文をより長くしている、投資哲学的な説明が本筋です。数字は殆ど出しません。投資可否の線引きもしません。(基礎指標の数値を線引きして投資可否の判断基準にしている人と僕では考え方が根本的に違います)----- 銘柄選定で何を重視するか。僕はPERを重視します。それも、ガチガチに重視します。PERが低い事が最重要、PERが低くない銘柄への投資は、殆どやりません。PERが低くない銘柄への投資は今のところそれなりに良いパフォーマンスを得ていますので苦手意識は全くありませんが、滅多にPERが低くない銘柄を買いたいと思うことはありません。景気循環株(景気先行株)などへの投資は、一部PERを重視しない場合があります。しかし、これは例外です。理由はこのブログの読者の皆様の御存知の通りで、景気循環株はPER変動が大きいからです。景気先行株の急激な業績変動より株価変動は随分と先行しますので、景気先行株の業績が変動し始めた後に株を買っていては株価が急上昇した後になってしまいます。その為、低PERでも株価下落リスクが高い水準で買う事になる場合があります。すいません、このブログの読者の皆様には釈迦に説法ですね。さっさと先に行きましょう。 僕はROE至上主義を標榜しておりまして、ROEを重視します。ROE至上主義というとROEが高ければ良いと考えているのだろうと良く勘違いされてしまうのですが、僕の場合はROEが高ければ高いほど良いという考えを持ってはいません。『長期的にROEがどのような推移を辿るのか』を重視しています。高ROEが今後も長期的にそのROE水準を維持できるのであれば、それは一流企業。一流企業は将来的に同水準の利益増加に伴い買値換算でのPERが低下していきますから、現在のPERが多少高くても問題ありません。しかし、PERが高い銘柄は株価が大きく下落する事が多々あります。市況によっては株価が半分以下になることもあるでしょう。そのような時に買い進められるように、一流企業以外にも投資をしておくというのが僕の投資の一つの考え方です。これは、後でじっくり書きます。もし永続的に高ROEを維持できるような企業であれば、それは超一流企業です。超一流企業の株であればPERやPBRなどどうでも良い。株式を購入した瞬間、将来億万長者になることが確定します。でもそんな企業は見当たりません。バフェットさんなら或いは見つけることが出来るかもしれませんが、そもそもそのような企業が日本市場にあるかどうか。たとえ今現在高ROEであっても、今後長期的にそのROE水準を下げていくのであれば、それは二流企業だと思っています。この二流企業を高ROEとして扱う限り、ROEを交えてパフォーマンスを云々言う奴らは何も分かっちゃいません。PBRは低い方がパフォーマンスが良いというのと、ROEは高い方がパフォーマンスが悪いというのは、全くイコールではありません。(そのROEの数値には意味はあるのか?)高ROE銘柄が長期的にROE水準を下げていく場合、多くは自己資本比率が増加します。自己資本比率の増加を好材料と取る投資家も居るでしょうが、僕は自己資本比率は余り重視しません。別に低くたって問題ない。(リスクは何か?将来どうなる可能性があるか?そうなった時にどうするか?)自己資本比率を高めるのであれば、その理由が重要だと思っています。理由もなく自己資本比率を増加させるような企業はあまり好きではありません。どちらかというと嫌いな企業です。ROEを低下してまで高める自己資本比率に何の意味があるのでしょうか。万が一の時の為の備え、でしょうか。僕には良く分かりません。 低ROE銘柄への投資も行います。先にも書いたように僕はROE至上主義を標榜していますが、低ROE銘柄への投資も行います。低ROE銘柄への投資自体はさほど珍しくありません。低ROE銘柄が(たとえ長期的でなくても)中期的にROEを上昇する場合、株価の急上昇が期待できるからです。そもそも、株価は常に適正価格であるので、低ROEでも高ROEでも適正価格という考えです。予期しないROEが上昇する材料が発表されれば投資家が買いたいと思うPER水準は上昇するので、株価は急上昇して然るべきだという考えです。株価は常に適正価格だったらRERも関係ないじゃないか、という意見には与しません。そのようなことを言うような投資家は、「こいつは一体何を言ってるんだ?」という冷やかな目で見ます。PERは投資家が企業に付けた期待値ですので、投資判断に大きく影響を与えるべきだと言う考えです。 株価は常に適正価格。短期中期長期、全ての投資家の意見を織り込んだ適正価格。しかし、今日の適正価格と明日の適正価格は一致しない。またそうであるなら、明日の適正価格が上がる事を期待して、PERの低い銘柄へと投資する方がリスクは下げられるはずだ、という考えです。 ROEと相反関係にあるPBRは重視しないのか。重視します。勿論、ROEが高い銘柄はPERの数値が同じであればPBRは高くなります。ただ繰り返しになりますが、ROEは高ければ良いというものではありません。これから未来の長期的なROE推移が重要であって、言い換えれば未来のPBRがどれだけ上昇するかが重要です。投資家の評価であるPERは当然変動しますので、PBRの変動はPERの変動と絡めて考える必要があります。PBRを上昇させるような銘柄を探す、という視点が必要だと考えています。ろくな設備投資もしないで年々利益が減り続けているような低PER低PBRの銘柄。そんなPBRが下がるだけような銘柄持って喜んでいるのはアホです。他人の注目が集まるような材料が将来出る可能性に賭けているだけ。一か八かの賭けをしている極めて他人任せの投資です。市況が良くなり周りの株価が上昇している中で、そのPBRが下がるだけの銘柄の株価が上昇しないことに不満を持っているような投資家には辟易します。ただし、そのような万年割安株への投資も僕は好んで行います。単純な話です。株価上昇し難くても、株価下落し難いなら市況によっては投資妙味がある。これからの長期的なROE推移を最重要視するROE至上主義者の僕でも、PERはとてもとても重要視するのです。僕達初心者・初級者にとって多くの場合、銘柄選定の前提は低PERだと思っています。企業規模や売上に対して相対的に最終利益の額が小さい銘柄であれば、PERが高くても投資妙味がある場合はあります。殆どの場合はPERの算出元である最終利益ではなく、経常利益を重視する必要があります。そういう大切な例外は様々ありますが、それらを場合分けすることを前提として、基本的にはPERをとても重要視しています。PBRは過去の評価PERは現在の評価ROEは未来の評価このうち、株価によって変動するのはPBRとPERだけであるところに注視したいところです。PERとPBRは投資家の評価によって変動しますが、ROEは投資家の評価によって変動しません。これを十分認識していなければ、投資で長期的に利益を上げられるのは難しいと思います。 まだまだ続きます。
2014.07.16
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今年の投稿で僕の投資手法について公開します、という事を以前書きました。ただ、僕の投資手法について書く前に新シリーズ「常識を疑おう」を始めて、基礎指標や常識と思われている事が間違っていることについて色々書こうと思っていました。基本的な常識を疑った上で、僕自身がどのような投資手法を用いているのかを述べるつもりでした。そんなこんなで新シリーズの投稿文章を練っていたのですが、練っているうちに順番的に僕の投資手法を先に書いた方が良いだろうと感じてきました。既に今年も後半に差し掛かってきていますので、そろそろ僕の投資手法について書きたいと思います。 しかしこれがまた、ややこしい。僕の投資手法は単純明快、相対評価の割安株投資です。しかし割安株投資家は自分が思う割安株に投資するだけで、それぞれで共通のルールがあるわけではありません。さらに僕自身、各銘柄の相対評価は特定の指標をいつも同じように判断材料として利用しているのではありません。ガチガチのルールはなく、状況により割安の判断は変わります。何でもありです。しかし、何でもありの中でも、トレードについてはそれなりに傾向があります。 ウダウダいっていても仕方ありません。さぁ、僕にとっては単純明快で好きなようにやっているだけですが、これを文章で表現するという至難の業をこれから暫くやってみたいと思います。 愛すべき読者の皆様の参考になるかどうかは分かりませんが、自分の立ち位置を明確にする為に暫く悪戦苦闘します。何とか行間を読んで頂き、不完全な文章を補って頂ければ幸いです。 長くなりますが、暫くお付き合い下さい。 それでは、いきましょう。
2014.07.13
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成長銘柄への投資を行う際に重要になってくるのは、その分野が成長産業であるかそうでないか、という点です。成長産業とは「供給能力に対し、需要が拡大している産業」で、これの逆が衰退産業となります。成長産業で成長するのは容易ですが、暫くすると競争激化により業績が伸び悩むようになります。成長しつつ、参入障壁を築けるかが中期投資としての着眼点の一つになります。衰退産業では企業淘汰が行われます。企業淘汰により供給能力が減少すると、残存企業や新規企業に旨味が出てきます。衰退産業の需要が回復すれば、企業の業績は急上昇します。中には赤字企業が黒字化するなど、再生企業と呼ばれるものも出てきます。需要の回復により持続して業績を上昇し続ける事が出来れば、それらの企業の幾つかは成長企業という評価になります。これらの企業は既にある程度の参入障壁があり、結果的に緩やかな成長が続く場合が多いです。
2014.07.10
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バフェットが株式投資で大成功したのは、株式売買のタイミングが巧みであったからではありません。また、売買自体が得意だったからではありません。それらは理由の一つではありますが、それ以上でもそれ以下でもありません。バフェットが株式投資で大成功したのは、長期的に持続して成長する企業、或いは長期的に持続して安定した収益を上げ続ける企業、を見極める能力が卓越していたからです。そしてそれは、多くの場合特別な技術は必要としません。永続して高ROEを維持できる為の参入障壁や企業方針など、当たり前の事を重視し尽くした結果です。また、長期的にアメリカ経済が成長し、資本主義社会が欺瞞の上に成り立ち続け、アメリカ株式市場が景気に左右されつつも長期的に右肩上がりであったから、という現実も必要条件としてあります。デフレ下における日本のような特別な環境では優位性を失う事でしょう。多くの人はそう思わないでしょうが、バフェットが日本株式市場で同じ投資手法を選択すると、アメリカ市場への投資と比べてパフォーマンスがかなり大きく低下するのは間違いありません。最近でこそ間接的に日本企業への投資をしましたが、過去にバフェットは「日本には投資したくなるような企業がない」と言いました。成る程、そうでしょう。日本経済が成長せず、デフレ脱却の見通しが付かず、企業は内部保留を溜めてばかりで設備投資をしない。それでは投資家にとって資本主義経済としての旨味はそれほどありません。さて、インフレになったら日本は国内にある有り余るほどの大量の資金が回転し始めます。使い道が見つからなくて何の役にも立っていなかった、『ただそこにあるだけ』の大量のストックが回転し始めると、経済が活発になります。名目GDPが成長し始めます。企業も成長するでしょう。長期的に高ROEを維持する企業も出てくることでしょう。今、バフェットの投資戦術が日本にも適用できる環境が整いつつあるのでしょう。(といっても、バフェットは景気によって業績が大きく左右されるような銘柄を好まないと言われていますが) しかし結局消費税増税などの景気腰折れ政策のせいで、整いつつある環境がダメになりかけています。残念です。日本がデフレを脱却して正常な資本主義社会になることが出来るかどうか、ここが正念場です。
2014.07.06
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独自の投資哲学を確りと確立していれば、市況に惑わされることはなくなり、劇的な変化の最中においても心理的優位に立つことが出来る。
