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黄色 南風一家を新築したし庭木を1本と思って庭木市に出向いた小ぶりのサツキや山茶花に混じって大ぶりのモチノキやカエデ、松などもあった赤い実を付けているモチノキがクリスマスのような華やかさで目を引いた同じモチノキでも黄色い実をたくさん付けているものがあったモチノキはモチノキでも黄色の実を付ける種類もあるものだと思った黄色よりは赤い実の方が見栄えがよい私は赤い実をたわわに付けたモチノキを購入することにしたそれから20数年が過ぎて秋風が吹き過ぎる頃モチノキは実を付けはじめ最初は黄色であることを知った黄色の実がだんだん赤色に変っていくふと気が付くと昨日まで黄色だった実が赤色に変っている最初に庭木市で見た黄色の実を付けたモチノキは色が変色することを知らない私のような者にはせっかく枝ぶりはよくても落第と判定されたモチノキの実は赤色になっていくものだと知っている者には「よっしゃ!こっちがいい」と選ばれて行ったに違いないもっと注意深く見なさい色がそう言ってたでしょ (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/09/19
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魅力的 南風一真面目そうなNHKの女子アナを見ていて思う魅力は多分外見と裸のアンビバレンスにある外見は性欲とは全く無縁ところが裸はエロチックエロチックなところを全く感じさせない処に不思議な魅力が潜むと思う (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/09/18
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同性婚 南風一 ことさら同性婚を貶めるつもりは毛頭ないしかしなぜこんなことになってしまったのかな?と考える俺がよりによって同性婚を選ぶ理由が分からないまだ20代前半というのにこれから死ぬまで同性と一緒に暮らすことになる俺って女より同性の方が好きだったっけ?なぜそんなことになっているのか自分でも分からないでもそういうことを選択してしまっている俺にそんな趣味はあったっけ?そんなことも分からないしかし俺は同性と結婚しようとしている果たしてこれで良かったのかどうか?なぜこういうことになったのか?それは分からない理由は分からないけれど俺は同性と結婚しようとしている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/09/17
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定年まで 南風一 昨年は4年だったから大学に行っていた長さと同じと思った今年は残り3年となるから高校時代と同じ高校時代は3年かかって最終年に大学に合格するという目標を達成すればよかった(でも私の場合は浪人したから4年計画となった)1年生・2年生の日々は案外気楽だった毎日弁当持って学校に通っていればよかった高校生のように日々新しい知識や技能を身に付けるのは大変だけどその必要性がないから楽だけど相変わらず仕事に追いまくられているので時間があっという間に過ぎ去っていくという感覚は同じだろうか石の上にも3年というくらいだから3年はほどほどに長いに違いないでも好きな女の子たちは美しかったのにそんな日々を永遠に放置しておいてくれなかった時というのは随分残酷に違いないやっぱり長いのかな仕事に行きながら思う (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。 購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/09/07
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美しさ 南風一 心惹かれることは主観的なことだが美しさもまた主観的なものはっとして心奪われてしまう何とか関心を買おうとしてあれこれアプローチする平安貴族なら即座に性的交渉へ進むのだが現代においてはまずこちらに関心を向けて貰うこと「付き合って欲しい」という申し出に「YES」と言ってもらえばとりあえず天にも昇る気分その後に性的欲求が出てくることもあるしただ話したりデートするだけで有頂天の状態が続くこともあるそこで破局が訪れれば恋は冷凍保存されたままでいつまでも美しい恋のまま永遠に残るそうかと言ってその恋をもう一度手にすることは叶わない恋が幻滅として完全に消え去るのと未完のまま永遠に手つかずのままになるのとどちらが幸せだったか?どちらも幸せとは思えないがどちらかに落ち着くのが世の習いどちらにも落ち着くことがないカップルそんなカップルも現実には居るのだろう (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/09/03
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何市何町何番地かな? 南風一例えば山田太郎さんが生きていた証って何かな?会社では役員や上司から怒られながら昼飯を食べるのも忘れて夜遅くまで働く姿そんな姿は隣の同僚が知っているか本人さえ気づいていないこと実は職場の姿なんて家族も友人も知らない近所の人が知っているのはごみ収集日の朝7時前に決まって家庭ごみを収集場所に持参するご主人それがご主人を知っていることのすべてその姿がご主人のすべてでそれ以外にご主人のことは何も知らないサラリーマンにとって自分の姿などごみ袋を収集所に持って行っている姿以外の何者でもないそんな姿の男が二十数年飽きもせず家庭ごみを出し続けたご近所にその男と言えばごみ袋を収集所に持参するときの姿しかないそんなことで男は記憶され暫く姿を見なくなれば近所の人から忘れ去られる男が生きていたのは何市何町何番地かな?そんな場所は見つからないのだけれど (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/31
