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好き 南風一歳をとったということだろうか?好きの意味が分からない別れ話のもつれで殺人に及ぶ男がいる殺された人には気の毒だがなぜ殺人に及ぶのかその理由が分からない以前仕事の関係で見積もり依頼や発注書を交わす度に応接応対していたセールスレディがいた彼女は細身の割にグラマーでいつも胸元までカットが入ったシャツを着ていた低い応接椅子に座って前屈みになる度に真っ白の胸の膨らみやブラジャーが見えたあるときその女性に女を感じてしまってつい深夜に彼女の携帯を鳴らしてしまった彼女は仕事でもないのに深夜に携帯を鳴らされたことでひどく動揺した様子だった「今晩は。南風です。分かりますか?」「あ、あ、あのう、分かります」「今テレビを見ようとしたところで、 自分の部屋に行くので、ちょっと待ってください」彼女の声はやや鼻にかかった甘えた声だった。ややあって「びっくりしました・・・」そんなことを二度ほど続けたある日のこと彼女は仕事で私のところにやって来たとき応接に入る前に私を睨みつけて小声で言った「困ります。先日は仕事で接待中だったのです」「申し訳ない。私がどうかしていた。許してください」そう言って謝った後にはきみはもう自分の言ったことを忘れてしまったかのようににこやかな彼女に戻っていた単なる仕事上の付き合いにしか過ぎなかったのになぜ俺はあのときセールスレディに魅力を感じてしまったのだろう?セールスレディたるもの仕事の相手には愛想笑いが当たり前なのに俺は何を勘違いしたのだろう?彼女に睨みつけられても憎いとも何とも思わなかったただ深夜の彼女の甘えたような声は何だったのか?と不思議だった一転して睨みつけられて俺は何か悪いことをしただろうか?分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/23
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1年 南風一 10時の時報が鳴って車のドアを閉めると2階の会議室へ急いで駆け上がった部屋に入るとボランティア仲間はすでに着席して残すところ私一人となっていたきみの姿が見えたけれどそこにまっすぐ行くには気が引けたのでぐるりと後ろから回ってはみたけれど結局きみの隣に着席することになったただきみの隣できみの横顔や掌素肌の足首、踵を盗み見るだけでも幸せだったこれから1年の予定を聞きながらきみと会ってからの6年の日々のことを思い巡らせた初めて自己紹介した日のこと土曜日に集まったのがきみと俺の二人だけだった日のこと土砂降りの中きみの車に乗って昼飯を食べに行った日のことどれも懐かしい思い出となってただきみと隣り合っていることを至福の時間として味わっているきみを素っ裸にしたところで女であることに変わりないだろうセックスしたところで他の女と変わるところはないだろうそんなことを妄想する私ととてもそんなことをする勇気がない自分を交互に思い描いて結局いつものようにおとなしく座っている突然変化すれば何かが変わるのかもしれない変わらないのかもしれないそこで変わって何かがよくなるというものではない悪いことしか残らないということもあるそんなリスクを思い描いてきみの横顔を盗み見ている私 (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/16
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白 南風一雲は白女子高生のふくらはぎも白制服のスカートから伸びた脚に過ぎないのにその白さは際立って眩しい自分が高校生であった頃女子高生の級友たちを見て脚の白さに眼を奪われたことなんてあっただろうか?当時は女子高生のふくらはぎの白さに気付かなかった白さは属人的なものだと思い込んでいた節はある確かにそういういう要素もあっただろうでも女子高生の白さは一般的なものと思う生涯において一番きれいな年頃ということもあろうそうでなかったらきみのことを好きになるはずなかったきみもまた生涯において一番きれいな時季だったのだろうそうでなかったらあんなに眩しいはずなかった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/09
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GW 南風一忘れていても必ずやってくるものこれの使い方の達人には程遠い子どもたちが小さかった頃は祖父母に子どもたちの顔を見せるのがGWの仕事だった子どもたちが成長して親たちに付いて来なくなったときからGWの過ごし方が分からなくなった時間に任せて衣更えをする居間の片隅のヒーターを片付けるボアの毛布を片付ける切り抜いままに積み重なった新聞スクラップを整理するそんなことでGWはいつの間にか終わってしまう長いようで過ぎてしまえば早いもの一体何をして過ごしたのだろうと思うGWのうまい使い方というものもあるのだろうけれどいまだもって分からない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/06
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筍 南風一森林公園に散歩に行った折遊歩道の脇の竹藪に筍を見つけた最初は一個くらい掘ったところで何の足しにもならないと思ってそのままにして通り過ぎたややしばらく行くと道の脇にまた筍が頭を出しているこれは掘るしかないと思って軍手とスーパーの買い物袋を取り出して本腰を入れて筍を掘り出したそうは言ってもスコップも鍬も持ち合わせていなかったので筍の周りの土を掻き分けて前後左右に揺すって抜き出そうとしたけれど筍は途中でぽっきり折れて太くて筒の大きい部分は土中に残ったなかなかすっぽり抜き出すのは難しかった帰りにうどん屋に寄って筍の天ぷらを食べたそれは私が土中に残してきた筒の大きい筍だった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/05