2014.07.03
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遂に、現物評価額の最高額を更新しました。破産時に覚悟していたよりずっと早かったです。 これから信用取引分の損失を取り戻します。 さぁ引き続きガンガンいくぜ!待ってろよ!(←誰?) 2014年7月5日 補足ここでいう「信用取引分の損失」とは「評価額が最高値だった時の信用取引含み益」を指します。ライブドアショック直前の評価額が最も大きかった時は信用取引による含み益がありました。そのため信用取引含み益を取り戻してやっと、評価額最高値を更新する事になります。信用取引によって失われた資産は既に取り戻しています。 読者の皆様からすれば別にどうでも良い事ですが、一応補足しておきます。
2014.07.01
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誤解を恐れずに言うと、株価を追いかけるという行動は、さして愚劣ではありません。少し言い方を変えると、株価の上昇を先回りしようとする行為と同じ程度には愚劣です。バリュー投資家の中には、株価を追いかける投資を馬鹿にする投資家が多いですが、それでは投資の本質を理解しているとはいえません。何故なら、ROEを重要視しないで低PBRへの投資を主とする類の投資の多くは、極めて他人任せな投資だからです。株価の上昇を、企業努力による利益成長そのものではなく、利益成長しなくても他の投資家のまとまった買いが入るという可能性に委ねているのです。最も愚かなのは、バリュー投資家を自称している投資家が、株価が上昇している銘柄への飛び乗りを批判することです。個々の銘柄の値動きを気にすることです。バリュー投資家であれば、バリュー銘柄でない銘柄の株価上昇を気にする必要はありません。他の銘柄が気になるようであれば、その銘柄を買えば良い。その銘柄を買わないのであれば、気にしなければ良い。他の銘柄の株価上昇が気になるのであれば、きっと貴方はバリュー投資家には向いていません。他の投資を批判する前に、一度、今自分がやっている投資手法が本当に自分の性格に合った投資なのかどうか、考えてみるべきです。
2014.06.28
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暴騰続きで右も左も年初来高値更新している中、皆さんは如何お過ごしでしょうか。 今日、遂に東1当落レシオ25が164.0まで上昇しました。この水準がどれだけ凄いかというと、ここ10年で2番目の高水準です。アベノミクスの狂乱相場のピークが2012年12月12日の164.5。その水準に迫る数値。2003年から2006年まで、ライブドアショックまでの暴騰相場でもこんな異常値はありませんでした。 皆さん踊っていますか?イメージは、そう、ジュリアナ東京。難しいことは抜きにして、一緒に馬鹿になって踊りましょう。 はっはっは。楽しいですね。みんな元気で何よりです。
2014.06.24
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一緒に常識を疑いましょう。株式投資にある常識は、必ずしも正しくありません。もちろん、常識が常識と思われるには、ある程度の理屈があります。ただ、それらの理屈が果たして全ての投資家にとって有益となるのか?については僕はかなりの疑問を持っています。投資家はそれぞれ投資スタンスがありますが、その投資スタンスによって常識が非常識になったり、逆になったりします。大切なのは、自分の投資スタンスにあった常識かどうか、です。これを考えることなしに、バリュー投資家の喧伝するような常識を鵜呑みにしてはいけません。ということで、常識を疑えシリーズを開始します。きほんのきから、疑っていきましょう。基本・PERは低い方が良いのか・PBRは低い方が良いのか・ROEは高い方が良いのか・株は安い時に買って高い時に売るべきか・損切りは大切か(或いはナンピンは厳禁か)・株式投資で忍耐は必要か応用・分散投資と集中投資のパフォーマンスの違い・テクニカル分析は役に立たないか・それでは本当にファンダメンタル分析は役に立つのか番外・それは本当にバリュー投資なのか・それは本当に優れた投資なのか・株主優待はあった方が良いのか悪態・○○さんは本当にバリュー投資家なのかこれらの中でもし興味があるものがありましたら、コメントで要望して下さい。それにします。去年のブログ再開以降、コメントに返事をしないスタンスで本当に申し訳ありません。
2014.06.21
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やあ、元気かい?相変わらず株式投資をエンジョイしてるかい?元気ならよかった。元気が一番だ。お互い元気なら、それが一番だ。殺伐とした世の中だからこそ、株式投資くらいまったりしたいからね。まぁ、肩肘張らずにのんびり行こう。まだまだ先は長いんだ。そう、まだまだ先は長い。見えるかい?あの先にある小さな光が。あれが僕たちの目指す場所さ。きっといまだ誰も見たことのない世界が待ち受けていることだろう。少なくても、今僕たちが見えていない素敵な世界が待ち受けている。まるで夢の世界さ。楽しみだね。 到達するのは、ずっと先さ。それはもう、気の遠くなるような時間が過ぎ去った後だ。だから急いでも仕方ない。急いで早く着くかどうかも分からないしね。まぁ、これでも飲んでゆっくりしていってくれ。これは、僕のオリジナルカクテル。お金と時間をドブに捨てる代わりに、いらない考えを取り除いてくれる。おっと、ただし飲みすぎには注意してくれよ。何事もほどほどが一番さ。飲酒運転になるから飲まない?ちょっと待ってくれ、君は車で行こうとしてるのか?それは止めておいた方が良い。車を走らせたって事故をおこすだけさ。ゆっくり走れば安全だけど、君はきっとゆっくり走らないだろう?車に乗って急いだってだめさ。車で行くにはかなりのドライバーテクニックが必要なんだ。だいたい君は無免許じゃないか。みんなそうさ。みんな免許なんて持たずに走り出そうとするんだ。急がなくても、君の足でゆっくり歩けば良い。だからまぁ、ここでゆっくりしていってくれ。ここには時間つぶしになるようなものをたくさん用意しているんだ。君は本が好きかい?本ならそこらじゅうに沢山ある。僕はあまりオススメしないけど、君が本を好だっていうなら、好きなだけ読むが良いさ。でもあまり本ばかり読んでいると、分かってないことでも分かったつもりになっちゃうから注意してくれよ。いくら本を読んだって、分からない事は分からないからね。分からないことは分からないと認識しなきゃ。分かったつもりになってるようじゃ、全然ダメさ。そうだ、良ければ君に面白い話しをしてあげよう。ちょっと長い話になるけど、聞いてくれるかい?まぁ、時間はたっぷりあるんだ。慌てることはないだろう? 分かった分かった。君はせっかちだなぁ。仕方ない、この話はまたの機会にするよ。どうせ僕たちは同じ方向に進んでるんだ。いつかまた会うときもあるだろう。 それじゃ、お元気で。お互い頑張ろう。もちろん、肩の力は抜いてね。
2014.06.17
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世代間格差を考える その1http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201310020000/世代間格差を考える その2 http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201312290000/世代間格差を考える その3http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201403100000/ 世代間格差を考える為に、ちょっと新たな視点から攻めてみたいと思います。読者の皆様にお聞きします。『格差拡大』させるために、何をすれば良いでしょうか?格差是正ではありません。効率よく格差拡大させる為には、政府はどのような政策を取れば良いでしょうか。最初の考察。・10個でも20個でも構いません。効率の良い格差拡大政策を考えられるだけ考えて、紙に書いて下さい。・そして、今日本政府が取っている、或いは取ろうとしている政策に赤丸を付けて下さい。・その丸をつけた政策について、間逆の政策を日本政府が取るべきかどうか考えて下さい。(印は付けないで下さい)恐らく赤丸を付けた政策の反対の政策を取れば、その分格差は縮小する方向に進むでしょう。しかし、全部その政策を日本政府が取るべきかどうかは、考え方が分かれるところです。格差縮小させる政策が、格差拡大させる政策よりも必ずしも優先されるべきかどうかは分かりません。多くの場合、取るべき政策は格差拡大政策か格差縮小政策かという分類で決まるのではなく、その内容、タイミングによって決まります。 次の考察。・紙に書いた効率よく格差拡大させる政策で、世代間格差が拡大すると思われるものに青丸を付けて下さい。・赤丸と青丸の両方が付いている政策を日本政府が推し進めようと考えているのは何故でしょうか。 一度、自分の考えを整理する必要があります。この方法が、一番自分の考えを客観的に判断し易いのではないかと思います。------------いま日本で、20代から30代を中心とした若い人が死にまくっています。理由は過剰サービスによる卑屈さにもあるだろうと、僕は思います。長く続いたデフレで、消費者優遇状態が続き、労働者はその労働力の安売りを続けました。合理化。合理化。合理化。毎年貴重な若者が自殺しています。その数は少子化が続く今でさえ、目立った減少をみせません。多くの方が御存知のように、自殺者数が急増したのは橋本政権時。消費税を3%から5%に増税した瞬間に、自殺者が2万人から3万人に急増し、それ以降は3万人前後で推移しています。消費税にばかり目が行きがちですが、橋本政権が行った悪政は数多くあります。大規模な、幅広い規制緩和が次々に行われ始めました。主に新自由主義者が掲げる政策に近いものが多く、中でも金融ビックバンなど経済に大きな影響があるものもあります。しかし、規制緩和された分だけセーフティネットが充実してきた、とはとても言えません。長引く不況下においてさえ労働規制緩和政策を取ったことによる影響が、自殺者数が急増している一因になっているのは間違いありません。影響が大きいのはフロー低迷期での消費税増税による中小企業の経営難ですが、主要因は決してそれだけではありません。規制緩和が推し進められて以降、若者が自殺者のうちの多くの割合を占めるようになりました。今でもそうです。これからもそうでしょう。 何故でしょうか。その答えの一つに、世代間格差があります。消費者天国、労働者地獄。次回の世代間格差を考えるシリーズではこれらの理由を一つ一つ見ていきましょう。
2014.06.14
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株式投資で大切なこと。それは「上手に損をする」という事です。そして、上手な損の仕方とは、損を大きくしない、という事です。株価は常に適正価格なのですから、誰でも投資判断を誤ることはあります。投資判断を誤る確率は、誰でも殆ど同じ位あります。致命傷を負うと、回復するのに物凄く長い時間が必要になります。当たり前ですが、投資資本が少ないと変化率が大きくても絶対値では変動が少ないのです。分析に情熱と時間を惜しみなく注いでいるガチガチのファンダメンタリストでさえ、お猿さんのダーツと同じくらい投資判断を誤ります。先の事は誰にも分からない。でも大丈夫。何れまた活況相場に巡りあえます。判断を誤ったときに損を大きくしないで済むような対応を続けながら活況相場に巡りあえたなら、もうこっちのもんです。
2014.06.11
