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松尾芭蕉(まつお・ばしょう)寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋奥の細道源氏物語の昔から寂しさの極みとして知られる須磨の秋にも勝るこの種いろの浜の秋のもののあわれ。註種(いろ)の浜:敦賀湾の西岸、立石岬周辺。現・敦賀市色浜。
2009年11月29日
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くまんパパ 濛くらき叫び秋冷雨そぼ降る午後は麻衣といふ少女の濛くらき叫びを聴きつ *1倉木麻衣さいはひならぬ生ひ立ちにかはいさうだた惚れたつてことほんたうにたのしいときはにこりともせずに短歌をよみすすむとき歌詠みの資質とは根が単純で表現に凝るといつたあたり僕たちは博士の息子水道橋ぢやなくてむろん御茶の水の方好敵手勝間和代と香山リカ「カ」音の多きこと気になりぬ炙るとふ字は火の上に肉がある象形の美と舌上の美味陰と陽頑固な夫とをさな妻かなしきろかももきちのきもち *2亡き祖母に弓手ゆんで曳かれてわれ上野駅に降り立ちたる五歳頃鉄道の美たるやかつてそを超ゆる美を見たるなし駅と軌道レールと日本映画キネマとは怖きものなり「マタンゴ」を祖母に連れられ見し日偲はゆ中核と革マルならむ陰惨をよみし歌ありそれはゲヴァだべ新左翼諸派の互かたみに行使せるゲヴァルト そして永劫回帰惟おもんみるに機動隊こそ大義もて民に殉ぜし勇者なりけめ恋のほか何をかすべきことあらむ泣きて生まれて来しこの世にてさやうならロートレアモン読まざりし卯月に逢ひて別れし人よ*1 * 倉木麻衣「Reach for the sky」、「冷たい海」*2 斎藤茂吉「をさな妻こころにもちてあり経ふれば赤小蜻蛉あかこあきつの飛ぶもかなしき」(歌集「赤光」大正2年・1913/輝子夫人)著作権を有します。© 2009 Kumanpapa Daddy Bear All rights reserved.
2009年11月29日
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くまんパパ 「短歌人」12月号掲載作品秋冷雨そぼ降る午後は麻衣といふ少女の濛くらき叫びを聴きつ *僕たちは博士の息子水道橋ぢやなくてむろん御茶の水の方相譲らぬ勝間和代と香山リカ「カ」音の多きこと気になりぬ日本映画キネマとは怖きものなり「マタンゴ」を祖母に連れられ見し日偲はゆ新左翼諸派の互かたみに行使せるゲヴァルト そして永劫回帰さやうならロートレアモン読まざりし卯月に逢ひて別れし人よ* 倉木麻衣「Reach for the sky」、「冷たい海」* なお、「短歌人」10月号掲載作品「小皺など増えたるほかは変わらざり同級生の関係性は」が、12月号「Selection」欄に選出されました(守屋茂泰氏選)。 ありがとうございます。著作権を有します。© 2009 Kumanpapa Daddy Bear All rights reserved.
2009年11月29日
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インターネット上の調査サイト「ニコ割アンケート(1)、(2)」の最新集計(11月26日付)によると、鳩山内閣支持率は前月の調査(10月27日実施)より5.2ポイント減の17.7%となり、危険水域といわれる20%を大きく割り込んだ。一方、「支持しない」は9.7ポイント増の49.9%となったという。もちろん、この調査はサンプル抽出の無作為性・客観性・任意性に疑問があり、きわめて正確とはいえないと思うが、10万人を超える参加者の規模から見ても、今や誰もが無視できないものとなったネット世論の動向を、ある程度示していることは否定できないだろう。プロ・アマを問わず、ネット上には厖大な政治・経済関連のウェブサイトやブログ、掲示板での言説が溢れており、僕などが屋上屋を架して付け加えることはほとんどない。・・・が、少なくとも、深刻さを増しつつあるデフレーションや円高など経済への驚くべき無策ぶり、外交・安全保障・防衛での無定見、首相自らをはじめ、政治資金問題での厚顔無恥・無節操ぶりが徐々に明らかになるにつれ、戸惑いと失望感が静かに拡がりを見せはじめているのは事実だと思う。