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サツキ 南風一 庭にはサツキの植木が1本ある長男の軽自動車を置くために移動してから3年になるそれから一度も花を咲かせないそれ以前にも白い花を咲かせる年もあれば咲かせない年もあったから花はサツキの気紛れで咲くものと思っているサツキが花を咲かせるのも咲かせないのも八卦みたいなものでこればかりは人の手に負えないと思うが街路樹のサツキがピンクや赤白の鮮やかな花を咲かせているのを見ると、八卦だけでもなさそうだなと思える基本的に日照時間が理由かなとも思う当家のサツキは東ブロックの西側に植わっているので太陽が当たるのは昼からであるさてあと何年したら真っ白な花を咲かせるのだろう (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/04
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卒業あれこれ 南風一大学の卒業式を控えゼミテンが集った最後の日先生は二人のゼミテンが姿を見せなかった理由を淡々と話した一人は地元新聞社に採用が決まったので卒業を待たずに大学を中退してさっさと就職してしまったこと先生は彼なりの別れ方でありゼミテンにはよろしくということだったらしいもう一人は転身を決意して地方大学医学部を受験して合格したのでもうそちらに発ってしまったとのことだった私は留年が決定していたので大学に余り顔を出していなかった事情もあったのかも知れないゼミテンたちは自分の卒論作成に忙しくて仲間のことまで気が回っていなかったこともあっただろう誰も二人の事情について知らなかった大学3、4年にゼミナールを一緒にやってきた仲間たちの別れ方としてはちょっと淋しい別れ方だったそれから32年が過ぎて二人はどんな暮らしをしているのだろう?すっかり忘れていたけれど突然二人のことを思い出した (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/03
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自然の1日 南風一1日なんて365日の1日に過ぎないと思うことなかれ5月1日晴れの日照時間は12月23日晴れの日照時間の2倍5月の掻き入れ時の1日がなければ5月の発電収入が1年で最高になることがない5月の発電収入が1年で最高になることがなければ太陽光発電設備の借金を返して余りが出ることはない余りが出ることがなければ誰も設備投資をしない結局5月1日晴れの1日があるから高価な太陽光発電設備を購入しようという人がいる5月に晴れの1日が何日あるかというのは大いなる関心事となり晴れ1日が彼の生殺与奪の権を握っている大事な時季の1日は極めて重要大事でない時季の1日は大事でない時季ゆえにその日が晴れたときの貢献度は大きいものがあり大事でない時季の収入の過半を制する365日の1日が晴れるかどうかは365回の大切な事柄私は日々を判で押したようなサラリーマン生活を送っているが自然の1日は毎日が戦いである (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/02
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曇り空 南風一雨が降って翌日曇りのとき空を見上げて「この曇り、いつまで続くのか?」「ひょっとしてこのまま曇りが続くのじゃないか」と不安になる立ち込めた雲の向こうに太陽がまぶしく輝いて居ることは分かっているけれど「もしかしてこのままずっと晴れないのじゃないか」と悲観的になってしまう1年中晴天が続くことはあり得ないし1年中雨と曇りが続くこともありえないにもかかわらず半月くらい雨と曇りが続いたくらいで「このまま晴れの日は永遠にやって来ないのじゃないか」そこまで私を不安にさせる理由は何?明日にも終わるかもしれない地球の運命?明日にも終わるかもしれない太陽の光自然の終わり終わるとも終わらないとも確信を持って言えない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/05/02
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父の畑 南風一 父の残した畑を開墾してきた父から母が相続してずっと放置していたので笹が生い茂っていた昨年から除草剤を撒いていたので葉っぱはすっかり落ちていたけれど相変わらず根は生きているらしく茎は緑色でしっかりしている柄の長い鋸を使って茎の根元から切っていく笹の茎はぐにゃりと曲がるのでなかなか切りにくい汗を拭き拭き3時間かけてようやく間口12~13メートル奥行10メートルくらいまで笹を刈り取ったそれで4分の1くらいに過ぎない根が残ったままだけど取り敢えずよしとしよう父の畑といっても圃場事業で換地されて得た畑だし何より換地されたときには父はすでに下半身不随父が畑を耕すことは一度もなかったはずだすでに他人に渡った祖父の家が在った付近を眺めるけれどその場所が何処であったか今となっては分からないただ祖父や父が確かにその付近で痩せた土地を耕やしてポンプで池から水を引いて米や野菜を作っていただろうと想像する50年近く経って息子が畑の開墾をやっている姿を見たら随分たまげただろう「何やってるんだ?」「うん、笹を切って、野菜を作ろうと思ってね」それくらいしか活用方法が浮かばない (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/29
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ウエディング 南風一それが一筋縄で行かないことくらい少し考えてみれば分かること若いころには分からなかった直感で行くものだと思っていたきみが俺のことに熱心でなかったこと今から思えば色んな気に掛けることがあってとてもウエディングどころじゃなかったよね過ぎ去ってからようやく気付いてだからといって若いころには戻れないし一度選択した人生の歩みを捨て去ることはできないこのまま進んでいくしかないそんな人生になることは早くから予感がしたそれだけは大当たり (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/26