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ファンダメンタル投資家なら、デフレからインフレに転じつつあるのかそうではないのか、自分で判断しよう。参考資料 総務省統計局 統計データhttp://www.stat.go.jp/data/cpi/(※初心者にも分かり易い作りになっていますので安心です。頻繁にチェックしましょう)インフレは、定義をコアとコアコアのどちらにするかで考え方が変わると思います。エネルギー価格が上昇しているので、コアは上昇を続けているのは間違いないですが、エネルギーを除いたコアコアで上昇しているかどうか。今年は前年同月比0.7%→0.8%→0.7%ときていましたが、4月が2.3%となりました。5月以降まだ予断は許さないと思います。日銀は今年の夏頃以降から強気みたいですが。もうちょっと言うと、2014年3月のコアコアは絶対値で去年の年末より下でした。4月で若干上昇に転じましたが、それまで今年は絶賛デフレ中だったのです。コアコアがプラスに転じつつあった中で消費税増税。コアとコアコアとのギャップが大きくなれば、税収増を余り期待できないと思います。法人税減税する方針なら尚更。景気が腰折れしなければ、消費税10%論議が始まります。本当に残念なことです。 2014年6月8日補足一応、補足として書きますが、4月のコアコアが2.3%になっているのは、当然消費税増税の影響です。消費税増税分の物価上昇が上乗せされています。更に言うと、コアコアの数値から3%引けば消費税増税分の影響を差し引ける、という事ではないです(日銀試算では1.7%分が上乗せされるという皮算用みたいです)。念の為…。
2014.06.07
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これはインフォメーションクリエーティブの銘柄紹介の2つ目です。銘柄紹介1つ目から順に読んで下さい それでは個別セクターを見ていきましょう。主力のITソリューションの売上高は、14年65億10百万円15年70億42百万円16年76億円を計画。そのうち成長分野であるソフトウェア開発の一括請負の売上高は、14年8億85百万円、15年13億20百万円、16年18億円を目論む。ITサービス事業の売上高は、14年1億64百万円、15年2億30百万円、16年4億円を見込む。これは、かなり思い切った計画です。今まではITソリューションだけでやってきました。しかし今後はソフトウェア開発に注力しながら、ITサービスも軌道に乗せていく、というものです。新たな人材(能力)が必要になるでしょうし、その人材の育成も必要になります。先の全体の売上・経常利益率を交えて考えると、ソフトウェア開発の一括請負はかなり儲かると踏んでいるんでしょう。ファンダメンタル投資家としては、ここに着目するべきです。インフォメーションクリエイティブの中期計画は、ソフトウェア開発の一括請負にかかっているからです。会社として、顧客となりうる企業にガンガン提案していく事になるでしょう。中期計画にも提案型営業を強化する、という記載があります。これは、ソフトウェア開発の一括請負の事だと見てまず間違いありません。繰り返しますが、中期計画はソフトウェア開発の一括請負にかかっています。実績の少ないこの事業を、14年度から16年度の2年間で売上を2倍にしなければなりません。HP上で公表されている中期計画概要にはこのソフトウェア開発の事が全く記載されていません。公表されているのはITソリューション全体とITサービス事業の推移だけです。会社のHP上で公表されている中期計画を見ても、この最も重要なソフトウェア開発の一括請負は分かりません。決算説明会資料や社長インタビュー記事を読んだりするなどの必要があります。今回は日本インタビュ新聞で探した方が良いでしょう。日本インタビュ新聞はごく稀に有用な情報が記載されている事があるので、気が向いた時にでも記事を漁ってみてみると面白いかもしれません。中期計画概要https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=aWMtbmV0LmNvLmpwfGhwfGd4OjM0MDRkNDFlYTEwMmM1MzQ日本インタビュ新聞http://kabu-ir.com/また、ITサービス事業。実はこちらが長期的には大事です。16年度の営業利益率は15.5%を目論んでいます。(14年度は19.5%のマイナス、15年度は17.7%のマイナス)これは、ベトナムへの発注によるコスト削減を見込んでいるのではないかと思います。個別案件は多岐にわたる事業です。美容・理容向けASPサービスからチケットの予約発券サービスまでやっています。今後、個別案件を云々言うのはあまり意味がありません。今までは安定した優良顧客が多かった事でしょう。それは業績推移をみても分かります。ITソリューション中心に、事業内容もリーマンショックを通じてさえ激変する事はありませんでした。しかし今後は安定した収益ではないセグメントでの成長をする必要があります。かなり挑戦的なことをやっていく必要があります。インフォメーションクリエーティブは、長期的に売上100億円を目指すとしています。今のままでは畳めない大風呂敷です。中期計画で目論んでいる売上80億から売上100億への道筋を付けられるかどうかは、この3年にかかっています。肝となるのは、ソフトウェア開発の一括請負をどこまで伸ばせるか。売上100億円達成はそれにかかっています。利益面はITサービス事業が重要になってくるでしょう。売上100億円を目指しつつ増益も見込むのであれば、当然ITサービス事業の拡大が重要になってきます。中期計画、長期計画では大風呂敷の畳み方が重要です。インフォメーションクリエーティブの場合、この2つの進捗状況が大風呂敷の畳み方になります。蛇足ですが、PER:11倍PBR:1倍ROE:8%有利子負債なしEV/EBITDA:2.6です。まぁ、今回のテーマとしてはどうでも良い話です。
2014.06.02
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これがインフォメーションクリエーティブの銘柄紹介の1つ目です。ここから順に読んで下さい。 第一弾から第六弾の銘柄紹介を読んで頂いていない読者は、先にそちらを順に読んで下さい。(お手数おかけして申し訳ありません)過去に紹介した内容を理解されていることを前提として、今回の銘柄紹介を始めます。銘柄紹介 第一弾 7509アイエー銘柄紹介 第二弾 9866マルキョウ銘柄紹介 第三弾 6060こころネット銘柄紹介 第四弾 7865ピープル銘柄紹介 第五弾 9994やまや銘柄紹介 第六弾 7820ニホンフラッシュ ※皆さんご存知の通りですが、この銘柄紹介は買いを推奨しているものではありません。 それぞれ毎回テーマがあり、そのテーマに適した銘柄を紹介しています。 今回のテーマは「中期計画」。僕は中期計画、長期計画が好きなのです。物凄く好きなのです。保守的なものからとても畳みきれないような大風呂敷まで、個性豊かな計画を分析して自分なりに信憑性を八卦予想するのはとても楽しいものです。どちらかといえば保守的な中期計画或いは長期計画よりも、挑戦的なものが好きです。しかし、全社一丸となって目標達成しようという意欲の感じられないような努力目標を掲げる企業は好きではありません。大風呂敷の畳み方に興味があります。という事で、今回は4769インフォメーションクリエーティブを紹介します。インフォメーションクリエーティブ。この銘柄に良い印象を持っている投資家は少ないでしょう。悪い印象を持っている投資家も少ないでしょう。そんな銘柄です。今回は、そんな銘柄の中期計画の話です。インフォメーションクリエーティブは万年割安株ではありませんが、株価の変動が殆どありません。波はありますが、10年チャートも大人しいものです。2000年に上場して以降、最も着目されたのが去年12月。これは中期計画を発表したタイミングです。それではインフォメーションクリエーティブの中期計画について一緒に掘り下げていきましょう。といっても表面をさらっと見るだけです。今回もいつも同様、必要以上に掘り下げません。インフォメーションクリエーティブは、元々中期計画を5ヵ年で出していました。しかし先のリーマンショックで業績が大きく落ち込み、計画が頓挫。大幅な軌道修正を迫られました。それ以来3ヵ年の中期計画を出すようになっています。今回の中期計画は、2014年9月期から2017年9月期までの3年間。この3年で、この会社のその後が非常に大きく変わります。僕はこの企業は3年後に評価が大きく変わっているのではないかと思います。この3年の成長がどのようなものであれ、かなり高い確率で2017年9月期以降は成長鈍化するだろうと考えているからです(ただし、成長鈍化そのものが必ずしも悪いことと決めるけるのは早計です)。成長鈍化しないシナリオもあります。それは、ソフトウェア開発の一括請負とITサービス事業を成功させ、徐々に軸足を移すことが大前提。今中期計画の期間でソフトウェア開発の一括請負、その先にはITサービス事業、そのようにどんどん急成長事業を拡大させなければ、この企業の成長鈍化は避けられないでしょう(くどいですが、成長鈍化そのものが必ずしも悪いことと決めるけるのは早計です)。少し先走りすぎました。それではゆっくりじっくり見ていきましょう。大幅な修正に迫られたといっても、そんじょそこらの企業とは違います。リーマンショック後の非常に厳しい環境下でも赤字転落していない、足腰の確りした企業です。その企業の中期計画。そういう目で見ていきましょう。中期計画は「売上80億円」と「東証2部上場」が大柱。この2つの柱はかなりのインパクトですが、その他の数値についても公表されています。後述します。2部上場については、現時点で一応基準は満たしています。筆頭株主はダントツで従業員持株会。2位との差を2倍以上にして、もうすぐ10%に届きます。従業員給与平均が486万円(平均年齢34歳)とこの業種にしてはやや低いです。この給与は今後暫く継続して上昇するでしょう。従業員764人ですから、売上67億円営業利益4億円弱の会社では賃金上昇が致命的ダメージになりかねません。先に書いた従業員と売上からも分かるように、インフォメーションクリエーティブは従業員に対して売上が致命的に少ないのです。中期計画で売上80億円を目論んでいますが、利益の数値はどうなるでしょうか。この企業は案件内容によって利益率が決まるタイプの特殊な事業内容で、売上が急増しても必ずしも利益がドカンと増えるとは限りません。利益の数値をどこら辺に持っていこうとするかで経営がとても大きく左右されます。人材は現時点で不足しています。人材不足は最近始まったことではなく、去年からずっと不足してます。正確に言うなら、一昨年から不足傾向にあります。会社の方針は、ベトナムに発注(外注)しようとしたり、大学とのパイプを作って新卒を入れやすくしようとしたり、と「良い人材をより安く」という甘い目論見ですが、これだけでは中期計画達成に必要な売上増は難しいでしょう。今後人材コストは持続して上昇し続けると思います。先にも書いたように、リーマンショックで一時的に落ち込んだものの事業は増収増益を続けています。今の顧客はかなりの安定顧客が主なので、余程の事がない限り今後暫く増収増益傾向は続くでしょう。しかし、長期的な事業環境としては需要が大きく縮小するであろう、というのが会社・社長の公式見解です。その為に優秀な人材確保が必要だ、という流れです。よく現状を分かっていると思います。中期計画の具体的な数値目標は、14年9月期売上高66億74百万円、経常利益率6.1%15年9月期売上高72億50百万円、経常利益率6.5%16年9月期売上高80億円、経常利益率8.0%を掲げています。これをそのまま単純に計算すると、14年9月期経常利益4億7百万円15年9月期経常利益4億71百万円16年9月期経常利益6億40百万円となります。経常利益率は、リーマンショックを通じても5%を下回っていません。ずっと6%前後で推移しています。売上を急増させながらこの経常利益率を最終年度8%にする、というのが中期計画の目標です。一見それ程難しい計画ではないように思えます。しかし実際この達成は、案件内容が改善(効率的な売上増が見込まれる案件を増やす)しなければ厳しいのではないかと思います。もう一度書きますが、インフォメーションクリエーティブは人材コストの増加が経営に致命的に大きな影響を与えます。市況が良くなり、割の良い案件が増えなければ、人材コスト増加を上回る利益増加は見込めないでしょう。肝となるのは・一昨年から続いている人材不足(今後の人材コスト増加懸念)・一人当たりの売上高の低さ(売上増加の為にはある程度の従業員を増加しなければならない)・売上80億円の中期計画(売上高急上昇を目論む)・長期的には減少する事業環境(長期的な継続した案件確保が重要で、優秀な人材を手放せない)ただし、この企業は売上の6割を日立グループ案件が占めています。日立グループの案件により、大きく業績が変化します。今後日立グループの先行きはどうかがとても重要になります。ソフトウェア開発、システム運用、パッケージ開発に関わる日立グループの動向をかなり重視する必要があります。日立グループまでやると無茶苦茶長くなるので割愛しますが、日立グループ案件は暫く安泰だと思います。少なくても中期計画の間は増収が続くでしょう。 もうちょっと続く…。