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古墳と副葬品 南風一 長期の休みを利用して古墳の見学に行って来た古墳の数は数十万と多いその中でも時代によって棺も違えば副葬品も異なる古墳の中に何が埋葬されているかで被葬者が何を大事にしていたかが分かる金銅製冠帽などそうそう出てくるものではない馬の轡や鐙などもそうだそういうものを使うかそこに象徴的な意味が見いだせる社会集団の中でしか意味をなさないものがあるそういうものが埋葬されているということは被葬者があの世でも生前時の活動を滞りなく行えるようにという配慮と古墳として埋葬することで現世が続く限り被葬者の事績を永遠に引き継いでいくという関係者の責務があった古墳の中には名前を書いたものや事績を示すものがないので一体誰の古墳なのか分からず何をしていた人なのかも副葬品から想像するだけ文字を刻まなかったことは随分辛いことだが文字で伝える必要性を感じなかったのかも?それとも名誉や事績などどちらでも良かったのかも知れない誰が眠っていようがそんなことは知ったことでないあるいは書いていたものが風化して消滅してしまった?それだけのことかな? (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/30
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いつの時代も 南風一 同時代を生きて来た先輩や年上の人たちが一人去り二人去りして若い子連れ夫婦が近所に移って来たりするとにわかに自分の世代はもうお役御免になったような気持ちになる赤ん坊は日々成長してあっという間に片言を喋り歩き出す孫がそんな調子だから爺は髪が白くなりそろそろ息子たちの世代にバトンを渡して隠居すべき時期なんだろう昔好きだった女の子にもう一度会えば今度こそ素直に好きだと言えるかも知れないと夢想したけれど最早昔のようにみずみずしい素肌と可憐さが消えてしまったきみの姿を目の当たりにして、果たしてセックスしたいと思うかなという疑問に突き当たった年老いたら素直に齢に従い若者のような無鉄砲さを希求すべきものではない老人が若者のように振る舞えば秩序が乱れる年寄りは年寄りらしく分別くさく振る舞いなさいそう言って老兵は去るのみかな (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/27
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謎 南風一特に仕事が一緒だったとか親しい友人だったわけではないただごく近所に住んでいる住民同士という間柄ことさら生い立ちを知っているとか学校が一緒だったというわけでもないそれでも二十数年来近所に住んで奥さんや子どもさんの顔も知っているので家を売却して遠くへ引っ越してしまうのはいささか淋しい気もする定年退職して両親の住んでいた実家に帰るという実家は今リフォーム中とのことこちらの家には子どもたちも当分帰ってくる予定もなく家をそのままにして置くのもどうかなというので売却することにしたとのこと家は建ったときから移り住んでくる人が居れば出て行く人もいるそれが家の宿命人が居なくなれば人と共にあった記憶も消え去っていく家が何処にあったところで人の暮らしは続いていく暮らしている場所がその人の人生となる (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/27
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魅力と性欲 南風一若かった頃は「好きだから惹かれる」と思っていたところが近頃は若い女性の白い生脚を見たり身体にフィットしたワンピース姿の肉付きのいい女性を見ると股間が固くなっている女性の身体に性欲を感じるから惹かれている結局若い女性ならば誰でもいいってことか?それとも俺は結局オスに過ぎなかったということか昔はそんなことはなかったのにいつからこんなことになってしまったのかな (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/25
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五輪メダル 南風一 福原愛、石川佳純、伊藤美誠の涙と弾けんばかりの笑顔を見て女子が打ち込む物事と男を天秤に架けることほど馬鹿げたことはないと感じる浪人生の頃には吹奏楽に打ち込むきみのことが不思議だった大学に入ってから卒業するまでは教師になると言って全然返事を寄こして来ないきみが不思議だった結局きみが打ち込んでいたものと俺を天秤に架けた俺の方が愚か者だった五輪メダルを獲った日本女子3人にとって五輪メダルは目標だったもし好きな人が出来ていても五輪メダルが目標であることに変わりない「俺と五輪メダルとどちらが大切なんだ?」それは愚問の極みに違いない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/20
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夕日 南風一 フロントガラスの正面から夕日が差し込むルームミラーには後方車の運転席と助手席に乗っている二人の女性の顔が映るハンドルを握ったり手を前に下げてみたりしているのは若い女性助手席の女性は母親だろうドライバーの女性は若くて魅力的若いから魅力的なのか魅力的だから若いのか不明息子の嫁を思い浮かべてまさか若く可愛いという理由だけで色恋に走れば年甲斐もなくまたそんな元気も最早ないしかし若くて可愛い女性には確かに魅力を感じる男の性は依然として残る正面の赤信号が青になったのでフットブレーキから足を離してアクセルを踏んだ後続車は右折して遠ざかって行く何処にでもあるありふれた光景に違いない私はお盆というのに山に草刈に行き大汗をかいて帰路についているこんなことをやっているのもまた人生に違いにない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/13