鳩山政権は、すでに見た目以上に八方塞がりで、どこからどう見てもにっちもさっちも行かなくなっているのが実情である。崖っぷち close to the edge である。経済状況については、街の誰もが公然と「鳩山不況」という言葉を使って語りはじめており、これこそ実は「流行語大賞」ノミニーにふさわしいのではないかとすら思える。雇用などをにらんだ緊急経済対策の色彩がある本年度の第2次補正予算編成すら、まだ着手も出来ていない“のろま大将”ぶりだ。その規模も、亀井静香金融・郵政改革担当相が「こんなもんじゃどうにもならない」と吠えたという2.7兆円程度に留まるといわれ、焼け石に水ではないかと見られている。その財源に充てるべく遂行された鳴り物入りの事業仕分け作業だったが、削減の成果は1兆6000~7000億円に留まり、目標の3兆円には遠く及ばなかった。このままでは、不安・不満の声がさらに深刻な怨嗟の声となる日も近いと言えよう。いつまでも「自民党政治の負の遺産」というような責任転嫁の言い訳は通用しないだろう。確かに、鉄面皮の蓮舫議員と、国立女性教育会館の神田道子理事長との丁々発止は、一幕物の芝居としては実に面白かったし、この事業の限りなく中止に近い縮減・フェードアウトについては大賛成するが、この不況は「笑って終われるような話ではないんですよね」なのだ。このまま手を拱いていては、日本経済は「二番底」を迎え、一時的な氷河期どころか「永久凍土」になってしまう。一方、「ブリヂストン・ママ」ことグレート・マザーからの、10年間で10数億円(産経新聞報道、読売新聞では6年間で11億円)のお小遣いという「ハトヤマさんちのユキオくん」の“おぼっちゃまクン”ぶりは、政権の致命傷になる恐れも出てきた。・・・これ、いくら何でも、カッコ悪すぎだろ~自民党など野党陣営は手ぐすねを引いて待ち構えている。また、アメリカ軍・普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では、自民党政権時代に日米両政府間で堅く結ばれた「キャンプ・シュワブ」(沖縄県名護市辺野古・へのこ)への移設の合意を反故にしてまで、「最低でも県外移設、できれば国外移設」とマニフェストにゴシック体で特筆大書し、衆議院選挙戦中もそれ以降も繰り返し言明し、もはや引っ込みが付かなくなっている。僕は、寺島尚彦作詞・作曲の名曲「さとうきび畑」の大ファンである。森山良子の歌唱は本当に見事である。歴史の大波に翻弄され、今も過重な基地プレゼンスの負担に喘ぐ沖縄県民の苦渋は想像に難からず、深く同情申し上げている。もし円満に解決できるものなら、それに越したことはない。・・・が、この問題がそう簡単に解決できる問題なら、すでに自民党政権が何とかしていただろう。北朝鮮という「ならず者」がいる北東アジアで、沖縄に基地を配置することは地政学的にベストであり、当然であるというのが、国際政治・軍事関係の専門家のコンセンサスだと聞く。東アジアの地図を一瞥すれば、我々しろうとの目にもそれは一目瞭然だ。鳩山首相や岡田外相は、その移設先に関する現実的な見通しがあって発言しているのか、はなはだ疑問である。佐賀県? 福岡県?グアム島? 硫黄島?まさか、宮崎県?そのまんま東が、体を張って抵抗するだろう。関西空港(大阪府)!? ・・・ファンタジーじゃないか?やれるもんならやってみれ~!といった話だろう。その解決へのラストダンス、ラストチャンスと思われた、先だってのオバマ大統領との日米首脳会談では、何ら具体論に踏み込むことなく、「トラスト・ミー(私を信じて)」のひと言でお済ませになった。呆れて物が言えない。我々は、にこやかなオバマであるとは限らない。そうは問屋が卸さない。まして、この問題にはそう遠くないタイム・リミットがある。来年1月には、地元・宜野湾市の市長選が行われる。国家・政府・首相マターであるこの重大問題を、地元市民の判断に委ねるなどということは、一国政府の恥さらしであり、面子丸つぶれである。鳩山首相と内閣が、いくら何でもそこまで雨にも負けず風にも負けずの恥知らずだとは思いたくないが、・・・なにしろ宇宙人だから、けっこう分からんぞ~。こちらの年末年始、アメリカ側のクリスマス休暇を考えれば、実質1ヶ月程度の猶予(モラトリアム)期間しか残されていない。首相は、昨27日朝に、首相官邸で仲井真・沖縄県知事と会談したそうである。会談はいくらやってもまあけっこうだが、この問題で首相は、早急にドラスティックな判断を下せるのか。