2014.06.02
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僕まだガラケー使ってるんですが、月々の料金調べてみて驚きました。2300円でした。別に家の外で株価チェックする訳じゃないし、ゲームしたい訳でもないし、ガラケーで十分です。あと、スマホの料金なんか更に上がってないですか?月々7000円とか冗談じゃないかって思ってしまいます。先の投稿で書いた僕が有料会員に入っている、ヤフーVIP倶楽部、ロイターレポート会員、ニコニコ動画プレミアム会員、ニコニコ動画竹田恒康チャンネル会員、ブラックアジア会員。これらの代金を差額でほぼ全部支払えますよ。...いや、僕がこれらの有料会員登録を止めてスマホに乗り換えれば済む話ですが。と、そんな話はさておき。ブラックアジアの運営者である鈴木傾城さんですが、DARKNESS(ダークネス)というサイトの運営もやっています。このDARKNESSですが、ブラックアジア同様に優れた文章でとても素晴らしいです。先月の記事で(株主)資本主義社会についても書かれておりましたので、愛すべき読者の皆様にもご紹介します。 DARKNESSスタートを同じにしてもやはり格差は生まれるという現実 つまるところ、目的と手段を混合している方が資本主義には向いている、という主張です。素晴らしい投稿ですが、勿論唱える異がないわけでもありません。ある意味では正しいですが、これでは資本主義経済は回りません。見方によっては近視的な視野の範囲でのみ書かれた意見である、とも思います。 資本主義経済は、資本に意思があります。資本は自らの意思で、自らを増殖させる。資本の意思を読み解きながら、投資をするのが僕達投資家です。 ともあれ、ブラックアジア同様DARKNESSも素晴らしいサイトです。愛すべき読者様、是非こちらもご覧になって下さい。
2014.05.29
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自分中心で考えると、大体においてイライラするようになってくる。イライラすると、状況の把握が困難になって正しい対応ができなくなる。実は、貴方の人生には色々な見方があり、(信じられないかもしれないが)見方によっては貴方は貴方の人生の主人公ではない。ましてや、地球は貴方を中心には回っていない。何に対して不平を言う?貴方は自己責任で投資をできる、素晴らしい環境に身を置いているというのに。
2014.05.26
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先日、ブラックアジアに極めて珍しい投資に関しての投稿がありましたので紹介します。秀逸な文章というのは、読んでいて心地よいものです。http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140512T0210010900.html それはさておき。今回のテーマは「尊敬」です。僕の目の前に、壇上から偉そうに講釈垂れる白髪まみれのおっさんが。教室には僕以外誰も居ないので、興味がなくてもしぶしぶ聞いてあげるしかない。僕が居なくなっても、彼はきっと構わず講釈を続けるだろう。唯一の聞き手の僕が居なくなったら、彼は本当に独り言を吐いてばかりの異常者になってしまう。それは幾らなんでもちょっと可哀想だ。 彼曰く、投資家は尊敬の念を持って行動しなければならない、とのこと。要点をまとめると、次のようになる。 全ての投資家を尊敬できない投資家は、須らく駄目である。この全ての投資家には、『自分自身』も含まれる。全ての投資家が、株価を構成する要素であり、その株価は常に適正価格である。であるなら、自分を含めた全ての投資家が、真実に欠かせぬ一要素となる。バリュー投資家の非常に多くは、自分以外の大半の投資家は間違っていると思っている。バリュー投資自体が、株価は適正価格などではなく、徹底した分析こそが適正価格を導き出す方法だとする投資手法なので、バリュー投資家が他の投資家を尊重しないのは自然の流れであるようにも思える。しかし、事実はそうではない。バリュー投資家がいうバリュー銘柄がその値段で取引されているのは、自分以外の参加者のおかげであり、その参加者の意見を尊重するべきである。「こんなに安い値段で市場が放置している。市場参加者は本当に馬鹿だ。彼らに感謝しながら買うとしよう」などというような、愚劣極まりない書き込みを見かける度、バリュー投資家の見解の低さに驚く。他の投資家を尊敬できないような投資は、自らを驕らせ、株価よりも自分の考えの方が正しいという欺瞞の中でしか取引出来ないであろう。バリュー投資がそういうものであるとするのは彼らの勝手だが、それではバリュー投資家が他の投資家を尊敬する事は、永遠に無いだろう。他の投資家を馬鹿にし続けるような投資を続けなければならない。勿論、それは一つの正しい選択である。ただし、自分の投資が次々と失敗する中、その考えを貫くだけの筋金入りのバリュー投資家はなかなか居ない。 外で蜩が鳴いている。もうそんな時期なのか、と窓から差し込む夕日を見るとはなしに見ながら僕は思った。
2014.05.22
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株価は常に相反する意見が拮抗している位置で止まります。買い方と売り方、強気派と弱気派。片側からの意見だけで、割安・割高を声高に叫んではいけません。個別株だけでなく、日経平均などの指標も同じ。色々な意見が合わさって、今の株価を形成しています。○○だから、割安だ。いつかは分からないが、そのうち絶対に株価は上がる。△△だから、割高だ。いつかは分からないが、そのうち絶対に株価は下がる。そのような意見では、片側にバイアスがかかってしまっています。総合的に判断する為には、買い方と売り方の両方の意見を参考にしつつ、どちらの意見に軍配が上がるかを予想するのです。買い方の意見だけで判断するのは危険です。ただし、バリュー投資家は例外です。バイアスのかかった見方で構いませんし、そのような投資判断を是とする投資手法だからです。理由は「むぎゅ。」の読者ならお分かりになると思いますので割愛します。
2014.05.18
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前回の「詐欺師の定義」は実はかなりの難産でした。いつも以上に時間を掛けて練りこんだ文章だったのですが思いのほか読者の皆様に伝わっておらず、自分の表現力・文章力の無さに恥じ入っています。また時間を置いて改めて似た文章を書きたいと思っていますが、実は現時点で前回の文章以上の書き込みを出来る自信がありません。我ながら困ったもんです。 もう少し力を付けてから、またリベンジしたいと思います。愛すべき読者の皆様、申し訳ありませんがのんびりお待ち下さい。 といいつつ、今回だけ、前回上手く伝わってない部分をちょっと違った切り口から少しだけ書いてみます。 ちょっと詐欺師という言葉は避けて… ファンダメンタルを軸とした株式投資では、動機と結果が結びつかない事が多々あります。(様々な理屈を付けて、)幾らだから買いたい、その後幾らになったら売りたい、という動機(目論み)。そして幾らで買って幾らで売った、という結果。これらの相関性は、ファンダメンタルを軸とした株式投資においても、多くの投資家が思っているほどには強くはありません。それは、当初の自分が考えるような環境にならず、またどのような環境下であれ株価は適正価格であるから、結局は最終的に当初の自分の動機とは掛け離れた投資行動をとってしまう(そしてそれは適正価格の売買であるから実際は当初考えていたよりも正しい)、という事です。 これは極めて重要なことなので、下手に誤解を招きかねないような補足はせず、簡潔に書いて終わりにします。動機と結果がそれ程には結びつかないということは、常に頭の中に叩き込んで、特にトレードを開始しようとする時には認識するようにすると良いと思います。
2014.05.14
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このブログでは頻繁に詐欺師というフレーズが出てきます。「詐欺師=悪」というような印象を持つ人が多く、詐欺師呼ばわりするのが悪口だという受け取り方をする人が多いと思います。このブログの主張はそうではありませんので、今更ですがここら辺で詐欺師の定義をしておきます。詐欺師とは、他人を騙す人のことです。それも、人間心理を利用して他人の心の動きを巧みに操る人のことです。本人に騙そうと言う意思があるかどうかは関係ありません。語りで他人を騙しているのが詐欺師です。読み手を騙している書き手は詐欺師であり、聞き手を騙している話し手は詐欺師です。パターンとして、次の4つに分かれます。・欲望に付け込むタイプ・恐怖や不安を煽るタイプ・権威や信頼を利用するタイプ・希少性を演出するタイプ詐欺師は、騙した結果自分が儲けているかどうかでプロとアマに分かれます。相手を騙して自分の利益となるのであれば、プロの詐欺師です。一流のプロの詐欺師であれば、騙して得た利益だけでも生計を立てられることでしょう。そこまで行くと、胸を張って履歴書の職業欄に「詐欺師」と書けます。ただ、そのレベルになると他人を騙して自分が喰っていけるのですから、他人に雇ってもらうために履歴書を書く必要はありません。どうやって騙し続けるか。騙し続けることが出来るシステムの構築を考えるようになるでしょう。詐欺師には詐欺師の主張があり、しばしばその主張は正当なもののように思えます。また詐欺師には詐欺師なりの正義があります。多くの人には理解できないでしょうが、確かに詐欺師には詐欺師なりの正義があるのです。売春婦には売春婦なりの正義があり、泥棒には泥棒なりの正義があり、そして詐欺師には詐欺師なりの正義があります。しかし、他人を騙しているのであれば、その詐欺師の主張を正当なものと認めることは出来ません。詐欺師の正義はニセモノです。正義は真実の中にあります。真実は勝者の正義によって作られます。真実に出来ないのであれば、それは正義ではありません。どんなに理路整然としていても、正当性のないまがい物です。そのまがい物を主張しているのであれば、詐欺師です。殆どのバリュー投資家は自らの主張の正当性を誇張してばかりいる詐欺師です。 最後の最後に余計なことを言ってしまった気がしますが、忘れて下さい。騙そうとしている意図を持った人以外にも詐欺師はいます。その詐欺師は自分の意見の正当性を主張します。その正当性はその人なりの真実(実際は勘違い)なのです。その相手を「詐欺師」呼ばわりをする為には、主張が何なのか、そしてそれはどのような根拠に基づいているのか、何故その根拠と主張を結びつける事が出来ると考えているのか、そこら辺をじっくりと考えてみる必要があります。相手に問いかけてみても良いと思います。問いかけても明確に答えがでない場合は、その人が詐欺師である可能性が高いです。株式市場で自らの投資手法を正しいと主張している投資家の大半は詐欺師です。詐欺師の僕が自信を持って保障します。
2014.05.10
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これから先、相場がどうなるかを考えるのは余り重要ではない。将来の事は分からない。どうなるかなんて分かりっこない。そうなる可能性が高いか低いか。それを予想することは出来る。そしてみんなが予想した結果が、今の株価となっている。肝心なのは、むしろ今後どうなるかではなく、そうなった時にどうするか?である。
2014.05.07