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消えた少女たち 南風一昔は若かった母親は認知症で病院に入院しているその結果お盆というのにお寺さんは盆行に来れず孫や曽孫も実家に戻れずにいず私がまだ小さかった頃行った散髪屋には二人の可愛い姉妹がいたが店はとうに廃業して娘たちは何処へ行ったのか知れない私が小学生の頃よく通ったプラモデル模型店はもう店を畳んだらしいそこにも小さな少女がいて高校へ通うときふと気が付くと同じに電車に乗っていることがあった私の顔を見て“はにかん”でいたけれどその少女も今は何処に行ったか知れない私の母親も家から姿を消して病院に入院を始めて半年が過ぎる随分経ったように思うが散髪屋やプラモ屋の少女に会わなくなった歳月に比べたら爪の先ほどの短さだろう可愛かった少女たちは何処へ消えたのかな?少女たちの両親も若かったけれど今も元気にしているだろうか?店自体がなくなったからそんなことも分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/09
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夏休みの宿題 南風一中学1年生のとき夏休みの宿題として歴史年表を作ったせっかく作るなら大きいものをと色気を出して鳥の子用紙10枚以上をつなげて10メールくらいの長さになった年表を読みながらマジックで書いているうちにふと疑問が湧いた「聖武天皇が東大寺や大仏を作った」と言うが果たして政治をしていた天皇があんなに大きな建物や仏像を作れるものだろうか?建物や大仏を作った人は大工さんや仏師に違いないそれなのに年表ではなぜ聖武天皇が作ったと書いているのだろう?昭和の時代まで下ってきて天皇の人間宣言なるものがあったこれを読んだとき「これは傑作!天皇は当然に人間なのになぜ人間宣言したのだろう?」中学生がこれらの歴史的事件の意味を理解するには時代的な背景や関係する多くの人物の考え方や行動を相当学ばなければ成程と腑に落ちてくるものではない中学生から歴史を学ぶけれどもその意味を理解できるまでには高校および大学と学んでもまだ分からない社会人になって人生経験を積み同時代の社会的事件の数々を目の当たりにすることによってようやく聖武天皇が東大寺や大仏を作ったという意味が理解できるようになるまた昭和天皇が連合国統治下において人間宣言を発することの意味が理解できるようになる中学生のときに作った歴史年表だったけれど宿題をやり終えるまでには半世紀以上の時間がかかった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/08/06
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懐かしさともの哀しさ 南風一それは場所であったり物であったりする見知っている人は誰もいないのに自分の家に帰ったみたいに懐かしい場所や物がある誰にも会わないのについ友だちや仲間がすぐそばにいるように錯覚してしまう場所や物がある建物や庭が変わり物も随分年代物になってしまったけれどそこに立つと数十年前と変わらない友人たちの姿や歓声が聞こえる気が向いたら訪ねている 場所当たり前の音が聞こえるだけなのについ触ってみて音を確かめているたった一人立っているだけに過ぎないのになぜあんなに賑やかなのだろう暫く立っていて「それじゃさよなら」と呟いて帰ってくるまた気が向いてその場所に立ちたくなるまでさよなら (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2016/03/11
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山田花子 南風一 何処にでもありそうな平凡な姓と名前それが恋した女性の名前とあればその名前は途端に特別な輝きを放ち始める世界でたった一人の特別な女性かけがえのない人1億2千万人の日本人の一人に過ぎないけれどその個性は唯一無二のもの唯一無二の個性が1億2千万個の輝きを放っているのだから日本は黄金国に相違ない安保法案が成立したとしても今後自衛隊の隊員家族は別にして今は唯一無二の個性を奪い取られる時代ではない日中戦争や太平洋戦争の時代のように輝く個性が石ころのように無残に扱われる時代そんな時代は御免蒙りたい最愛の人がその個性を開花させ命を全うするいつまでもそんなジパングであって欲しいね最愛の人が悲しむ姿は見たくない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/10/17
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恋人 南風一我が子が生まれたとき実父母や義父母の孫への接し方を見て孫というのはおじいちゃんやおばあちゃんにとって可愛いいものに違いないとおぼろげながらそう感じていた実際自分に孫が生まれてみると本当にかわいい孫に会える日を指折り数えてわくわくするし実際小さな孫を抱き上げると嬉しくて仕方がないまるで若かったころ恋人に会うまでわくわくした心持ちデートに行けば行ったで恋人と一緒にいるのが嬉しくて仕方ないそんな心持ちだ (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/10/02
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オオカミ 南風一 孫のお宮参りに付いて行った祈祷してくれるというので孫、息子夫婦、妻と神社に入った禰宜さんが何やら言上を述べるので聞いていたら「オオカミ」という言葉が二度、三度と出た私はてっきり神社の付近は昔は狼がたくさん徘徊していた土地柄なのだろうと一人そう得心した帰りがけに妻にそのことを伝えると「馬鹿ね オオカミはオオカミでも 大きい神の方でしょ」と笑われた (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/09/26
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移ろい 南風一 シルバーウィークの束の間のひと時郷里に帰った若者や子どもたちもあっただろう肉親との束の間の交流はすぐに終わってしまいまた忙しい日常に戻るそんなことを繰り返しながら今年も4分の3が終わろうとしているまだ暑さの残る昼下がり時候がいい季節と思っていたらやがて空気が冷たくなって新年を迎えている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/09/23