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体育祭の思い出 南風一高校に入ったばかりの5月右も左も分からない中で体育祭というのでチンチン電車に揺られて少し離れた河川敷公園まで出かけたまさか1800人の高校生が4両程度の電車に一度に乗れるはずもなかったから分かれて乗ったはずだが私のクラスは一番目に早く乗れというので慌ててすし詰め電車に乗り込んだ電車の中は高校1年生から3年生まで男子も女子も混じってぎゅうぎゅう詰め私の周りは高3女子ばかりだった体育祭のこととて薄いジャージを通して高3女子のお尻や胸の膨らみがゴム鞠のように柔らかい私は赤面しながら平静を装うが股間の一物が固くなっていることは自分でもよく分かったそれに気付いてかどうか高3女子たちはお喋りに興じて動じる気配がないこれだけ固くなったものがお尻や太腿に当たっているのだから気付かないわけはないと思うのだが高3女子は全然気にする風でもなくおしゃべりと笑いに打ち興じている女の子特有の甘い匂いに窒息しそうになりながら河川敷公園までの乗車時間の長かったことと言ったら・・・「早く着いてくれ、早く着いてくれ」とそればかり祈っていたそうしてようやく電車が着いてすし詰めから解放されることになった私はようやく解放されてやれやれと胸をなでおろした高3女子たちは何事もなかったように相変わらずぺちゃくちゃ喋りながらプラットフォームに降り立って歩いて行く高3女子ともなれば大したものだと私は妙に感心して後姿を見送った帰りの電車もまた同じ混雑だった (詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/19
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今だから 南風一50代も半ばになって中学校の同級生のことを思い出している別に仲が良かった友人でもないだから親身になって話したことはないにもかかわらず彼が死んだという話を聞いてこんなに早く死んでしまうならもう少し心を開いて親身になって話しておけばよかったと悔やんでいる(本当に当時の俺にそんな事が出来たかどうか疑わしいことでは あるけれど)後だしジャンケンのようにその後を知ってしまって色々な理屈付けをするものだからあれほど執着したきみの魅力が消えてしまった一度はプロポーズにYESと言って貰いたくて仕方なかったのに大学生活よりも人生よりも生きがいと思っていたその理由が今では分からない大切と思ったことも取るに足りないと思ったこともどちらも等しくそうではなかった大切なことは大切でなかったし価値がないと思ったことには価値があったどちらも消えてしまって今はない (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/18
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家 南風一夢に出てくる家は取り壊す前の父の家コールタール塗りの古い昭和の家私が居るところも決まってその家の一室壊してしまってすでに20年以上の歳月が経つのに夢で実家の新しい家が出てくることはない私の脳味噌の記憶が帰って行く場所はいつも取り壊されてしまったすでにない家もう何処にもないのに夢はいつまでもそこに住んでいる (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/12
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かけっこ 南風一 父の法事で聞いた話当時近くで見ていた人しか知らない話お寺さんは「それは速かったね」「一番で走っていた」私が半信半疑で「父はそんなに速かったのですか?」と訊ねると「それはもう速かったね」父にもそんな頃があったと知って嬉しくなった (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/05
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瓜二つ 南風一誰だったか「きみに似てる女人(ひと)」がいたそう言ったのはお世辞のつもりでも何でもなかったただ何処かで見たことのある顔立ちその魅力的なところがそっくりだと言いたかった「何処にでもある顔だから」きみはぶっきらぼうにそう返答してあらぬ方向を見ているそれがきみのみ・り・ょ・く本心のつもりなのにきみに伝わったものかどうか (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/05
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井の中の蛙 南風一花見帰りに親類縁者で温泉に浸かって帰った親類縁者のシャツはホワイト俺は黒シャツそういえば休日だけ色シャツを着ているたったそれだけのことだけど休日だけ色シャツを着て時間を浪費する確かにその程度のものだろう抵抗といったところで所詮そんなところ (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/05
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勇気の出る言葉 南風一新聞の読者欄に載っていた言葉「お父さんは理不尽な会社社会で 毎日全力で戦っているんだぞ」戦いは何もシリアやイラン、ウクライナの空の下ばかりではないサラリーマンにとって職場は戦場食って行くためにはそこから逃げ出すという選択肢はない「くっそう 今に見ておれ、辞めてやるから」何度そう呟いただろうかすぐに辞められなかったから今も同じ職場にいて「くっそう 今に見ておれ、辞めてやるから」と呟いている誰とは言わない理不尽と戦っている (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/04/04
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戸籍 南風一戸籍がなくて小学校に通えなかった人がいる小学校や中学校へ通うことはできたけれど日本国政府のパスポートを貰えなかった人がいる一方で親が死んで相続人の証に戸籍謄本の提出を求められるとき何でそんなものが要るんだと銀行窓口で毒づく人がいる実は戸籍を持っている人は空気を呼吸する人が当たり前のこととしてその有難さを感じないように戸籍を当たり前に持っていることの有難さを感じない (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/28