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インターネットには有料会員にならないと読むことの出来ない情報に溢れています。多くの場合、有料会員の情報は情報発信側が本気で書いています。逃げはなく、言い訳も出来ません。読み手と書き手の真剣勝負です。 以前無料の記事を紹介したブラックアジアも、基本は無料ではなく有料です。(刺激が強いので、18歳未満の人は18歳以上になってから見て下さい)http://www.bllackz.net/ずっと無料記事で我慢していたのですが、先日有料会員になりました。 1年で5000円かかりますが、記事の内容はどれも独自でとても素晴らしく、文章力や表現力が抜きん出ており、更新頻度も多いのでオススメです。経済関連の考えは僕とは違う部分も多いのですが、とても参考になります。『むぎゅ。』の読者様にもオススメします。是非。 有料会員は他にもニコニコ動画と、ニコニコ動画の「竹田恒康チャンネル」、に登録しています。この竹田恒康チャンネルは月額税抜800円かかりますが、とてもオススメです。こちらも是非。 ここは株のブログなので、株の有料会員の話もしましょう。株の有料会員は様々なものがあります。大手から個人まで様々な有料会員がありますが、基本的にはどれも入る必要はありません。僕はヤフーファイナンスVIP倶楽部(2,138円/月)とロイター銘柄レポート会員(1,188円/月)に入っていますが、初期の頃からの惰性で続けているだけです。今は幾らでも無料で情報を得ることが可能ですので、読者の皆さんは別に入る必要はないと思います。 株の有料会員には、サイトやメルマガといった類もあります。通常では得られない情報と銘打って、大抵は投資顧問業者として法人登記しているアナリストが情報を発信します。玉石混合。分析にかける熱意や時間に、かなりのバラツキがあることは間違いありません。ただ、一つだけ言えるのは、投資顧問登録をしているアナリストだろうが、有料だろうが、膨大なデータだろうが、多くの熱意や時間を掛けて分析してようが、儲かるかどうかは全く関係ないということです。 過去、僕は株式投資関連で投資顧問アナリストの有料会員になった事が1回だけあります。2万円/月で6ヶ月単位。つまり12万円からの有料会員です。僕は半年限りの会員でした。期間はライブドアショック前後。毎日が給料日だったあの頃でしたから、12万円でも躊躇しなかったんでしょうね。別に今でも後悔していません。 そのアナリストは煽り屋さんでした。ファンダメンタル分析を軸としていましたが、非バリュー銘柄を中心に煽っていました。当然です。有料情報なら値動きの激しい銘柄をピックアップする必要があります。万年割安株など紹介しても仕方ありません。値動きの激しい銘柄を、暴落を避けてトレードを推奨する。かなり難易度が高く、投資家に伝わっていない情報を知ることが重要です。財務諸表の深い部分を読み解く力も必要になります。財務諸表以外の情報が重要になります。僕はその有料情報を元にして売買したことはただの1度もありませんでした(本当にただの一度もありませんでした)が、その独特の分析や考え方は堪能させてもらいました。 その煽り屋アナリストのHNは「パックマン」と言いました。本名は伏せます。法人化する前は、ヤフーファイナンスの掲示板に書き込みをされていました。かなりの分析力で、裏打ちされるデータが多く信憑性がありました。非バリュー投資家では珍しく、分析にとても力を入れたファンダメンタル屋さんでした。残念ながら今ではヤフーファイナンスの掲示板がなくなってしまったので書き込みが見れません。ヤフーファイナンスの掲示板は色々な煽り屋さんが居ましたが、その人は一流の煽り屋さんでした。僕の知る限り、その人を超える煽り屋さんは存在していません。 余談が長くなってしまいました。僕は詐欺師とか煽り屋とかいうやや過激な表現を使っていますが、時には彼らの言う事が正しいことも知っています。まずは耳を傾けよう。そして、正しいと思う部分は認め、批判するべき部分は批判しよう。そういうスタンスです。 バリュー投資家というだけで批判するのは、テクニカル投資家というだけで批判するのと同じくらい愚かです。詐欺師だから、煽り屋だから、というだけで批判する気はありません。株価が常に適正価格なら、バリュー投資家だろうが煽り屋だろうが初心者だろうがプロのアナリストだろうが、みんな同じだけ正しいんですね。 長い余談を終わります。今回の投稿は、ブラックアジアの有料会員はオススメだよ、というテーマでした。このテーマは最初の7行で終わってます。後は読まなくても良い駄文ですのでご注意下さい。(何故最後に書く)
2014.05.03
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世界中でグローバル化による格差社会が進んでいる、と言われて久しいです。特にアメリカなどは、上位1%が富の殆どを吸い上げる非常に歪な社会システムになっていると言われています。しかし、これらは歴史上初めての事でしょうか?違います。これは歴史で繰り返されている現象です。前回の格差社会は、いわゆる第二次世界大戦前。アメリカは今と同じ格差水準でしたし、それ以外の先進国は今よりももっと酷い格差社会でした。何故格差社会が再来したか。それは、富の再分配システムが崩壊しつつあるからです。資本主義社会では、資本は資本のあるところに集まっていきます。そのまま何をしないでいると、資本家はより資本を増やし、資本家でない人は相対的に貧しくなり続けます。それらの資本を、国が累進課税などで徴収し、再分配することで格差の是正が行われます。資本主義社会は完全なシステムではなく、今ある現実的な社会システムの中で一番マシなシステムというだけです。資本主義社会の不完全さは、どこかで誰かが補わなければいけません。そうしなければ、永続するのは難しいでしょう。資本主義社会が成り立ち続けるためには、市場主義経済を突き進むというのはむしろ悪手です。資本の意思は、長期的に自らが増加し続けることにあります。それは、短期的或いは中期的な合理的行動とは違います。ここの所は長期投資を行う上で非常に大切になる部分ですので、『むぎゅ。』読者様で長期投資家の方は是非とも御理解頂きたい所です。
2014.04.30
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「能書きは良いが、結局この株は上がるのか下がるのかどっちなんだ?」というような質問の類はいつの時代にもありますが、これは質問自体がナンセンスです。聞かれた方だって実際のところ今後の株価推移は分からないのです。相手の分からないようなことを質問しようという発想が少し間違っているのです。むしろ「それは何の為の質問で、その質問の回答が貴方にとってどんな意味はあるのですか?」という事を聞き返したくなります。さて、もう一つ。インターネットでは、礼儀正しく、相手の気持ちを尊重し、人を不快にさせるような書き込みは控えましょう。これは何故か学校では教えてくれません。もし、楽しいインターネットライフを送りたいのであれば、まず他人の気持ちを尊重することです。礼儀正しくあれ。礼儀正しさの本質は、相手を尊重すること。株式投資に興味を持っていて、楽しく株式投資を行いたいというのであれば、他の投資家を馬鹿にするのではなく、まずは尊重することです。取引する人全てによって株価が構成されます。そして結果として決められた株価は常に適正価格です。今日の適正価格は明日の適正価格とは一致しない。投資家みんなで一緒に切磋琢磨していって、明日の適正価格を自分達の価値観に近づけることは可能かもしれません。株価は常に適正価格。今後の株価が上がるかどうかは、誰にもハッキリとは分かりません。各自、八卦予想で投資をしているのです。
2014.04.26
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哲学は信念の上に成り立っている。逆ではない事に注意されたい。信念がない者に哲学はなく、強い信念がない者に確たる哲学は持ち得ない。哲学は無意識に多大な影響を与えるので、信念は意識の中だけではなく無意識の構成要素の中でも特に肝要であるといえる。
2014.04.23
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日本を考える三島のブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/mikosi009/をお気に入りブログから外しました。株式投資については日々の値動きを追っているだけで、毎日の投稿内容は古事記の解説に終始しているだけのブログになっています。もうずっと足が遠のいていますのでお気に入りから外しました。ただ、ずっとほぼ毎日更新していたのが一転してここ最近1ヶ月以上更新がなくなっているので、何かあったのではないかと心配しています。
2014.04.21
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僕は最近思うのですが、どうも、子供の頃に経営シュミレーションゲームをやった経験が株式投資に活かされているようなのです。それも、思っていた以上に大きな影響を及ぼしているようなのです。 小中学生の頃、僕はシュミレーションゲームが大好きで遊びまくっていました。外で体を動かす遊びも好きで、ロクムシやドロケイやコマといった遊びを毎日友達としていましたが、やはりファミコン世代。テレビゲームをかなりやり込みました。僕はシューティングからアドベンチャーゲームまで幅広くやりましたが、一番好きなシュミレーションゲームを中心にプレイしました。特に光栄のシュミレーションゲームに没頭していました。当時の光栄の出している家庭用シュミレーションゲームは、殆どをやったのではないかと思います。いくつかのゲームは、発売日前からパソコン版のガイドブックを買って予習するくらいでした。光栄のシュミレーションゲームの中には経営シュミレーションもありました。特にファミコンの『ファミコントップマネジメント』とスーパーファミコンの『トップマネジメント2』がとても面白かったです。間違いなく100時間以上はやり込みました。このゲームは良く出来ており、特に『ファミコントップマネジメント』はシンプルながら経営の基礎的な考えを学べます。『トップマネジメント2』の方は在庫調整と、売掛金や買取手形などの資金繰りにやや特化した内容になっています。手形割引率などが重要になります。調べてみると、『ファミコントップマネジメント』は新入社員の教育用として開発されたゲームが元になっているとの事です。なるほど納得。単純明快でありながら奥が深いこのゲームは、今やっても十分面白いです。後でもう一度言いますが、小学生の子供が居る方は、是非やらせてあげて欲しいゲームです。日本もアメリカのように小さい頃から投資を学ばせるべきだ、学校でも教えるべきだ、という意見を主張している個人投資家を良く見かけますが、それなら『ファミコントップマネジメント』で遊ばせれば良いと僕は思います。それくらい良く出来たゲームです。 この2つのトップマネジメントを冠する経営ゲームは、パソコン企業の経営を行うというものです。デスクトップパソコン、ラップトップパソコン、ノートパソコンの開発・製造・販売をしていきます。性能とブランド力を元にして、販売価格決めと在庫調整を行います。更に新商品の開発状況や会社の資金繰り状況を元に生産量を決めます。当然、ライバル会社の動向も注視する必要があります。在庫は新商品発売で無価値になります。また、自社製品の性能(求められるニーズを満足できる度合い)は毎月低下していきます。社員の数・給料・賞与を間違えるとすぐに資金繰りに窮しますし、資金繰りに窮した際に売掛手形の売却をすると手形の満期までの期限に応じた割引率が差し引かれます。商品によって原価率が違いますし、市場が求める商品は毎年変化していきます。法人税の支払いにも注意をしなければ、経営に大きな影響を与えてしまいます。当然、儲けているほど翌年の法人税の支払いは多額になります。徐々に大きくなる人的コストの負担。しかし他社と比べて低い賃金ではストライキが発生してしまい、生産が低下するリスクがあります。また、生産ラインの増設には膨大な設備投資が必要になりますが、その設備投資をしないでギリギリの生産ラインでいると、在庫不足に陥る可能性があります。在庫不足での機会損失が経営には致命的に大きなものになりますので、ある程度の在庫を確保する必要があります。このゲームにおいて在庫調整は経営の基本です。