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自信 南風一昔なら空気を吸っているみたいに当たり前のことだったところが55歳を過ぎて当たり前でなくなった一日をどう過ごすかなんて自明過ぎて考えることすらなかった異性に心惹かれることも一人になったときにすることも当たり前すぎて迷うことはなかったところが近頃ふとこんなことをしていていいのだろうか他にやるべきことがあるんじゃないかと迷いが生じるようになった大学時代の恩師たちは逝ってしまい指針にすべき声が聞こえなくなってしまったからかな先生ならばきっとこう考えるそんな風に考えることができた自信って一体何だったのかな (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/09/21
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再会 南風一 辻征夫は池袋で元恋人に再会したとき(元恋人は小さな子どもの手を引いていた旦那の徹夜マージャンの夜食の買い物に付き合い元彼女が家に寄って行ってという誘いを断って今日は一人でいたいと別れた私の場合は姪の小学校の運動会に行ったとき近くのコンビニにビデオカメラの電池を買いに行ったとき小中学校が同じだった初恋の彼女に出くわしたけれど彼女は私に気付かなかった(それはそうだろう、彼女と私が最後に出会ったのは彼女が大学4年生、私が3年生のときだったからすでに15年が経っていた。彼女も私も37歳)私は彼女の姿を見たとき彼女のことがすぐにわかった彼女の方は私とすれ違ったのに私には全然気付かなかった大学生のとき偶然に出会ったときはあんなにはしゃいでいたくせに15年が経ってしまえば最早私のことなど見分けが付かなくなったものかそれともすっかり忘れてしまったものか現実の再会ってものはそんなもの (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/09/19
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秋空 南風一女心と秋の空というそれくらい秋の天気は変わりやすい女心もまた変わりやすい女は一般に女に過ぎない女にしか過ぎないのに一体どこに執着したのだろう?きみでなければならなかった理由そんな理由は今では見つけられない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/09/12
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楽しみ 南風一明日から一週間の予定は憂鬱なことばかりそれを越えなければ楽しみはないこの一週間が過ぎれば楽しい日が来るかと問えば否次の苦痛が待ち構えているいつまで続くのかな?やれやれと一息つける日が早くやってきてくれと願う (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/09/06
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台風一過 南風一 胡瓜やトマトの支えは無残に倒れ街角の凸面鏡はあらぬ方向へ向いて何の役にも立たない庭先や道端には落ち葉や枝の切れ端が散らばり鉢植えや垣根は西に傾いでいる台風が荒れ狂った痕跡そんなものは10日もすれば無くなって人々の関心はお盆やお祭り休みや家族団らんの方へ移っていくだろうそうこうしているうちに学校は夏休み高校球児たちの甲子園画に描いたように季節は移ろいゆくそして私たちも何処かへ移っていく何処へなのか自分では気づいていない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/19
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台風 南風一 台風が見えなかった靄を吹き飛ばして40年前の真相が姿を現した俺は補習科という名の浪人生授業が終わって駅に向かって商店街を歩いていたふと見ると見覚えがある女子高生が歩いてくる隣には学生服姿の親しげな素振りの男子学生どこの街角でも見かけるアベックに過ぎないけれど女子高生の方は俺がラブレターを送った娘そこだけが違っていた俺は「やあ」とだけ言ってそのまますれ違った女子高生の方は何か言いたげな目悪く言えば「しまった」という目にも見えた俺は振り返ることなくまっすぐ駅へ向かったそういうことだったのか薄々気づいていたけれど自分で納得したくなかっただけのこと学校が同じクラブが同じそんな関係はその場所が消えれば関係も消えてなくなるもの彼女の場合も卒業と同時に消えてしまった関係だったのかも知れないしそうでなかったのかも知れないそんなことはどちらでも良かった40年の歳月が過ぎてその後のきみとの紆余曲折を振り返って原点がそこに在ったと納得がいったこれまで薄々気づいていたけれど自分が納得したくなかっただけのこと台風が吹き荒れて認めたくなかった夢から俺の目を覚ましてくれた (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/18
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ゼロ 南風一分かっていたくせになぜ夢を見てしまったのだろう?きみの方だって好意を持っているそんな素振りがなければ俺だって惚れるわけがないきみの反応がすべてではないそれ以外の何処に惚れたかって?きみのコケットリなところかな(そんなもの年取ってしまえば不気味に転化する)きみより美人でスタイルの良い女性は五万といたのになぜきみだったのかな?きみだって俺でなければならない理由はなかったに違いない俺はきみと一緒になれるなんて決して信じなかったしきみだって俺と一緒になろうなんて実は一度も望まなかった結末なんてきみも俺も知っていたくせになぜ馬鹿な猿芝居なんか演じてしまったのだろう俺は一度もきみを愛さなかったきみも俺のことなど一度も知ろうとしなかったもし結婚が実現していたらそのときこそ二人はどうしていただろう?俺はきみのことを何にも知らないきみも俺のことを何にも知らない知らない者同士が結婚してさてその後何ができただろう?それがGOALなんて余りに哀しすぎる (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/11
