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森の声@ Re[3]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) めげぞうさんへ >これからどうなって行…

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森の声

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2024.10.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私は造形に関して色々なことを子どもたちに教えていますが、子ども達には「教えなくても他の子がやっているのを見て、真似して出来るようになる子」と、「教えてあげれば出来るようになる子」と、「教えても出来ない子」がいます。

そしてこれは、子どもの「能動性の育ちの状態」を反映している結果でもあります。

能動性が育っている子は、自分が興味を感じたことに対しては、誰かに教えてもらわなくても、自分で見て、聞いて、真似して出来るようになってしまいます。つまり、「独学能力」に優れているということです。この「独学能力」は「自由な遊び」の体験を通して育っているのではないかと思いますが、ある程度の才能も必要です。

「そのことに強い興味を感じる」ということ自体が才能の現われでもあるからです。音楽はみんな聞きますが、その「音楽」に強く興味を持つ子もいれば、全然興味を持たない子もいますよね。お母さんがお料理を作るのを見て強く「お料理」に興味を持つ子もいれば、全く興味を持たない子もいますよね。
同じ体験をしてもそのことに強く興味を持つ子と、そうでない子がいるのです。そんな時、「興味を持つことが出来る子」はそのことに対して何らかの才能を持っている可能性が高いのです。

お母さんや周囲の大人がその才能に気付き、「そのこと」との出会いの機会を増やしてあげれば、子どもは見て学び、真似して学び、自ら進んで学ぼうとするでしょう。その過程で能動性も育って行くでしょう。

問題は(本当は問題ではないのですが)、そういう子は「大人が学ばせたいと思うこと」には興味を示さないということです。
勉強にも興味を示さないかもしれません。それでお母さんは「○○なんかばかりしていないで、勉強をしなさい!」と子どもを追い立てようとします。

でも、「追い立てられてやった勉強」は身につきません。子どもの成長にもつながりません。
確かに、子どもの趣味や興味に任せていたら学校の成績は伸びないかも知れません。それでも、好きなことをやることで「能動性」は育つのです。(ただし、中毒性の高いものは別です)
そしてその「能動性」は、必要に迫られれば他の分野でも生かすことが出来ます。
押しつけられて学んだことは応用できませんが、自分の好きなことをやる過程で育った能動性は他の分野でも生かすことが出来るのです。

「きく」という能力に優れた日本人は、見て学び、真似して学び、やって学ぶ能力に優れています。だから、中国や欧米の文化や技術を効率よく学び、取り入れることが出来たのです。ただし、見ることが出来ないような「新しいこと」を創造するのはあまり得意ではありません。

でも、今の時代、上に書いたような「教えなくても他の子がやっているのを見て、真似して出来るようになる子」は少ないです。一番多いのが「教えてあげれば出来るようになる子」と「教えても出来ない子」です。そして後者の子が年々増えてきています。

「教えてあげれば出来るようになる子」は。まず教えてもらおうとします。自分からは動き出しません。「教えて」と言いながらこちらの言葉には耳を傾けずに自分勝手に全く別のことを始める子もいますが、そのような子は教えても出来ません。だから「いいよ、好きにやりな」と言いますが、ちょっとやると分かんない、出来ない、飽きた、やめる」などと言いだします。

そんな、素直に教えてくれるのを待っているような子は、自分の頭で考えようとしません。そのため、「教えてもらったこと」は出来ても、「教えてもらったこと」以上のことは出来ません。椅子を作るときにも、足を一本切るごとに「次はどうするの」と聞いてきます。能動的に向き合っていないので、「自分が作っているもの」をイメージできないのでしょう。

そういう子どもたちは大人が手取り足取り教えれば出来るのですが、「出来る」というだけで楽しんでもいないし、そのことから学んでもいません。

「笛が作りたい」「木琴が作りたい」「太鼓が作りたい」という子がいると、作り方を教え、手助けして作らせるのですが、出来上がっても「出来た」といって、吹きもせず、叩きもしないで脇に置いてしまい「さあ、次は何をやろうかな」などと言います。

それがすごく悲しいです。

家に帰ってその笛や太鼓が評判がいいと、次回来た時に「また作りたい」などというので、材料を与えて、「この間作ったばかりだから、今度は自分一人でやりな」と言うと、「分かんない、出来ない、覚えていない」などと言います。

教えてもらって作ることが出来ても、能動的に取り組んでいない子は何にも学んでいないのです。
だから、本当は見せるだけで教えない方がいいのです。





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Last updated  2024.10.13 15:08:45
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