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たこ焼き 南風一認知症がかってきた母が曽孫が離乳食を口の周りにいっぱい付けている写真を見て何を思い出したのか私に問いかけてきた「はじめがお祭りのたこ焼き屋台の前で立ち止まるので たこ焼きを一串買ってやると片方の側ばかり食べるので 半分食べたところで下に落とした。 落としたたこ焼きを拾おうとするので 土がついて食べられないよと言ったものの 恨めしそうにたこ焼きを見ているので 再びたこ焼き屋台のところに戻って おじさんにはじめがたこ焼きを落としたことを話すと 小さな子どもは串を回して万遍なく食べる術を知らないから 落とすよねと言って小さなたこ焼きを一串サービスしてくれた そしたら今度はたこ焼きを落とすまいとして 左手を顎の下に据えて 食べていた。」その話を聞いた私は「憶えてないな」と答えた「そうだろうね」なお母は続けて「今度はうまくたこ焼きを食べ終わって またたこ焼き屋台の方を振り返ってじっと見ている。 もういっぱい食べたからこれ以上食べたらお腹を壊すよと言って 串を捨てようとしたら 串を握って離さない。 仕方がないのでそのままにしておいて 何気なく見たら串を持っていなかったから 何処かで捨てたらしかった。」私の記憶を超越したはるか以前の記憶の中で母の記憶は生き生きと生きている (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/21
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傘 南風一昭和40年代黄色の学童傘はまだ高価だった現代の百均店やコンビニ店で売っている傘ほど安価でも手軽に買えるものでもなかったそんな学童傘を小学校からの帰り道に振り回して首の長い草を払うのが爽快だった何も起きないときはそれで良かったけれどちょっと茎の固い雑草2、3本をまとめて払ったときにはさすがに傘の柄もその固さに耐えきれずぽっきり折れてしまうことがあった翌日晴れのときは何も問題なかったところが何日かすれば雨が降ることもある朝から雨降りの日に傘を差さずに濡れながら歩くことほど惨めなことはなかった雨の冷たさもさることながら道近くの近所の人の視線がつらかった「なぜ傘を差さないの?」「うん 学校に忘れて来たから」嘘を付いてその場を取り繕った小学校に着いたからと言って傘など置いているはずなかった帰りも濡れながら歩いて帰る日もあった母親に叱られるのが怖くて言い出せなかったものだが再び傘を差して行っていたからその後どうにかなったのだろう今ではその辺りの事情も忘れてしまった (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/15
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容姿以上 南風一容姿だけを言うならきみは多分ありふれたおばさんに過ぎない誰もきみに振り向くことはないしきみに心ときめかす者とていないだろうだけど俺にとってきみは容姿以上の存在だからきみの姿を見るだけで心ときめくだろうだってきみの声を聴いただけで俺は昔に戻れたしきみだって昔のきみに違いなかったきみの姿に心ときめかないはずないだろうきみは何十年経ってもきみのまま俺はきみの姿に心ときめく (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。 購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/14
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何もないこと 南風一次男の車検に続いて私の車の定期点検車検は2年毎定期点検は半年毎いつも忘れているけれどディーラーの担当者から電話があって郵便が届いて早や半年が経ったことに気付く2年というのもあっという間だそうして私の車は18年が過ぎた18年は随分長い歳月だけれどそれじゃあと新車に買い替える余裕もない定期点検 車検の度に大きな修理がなければと思い何もないときもあればオイル漏れやタイヤ交換で修理費が嵩んだこともあるいつも何もないことを願い次の点検までは6か月もあると思うのに次の車検なんて2年先だと思うのに過ぎてみれば 何のこと?そうして一足毎に歳を重ねてディーラーの担当者が店長になったり新入社員と入れ替わったり車に明け暮れて生活している人がいる (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/08
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番号非表示 南風一馬鹿げた妄想かも知れないそういつまでも昔の想いを引きずっている人なんてあろうはずがない子育てやら親の介護やら自らの健康問題が追い打ちをかけてはるか昔の飯事遊びのような感傷に身を浸している時間などそうそうあろうはずもなかろうその上で「もしかして・・・」と想う携帯の着信 午後7時45分真夜中の着信 午前3時1分誰も出なくていいのよ着信があったことだけ知ってもらえばいいそんな伝言何の意味があるのかな?俺が知ったところでどうなるというのだろうきみのことは最早何でもない殊更憎いとか哀しいということもないあるのは確かそんなこともあったかなという想い好きという想いを抱いた女が数人確かにいたそれがきみだったものかどうかいや確かにきみだったのだろうと想う (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2015/03/07
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生活の糧 南風一先週はボランティア活動が休みできみに会うことが叶わなかった会えなかったのでこの一週間は今週末にきみに会えることを楽しみにして過ごす一週間になりそうな気配一週間なんてすぐに過ぎてしまうから気がついたら週末が来てきみに会っているというのが大方の予想というか紛れも無い事実(その前提は俺が生きて生存していることだけど こちらの方はとりあえず100%確実ということにしておこう)そんな期待が一週間を生き抜くための糧になるんだから俺の人生なんてお安いものだねえ (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/07/21