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子ども 南風一他人の子どもが育つのは速い自分の子どもが育つのも速い子どもは誰を見て育つのか先生や同級生、友達を見て育つのか親の背中も見るには見ているのだろう学校や友だち付き合いの中でたくさんの知識や知恵を身に付けて親が知らないうちに一人の人間になっている子どもは親から生まれる親から生まれたはずなのに子どもは親とは別の人間子どもは親とは似ても似つかない一人の人間 (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/11
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おやじ 南風一 ランニング姿の父を見たとき俺も大人になれば父みたいに筋骨隆々のたくましい姿になるのだろうと思った父が亡くなり自分のランニング姿を眺める余裕もなかったからそんなことも忘れていたそして布団を干し終わって汗に濡れたランニング姿を洗面鏡の中に見つけてふと父のランニング姿を思い出した私はとうに大人になっているけれどそのランニング姿はとても父のような筋骨隆々とは似ても似つかない貧疎なものだった私が子どもの頃に信じて疑わなかった「大人になれば誰でも筋骨隆々」という想像それはまったくのデタラメであった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/11
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土日だけの 南風一 以前ならいかした女性に出会ったら授業に出るつもりで電車に乗ったはずなのにいつかしら道を逸れて気が付いたら女性の自宅まで付いて行ってたということもあった今は残念ながらそこまで胸をときめかすこともない(もしそんなことがあったとすればそれこそ変態のエロジジイ!)成就させようと念じるものが何もないから心ときめくわけがない他人事の視線だから芸術品として鑑賞するくらいそれでもスカートから生足をさらした女性や真っ白な二の腕をむき出しにしたワンピース姿の女性を見かけるとドキリとするはっとして いけないものを見てしまった青年のように視線を逸らしてあらぬ方向へ目を泳がせている本当はもっとしっかり凝視していたいのにこればっかりは初老になっても実行できない何も見なかったように素知らぬ顔して通り過ぎている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/10
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誰のために 南風一 出来たらウィークデイも土日と同じように休んでいられたらと想うでも給金がストップしたら三食も家のローン返済も親戚付き合いも何もかも途端に行詰まってしまうから月曜日から金曜日は当たり前に出勤しているそういう暮らしを続けて30年よく辛抱してやって来れたなあと呆れる想い50%殊勝なことと感心するところが50%子どもたちはいつの間にか巣だって今では妻と二人生活子どもたちのために生きてきたという想いはしないただ自分のために生きて来たどうすればもっと自由な生活を手に入れることができるかと足掻いてできたら他の職場へ移りたいと転職サイトから応募して面接に臨んだこともあったそういう風にたまに抵抗して時に勇ましくなって自分が転職したことの夢を何か月か見続けてなかなか自分が望むほど簡単には物事が運んで行かない現実の前に諦めが大きな安堵感に変っていったさて今でも「今に見ておれ」と悪態をついてさっさと帰宅することもある自分のために働いているそれは分かっているけれどいつもスケジュールに追いまくられる生活から早く引退したいと今でも望む想い50% (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/09
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雨降り 南風一スマホを持っていればカチャリと撮って終わりだったのかも知れない生憎スマホを持っていなかったから描写するしかなかった雨降りの中合羽を着て自転車で外に出たところで目の前に傘を差した女性が一人歩いている女性はお尻から腿、脚にかけてのラインがくっきり出ているスカート姿スカート模様は黄色がかった花柄と見えるそれにしても運動選手のように引き締まっていてそれでいて何とも肉感のある後ろ姿だったすぐ交差点の地下道に突き当たったので私は地下道を降りて左に曲がって外に出るところ女性の脚腰を眺めているうちにまっすぐ下に降りてそのまま上がってしまった女性のスカートに覆われた張りのある尻スカートから伸びた形のいい脚もし俺の目に透視能力があればどんなにか良かったのにと妄想を抱きながらお尻を眺めたけれど俺の目には形のいいスカート以外は何も見えないまさか合羽に身を覆った初老の男が後ろから尻や脚腰を眺めているとはこれっぽっちも思ってもいないから女性は地下道を悠々と上がってまた傘を広げて歩き出した私も地下道を上がると女性には目もくれず素知らぬ顔で自転車に乗ってすぐ横を追い越して通り過ぎたたったそれだけのこと (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/07