一歩誤れば、沖縄県民をはじめとする国民、そしてアメリカを敵に回すことになるのは必定である。すでに、アメリカ政府は内々に岡田克也外相を事実上(デファクト)の「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物・要注意人物)」に認定したという一部報道もある。非核三原則や朝鮮半島有事の際の米軍行動などでの密約をやたらにほじくり出し、無用にアメリカを刺激したツケである。龍の逆鱗に触れている、虎の尾を踏んでいるといえよう。何を目論んでいるのか、全く理解できない。密約があったのかなかったのかといわれれば、そんなものあったに決まっているだろう。「吟じます。・・・あると思います。」しかし、それを断乎認めないのが、これまでの政府・自民党と外務省の“公式見解”であり、“紳士協定”であり、“大人の事情”というものであった。今回、無謀にも公然と米国を敵に回したことで、岡田氏は首相候補などとして事実上「失脚」したという見方も出ている。肯ける。・・・確かに、アメリカといたずらにギクシャクするような人物に日本のトップが務まるわけがないだろう。さて、鳩山政権だが、最も気の早い予測では、この12月にも政権は危機に直面するという報道が噴出してきた。そこまで急激ではなくとも、来年度予算が成立する前後の2~3月頃までには、何らかの猛火が噴き出すという見方が少なくない。■東洋経済HPその場合、民主党は、というか小沢一郎氏は、首相・党首の首をすげ替え、菅直人氏を次期首相に充(あ)てるハラであるといわれる。菅氏も、すでにそれを十分に意識し、隠忍自重、音無しの構えを見せているのはご覧の通りである。小沢氏はまた、世論が民主党に不利であると判断すれば、来夏の参議院議員選挙は衆議院とのダブル選挙とし、天下分け目の関ヶ原とする腹づもりがあるとも推測されている。ダブル選挙が与党に有利になるのは、間違いのない法則であるとされるからだ。民主党政権が、来夏の参院選でも勝てるのかどうか、はたまた国民の不満を的確に吸い上げて自民党が善戦するのか、表面上の凪(なぎ)のような政局に反して、予断を許さない状況は、なかなかに深化しているように見える今日この頃である。
2009年11月28日
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松尾芭蕉(まつお・ばしょう)名月や北国日和ほくこくびより定めなき奥の細道せっかくの仲秋の名月の夜がよりにもよって雨だとは、北陸の天気の変わりやすさが恨めしや。註元禄2年(1689)旧暦8月14日(新暦の10月初め頃)、越前国(現・福井県)敦賀の出雲屋という旅籠に投宿。■敦賀観光協会・関連ページ
2009年11月28日
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松尾芭蕉(まつお・ばしょう)月清し遊行ゆぎやうの持てる砂の上奥の細道月の光が清々(すがすが)しい。遊行上人が自ら運んだという御社(みやしろ)の砂の上に照りわたって。註北陸道総鎮守・越前の国(現・福井県)一之宮・気比(けひ)の明神(気比神宮)。地元・敦賀周辺では「けえさん」と呼ばれて親しまれているという。遊行(ゆぎょう):遊行宗(時宗)の開祖である一遍上人(いっぺんしょうにん)の弟子で二世遊行の他阿上人(真教)。泥でぬかるむ気比明神の境内に土石を運び、参詣の人の煩(わずら)いを救ったという。以後、この故事は慣例化し、「遊行上人御砂持(おすなもち)神事」として今に伝わる。■この句に関わるユーチューブ動画「書道」
2009年11月28日
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「うたのおけいこ」杯 独断的2009年 流行語大賞 * ランキングの順位には、特に深い意味はありません。・・・単なる気分ですから、悪しからず~1 政権交代/マニフェスト/友愛/宇宙人2 サイバーのりP/あぶりをやりました。*関連語:碧いうさぎ ずっと待ってる独りきりで震えながら3 子ども店長/わしは、こんなとこ来とうはなかった。*関連語:まかせておけ。/これはしたり(こりゃしまった~)。4 八ッ場(やんば)ダム5 事業仕分け/必殺仕分け人/蓮舫/ママフェスト*関連語:私の話も聞いて下さい。/国立女性教育会館6 トゥース!7 新型インフルエンザ/豚インフルエンザ8 草食男子/肉食女子9 婚活/婚活詐欺10 招き猫ダック11 ごめんねごめんね。