ブランド力で売れ行きが大きく変わります。商品の売れ行きは、性能よりも、むしろブランド力による影響が大きいです。しかし、ブランド力の向上には非常に長い期間が必要で、大変大きなコストが掛かります。またそのブランド力を維持するためにも多くのコストが必要になります。ブランド力は上げるのは大変ですが、コストを掛けないとあっというまに低下します。このコストをどこまでかけるかは経営戦略として大きなウエイトを占めます。このゲームではブランド力は参入障壁の一つであり、またブランド力向上が肝となります。ブランド力のない企業は、性能が高くても価格を下げなければ売上を向上できません。価格を下げると利益率が低下するので、多くの場合ブランド力は利益率にも繋がります。売上を向上しても利益が出なければ意味がありませんが、在庫調整の為には場合によっては製造原価よりも低い値段で商品を売らなければなりません。製造原価よりも低い価格で叩き売りしてでも、在庫調整は必要になります。生産には量に応じた製造ラインを必要としますが、製造ライン増設には多くの資金がかかり、また高い生産能力を維持するためには常に合理化を進めなければなりません。また販売するのは性能が重要視される製品ですので、新製品を開発できる開発員の質の高さを維持することが重要になります。社員のモラルが低いと開発に支障を来たします。能力を高めるためにも、社員教育は必要です。社員を増やすとその分だけ業務効率が低下するので、急激な社員増加は避けた方が無難です。 といった感じで、基本的な概念を挙げるだけでもまだまだキリがありません。このゲームを何度も何度もやってくうちに、徐々に分かっていきます。バランスシートの基本的な概念は、小学生でも十分に分かります。それも、ある程度深いところを理解できます。ゲーム中では実際に経営に応じて変化するバランスシートを毎月確認するようになります。個々の項目について全く何も知らなくても、何をどうすればどのように変化するかが自ずと分かってくるでしょう。もちろん、実際の会社の経営はゲームとは違います。そんなに単純なものではないでしょう。ただ、このゲームをやり込んだので決算書の理解が早くなった、というのは間違いないと思います。大人がやると物足りないレベルだと思いますが、子供の頃から株式投資の勉強をした方が良いという考えを持っている人は、この2つのゲームをやらせてあげた方が良いと思います。特に『ファミコントップマネジメント』はオススメです。自然に、経営者目線でバランスシートを見ることができるようになると思います。シュミレーションゲーム好きの子供であれば、このゲームはとてものめり込むと思います。是非。
2014.04.18
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今年になって他の投資家のサイトを紹介してばかりなのでもう暫く紹介するのを止めると言ったばかりですが、とっても良いブログを見つけてしまいました。我慢できずに紹介しちゃいます。 ゆうゆー投資法http://yuyutoushi.blog.fc2.com/ このゆうゆーさんのブログ、とっても良いと思います。保有銘柄と一番新しいDVxについての投稿文章見ただけで、大体分かりました。こういう投資家さん、僕はとっても好きです。バリュー投資家さんとは似て非なる部分が大きいですので、特にバリュー投資を中心にした株式投資をしている方は参考にして頂きたいと思います。参考にするというより、こういうタイプの投資家も応援してあげて欲しいです。 ゆうゆーさんはバフェットさんとリンチさんの投資哲学に影響されているようです。僕はリンチさんあんまり好きじゃないんですが、リンチさん好きな投資家多いですね。みきまるさんもそうですし、前に紹介したエナフンさんもそうでした。僕はどちらかというと、フィッシャーさんの方が好きですね。成長株投資が好きなら、リンチさんではなくフィッシャーさんでしょう。いや、これは蛇足でした。 蛇足ついでに、このゆうゆーさんのブログを発見したのは、今日ハピネットについて調べていたのが切欠でした。ハピネット、悪くない銘柄ですね。 蛇足の蛇足ですが、僕は今日ずっとゆうゆーさんのブログを読み続けながら、過去の投稿に対してコメントを書き込みまくっています。一つ一つ回答してくれるという事ですので、僕の嫌がらせのようなコメントの山に対するゆうゆーさんの回答も、しっかり読んであげて下さい。僕みたいな変人の回答をいちいちするのも手間だと思いますので。 -連絡-『ゆうゆー投資法』は楽天サイトではないブログですが、リンクを張りたくなったのでこのブログのデザインを変えました。左側にフリースペース欄を追加して、そこにリンクを貼りました。
2014.04.14
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これはニホンフラッシュの銘柄紹介の2つ目です。銘柄紹介1つ目から順に読んで下さい。ここまでのポイントをまとめます。・売上と利益が急成長・中国での売上が大半・売上に対する現金預金が少ない・売上の急増に伴い受取手形が急増 (難易度が高いので割愛しましたが、中国経済の影響を推し量るのであれば受取手形全体の伸びを売上全体の伸びに対して考えるのではなく、それぞれ国内分を差し引いた数値で考える必要があります。これは僕達初級者には少し難易度が高いです)・支払い利息及び割引料が急増しつつあるが、利益も急増しているため利益に対する比率は今のところ急増していない (2014年3月期が発表されたら要注目)・2014年3月期に入り、受取手形の割引料が第3四半期までで急増。2014年3月期決算要注目。注意したいところは、これまでは2013年3月期までの話で、これが2014年3月期にどのようになっているかでこの企業の評価が劇的に変わる、という事です。そして、繰り返しになりますが公表されている受取手形割引高の直近の数値は、先に挙げた通り2013年3月期→2013年9月→2013年12月355百万円→1,330百万円→1,832百万円となっています。これが2014年3月期の期末にどのようになっているか、これが今後のキャッシュフローを予想する上でとても重要になるのです。 時価総額は約120億円。このお値段が高いか安いか、それはこれまでの分析では分かりません。債権の中身や取引先も重要になるでしょう。雑な分析ではなく、確りとした分析をするには国内外で分けて分析する必要があります。また中国経済の動向も重要になります。しかし基本的なことであれば決算報告書をみて判断できます。この企業が安いか高いかは、各々の投資家の、決算報告書を用いた、より深い所まで突っ込んだファンダメンタル分析に拠ります。 ここまで、かなり乱暴ですがキャッシュフローの話をしてみました。キャッシュフローは簡単にパパッと判断できると思われがちですが、そうではありません。キャッシュフロー計算書の大雑把な項目を見ても、分からないことが他の決算報告書には隠されています。キャッシュフロー計算書は補助的な意味合いにはなりますが、単体では何の意味もありません。基本的にはバランスシートや損益計算書を確認するのが良いと思います。ちなみに、基礎指標はというと...PER約7倍PBR約1.5倍ROE約20%自己資本比率約60%EV/EBITDA約4.6となっています。これは今回の話とは関係ないおまけです。(余談と言うより蛇足ですね)
2014.04.10
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これがニホンフラッシュの銘柄紹介の1つ目です。ここから順に読んで下さい。第一弾から第五弾の銘柄紹介を読んで頂いていない読者は、先にそちらを順に読んで下さい。(お手数おかけして申し訳ありません)過去に紹介した内容を理解されていることを前提として、今回の銘柄紹介を始めます。銘柄紹介 第一弾 7509アイエー銘柄紹介 第二弾 9866マルキョウ銘柄紹介 第三弾 6060こころネット銘柄紹介 第四弾 7865ピープル銘柄紹介 第五弾 9994やまや※皆さんご存知の通りですが、この銘柄紹介は買いを推奨しているものではありません。 それぞれ毎回テーマがあり、そのテーマに適した銘柄を紹介しています。 キャッシュフローを重要視する投資家は数多くいます。キャッシュフローが悪い企業は見送るべきだ、という主張をします。キャッシュフローが悪いとはどういう事でしょうか。一つは、資金繰りが悪いと言う事です。もう一つは、利益の質が悪いという事です。さらに、将来の特損の可能性があるという事です。これらの要因が複雑に絡み合った結果が、キャッシュフロー計算書という単純なお金の出入りを表す表になって現れます。キャッシュフローを重要視する投資家でも、個々の要因をどのように重要視するかを具体的に示す事が出来る投資家は多くありません。例えば、継続して高い利益を出し、増加する自己資本と共に有利子負債を増やしながら高ROEを続けている企業があるとします。その企業では、キャッシュフローに注意する必要があります。何故か?それは今まさに成長しているからであり、今後も成長しようという意欲のある企業だからです。そして、成長には今までより多くの資金を必要とするからであり、売上の増加と共に売掛金が増加するからであり、そしてその売掛金が満期を迎える前に今すぐにでも資金が必要になる可能性があるからです。また企業規模に比べて大きな法人税を支払う必要があります。その法人税の支払いの為の現金確保を常にしている企業ばかりではない事にも注意が必要です。色々な要因があり、急成長を遂げつつある企業はバランスシートに比べて多くの資金を必要とします。またそうであるからこそ、思ったほど売上が伸びなかった場合にあっという間に資金繰りに窮してしまうということもあります。今回はそのキャッシュフローの話。僕はあまり好きな考えではありませんが、重要だと思いますので今回のテーマにします。キャッシュフローについて云々言うのは今回が最初で最後かもしれません。繰り返しますが、成長企業、特に設立間もない若い成長企業が業績を拡大していく過程では、キャッシュフローが重要になります。できることなら常に十分な現金預金を確保しつつ、安定的な収入を得られるシステムを構築するべきです。増収増益を続けていても、手元に残るのが売掛金や受取手形などでの回収しなければならない債権ばかりだと不渡りを出す恐れがあります。まずは、安定的な収入を確保するシステムの構築が重要になります。つまり何が言いたいかというと、安定的な収入源を確保している企業では、キャッシュフローの重要性はそれ程高くない、という事です。安定した収入源を確保しているかどうかの確認として、キャッシュフローを見る。本来はその程度で十分でしょう。安定的な収入源があって現金預金が潤沢にある自己資本比率の高い万年低PERのいわゆるバリュー株では、キャッシュフローなんて重要視しなくても良いのです。そのような企業でキャッシュフローについて必要以上に重要視しているのは、馬鹿みたいだ、と僕は思うのです。さて、それではニホンフラッシュ(7820)を見てみましょう。業種はマンション向け内装ドアです。国内45%、海外55%。ここで言う『海外』は中国です。主力が中国相手の商売ですから、中国企業の売掛金が多い事になります。成長企業で、どんどん売上を増加させている。その売上増加により、売掛金や受取手形が多くなってきています。前期で11億円増加し、現在63億円。当然といえば当然ですが、これらの債権は中国企業相手のものが中心です。現金預金は直近の決算報告書の時点で16億円。対して、今期売上予想は160億円です。当然、この売上を実現するためには企業活動を行う資金が必要になります。その資金は現金預金では足りません。売掛金や受取手形といった債権を現金化する必要があります。160億円の売り上げを上げる為に、どれだけのお金が必要になるでしょうか。その債権は不渡りにはならないでしょうか。手形の満期まで待てずに、割引料を差し引いた額で銀行に買い取ってもらう手形割引調達をする必要に迫られないでしょうか。(ちなみに、銀行に買い取ってもらった手形が不渡りになった場合は、銀行から買戻しの要求がきます。買戻しできない場合は、銀行と協議しながら分割して支払う必要があります)重要なことですが、資金繰りの問題点の有無を確認する為の手段はファンダメンタル分析になります。ファンダメンタル分析を主とする投資家であれば、企業の資金の流れをイメージしなければなりません。