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街角 南風一7月も一週目になると梅雨入りから1か月本当に根付くのかなと思った苗も力強くなって緑が濃くなったように見える一週間のうちに水田の中では兜エビが泳ぎはじめこれから4,5か月もすれば稲穂が垂れるのだろう一週間の単位で巡る季節は一年もすれば刈り取りが終わってまた新しい芽の出番となるそんな風に季節も時も進行して日々顔を洗ったり髭を剃ったりするときには気付かないけれど街角のショーウィンドウに見知らぬ白髪交じりの男の姿を見つけたり道端の凸面鏡に疲れた歪んだ顔の男を見つけるとああこの男が浦島太郎に違いないと得心している (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/05
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燕 南風一 外見から空の紳士すいすい飛び去るから移り気な男の呼称ともなるそんな燕が我が家の玄関口に巣を作ったのは私が小学校4、5年の頃祖母が燕は幸福を運んでくるというので巣はそのままにして親燕が卵から孵った雛鳥に入れ替わり立ち替わり餌を運んでくるのを感心して眺めたある日燕が家の中に紛れ込んでしまって廊下から居間へ居間から座敷へと飛び回るので悪ガキだった私はもしかして燕を捕まえることができるかもしれないと良からぬ想いからタオルを振り回して燕を追い掛けた燕はぴいちくぴいちくと哀れに泣きながら逃げ回っていたが運悪く悪ガキの振り回したタオルを避け切れずとうとうガラス窓にぶち当たってそのまま畳の上に落ちてしまった燕はぐったりして身を横たえた悪ガキながら私はすぐに後悔の念に囚われてしまった「とんでもないことをしてしまった」親に気付かれないように死んだ燕を神社の脇に埋めて棒切れを立てた連れ合いの片方を失ったもう一方の親燕が玄関口をぴいちくぴいちくと泣きながら飛ぶ姿は哀れだった「もう来年は我が家にやって来ることはないだろう」そう思ったにもかかわらず翌年も我が家にやって来て悪ガキを狂喜させたそんなことも忘れた頃ふと気が付いたら燕はやって来なくなっていた (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/04
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心の水打ち 南風一 庭先のタイルに落ちる雨粒が跳ねて光った水溜りが瞬きをしているよう梅雨時なんだから雨は当たり前空も陽射しをすっかり諦めて灰色が空を覆っている外界の視界が遮られて心の内を覗き込む者は誰もいない雨粒は心を和ませる何を考えていようと咎め立てする者はいない「何考えているの?」とお節介を焼く者もいない梅雨時の雨降りのひと時心の水打ち (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/04
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後ろ姿 南風一はっきり見えないことが美人の条件それは昔から言い古されたこと若者が娘に恋するのも何も知らないから娘のことなど何一つ知らない癖に娘に惚れている理由もなく惚れることなどあるものかだからそんな恋など長続きしない小さな坊やが遊ぶのを近くで見守っている母親を見てほほえましいという感想を持つ人は多かろうそれは二人の光景への評価であって母親への評価ではない母親は小娘だった頃に比べて容姿は落ちているかもしれないいやいや却って色気が出たというのもあるかも知れない子どもをあやす母親の姿に恋する乙女を重ねることはなかなか難しいことだろうしかして恋した結果男が娘に産み落とさせた子どもを躾けているのが母親の姿ということになり男が恋したのは坊やを見守る母親男はかつて子どもを見守る母親に恋することを想像してみたことはあるだろうか俺が恋したのは無垢の娘その娘は何処へ消えた?そんな娘など最初から居なかったのさ男が見たのは自分が作り上げた架空の娘女の後姿が作り上げた産物さ (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/07/04
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雲は天才である 南風一 畑の中では梅雨空を映した宝石がいっぱい里芋のパラソルの上に落ちた雨粒はあら不思議すべて宝石に七変化パラソルを傾ければ宝石はころころと転がる転げ落ちた宝石はまた別のパラソルの上に落ちてもっと大きな宝石になる子どもが宝石を欲張って持って帰ろうとしたところで掌では水に還る里芋の宝石はきれいだけど身に付けることは叶わない梅雨空を映してパラソルの上で輝いている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/27
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感染性気管支炎 南風一 10年この方インフルエンザに感染することもなく内科医院の診察券なるものとはとんと遠ざかっていた久方ぶりに喉はいたいし空咳が出る熱が出る仕方なく10年ぶりに新築された近くの内科医院に出向いた憶えていた医院長先生の名前とよく似た名前の息子さんと思われる先生が診察してくれた喉を見て胸と背中を見て血液検査をして感染性気管支炎という見立てだった抗生物質と頓服薬、咳痰を抑える内服薬を貰って家に帰る水分をよく補給し安静にしておくようにとのことだった感染症から遠ざかっていたため私自身は抵抗力が増して身体が頑丈になったものと勘違いしていたこの10年たまたま感染して来なかっただけだった内科の医院長先生は私と同年齢だったがいつかしら医院を新築して若い息子さんと切り盛りしていた日本という国は津々浦々まで病医院が整備され厚生労働省や都道府県の指導が行き渡って安価な診療薬剤費で治療を受けることができる役人や医療業者の中には医療行政の狭間の中で不正な利益を得たり悪行を行う輩もいる悪行を行う輩がいてもそれを上回って余りある健康保険制度を作って良好に機能させている日本という国は実は世界で一番幸福な国に違いない医院の玄関口で薬や支払いを待っていてふとそう思った (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/24