/栃木の生んだスーパースター*関連語:関東栃木レモン牛乳12 じゃない方*用例:オードリー春日、チュートリアル徳井、ABブラザース中山秀征・・・じゃない方。13 エコカー減税/エコポイント14 1Q84/ヤナーチェク「シンフォニエッタ」15 大人ナチュラル/森ガール/沼ガール16 小沢ガールズ17 カツマー vs. カヤマー/勝間和代を目指さない。18 おくりびと19 崖の上のポニョ/股の下のポニョ20 歴女/アシュラー21 師匠/かめへんかめへん。22 ヨネスケ復活/ウッちゃん解禁23 チベット、ウイグル暴動・弾圧/中国の台頭24 甘ったれうどん/甘ったれ若社長25 エロかしこい/優木まおみ〔次点〕 「金くれ」サイト 審査員特別賞 ブリヂストン・ママ/ハトヤマさんちのユキオくんおこづかい9億円/12月政権危機説
2009年11月27日
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松尾芭蕉(まつお・ばしょう)物書いて扇あふぎ引き裂く余波なごり哉かな奥の細道別れに臨み、扇に記念の言葉を書きつけて二つに引き裂き分け合ってなごりを惜しんだのだ。註「扇捨つる」は秋の季語。金沢から半月あまり、奥の細道の旅に同道した新参の弟子・立花北枝(たちばな・ほくし)との、越前・松岡(現・福井県吉田郡永平寺町松岡清水)での惜別を詠んだ。
2009年11月25日
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2010年NHK大河ドラマ龍馬伝オフィシャルウェブサイト今年のNHK大河ドラマ「天地人」の最終回で、徳川家康がついこないだ天下を掌握したばかりだと思ってたら、来年の大河では、早くもその徳川政権・江戸幕府の崩壊過程と、新しい日本の夜明けが描かれるぜよ~・・・歴史はつながっているぜよ~出演者情報キャストの皆さんも僕が大好きな面々揃いで、今からもう狂喜乱舞の有様です~主役・福山雅治さんの坂本龍馬は、扮装した姿をちらりと一瞥しただけで一目瞭然、完璧にハマり役~!!あの才気溢れている感じもいい。・・・龍馬は「のろま大将」では務まらないぜよNHKは木村拓哉にもオファーをかけたが、ジャニーズ事務所との交渉がご破算になったと一部報道で伝えられた。でも、これで結果オーライだったね。三菱創業者・岩崎弥太郎役の香川照之、も~見る前から得心盟友・武市(たけち)半平太の大森南朋、凄みがあるな~。初恋の人・平井加尾にはアカデミー賞女優・広末涼子。豪華だな~。そして、龍馬に幼時から大きな影響を与え、龍馬との間に多数の往復書簡が残されていることでも知られる、姉・坂本乙女(とめ)役の寺島しのぶも、この人以外に考えられないぐらいの申し分ない最高のキャスティング。父・坂本八平の児玉清さんは、実生活でも歴史通の知識人。ベテランにふさわしい雅量と滋味溢るる芝居を期待したい。・・・坂本家跡取りの兄・権平役の杉本哲太なんて、顔見てるだけで泣けてくるな~(笑)・・・そして、ああ、龍馬が終生愛し続け、霧島に日本最初・本邦元祖の新婚旅行に行った最愛の妻にして同志の「おりょうさん」こと楢崎龍には、日本の女優で現在僕が最も好きな真木よう子さま。も~嬉しすぎて眩暈(めまい)がするぜよ。渾身の体当たり演技を期待している。勝海舟の武田鉄矢は、どうなんだろう?ちょっと田舎臭くて、生粋の江戸っ子の勝麟太郎にはどうかなとも思うが、最近は貫禄も付いてきたし、OKか。西郷隆盛の高橋克美は、・・・今回はコメディタッチかな?でも、やる時はやる役者だからな~、期待している
2009年11月25日
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NHK大河ドラマ「天地人」の最終回のラストシーン近くで、主人公・直江兼続が隠居して、妻・お船(せん)と連れ立って郷里の越後(新潟)に冥土の土産の旅に出る。そこで、自分たちを育んだふるさとの滋味溢れる光景に包まれて、深い感動に言葉を失う。ほぼ映像だけで語る、心象風景的な涙のラストシーンといえば、例えばあの名作映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(山田洋次監督)を思わせる。なお、全編を通じて、大島ミチルさんの場面場面に対応した入魂の音楽が、終始見事に鳴り響いていて、本当に心に沁みた。今年の大河の音楽は、特筆大書されるにふさわしい出来だったと思う。