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三連休 南風一いつもより少し早い活動が終わって仲間はそれぞれに引き上げ始めるきみと俺が最後になって戸口を出たところで陽射しは随分きつかった「この三連休は何処か山へでも行くの?」と水を向ければ「ええ」ときみが答える「この暑さじゃ幾ら若いといっても 家にいた方がいいんじゃないの」と私が言えば「山に行くの止めようかな・・・」ときみもちょっと弱音を吐く「それがいいと思うけど・・・」それ以上は何も言わない「もう帰るの?」と私が問えば「ええ帰るわ」とつれない「それじゃあ お疲れ様」と言葉を交わしたらきみは車のドアをばたりと締めてさっさと走り去った (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/07/15
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そして めでたしめでたし 南風一「お父さんが悲しむわ・・・」まさかそんなはずないだろ何処の馬の骨か知らないけれど我がまま放題の娘を苦労してせっかく22歳まで育ててようやく大学を卒業してこれからばりばり働いてもらって親孝行でもしてもらおうと思っていた矢先に油揚げをすーと横取りしていく鳶よろしく手塩にかけて育てた娘をそうやすやすと盗って行かれてたまるかそれが父親たる男の本心であってとてもきみが想像したような心理にないことくらいは同じ男として俺には分かるそれでもなお父親が悲しむとあればきみは一体誰と結婚したかったというのかな?父親と結婚するわけじゃあるまいし自分の素直な気持ちに従って行動すればそれでよかっただけのこと結局きみの素直な気持ちどおりに俺たちは離れ離れになってめでたし めでたしじゃなかったの? (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/07/05
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若い娘(こ) 南風一若い頃は面食いでこの娘(こ)命みたいに一直線だったところが近頃は若い娘なんかわんさかいるし最初からどの娘もこの娘も俺とは関係ないと思っているから(それより気を惹こうなんて邪心はないし興味も湧かない)若い娘を見かけたところで何の興味もない若い頃のことを振り返るとあれは一体何だったのかなと思う「若い娘(こ) 特にきみになぜあんなに拘ったのかな?」今から考えればきみがいみじくも言っていたように「私なんてどこにでもいるありふれた若い娘(こ) 一体私のどこが気に入ったの?」というきみの問いかけの通りだった俺は一体何を夢見ていたのだろう?幻想を追って幻想に恋焦がれて・・・きみの方が余程現実的でものの本質がよく見えていた俺は一体何を見ていたのかな (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/06/29
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昼食 南風一車に乗せて来てもらったので私がご馳走しようかと切り出すと「いえ 今度私が乗せて貰ったときご馳走しないと駄目なので いいわ」ときみが応えるなるほどそうかと思ったから黙っておくことにした「何が美味しいの?」と訊ねると「塩豚ぶっかけ」という返事きみは中盛り俺は小盛り「胃袋の大小に合わせてだね」と言うときみは笑っている (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/06/16
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大雨のワイパーを見ながら 南風一 研修会が終わって久々に降る雨の中をきみの車に乗って昼飯を食いに行った大雨の中ハンドルを握るきみはまっすぐ前方を見ているここで手を伸ばせばきみの乳房もスカートの中もやり放題なことは分かっていたけれどそんな妄想はやめることにしたそんなことをしたところで多分きみは呆れるだけでだからどうにかなるとかそれっきり絶好状態になるというものでもないことくらい想像がついたでもそうしないことがボランティア仲間の暗黙のルール楽しい趣味友だちでいようね (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/06/15
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車ですれ違って 南風一古代官道調査の後うまいラーメン屋に寄ってその後再び教わった古代寺院の跡地周辺をほっつき歩いてそれから帰途についた自動車道の端を自転車で向こうから若い女性とすれ違うOLかなと思ったがまさかこの陽射しのきつい中をジャージズボンを穿いて自転車に乗るくらいだからOLではあるまいとも思う(髪が長く大人びてはいるけれど やはり高校生かな)そんなことはどちらでもよくて肝心なことはこんな片田舎にもやっぱり可愛い女の子はいるのだなあという他愛ない事実ともし俺が若かったならやっぱりああいう姿に恋するのだろうなあというありきたりの予想俺はそれだけの人間というかそれが男の性というもの何十年経っても考えることは変わらない (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/05/25
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羞恥心 南風一小学生の頃泥んこ遊びをした汚い手でおちんちんを触って小用を足したためだろうと思うおちんちんが腫れてなぜか家の近くの内科医院を母親に連れ添ってもらって訪ねたでっぷりと肥えたお医者さんが「どんな具合か診てみよう」というのでおちんちんを出すことになったところが小学校でプール教室のとき水着に着替えるときでさえバスタオルでおちんちんを隠すのにましてや若い女性の看護婦さんがいる前でおちんちんなど見せられるはずがないもじもじしながらひそひそ声で母親に「看護婦さんがいるからだめ」と告げた母親がお医者さんにその旨を伝えてくれたのでお医者さんは真面目に看護婦さんに「ちょっとあっちに行っていてくれないか」と告げた若い看護婦さんはそそくさと席を外したが診察室の向こうでげらげら吹き出しがら笑っている様子が分かったあれから45年の歳月が過ぎて小指の先ほどの大きさに過ぎなかったおちんちんにすらあれほど人目に晒すことに羞恥心を感じた少年がいたなんて我ながら自分のこととは思えない私であった (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/05/19