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桃ちゃん 南風一すでにきみがニューフェースとして登場してから指折り数えるまでもなく18年が過ぎようとしているそれからすればきみは40歳を迎える!まさか桃ちゃんと言われて初々しかったきみの姿を思い起こせば今でも初々しいというべきかいやもうすっかり色香が衰えたというべきかそれは分からないきみの胸の谷間は今でも健在だけどさて裸になってみれば乳房は幾分反りを失っているのかも知れないパンツスーツ姿で現れたときの尻の盛り上がりは相変わらず魅力的だけどはて裸になったときの尻の張りや腰のくびれは今でも健在かどうかそんなことは分からないけれどきみはニューフェースのときのまま独身相変わらず商品を売り込みに来ている課長という肩書は付いたけれど身体は昔のままだろうかきみがニューフェースだったときの魅力的な身体を味わった男はいるのだろうか?もしいなかったとすればそれはそれなりに損失というかきみは勿体ないと思わなかっただろうか桃は形も味も最高のときに味わってこそ桃の値打ちがあると思うのだがそれは男の偏見に過ぎないのだろうか (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/21
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自慢の教え子 南風一「いつ辞めようか」「いつ辞めてやろうか」サラリーマンになって以来そんなことばかり考えて30年が過ぎようとしているそんな俺を「自慢の教え子」と称える先生がいる「どこが自慢の教え子なもんか」と想う故郷を離れて37年もう昔見知っていた人たちは死んでしまうか何処かへ移ってしまって誰も俺のことなど憶えている人などいないだろう何をもって人生の成功者と定義するかそれははなはだ難しい自分の稼いだお金で暮らしを立て一人立ちするまで子どもたちの世話をするそれだけでは終わらない近頃は子どもたちが独立してからも孫の世話まで見ないといけないそういうことを立派にやり遂げる一市井人が立派な人に違いないそういう意味では俺は規格通りさっさと道を踏み外そうといつも思っているのになかなかサラリーマンを辞められないままに30年が過ぎようとしている (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/21
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見ちゃダメ 南風一「先生 パンツが見えてますよ」「見ちゃダメ」そんなこと言ったところで小学4年生の悪ガキに通じるはずもない俺や友だちは先生が梯子に昇って絵を貼り付けるのを見上げていた悪ガキたちが相変わらず先生を下から見上げるものだから先生は梯子から降りてトレーニングウェアに着替えに行ったようだった先生の姿が消えたものだから俺たちはせっせと梯子に昇って絵を適当に画鋲止めして行った何しろ明日は父兄参観日だし俺は自分の絵を一番目立つ高いところに貼り付けた先生は帰って来てありがとうと言っていたそのとき先生は島からやってきたばかりで26歳か28歳だったパンツは薄い肌色で腿まであった太腿の膨らみや股から尻にかけての流線型の美しさに私は暫く固唾を飲んで見入った今でも鮮やかに想い出すことができる (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/20
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小さな女の子 南風一小さな女の子は可愛いに違いないだから私は見ないようにしている兄たちにくっ付いて一緒に遊んでいるけれど時には意地悪されて泣いていることもあるそういう姿はきみが小さかった頃のきみの姿きみにもお兄さんがいて一緒に遊んだ日々があったのだろうと想うそんなことを考えると切なくなるから小さな女の子は見ないきみのことを連想してしまうものは哀しい誰だって小さなままでいられないことくらい百も承知している今兄と駆けっこしたり意地悪されて泣いている女の子だってすぐに大人になって昔小さな頃に兄たちと遊んだり意地悪されたことなどすっかり忘れてしまう生まれたときから大人だったように何もかも忘れてしまう (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/14
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天にも昇る言葉 南風一「ごめんなさい 今は会えないけれど 電話で話すことならいい」そして25年ぶりに話すことができたきみの声は昔のままもう一度電話してもいい?と聞けばYESと答えたくせにそれっきり電話は繋がらなくなったあのとき「やったーあ」と有頂天だったのにあれは何だったのだろうね? (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/13
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逃げる女 南風一足早に遠ざかる女走って遠ざかる女遠ざかるからと言って逃げているわけではないだろう背中を見せて一散に走る女スカートの尻が揺れているふくらはぎや足首がカモシカのようだそんな女を見るとつい追っかけたくなる追いつけるかどうかそんなことは分からないただ追っかけて行きたい衝動に駆られる (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/13
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親と子ども 南風一仕事しか頭にない上司が不思議なことを言った「子どもたちには何もしてやれなかった。 そんな余裕もなかった。 それだから(歳をとって)孫を可愛いがるのかな」子どもが小さいうちは親は若くて子育てと自分の生活に精一杯我が子の成長を楽しむという余裕はなかなかない子どもは子どもで自分の世界における棲家を作るのに精一杯で親のことを思い遣る暇はない親も子どもも互いを思いやる時間を持てずに生きていくってどこかオカシイね過ぎてから悔やんでいる (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/13