最初の頃から何度も伏線として張られてきたキーワード、「肝心かなめの幹を守るために美しく散るという“紅葉(もみじ)の家臣”」の譬えが語られる。これらは史実とは到底思えないが、それはこの際どうでもいいだろう。完全にドラマとして許容限度内の脚色。・・・しみじみとした情感が溢れて、いいシーンだったなあ。思わず僕も、久しぶりに女房と鬼怒川温泉あたりに湯治に出かけたくなった最後は、郷土愛を絡めつつ、定番の夫婦愛に持ち込んだというところだが、やっぱりこれは安心立命、日本人の魂のふるさとであり、当然泣けた泣けた。最期に「死に水」を取ってくれるのは配偶者、男にとっては妻である。お互い、くれぐれも奥さんは大事にしませうねさて、今回の大河については、多くのドラマ目利きの皆さんのブログなどを覗くと、「いろいろなテーマやモチーフを盛り込みすぎて、焦点がぼやけた。」という評が多いように見受けられる。また、「脚色し過ぎ(話を作り過ぎ)だった」という意見も多い。歴史通の方々からは、かなり評判が悪い。あまりの悪評嘖々(さくさく)ぶりに、若干ビビるほどである。なるほど、言われてみれば、僕もある程度同感するところもある。愛、義(儒教的イデオロギー)、主従・夫婦・親子の絆、また、地方政治(上杉家内)における権力継承・統一過程やら、中央政治、特に戦国末期の動乱と天下統一の過程。あまりにも様々な事象を詰め込みすぎて、やや散漫だった印象は確かにあった。極力「夫婦愛」の一点に絞り込んだのが印象的で今なお記憶に新しい「功名が辻」などと比べると、確かに少々テーマが拡散していたのは否めないと思う。・・・が、これは秀吉の子飼いとして手取り足取り導かれ、その後は鮮やかに寝返って家康に忠誠を誓い可愛がられ、比較的分かりやすい動きで戦国を生き抜くことが出来た山内一豊と、天下の形勢をもうかがう大大名・上杉家の執政であり、あらゆる深慮遠謀の渦中にあった直江兼続との格の違いにもよるものであり、やむを得ない面もあったのだろう。だが、若き名優・妻夫木聡の、苦悩する表情や、それと裏腹の満面の笑顔も似合う品格溢れる二枚目ぶりが、全ての場面で生き生きと画面を統一していた。・・・何はともあれ、すばらしい一年間だった。
2009年11月25日
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けさ、近所で写す。
2009年11月24日
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今年のNHK大河ドラマ「天地人」が、11月22日の「いい夫婦」の日(・・・別に関係ないけど)、ついに完結した。詳しいレビューは、楽天ブロガー仲間ののの雪さんのブログや、そこに付けられた多数のトラックバックに譲るとして、本当にすばらしい一年間だった。直江兼続という人は、あの天下分け目の関ヶ原の合戦の口火を切った「直江状」という激烈なアジテーション・ビラ(アジビラ)を書いた人として、歴史ファンには夙(つと)に知られており、この時代を扱ったこれまでの大河でも毎回必ず登場していたが、やはり藩主・主君たる上杉景勝の陰に隠れて、かなり地味な存在だったのは否めない。中央公論新社の、あの詳細厖大な「日本の歴史」にも、もちろん登場はするが、扱いは地味である。関ヶ原で、結果的に敗者となった西軍側(豊臣方)に付き、危うく取り潰しこそ免れたが、一藩の安泰をも危うくしたという、政治家としての致命的な判断ミスも相まってのことである。やはり、悲劇的な生涯であるという傾きは、どうあっても拭い去れないだろう。その人に、初めてスポットライトを当てたコンセプトがまず新基軸で、意外性があった。その悲劇的な境遇にありながら、決して捨て鉢になることなく、精いっぱい生き抜いて世のため人のために尽力した「愛と義の人」の生涯が、くっきりと浮き彫りにされたといえる。主役を演じた妻夫木聡が、これ以上ないぐらいのはまり役で、同時代の誰もから好かれ尊敬され一目置かれたと伝えられる知将を具現化してくれた。僕の考えでは、この役を演じられる男は、日本演劇界にもう一人だけいたかも知れない。先日、大往生で天寿を全うされた森繁久弥の若い頃である。森繁氏の30~40代ぐらいなら、見事に演じられただろう。直江兼続は、口下手な社長に代わって大企業・上杉家を取り仕切る、智謀・教養・実務能力を兼ね具えた実力派筆頭専務といった役回りの人であったといえる。豊臣側に付き、石田三成と刎頚の友となり、太閤秀吉にも重く見られたいきさつは、ドラマの展開を見ながら十分納得できた。