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古代寺院の池を探して 南風一古代寺院があったという池を探して適当な処をうろつくけれど池の場所が分からないちょうど車道から逸れて入った小路の奥は行き止まりだった洗濯物を取り込んでいる中年のおばさんがいたので道を尋ねたその女性は生憎池の所在を知らなかったけれど「ちょっと待って。主人に聞いてくるわ」と家の中に入って行った家の中から何やら声が聞こえる「休日の夕方にものを聞いて悪いことをしたなあ。 そこまでしなくても良かったのに」後悔の方が先に立った頃玄関口に現れたのは若い娘さん「その池でしたら 車道をあと50メートルほど行くと散髪屋さんがあるので そこから右に曲がって400メートルほど上がると 二つ池があるので上の方の池ですよ」ということだった年配のお母さんらしいおばさんと若い娘さんを見比べて確かに若さは武器に違いないと悟った年配女性にとって娘さんは自慢の娘さんに違いないそんなにやすやすと見ず知らずの男の前に姿をお披露目したりすると男にさらってゆかれないとも限らないそんなことを考えながら娘さんから教わった通りに歩いてゆくとお目当ての池にたどり着いたなんとも長閑な話しだ (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/05/06
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当たり前の夢 南風一馬鹿げた夢だったけれど俺の夢は半ば達成できたかなと感じている息子たちは一人前になって何とか職を得た相変わらず毎月妻に小遣いを貰いに来るけれど働くには働き出した子どもたちが一人前になるまで俺のことが(父親という理由で)何かハンディになることだけはないようにと願ってきた子どもたちはどこにでもいる当たり前の若者に育った俺は俺で何処にでもいるスーツ姿で朝早くから夜遅くまで働く当たり前のサラリーマンを演じてもう3分の2の人生を終えたかな子どもたちには何不自由なくというレベルまでは行かなかったけれど好きなようには育ててきたつもり働き出したら あとは自分で生きていく俺や妻はあとは自分たちの老後をどう暮らしていくかに関心を移していくからまだまだ安心できない子どもたちは当たり前の若者に育ち俺と妻は当たり前の初老の夫婦になるこの当たり前の暮らしを手に入れることが俺の夢だったんだよな俺の親父がそうでなかったからそれでなおさらだったのかな・・・ (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/04/20
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恋とか愛とか 南風一何処に惹かれていたのだろう?と疑問に思う(・・・今さら)多分何処にでもいる若さだけが取り柄の可愛い女の子には違いなかっただろう確かにスタイルも良かったかもしれないでもそれだけのこと(惚れるには 多分それだけで十分に違いなかっただろう)それでも普遍性はあったのだろうか?と考える多分若さと引き換えにきみに恋しなければならない必然性ってのはあったのだろうか?それとも単なる動物的な生殖欲求から来るさかりに過ぎなかった?二度と若い頃には戻れないし若い頃のきみには会えないし若い頃の俺にも戻れない恋とか愛とか惹かれるとか一緒になりたいとかあの感情ってのは何処からやって来たのだろう?百億光年の宇宙の果てから?1千億年の古代から? (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/04/20
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若い頃に悩むことがなければ 南風一大学生の頃何を悩んでいたのだろう?と振り返るもし何も悩むことがなければ大成していただろうにと考える(でもちょっと待てよ 若い頃に自分の行く末について 悩まない者なんていないだろうから この仮定は自分だけに都合がいいものに違いない)果たして目標なんてものが設定できていたら脇目も振らず目標へ向かってまっすぐに努力できていただろうか?その目標なるものは大成への道だったものかどうか?やっぱり俺は(どう考えてみたところで)大成功なんてゴールへ向かって一目散に走っていけるような性分では決してないねそれならそもそも若い頃に悩むことがなければなんて仮定なんぞ何の意味もないものになってしまうしね (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/04/13
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願望 南風一 まさか現役OLが客先でスカートを脱いでしまって肌色のパンティストッキング姿で白色の下着が透ける肢体を晒すなんて想像することもできなかったかつて彼女がもっと若かった頃焦がれてもそんな肉付きのいい尻や太腿を見られることなど叶わなかったそれがいとも簡単に目の前に展開していたどういう理由か知らないけれど彼女の美しい(肌色のストッキングから透ける白色の下着姿が なんとも健康的で魅力的だった)肢体は芸術的ですらあったそんなところで目が覚めた「なあんだ やっぱり夢だったのか」それにしてもこんなに簡単に願望が叶えられる夢を見るなんて夢は夢でも夢の中では夢ではないからねなかなかお得な特技には違いなかった (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/04/05