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女性芸術家の言い分 南風一女性なら誰にもあるものを型取っただけないのにというのが女性芸術家の言い分俺がきみに惹かれた理由は?と考えたとき一つに黒目勝ちの愛くるしい瞳二つに生意気な唇三つに気紛れそうな性格女性なら誰にもあるきみのそれを夢見たかと問われれば見られるものならば見てみたいと思ったことはあるでもそんなものは二の次だったきみの心の方が問題だったこちらの想いに反応しない女など好きになるものかきみは的確に反応したでもそれだけ (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/13
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楽しみ 南風一 古代史シンポジュウム随分魅力的なタイトルだ早速チケットを二人分購入する妻が行くはずないから誰か他の友人と一緒に行くことになる漠然とそう考えた期日が迫ってきたけれどバスの予約をせず友人に連絡することもしないままぐずぐずと日にちが過ぎて気が付いたらシンポジュウム当日が来ていたチケットだけ買って行くことを夢見る多分重い腰を上げないことは知っているのに参加することを楽しみに夢見る参加することは永遠にやって来ないのかもしれないそのくせ自分が行っているのは当たり前と想っているそれが楽しみなのかなあ (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/07
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叶わぬ相談事 南風一QBハウスが混んでいたので近くの公園で時間をつぶすことにした公園内をぶらぶら歩いてすぐ近くの高校まで辿り着いたそこは私が通った高校だった昔の木造校舎は壊されて今は鉄筋コンクリートの立派な建物だグランドはトラックがきれいに整備されすぐ横のテニスコートで女子学生が一人サーブの練習をやっている校舎の周りをぐるりと一周してQBカットに行ってみた待っている客は二人に減っていた三人の理容師さんがいて真ん中の女性は避けたいと念じていたら運悪くその理容師さんに当たってしまった予想通り髪は空かないし生え際を鋏で整えたりしないから三人散髪してもらっている客の中で一番最後に座った私が一番最初に席を立った店から出て高校のとき好きだった同級生の女性のように昔の姿で昔のように高校からの帰り道を一緒に歩くなんてことは望んだところで二度と叶わない相談事だけど散髪くらいなら1か月すれば今度は違う理容師さんに当たることもあろうそう思い直して自転車で家路についた (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/06
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それから1年半 南風一お金を借りることはなかったそれから1年半それ以後あんなに頻繁にあった電話もなくなったときどき店の前を通るけれど用事がないので中に入ったことはないあのときのまま彼女は勤務しているのだろうか?銀行の職員は3年もすれば転勤するのだろうからもうその店には居ないのかもしれない最初はカードローンのインターネット申し込みだった審査に通ったので窓口にお越しくださいという案内だった一目見たとき細面の今風の顔立ちだなと思った話しぶりがのんびりしている割に動作は機敏で提示書類のコピーを取ったりするのも速かったカウンター越しに彼女の後ろ姿を見ながら白いブラウスの下は黒のブラジャーなんだと想ったりした何とも思わなかったのに今から思えば彼女に惹かれてつい事業性融資の話しまでしてしまったのかもしれない結局断ることになったけれどそんな話しに行ってしまったのは彼女が担当だったからだろう彼女でなかったらそんな話しまですることはなかった助平心いっぱいの行動だった私が行動する動機ってそんなところに違いない今だからそう想う (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/06/06
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真実 南風一何が真実だったかなんて今も分からない後々まで尾を引くことがないように恨まれることなく離れるにはどうすればいいか無意識のうちに恋が成就するときを待つことなく出口の心配をしていた逃げるタイミングばかりを計っていたこちらが振ったとなれば死ぬまで恨まれることになるかもしれないその点向こうの乗り気が今一のときならばこちらが自分から去ってくれてありがたかったとなる可能性が高いそんなわけで俺は彼女から去ったその後彼女から連絡はない恨まれないことより成就することをなぜ最後まで信じられなかったのだろう絶対に成就することはないそんな確信を持っていたのかもしれないそんな負け犬根性をいつから持ち始めたのかな?きみが俺のことを好きなことは俺がきみを好きなこと以上に当たり前過ぎて疑ったことなんて一度もなかったそれなのにいつからだろう?きみから呪われないでさよならする方法そんなことを考えていたなんて結末を確信していたのにそれでもきみが靡くこともあるかもしれないそんな風に振る舞っていた「ありえないよね」そんな風にあっけらかんときみに言えていたらわざわざ策を弄することもなかったのだろうか何が正しかったのか今も分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/30
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おしべ 南風一初夏のころ木立の中を歩くときやばいと思うことがある精香ぷんぷん若い娘さんなら恥ずかしくてこの匂いの中は歩けないんじゃないかと思うくらい強烈な精香が立ち込める周りを見渡せば松のおしべかもっとほかの木なのかもしれない強烈な匂いを放ってめばなへ存在を知らせる大昔に遡れば植物も人間も兄弟だったのだろう (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/24
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