むろん脚色はあろうが、確かに、大筋あんな感じだったのだろうと思われた。信長という巨人に射竦(いすく)められ、その天下を継いだサル殿には垂らし込まれ、その寵臣・石田三成と肝胆相照らすようになっていく過程は、全く無理からぬ運否天賦というべきであり、次第に家康と敵対関係になってゆくのも、やむを得ざる仕儀であった。・・・いったい誰が、敢えてこの流れに抗し得たであろうか?ところで、歴史上の巨人・徳川家康が、これほどはっきりと敵役・悪役として描かれたのも、大河史上初めてではないだろうか。山岡荘八の大著「徳川家康」以来、隠忍自重と果断実行の大いなる偉人のイメージが定着しているだけに、この思いっきりDONな人物造形にはビックリした。松方弘樹が、東映任侠映画の大親分のノリで、ケレン味たっぷり貫禄十分に演じ、文句なし、さすがの名演だった。・・・あんなヤツに本気で睨まれたら、まず助かる見込みはあるまい見ていて息苦しくなるほどの狸親父の実悪ぶり、折しも天下を制した小沢一郎氏と二重写しに見えたのは、僕ばかりではあるまい。最終回で描かれた、臨終間近の家康を、兼続と独眼龍・伊達政宗が(うち揃ってかどうかは知らないが)見舞ったのは、史実であるという。そこで、あのような会話が交わされたのも、十分にあり得たことだと思った。役者同士の火花が散った、見事なエピローグだったといえる。思えば、太閤秀吉の晩年には、無益と言わざるを得ない朝鮮の役や、無慈悲・無思慮な近親者の排除・失脚・処刑、また大阪城築城はともかくとしても、途方もない贅沢三昧やモラルの荒廃など、豊臣政権の信望はすでに地に墜ちており、長年の戦乱に疲弊しきった全国民にも厭戦気分が浸透し、社会の安定を切望していた。関ヶ原前夜ともなれば、着々と諸大名・小名を掌握しつつあった家康の物言わぬ「義」の方が遥かに広汎な民心を得ていたと思われる。家康の信仰・浄土宗も温和な教えで、無理がなかった。その後営々と制度を整え、儒教の朱子学を公式イデオロギーとして、政権の正統性も獲得していった。秀吉が、いわば現在の内閣総理大臣に当たる関白まで上り詰めた以上、豊臣政権の正統性に問題はないとは言え、兼続や三成の言うところの「義」は、成立していたというにはどうも無理があり、抽象的観念に過ぎるのではないかな~と思いながら見ていたが、やはり歴史は収まるべきところに収まったのであろう。徳川260年の天下泰平は、やはり伊達ではなかったと思った。
2009年11月24日
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松尾芭蕉(まつお・ばしょう)庭掃はいて出いでばや寺に散る柳奥の細道けさ、一泊したこの寺を辞して庭に出た折しも、柳の枯葉がはらはらと散り落ちていた。一宿一飯の恩義に、この落葉を掃き清めてから出立するとしよう。註寺:加賀・大聖寺(現・石川県加賀市)城外の全昌寺に泊った翌朝の句。
2009年11月21日
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先日、当地の「なか卯」に牛丼を食べに行った。新聞折り込みチラシに、50円引きクーポンが付いていたせいもある。こういうのに、僕は目ざとい必ず利用してやまない経済状況は、確かにデフレーションなのだろう。僕は自分でそれほど吝嗇な男であるとは思わないが、大状況にはきわめて鋭敏に反応しているようだ。「なか卯」は旨い。大手外食チェーン店ではトップクラスの味ではなかろうか。関西風の、薄味でありながら出汁のよく利いた繊細精妙な味付けには、いつも満足を覚える。それで、独り楽しく牛丼を食べていたら、中年というか初老のおばさんが入ってきて、自動券売機の前で、自動券売機を睨みながら、じっと佇んでいるのだった。・・・その時間、約6~7分に及んだと思う。店内にいた、数人の客とともに、見て見ぬ振りをするようなしないような微妙な雰囲気で、内心苦笑を禁じえぬまま、事の成り行きを注目していたが(・・・マスメディア用語で言う、いわゆる「ナリチュー」)、ついにチケットを買うことを断念したと思われるその初老の奥様は、決然と身を翻して、おもむろに自転車で帰って行くのだった。ちなみに、当地の「なか卯」は半自動ドアで、スイッチを押さなければドアが開かない。帰る際にも、ドアが開かず、その人がしばらく迷ったことは言うまでもない。お気の毒ではあった。僕は、そのおばさんに券売機の使い方を教えて上げたかった。