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2009.07.19

文春新書「断る力」

(1)

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24299)

カテゴリ：　藻緯羅の放談

　奥付によれば、２月の発行で
もう７刷に入っている。
かなりのペースで売れている？

この本を読むまで、
藻緯羅は、この著者に記憶はない。
しかし、書店に並んでいると
インパクトのある装幀である。
それで、手にとることとなった。
著者側の術中にハマったかな？

藻緯羅には
内容的には、新鮮味はなかった。
しかし、書き方は新鮮であった。
米国流の教科書的スタイルである。
経歴を知って、納得した。

この本のポイントは、「断る力」だけではない。
「自己評価」についても、多く知識が得られる。
「うつ病」蔓延の昨今、
読むべき人の数は、意外に多いのかもしれない。
「意外」は藻緯羅だけで、
著者側は、かかる状況を熟知して出版したのだろう。
それが、刷数に現れているとしたら、著者側の勝利！

藻緯羅がサラリーマンを早期定年退職したのは、
健康上の理由だが、
その裏には、
「自己評価能力」と「断る力」の減退認識がある。
要するに、
自己の能力を過大評価し、要請を受けてしまった。
結果、睡眠不足に陥り、満足な成果を出せず、
十二指腸潰瘍を再発させてしまった。
肉体に弱点があると、
うつ病にはならずに、その弱点が壊れてしまう。
「仮面うつ病」ということになるのだろうか。

読み易い本であるし、
インターネット時代に沿った本でもある。
「ブログ炎上」に関わるエピソードも登場するし、
「投資」に関わるエピソードも登場し、
興味を失うこともなく読了してしまった。

日頃、
やることが多すぎて時間が足らない人。
そういう人は、
病気になる前に、読むべき本である。
しかし、読む「時間がない」というだろう。
そういう人は．．．。
まさに、だから、最優先で読むべき本である。

この本を読むのに、注意すべきことがある。
　類書によくある宣伝書的な要素はほとんどない。
　紹介されている団体やＵＲＬにも、
　怪しげなものはないというのが、藻緯羅の判断。
　しかし、
　この種の本に、ハマってしまって．．．
　類書を読みあさるようになってしまうと．．．
　底なし沼にハマってしまう危険がないわけではない。

話を、藻緯羅の体験に戻すと
「自己評価能力」と「断る力」の減退認識により、
サラリーマンを辞め、その後、仕事も止めて．．．
現在に、至っている。
ま、「減退認識」自体が、病気？老化？かもしれない。
最近は、「段取り力」が怪しくなっている。
この能力の減退も、大いに時間を奪うのである。

さて、
世に多くの貢献をされ活躍された方々の、
晩節を汚すような行為・事件に接する時．．．
おそらくは、
「自己評価能力」＆「断る力」の急速減退を、
自覚できなかったのであろうかと思う。

だから、
昔、凄かった人だからと、その実行力に頼るのは危険である。
知識や交遊範囲を活用させて頂くのが、有益かつ無難である。
なるほど、
多くの方々が、コンサルタント業をしておられる。
その中には、
官僚の天下り組が、多数、おられるのも事実である。
そして、玉石混淆である。
その意味で、
国会議員の世襲制と同様、天下り自体が悪いわけではない。
そして、何より、個人差が大きいはずである。

子供が、
「経済化」＆「ビジネス化」されている現在、
この本は、子供・専業主婦も読むべきであろう。
そのうち、
著者は、子供向けバージョンを出版するかもしれない。

著者の公式ブログ↓
kazuyomugi.cocolog

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