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かりそめの幸せ 南風一人に生死があるように物事にも初めがあれば終わりが必ずやってくる終わるがやってくることをつかの間忘れるかりそめの時間を楽しむことにしか生きていることを実感できない私たち今が楽しければそれでよしいつか終わりが来るといったってつかの間を楽しむことで時間を使い尽くすから終わりを迎えることができる (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/02/11
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思いつきの言葉 南風一4年間の活動を締めくくるための卒業旅行は平日という「土日だったらね(参加できるのに)」という俺の言葉に「退職したらいいのに」なんてあっさり言い放つきみ随分無責任だねきみが俺を養ってくれるならともかくそんな気持ちなどさらさらない卒業旅行とはいえ1回のバス旅行のために会社を退職してその後どうやって暮らしていけばいいのかな?家のローンはあるし崩壊寸前の年金とはいえそんなものが貰えるまでにはまだ12年はあるまだまだ思いつきで会社を退職できるほど安泰な身の上じゃないからねきみは何を考えてそんなことを言うのかな(考えなしの言葉) (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/02/10
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錯覚 南風一16、7歳の女子高生を見て若さイコール美と納得するなぜそんなことに早く気付かなかったのかな?もし気付いていたらきみに惹かれることはなかったかも知れない(半世紀も生きてきて もしそうでなかったならなんて厚かましいことを言うつもりは さらさらない)半世紀を生きた者は半世紀を使い切って今日を生きている今さら若い人の時間を盗りたいとも15歳からやり直したいとも思わないいつか後悔させてやると俺の方から振ったつもりだったのに20数年が過ぎた今でもきみは今頃後悔しているに違いないなんて妄想しているのは俺の方いつまでも未練たらたらなのは俺の方だった若いままの50過ぎ女なんて何処にもいないそんなことなど分かりきったことなのにいつまでも堂々巡りの妄想ばかり追っている (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/02/09
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男と女 南風一以前ならどうかしてきみに会いたいと想った会ってどうなるものでもなかったけれど会えば愛しさに対する何らかの解決が発見できる(きみも愛しく想っているに違いないと 勝手に確信していた)そんなものは今はない愛しさなんて幻想に過ぎなかった(愛しいと思い込むことが単に楽しかったからに 過ぎない)今はきみに会えたからといって何の感慨も出ないことを知っている最早若くない男と女が数十年ぶりに会えたところでどこに魅力を見い出せばいいのだろう(昔の面影くらいあったところでそんなものが 何になろう)きみの姿に夢を見ることはできまいきみだって俺の姿に何も感じまいただ初老の男と女がそこにいる初めからまだ大人になり切っていなかった男と女がそこにいた男と女は確かに男と女に違いなかったただ生物学的にそれだけのこと (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/02/02
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今だから 南風一今生きていることの楽しみは?と問われれば「ただ生きることを生きること」それくらいの答えしか思い浮かばない昔ならこんなはずはなかったそれが良かったとか悪かったというのではなくそんな風に淡白に世の中を見ることができなかったというのかなあれほど恋焦がれたきみのことだって今出会っていたなら何のこと?なんてほどに興味も示さなかったかも知れないねそれからすればすべては迷いというか幻想というか思い込みにしか過ぎなかったように思う私が生きていたこともきみに出会ったこともすべて幻想にしか過ぎなかった (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/01/20
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ショッピングセンターで 南風一小学校前半の女の子を連れているからもう30代半ばの年齢だろうそんな女性の容姿に振り返ってしまうのだからそれはつまり俺が年をとったということなのだろうボランティア仲間の女性にしたってもう30代半ばだろうから幾ら独身の身の上とはいえつい最近まで惹かれていたなんてバカバカしく感じちゃうね俺が魅力を感じた女性は細面のチャーミングな顔立ち(俺はこの手の女性に魅力を感じてしまう性質らしい)こういう女性は世の中に五万といる遠い昔に俺が恋した女性だってその中のたった一人の女性に過ぎなかった(今ならそういう達観した目で見ることができたのに)昔はそういう訳には行かなかったそれが幸せだったものか不幸だったものかそれは今も分からないけれどねもう30年もすれば俺は死んでいくのだろうけれど (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2013/01/06
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一年 南風一きみの携帯電話がつながらなくなってメールが届かなくなって3年になろうとしている最初は20数年ぶりに連絡がついて声を聞くこともできたのでそのまま夢のような時期(とき)が続くのかと思い込んだそんなわけないよねそのうち電話がつながらないのはきみが強固な意志を持ってそうしていることに気付いたメールが届かなくなったこともそうだった俺がそんなことに気付いたのは半年も過ぎてからだったかな気付くのが余りに遅すぎた時々きみのことを想い出してきみは何をしているのだろうと想う普通に暮らしていることは分かっているそうやって現在の幸福を食べていくしか生きていく術なんかないよねきみのことを想い出しても仕方ないし何かが変わるものでもないことくらい十分過ぎるくらい分かっているだからもうきみのことは想い出さないことにしている確かに仕事にかまける一年には違いなかったそうしてまた一年が過ぎて行こうとしている (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/12/16