自分がいささか不甲斐ない(笑)かくのごとく、「なか卯」の券売機は、なかなかのハイテクノロジー感に溢れている。いうなれば、一昔前「マツモトゲージ」(漫画家・松本零二の作品に出てくるような、メカニカルな機器の表示装置)と呼ばれたみたいな、尖鋭的機能美をみなぎらせて屹立している。カッコいいけど、それを目の当たりにして、僕なんかも一瞬たじろぐのは否めない事実だ。ご年配の方だと、かなりビビる大木かも知れないね~。そういえば、若い頃には頻繁に利用した駅構内のそば屋だが、最近しばらく行く機会がない。最近の券売機って、みんなこんな感じなのかね~?わが宇都宮駅にも、もちろん「駅そば」はある。今度行ってみよ~。やっぱり、僕ら中年男が、こういった先進的な技術に適応できるギリギリ上限の世代なのかな~とか、正直思った。むろん、物事には例外があり、難なくこなせる人もいるにはいるだろうが。例えば、こうしたブログにしても、その他のインターネットを操るITスキルにしても、ディジタル・ディヴァイド(デジタル機器を使いこなせるか否かの懸隔)の問題が指摘されているが、そんな問題をちょっと連想してしまった、ある日の午後のちょっとした出来事であった。ってなことを書いたりすると、現代文明への不適応ぶりを売りにしている奇人変人天才歌人・穂村弘氏のエッセイなどの論調もあることだし、現代短歌ブログっぽいかな~なんて思って、ちょいと書いてみました。問題意識は、特にありません
2009年11月21日
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松尾芭蕉(まつお・ばしょう)石山いしやまの石より白し秋の風奥の細道全山の石山より白い瀟殺しょうさつたる白秋の風。註石山:加賀の国(石川県)小松市那谷(なた)那谷寺境内にある、全山が石英粗面岩の霊場。白し秋の風:古代中国道教思想などの文脈では、四季を順に、玄冬・青春・朱夏・白秋と呼んだ(冬至を「太陽のよみがえり」と見て、四季は冬に始まるものとされていた。正月が冬であるのは、そうしたことの影響があるものと見られる)。それぞれに対応する象徴的動物(四神)は、玄武(げんぶ、亀)・青龍(せいりゅう)・朱雀(すざく、火の鳥)・白虎(びゃっこ)。なお、これを人の一生にも当てはめ、数え年1歳~15歳を冬、16歳~30歳を春、31歳~45歳を夏、46歳~60歳を冬に見立て、60歳を以って再び生まれ変わるものと見なして「還暦」という。
2009年11月20日
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地元の母校高校同窓会が、おかげさまで、さる先週土曜日にやっと終わりました~一次会は、地元のフグ料理の名店の座敷にて開会。河豚刺し、河豚鍋、ヒレ酒(大好物)など、至れり尽くせりのフグ尽くし(・・・フグ責め?)で、2時間飲み放題のコース。これで、一人アタマ5,000円はリーズナブルだった。この店に決めるに当たっては、幹事数人で悩みながら、侃々諤々鳩首協議したが、結果大当たりだったと思う。下手に、高いホテルの大広間なんかにしないで良かったと思う(・・・節目となる卒業○十周年記念の「十年会」などでは、やっぱりホテルを使って、それらしくフォーマルに設営するつもりだけどね~)。これまでの経験から予想していた通り、めいめい1~3分ぐらいの自己紹介・近況報告・フリートークの「スピーチタイム」が当日のメインイベントとなり、旧友・親友ならではの絶妙かつ容赦ないツッコミと野次が入って、ヤンヤヤンヤの大盛り上がり~興に乗って喋りたいヤツは、一人5~6分ぐらい喋っていた。・・・どうぞご自由に~って感じだね〆には、元応援団長のエールと音頭で、恒例となっている母校応援歌大合唱で閉会の運び。間違いなく、感動と熱狂の渦になる。僕自身、いつものことながら、深く熱く感動した。二次会は、最大70人収容の、地元トップクラスの広さを誇るパブレストラン。ついたてで仕切られていない開放的な空間が一体感を醸し出して、バッチリOKだった。割と落ち着いた、大人な雰囲気を演出できた。僕は「夜空ノムコウ」(SMAP、スガシカオ)、「息子」(奥田民生)、「青春の影」(チューリップ)、「TSUNAMI」(サザンオールスターズ)を歌いました(・・・どうでもいいか)ちなみに、ほかの出席者は「さくら(独唱)」(森山直太朗)、「京都の恋」(渚ゆう子)、「ハナミズキ」(一青窈)、その他サザンの艶っぽい歌などを歌っていたようだが、僕も話に夢中になってしまったので、記憶が定かではない。