この企業のこれからの資金繰りを、過去のキャッシュフローでイメージできるでしょうか?難しいですが頑張ってやってみましょう。まずは、ここ数年のキャッシュフローを見てみます。2010年3月期営業キャッシュフロー 178百万円キャッシュフロー -635百万円2011年3月期営業キャッシュフロー 309百万円キャッシュフロー 118百万円2012年3月期営業キャッシュフロー 239百万円キャッシュフロー -27百万円2013年3月期営業キャッシュフロー -165百万円キャッシュフロー -228百万円投資キャッシュフローと財務キャッシュフローは割愛します。割愛してはいけないのですが、長くなるので割愛します。ここでのポイントは、2013年3月期の営業キャッシュフローです。マイナスに転じています。敢えて簡略化して乱暴に言わせてもらうなら、資金繰りが悪化しています。しかし、成長企業では資金繰りを悪化させながら成長するのは良くあることです。良いか悪いかは別にして、大して珍しい事ではありません。キャッシュフローを確認してみても、今期以降の営業キャッシュフローがどうなっていくのかの予測はできません。しかし、ニホンフラッシュのような企業では将来のキャッシュフローがとても重要になります。何故でしょうか。それは、今まさに現在進行形で多額の設備投資をしながら急成長している企業だからです。繰り返しますが、投資キャッシュフローは割愛します。それでは、まずは経常利益にキャッシュフローを重ねて見ましょう。2010年3月期経常利益 478百万円営業キャッシュフロー 178百万円キャッシュフロー -635百万円2011年3月期経常利益 174百万円営業キャッシュフロー 309百万円キャッシュフロー 118百万円2012年3月期経常利益 760百万円営業キャッシュフロー 239百万円キャッシュフロー -27百万円2013年3月期経常利益 1,973百万円営業キャッシュフロー -165百万円キャッシュフロー -228百万円これだけでも随分イメージが変わって見えます。投資家にとって大切なのは、「何故そうなったか」「これからどうなるか」です。何故2013年3月期の営業キャッシュフローがマイナスになったのかの理由が重要です。というより、何故2013年3月期は営業キャッシュフローが経常利益の推移と大きく掛け離れているのかの理由が重要です。このような企業で重要視しなければならない項目。支払利息と割引料です。ここから先は長くなるので巻いていきます。2010年3月期から2013年3月期までを矢印で表します。6→10→17→58(百万円)今のところ問題ありません。しかし、2次曲線を描くように急増しています。(支払利息は有利子負債変動と金利変動を御確認下さい)ここでいう割引料とは、一定の支払期間を与えた売掛金その他債権について相手方が支払期日前に代金を支払った時に、その期間に応じて値引きする料金です。受取手形の割引料ではありませんので注意して下さい。 受取手形の割引料は、上記の中に含まれておらず、財務諸表の枠外に受取手形割引高という表記で表されます。本当はもう一通り表記方法がありますが、現在は一般的でないので割愛します。直近の受取手形割引高は、第3四半期連結決算で下記となっています。2013年3月期355百万円2013年9月1,330百万円2013年12月1,832百万円これは売上増加によるものと、中国での住宅バブルが弾ける前兆という、2つの影響です。 それでは売上推移はどうかというと、7,122→6,622→9,100→12,729(百万円)となっています。何故売上推移を見たかというと、売上と売掛金は密接に影響しているからです。短時間で企業分析する際は、売上と売掛金はセットで考えて下さい。ここでは売掛金の推移は省略します。専用ツール或いは専門サイトで調べれば30秒もかからずに分かりますので、各自調べてみて下さい。確認のため、当期利益推移も見てみましょう。-83(※)→87→555→1305(百万円)※2010年3月期は特損計上の影響この比較は僕はあまり好きではないのですが、経常利益或いは当期利益に対する支払利息と割引料の割合推移を算出してみましょう。経常利益:1.3→5.7→2.2→2.9(%)当期利益:-7.2→11.5→3.1%→4.4(%)この値が2014年3月期にどうなるか。まだ現時点では2014年3月期の決算報告は公表されていません。知ろうとするのは2014年3月期の業績予想の範疇になります。今回のテーマと離れますので割愛します。今回はガンガン割愛します。割愛できない人は置いてきます。 同じ要領で、受取手形の割引料を算出してみると良いと思います。しかし、2013年3月期までは殆ど面白味のない値ですので割愛します。2014年3月期の決算が出たら、2013年3月期までと比較してみて下さい。多分驚きの結果が出ます。 もうちょっと続く…http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201404100001/
2014.04.10
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物差しを片手に、歩いて回った。驚いた事に、物差しは変幻自在で、延びたり縮んだり歪んだりした。それだけじゃない。じっとしている事ができないようで、あっちこっち勝手に動き回った。動き回った挙句の果てに、怖い怖いと震え出す始末。そんな様子を見ていて、この物差しは全く役に立ちそうもないな、と悟った。もう随分昔の事だ。芯のない鉛筆の方がまだ幾分かましに思えた。そして実際、そうだった。 これはそんな物差しの話。そう、僕の株式投資の話だ。退屈だろうが我慢して欲しい。僕だって、眠りそうになるほど退屈なのを我慢して書いているんだ。 僕が大事に持っていたその物差しは、黄ばんでいて、汚らしかった。下の方に大きく『PBR』と書いてあった。その物差しは使い勝手が良かったが、測ってみたら汚れてしまうという欠点があった。別に株なんて汚れても構わないと思っていたけど、気が付いたら淀んでいたのは僕の眼の方だった。という事で、別の物差しに変えた。僕が大事に持っていたその物差しは、曇っていて、見え難かった。下の方に大きく『PER』と書いてあった。その物差しは予想していた通り使い勝手は悪くなかったが、測ってみたら霞んでしまうという欠点があった。別に株なんて霞んでも構わないと思っていたけど、気が付いたら濁っていたのは僕の眼の方だった。という事で、別の物差しに変えた。僕が大事に持っていたその物差しは、変形していて、使い難そうだった。下の方に大きく『ROE』と書いてあった。その物差しは驚くほど使い勝手が悪く、測る度に曲がってしまうという欠点があった。別に株なんて曲がっても構わないと思っていたけど、気が付いたら歪んでいたのは僕の眼の方だった。 なるほど、この世は世知辛い。もうたくさんだ、と釣竿片手に旅に出た。行き先決めずに悩んだ挙句。山は嫌だと海にした。変幻自在の尺度をもとに、釣った魚を計りけり。雷鳴れども落雷は無し。そうと分かれば、怖くない。嵐だって、他人事。藻屑に飲まれる人観て笑い。暫くしてからまた笑い。いつの間にか日は沈み。月の光も届かない。助けを呼ぼうと叫んでみても、真っ暗闇に掻き消され。荒れ狂う波。波。波。手作りボートが波揺られ。酔った挙句に吐く始末。助けを呼ぼうと叫んでも、真っ暗闇に消えていく。なるほど、この世は世知辛い。穴開きポッケを弄って、やっと出てきたこの定規。やっと見つけた宝物。やっと分かった宝物。念仏唱えて測ってみれば、二束三文、雀の涙。やっぱり山にするべきだった。神を呪いしこの境遇。幾ら呪えどまだ足りぬ。悪態吐くども吐き足りぬ。体の震えが収まる頃に、荒波消え行く地平線。北へ南へ東へ西へ。見渡す限りに何も無し。頼れるものは何も無い。何度思った事だろう。定規片手になんのその。また来る嵐は何処からか。問う相手もいないまま、大海原を突き進む。進んでいるのかいないのか。定規の他に何もなく。定規が何の役に立つ。問う相手もいないまま、大海原を突き進む。進んでいるのかいないのか。定規の他に何望む。何がお前の役に立つ。問う相手もいないまま、大海原を突き進む。進んでいるのかいないのか。やっぱり山にするべきだった。何をするにも相手も居らず。笑い話はもう沢山と、自ら掲げたこの拳。責めて誰かの役立てば。気合を込めて振り下ろす。下ろした先に水はなく、蝋燭ばかりが並んでる。幾ら違うと叫んでみても、訂正される訳でなし。寝ても覚めても解釈できず。匙を投げたり見えざる手。定規がお前の役に立つ。定規はお前そのものだから。神に唾棄するその姿、満身創痍の青息吐息。傍から見ても勝ち目はないが、己が信念曲げられぬ。ここは愚者の楽園か。はたまた賢者の修行場か。踊る阿呆に見る阿呆。寄ってらっしゃい見てらっしゃい。ここは鉄火場一丁目。弥が上にも高まる期待に、一念発起の先は闇。鬼も十八番茶も出花。思いもよらぬ舌先三寸。寸暇を惜しんで責任転嫁。極悪非道の独壇場。知らぬが仏と言うなかれ。せめてこう言え豚に真珠。幾ら定規を眺めてみても、淀み濁って歪んだ眼。昔は見えた尺度の目盛、確かに見えた尺度の目盛。もう良い、もう良い、もう沢山だ。下手な考え休むに似たり。どうせ次々人は来る。僕も昔はその一人。僕が貴方で貴方が僕で。踊る阿呆に見る阿呆。寄ってらっしゃい見てらっしゃい。ここは鉄火場一丁目。弥が上にも高まる期待に、一念発起の先は闇。鬼も十八番茶も出花。思いもよらぬ舌先三寸。寸暇を惜しんで責任転嫁。極悪非道の独壇場。
2014.04.05
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サラリーマンとして日々会社の歯車となって仕事をしていると、組織には尊敬できる人と尊敬できない人がいる事に気が付く。入社して最初の頃は尊敬できるかどうかを仕事が出来るかどうかで判断しがちだが、年を重ねる毎にその考えは少しずつ変わっていく。何年も一つの組織で仕事をしていると、尊敬できるかどうかの判断の元になるのは多くの場合仕事が出来るかどうかではなく、配慮や思いやりといった人間らしさによるものが意外なほど大きなウエイトを占めている事に気が付く。これは日本的経営かどうかで顕著に変わる考えで、実力主義の外国の企業では少し変わってくるだろうと思う。日本の企業も随分様変わりしたが、しかし、根っこの部分は未だ変わっていない。部下や後輩の成果について、「これはあいつの努力の結果です」という上司や先輩。彼らは仮にそれ程優れた仕事が出来なかったとしても、長期的には慕われるようになるだろう。逆に部下や後輩が失敗したときに、「これはあいつの失敗だ」と言うような上司や先輩は慕われない。例えどんなに仕事が出来ても、である。異論反論はあるだろうが、実際はそのような傾向があると強く感じる。少しの歪みであっても、時間が経つにつれ、その歪みは徐々に大きくなってくる。組織が大きくなると個々の業務にチームワークが必要になる。不得手な人の仕事を得意な人が補う仕組みがあれば、長期プロジェクトでは組織全体として効率的な業務が出来るからだ。効率的な業務が求められるほど、潤滑油が必要になるような摩擦の大きい歯車は、どれだけパワーがあっても周りの歯車が徐々に磨耗してくる。 株式投資でも、似た事がある。自分の成功したトレードについて、「これは私のトレードです」と大っぴらに自慢している投資家は尊敬されない。成功したトレードの度に「これは自分の力で成功したのではなく、たまたま成功したのです」と謙虚な姿勢を持つ投資家。そのような投資家は失敗したトレードと謙虚に向き合うことができる。そういう姿が多くの投資家に尊敬される。そもそも成功したトレード自体、大っぴらにすること自体がおこがましい。市場に謙虚であるなら、そんな恥知らずな事はしないはずである。成功体験に胡坐をかいて自分のトレードを自画自賛している限り、その投資家は短期的には羨望の眼差しで見られても、長期的に尊敬される事は永遠にないだろう。依存するタイプの個人投資家は常に尊敬するべき投資家を求めている。それは、結局のところ市場に対する謙虚な姿勢であり、どれだけ成功してもそれが自分の能力によるもの以外の影響が大きかったことを理解できる認識力であり、自己を内包する相場全体に対する広い視野であるのだ、と思う。 謙虚な姿勢を持たず、自分のトレードを自画自賛する投資家の姿は、とても醜くおぞましい。長く相場と謙虚に向き合ってきた投資家であれば、そのような発言はしないはずである。長い間バリュー投資家を見続けてきた僕は、今ではそのように考えている。