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久々にきみの顔を見かけて 南風一1ヶ月ぶりかな久々にきみの顔を見かけてちょっと嬉しさがこみ上げた恋心とは随分おさらばした生活だったもの無理もなかった土日が来れば古代寺院を巡って古瓦や土器片ばかり探してほっつき歩いたきみのことも恋なんてことも心の中の片隅にもなかったそれなりに平和で充実した暮らしだったきみや恋なんてものがなくても立派に生きていけたんだ発見ともつかず当たり前ともつかずこれが人生というか歳をとるというかこんな風になっていく俺がいる (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/10/20
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あの日想像したとおり 南風一無性に会いたくなったときだけ(会いたくて仕方ないときにしか連絡しなかったから きみは「南風くんって暗いわね」と思い込んでいた)感情が行き場を失ってきみに会うことにしか打開策を見出せないそんなときの連絡だったから確かに俺は暗くて深刻そうな顔をしていただろうそのときもそんな事態できみへ電話したと想う(もっと付け加えればもしそのとき連絡しなければ 永遠に後悔することになりそうな気がして 後々何もしなくて後悔するくらいなら 行動して後悔する方がどんなにか救いになることか)それできみに連絡して休日の一日誰彼に気兼ねすることなくきみと俺は八王子の町を多摩川べりを二人して散策したのだったきみと有ること無いこと思いつくままに出任せやら嘘っぱちの博覧会たった一つ真実だったのは多分何十年かが過ぎ去ってやっぱりきみとは結婚できなくてその日の思い出を懐かしく想い出すのだろうそれから数十年が過ぎ去ってそのとき想像したとおりきみと俺は結婚することもなくあの日のことを懐かしく想い出している (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/10/07
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視線 南風一もう若い女性や女学生に心惹かれることなんかないと信じ込んでいたまさか今さら目を留めることなんかないと思い込んでいた(実際この頃は女性の姿を気に留めたことはなかった)今日は仕事で出張していた帰り道馴染みの脇道に車を進めた直後だった一人の中学生らしき女性がこちらに向かって来るフロントガラス越しにまっすぐこちらを見るので目が合った真正面から顔を見てよくある女性の顔立ちつい最近に俺が心惹かれた女性の顔立ちにもそっくりだった幾つになっても惹かれる顔立ちの方が似ているのかそれとも俺の目に留まる顔立ちの方がありきたり過ぎて何処にでも有り過ぎるものかどちらが真相なのかそれは分からないけれどどちらからともなく視線が交錯してバチバチバチ!と火花が飛び散ったような感覚すっかり忘れ去っていた恋の予感を久々に思い出した (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/09/14
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神様からの贈り物 南風一生まれた処がほんの数十キロ違うだけだった西寄りか東寄りかいう程度の差だったそれなのに県や国はおろか生まれた惑星さえも違っていたように思い込んでいたそれほど摩訶不思議で神秘に満ちたきみの魅力って何だったのかな?その魅力は何処からやって来たのだろう?十代という未熟で夢見がちな大人としてはまだ未成熟の生半可な人間にだけ訪れるそんな神様からの贈り物だったのかな?(今だからそう想う) (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/09/08
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若い女性 南風一平日や休日の夕方これから夕飯の時刻だろうに小さな娘さんを残してタクシーに乗り込むなんて夜の仕事かなと想像したものだったその女性と娘さんらしき家族連れにスーパーマーケットで出くわした顔などてんで覚えていないけれど生活臭のしない肢体と小娘のようなワンピース姿確かにたまに見かける若い女性とその娘さんらしき子どもに違いなかったその若い女性と娘さんがどんな身の上にあるものかもちろん俺は知らないし他人の知ったことでもないだろうスーパーマーケットのレジに並ぶときその若い女性と娘さんが買い物を済ませて出て行くところだった俺が二人を見遣ると若い女性と目が合ったやはり身体つきや姿は小娘に見えるけれど顔つきは20代後半か30代に見えた俺が好きだった彼女が今ももしこれくらいの容姿でいてくれたなら相変わらず好きと想えるかどうか?俺の年齢や境遇では最早そうともいかないだろうなかなか難しい問題だった (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/07/01
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気がつけば気づかないうちに 南風一気がつけば気づかないうちに発行してもらったときはこれから5年間とは随分長いなあと想ったのに気がつけばこの秋には運転免許証の更新時期がやってくる同じように4年間の活動とは随分長い活動になるなあ最期まで続けられるだろうかと案じたはずがボランティア活動もあと残すところ10ヶ月を切ってしまったそんな風に長いとかまだまだあると想った時間や期間はいつかしら過ぎ去って過ぎ去ってしまったことにさえ気づかずに暮らしている私たちそうして何事も消え去ってゆく気がつけば気づかないうちに (詩集の宣伝)「どこにでもある光景」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2012/06/24
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