三次会は、知り合いの焼肉屋で、朝まで腰を落ち着けてトグロを巻いて飲んだ。地元の栃木産和牛が文句なしに美味かった。この店は、チヂミ(韓国風お好み焼き)も名物で、やめられないとまらない美味しさ。僕は肉を譲る代わりに、こちらの大皿一皿をほぼ一人で平らげちゃった。・・・すいませんでしたけっこう長時間だったが、この間、あっと言う間に感じられた。なごり惜しかった。楽しい時が過ぎてゆくのは、本当に矢の如しだね。幹事の立場で言うのもおこがましいが、全体として大成功だったと思う。みんなに、その場でも、またその後のメールや電話でも続々と感謝の言葉をいただいている。しかし、当日の司会進行も含めて、この間1ヶ月ぐらいは本当に大変だった。もう若くない心身にとって、正直しんどい。なお当日、何と「無断欠席」をした者が1名おり、翌朝、心を鬼にして電光石火で電話して、会費全額を問答無用で徴収した(・・・持って来させた)。これは社会的常識の行使というべきだろう。軽~く「ごめん、忘れてた」が言い訳(?)だった。彼は今回ばかりではなく、詳しくは書けないが、別の事案での別の幹事に対する、ある前科(?)もある。その幹事は、当時怒り心頭だった。長い付き合いの同級生だから、どこかで心許しているところもあり、心底憎んでいるわけはないが、やはり性格がルーズすぎると言わざるを得ないだろう。そのたびに、社会的信用を失って来ていると思う。ドタキャンも困るが、人にはそれぞれ事情もあることは重々承知しており、出来るだけ忖度したいとは思う。当日の午前中ぐらいまでなら、ギリギリ対応する。・・・が「無断欠席」とは、ナンボなんでもあり得ないだろう。上から目線の物言いはしたくないが、いい年をした大人の行動として、あり得ね~と言わざるを得ない。・・・その他もろもろ、ホント疲れたよ~。同窓会幹事なんて、決して好きでやってるわけではない。貧乏クジそのもののポジションである。単にジモティの義務感でやっているだけ。・・・まあ、お引き受けしたからにはキッチリ務めたいというぐらいの責任感は持ってるけどね。10月からは、付き合いや飲む機会が重なり、体調もすぐれない。・・・同窓会は、正直言って、あと3年ぐらいはやりたくないな~というのが本音(笑)ところで、厳密に言うと、まだ仕事が完全に終わったわけではない。写真を整理してメールの添付ファイルで送ったり、友人の税理士に当日の会計(収支)の監査を仰いで会計報告をしたりする作業がある。「一紙半銭(いっしはんせん)たりとも私(わたくし)せず」が一応僕のモットーであります。収支決算は、誰にも後ろ指を指されないよう、キッチリやる。こういうことでインチキをし始めると、しまいには、今世間を騒がせている「幻冬舎」重役みたいなことになるよね。・・・9億円は凄すぎて恐れ入るけど。写真撮影、その後の送付作業などは、大変すぎるので、次回は誰かに「写真班」役を頼みたい。誰か、マジでお願いします。そんなこんなで、こちらのブログの方は、約1ヶ月間もの休眠状態となってしまいました~ただ、前回3年前の同窓会は、このブログサイトを始めたばかりの頃で、いろいろと不慣れなせいもあって、実に3ヶ月間ぐらい書き込みが出来なかった。今回1ヶ月ぐらいの穴あけで済んだのは、けっこう慣れてきた証拠かも知れないね。T・N君、君がかねてからこのブログの熱心な読者であったとは、同窓会の席上で初めて聞かされて恐れ入りました~。嬉し恥ずかしであります。良かったらコメント下さい。君の川柳がメールで送られてきたが、お世辞抜きで、なかなか上手い、センスがあると思った。さすがは、誰もが知っている外食大手大企業の企画畑の才人だよ。K・K君、これが僕のブログだよ~ん。興味のない人にはあんまり興味のない分野の趣味ブログですが、良かったら今後も読んでください。・・・とはいうものの、1ヶ月間も書いてないと、何をどう書いていいのか、書き方をすっかり忘れつまった~って感じとりあえず、宇多田ヒカルの公式ブログでも読んでみるとするか(・・・意味不明)。・・・確か、芭蕉の「奥の細道」鑑賞がまだ途中だったような気もするし。秋の和歌・名歌鑑賞については、冬の風のにおいがする今となってはもはや時間切れ、今年はスル~だね~。ぼちぼち、冬の名歌を物色しなくっちゃね~
2009年11月19日
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