2014.04.01
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投資の極意の一つは、客観と主観を分けて考える事にある。何事にも、客観性と主観性がある。客観的に幸せだと思われている人が、果たして本当に幸せだと言い切れるろうか?貴方には分からない。本人にしか分からない。幸せかどうかは主観的なものであり、客観的なものではないからだ。貧しい国の人たちは言うだろう。日本人は幸せだ。なるほど確かにそうだろう。色々な事を識れば識るほど、日本人がどれだけ幸せな環境で生活できているかよく分かる。物的豊かさだけでなく、心的豊かさも備えた国。現在世界中で起きているような悪質な凶悪犯罪や凄惨な事件。それらは決して日本では発生しない。それらの事件が日本で詳細に報道されることさえない。知ろうとすればある程度インターネットで知る事は出来るが、そもそも知らないのだから知ろうと思うこともない。多くの日本人は個々の事件の存在すら知らない。飢えの苦しみも、渇きの辛さも、本当のところは解らない。 閑話休題。株価変動は客観性であり、主観性とは別である。客観で変動する株価に主観が影響されるからおかしくなる。客観的判断と主観的判断は分けて考える必要がある。これが投資の極意であり、そして基礎的概念である。
2014.03.29
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今まで極意シリーズは肝となる部分を簡潔にまとめていました。僕は極意と銘打つのであれば簡潔明瞭に数行でまとめる方が良いと思っていますが、今回については試験的に、投資の極意を詳細に、延々、ぐだぐだ、くどくど書いてみます。鼻に付く文章の書き方はいつもの極意シリーズ通りです。長々と鼻に付く書き込みを続けますので、そういうの嫌な読者様は読み飛ばして下さい。極意と銘打っていますが、当たり前のことばかりですのでムリして読むほどの価値はありません。 投資の極意の一つは、皆が売りたい時に買って皆が買いたい時に売る事にある。 皆が売りたい時は、皆が売りたくなるような分かり易い理由が必要だ。分かり易ければ分かり易いほど良い。周知徹底されていれば、それがどんなに悪い材料であっても、株価には織り込まれている。その材料の先にある材料、多くの投資家に周知徹底されていない材料。それが大きい材料かどうか、そしてその材料が引き続きネガティブなものかどうか。ネガティブなものである場合は投資は見送る方が無難だ。そう判断したのであれば、少なくても貴方は見送る方が無難だ。その周知徹底されていないと見込んだ材料はある程度しか株価に織り込まれていないのだから。ただし、その材料が果たして自分の思うような材料であるかどうかは分からない。先の事を株価以上に分かろうとし過ぎるのはオススメしない。 皆が買いたいようになるには、皆が買いたくなるような分かり易い理由が必要だ。分かり易ければ分かり易いほど良い。まだ上がるかもしれない。売るのはもっと上がってからで良い。そうだろうそうだろう。そう思うだろう。ここのブログを読んでいるような投資暦の長い貴方はきっと経験則からそう思うだろう。株価上昇により注目が集まり、多くの視点による分析がなされ、分かり易い材料の他にも着目されていなかった新たな材料が出てくる。どの銘柄にもそのような着目されない材料が埋まっているものだ。その材料が日の目を見るのは、株価上昇時が多い。ある程度投資歴の長い人なら経験則から分かる。そして同じような考えを、多くの投資家が持っている。この経験則を持って投資をしている人(或いは法人)は、それなりに資金力がある場合が多い。それなので、株価は反転しない間は上昇し続ける。上昇は時には暴騰となり、反転後に急降下する。もしかすると急降下しないかもしれないが、急降下するかもしれない。急降下したときの被害は甚大だ。あっという間に含み益が急減する。それが嫌だと思う投資家が多い以上、一度反転すれば急降下する可能性は一定以上ある。反転してから慌てて俊敏に動けるだけの反射神経があるのであればいいが、自分の反射神経に自信がないのなら、あたふたしない内に売れば良い。しかし、株式投資において多くの場合、暴騰する銘柄がパフォーマンスを上昇させている。分散投資家も例外ではない。暴騰する銘柄は暴騰する理由があるのだ。その暴騰する理由のある銘柄を保有し続けることでパフォーマンスが向上する。パフォーマンスに拘るなら、暴騰している間は保有し続けたくなるだろう。暴騰している間に売りたいなら、パフォーマンスに拘らない方が良い。もう一度言うが、多くの場合は暴騰する銘柄がパフォーマンスを上昇させている。一度経験すればよく分かる。しかし注意しないといけないが、(先の書き込みと逆説的ではあるが、)皆が買いたいと思う時にはもう買いたい人は買い終わっている。その為、皆が買いたい時は、その値段ではそれ以上買いたい人が増えない時と言える。買いたい人が買ったら、売りたい人しか居なくなる。残念ながら買う人の殆どは、売るために買っているのだ。売る事を前提としない買い手は、殆ど居ない。バリュー投資家でさえ例外ではない。買いたい人が買い終わった後は、先に述べたように周知徹底されていない新たなポジティブ材料が出るか、または株価が下落して値ごろ感が出るまで新たな買い手は殆ど現れない。大きく株価が上昇してから買うのは、株価上昇が買い材料になる一部の投資家だけなのだ。新高値を付けた銘柄を買いたがる人はいつの時代にもいる。もしかすると、読者の中にもいるかもしれない。ファンダメンタル投資とは相容れないが、勿論、一つの正しい投資手法だ。(株価は常に適正価格なのだから。)順調に成長している企業の株は売る必要がないだろう。しかしその順調な成長を株価が織り込んだら、それ以上株価が上昇するには(ファンダメンタル投資の視点からは)投資家が期待している以上の成長をするか、織り込んでいる成長期間より長く保有するしかない。ここは割安株投資家にとって極めて重要なところなので、強調しておきたい。
2014.03.24
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『もしかして自分が他人より優れた投資家だと思っていないだろうか?』バリュー投資をしている投資家には、たまに自問してもらいたいです。自分が他人より優れている投資家だと思っている人に、優れた人は殆どいません。もし貴方がバリュー投資をしていて、バリュー投資という手法を選んでいる分だけ他人より優れている投資家だと思っているのであれば、是非自分の了見の狭さを恥じて欲しいです。ファンダメンタル分析を行う全ての投資家の中で最も程度の低いのがバリュー投資家です。しかし、そのことを理解していないでバリュー投資を選んで、バリュー投資があたかもレベルの高いものと思い込み、その手法を選択している自分を優れた投資家と勘違いしている人が居ます。その投資家は、程度の低いバリュー投資家の中でも最も程度の低い投資家です。 バリュー投資に限らず、多くの馬鹿は自分が馬鹿だと気が付いていません。特に多くの時間を割いてファンダメンタル分析をしている人は、分析時間が結果に結びつくと安易に考えてしまう傾向にあります。そのような傾向にある分だけ自分が他の投資家より馬鹿だと分かっているのであれば、馬鹿にしてはマシな方です。蛇足ですが、僕はマシな方の馬鹿です。マシな方の馬鹿なのですが、マシな方の馬鹿の中では最も程度が低い馬鹿です。残念です。いつかおりこうさんになりたい。
2014.03.19
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本格的に株式投資を始めてから1~2年程度経過して株式投資に慣れてきたと思ったら、上場している全銘柄、或いは自分が対象とする市場の全銘柄を、ざっくりと分析してみる事を強くオススメします。ざっくりでも広く浅く分析して全銘柄の特徴を知れば、その後の投資に長期的にとても大きくプラスになります。詐欺師に騙される事も少なくなるでしょう。詐欺師は手を変え品を変え、色々な手法で持論を展開してきます。その詐欺師がファンダメンタル投資家であれば、分析結果を自分が買った後に公表するでしょう。そのファンダメンタル投資家がバリュー投資家であれば、明確な根拠で自信満々に推奨してくるでしょう。しかし、貴方は既にその銘柄を知っている。推奨された時に貴方はただこう言えばいいのです。「うん、知ってるよ」と。当然ざっくりした分析しかしていない貴方が知らなかった内容もあるでしょう。でも、その銘柄の名前は知っています。その銘柄の特徴も知っています。名前も特徴も知らない投資家より、貴方はバリュー詐欺投資家に騙される可能性は格段に減るでしょう。名前も知ってる。特徴も知ってる。その銘柄が、表面的に割安なのは「知っている」ことです。なに、大した事ありません。貴方が知っていることと、バリュー詐欺投資家が主張している事に、それほど大きな違いはありません。PERが低い、PBRが低い、自己資本比率が高い、流動資産が多い、利益成長している、含み資産がある、配当利回りが高い、優待利回りが高い。大抵はこの程度の内容が主です。他にも、参入障壁が高い、利益率が高い、営業キャッシュフローが潤沢、月次が好調、四半期決算進捗が好調。その程度です。酷いのになると、M&Aされそう、MBOしそう、この材料で注目が集まりそう、株価が動機付いてきた。そういうこと言うバリュー詐欺投資家も出てきます。バリュー投資はファンダメンタルのキホンのキですから、大した分析をしている訳ではないのです。ざっくり分析していれば、「うん、だいたい知ってるよ」という事が多いのに気が付くことでしょう。「その銘柄がそういう特徴があるの、だいたい知ってるよ。」「バリュー投資家が喜びそうな銘柄なのも、よく知ってるよ。」「僕はそのことを知っているよ。」これを言った上で、「そういう考え方もあるんだね。うん、なるほどね。言ってることは良く分かるよ。」と感心するのも良いでしょう。「見たままじゃないか、その程度は誰でも分かるよ」と物足りなさを感じるのも良いでしょう。どちらにしろ、貴方が全銘柄を知っていれば、貴方の知っている銘柄からしか紹介しないのです。「株価が上がってきた今そのタイミングでその銘柄を紹介するか?」「そんなの前から分かっていたことじゃないか。何故もっと早く紹介しなかったんだ?」というのもあるでしょう。「言ってることは正しいけど、でもその株、余程の事がない限り上がらんと思うよ」というような万年割安株を紹介することもあるでしょう。程度の差はあれ、貴方は「知っている」のです。知らない銘柄を紹介されたのと、知っている銘柄を紹介されたのでは、詐欺師に引っかかる確率は大きく変わるという事、これは株式投資に慣れ始めた投資家には声を大にして言っておきたいことです。なに、その詐欺師が本当に儲かっているとしても、それはその詐欺師がただ時流に乗れていたから儲かれた、という要因が大きいのです。今まで時流に乗れている投資家が、これからも時流に乗れるかどうかは分かりません。今まで時流に乗れなかった投資家が、これから時流に乗れるようになるかもしれませんしね。(どっちの可能性が高いかは、誰にも分かりません)自らの投資手法を確立しているのであれば、あまり気にする事もないでしょう。兎に角、銘柄を紹介されたとき、「それ、知ってるよ」と言えるというのは投資家として大きな力になります。深く知らなくても良いのです。投資経験が浅いうちは、名前と特徴だけでも「知っている」かどうかが重要なのです。 今回の投稿文章は、経験談として語りました。信憑性はあるものと思ってくれて良いです。鼻先で笑いながら、頭の片隅にでも入れておいて下さい。こんな馬鹿みたいなこと、バリュー投資家は教えてくれません。『広く浅く』は割安投資家の専売特許なのです。『継続的に』『広く浅く』『変化を知る』。その為には、保有銘柄を増やすのが手っ取り早い。業種を分散して、多くの保有銘柄の業績推移を注視する。保有銘柄以外も同様ですが、保有銘柄と照らし合わせて分析する方が、よく分かります。今回は、とっても重要な事を書いています。愛すべき読者の皆様に何となくでも伝わっていれば良いのですが...。
2014.03.15
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