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オレンジレンジが歌う「花」という主題歌が大好きで、それがきっかけで手にとった本です。映画を見ていない私ですが、それでも自然に耳に入ってきたり目にしたりする機会が多かったので、なんとなく話の概要はわかっていました。一年前に妻を亡くしてしまった「ぼく」こと「巧(たくみ)」の視点で物語は展開します。忘れ形見の「佑司(ゆうじ)」はまだ六歳。ママが死んでしまったのは自分を産んだせいではないか、と心配する佑司と、そんなことはないんだと言い聞かせる巧。二人で支えあいながら、なんとかやっていけているように思えていたけれど・・・・幼い佑司と巧、それぞれが母であり、妻である澪を愛している描写には胸が痛くなる思いです。澪が戻ってきたとき、正直えぇぇ!と思いはしましたが、それは読む前からなんとなくわかっていたことだったので(映画の宣伝などで)意外に抵抗なく読み進めていきました。それよりも、そのときの佑司と巧の気持ちを思うと・・・また別れなければいけないことはわかっているけれど、それでも少しでも一緒にいたい、と思う。まだ六歳の佑司でさえ、いつかママはまたいなくなる、とわかっているのです。そういうのって、なんだかとっても切ないですね。(・_・、) 全部読み終えたとき、全てが繋がって、へぇ~そうだったの!と驚きました。こういう展開そういえば何かで読んだぞ・・・と記憶を辿って、貫井徳郎氏の「さよならの代わりに」を思い出しました。ストーリーはもちろん全く違いますが、設定的に似ている部分がありました。が、話を戻します・・・澪が消えるとき、佑司の成長を自分の目で見ることが出来ないのが残念、だと言います。本当に、母親として痛いほど共感できる気持ちです。巧の身体のことも気遣いながら、心を残しながら消えていく澪。『いま、会いにゆきます』と日記に綴った澪の気持ち。長く生きることよりも『幸せな日々の記憶を胸に、微笑みながら去っていこう』と決意する澪の気持ち。巧と佑司に対しての痛いほどの愛情が伝わってくるのです。私も母親なので、澪の母親としての気持ちに感情移入しすぎてしまいました。(T-T)オレンジレンジの曲も、本を読む前に聴いていた時より、ずっとずっと心に響く歌になりました。
2005年01月31日
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著者である辻氏が、ご本人曰く「小説家のはしくれだったころ」、小説を書く一方で手紙の代筆という仕事をされていたのだそうです。辻氏が当時代筆した手紙を引っ張り出し(もちろん差出人名などは仮名で)差出人と受取人の関係やその手紙を書くことになった背景などが綴られています。まず読んでいて思ったことは、代筆って本当に難しい・・・ということです。もちろん受取人から代筆だと見破られてはいけません。ですから、文章がうますぎてもいけない・・・・けれど、代筆を引き受けた以上「相手の心を動かすもの」でなければならないのです。老成な文章、若々しい文章、筆跡など、差出人の印象にできるだけ近づけなければいけません。ある意味で代筆屋は占い師的な力も必要とする、と本文には書いてありますが、そのとおりだと感じます。今では携帯電話やメールでの連絡が当たり前となっていますが、手紙には不思議な力があります。手紙は自分だけに送られた特別な物。手紙だからこそ言える言葉や伝わる気持ちもあるのです。辻氏がしたためた手紙、どれも本当に胸を打つ内容でした。恋文や、謝罪、贖罪、遺書、いろいろな立場にある差出人から、いろいろな立場にある受取人への手紙です。恋文とひとことで言っても、名前も知らない人へ向けた恋文であったり、復縁を願うものだったり。それぞれの差出人の、あふれんばかりの気持ちが手紙には込められています。辻氏が物書きであったから書けた内容でしょうか?そればかりではないと思うのです。本当に、辻氏の才能に脱帽と言うほかありません。手紙というのは、誰に向けられたものであっても読んでいて面白いものだなぁと思います。今のようなスピーディな時代だからこそ、今後「手紙」というものが持つ力はますます強まっていくのではないでしょうか。
2005年01月30日
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2004年の2月14日(バレンタインデー)に刊行されたアンソロジー集です。装丁も、真っ赤で、ラブストーリー満載の予感がします(笑)収録作品は8編。山田詠美「ぼくの味」鷺沢 萠「誰かアイダを探して」佐藤正午「イアリング」島田雅彦「チェルノディルカ」谷村志穂「私にも猫が飼えるかしら」川西 蘭「ふたりの相棒」川島 誠「クーリング・ダウン」角田光代「猫男」こういった恋愛アンソロジー集は女性作家だけで編制されたものが多いのですが、本書は男女4名ずつという構成です。バレンタインデーに刊行されたものとしては、甘~いラブストーリーなどは皆無でした(汗)。全編を通じて、どこかノスタルジックな感じが漂っています。「あの頃の恋」を回想したものが多く、80年代~90年代前半の恋愛について書いてあるようです。私が好きだったのは「ふたりの相棒」。まさに青春!バスケットボールに魅せられた女の子の恋のお話。「イアリング」と「猫男」も面白かったです。いずれも、懐かしいような、せつないような、不思議な読後感があります。80年代~90年代前半に青春時代を過ごした30年代の人にオススメらしいです。私には微妙に世代がずれているようで・・・ちょっと湿っぽいお話が多かったので、私には合わない内容でした(^_^;)
2005年01月28日
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友人(知人と言うべき?)から紹介されたエッセイ集です。曰く「一度に読まずに、隙間に一章ずつ読んでみると含蓄かも。(本として集中するようなものでもない)」と。一章ずつがすごく短いです。(雑誌CLASSYに連載されていたらしい)人に紹介された本と言うのは・・・難しい。面白かったなら、面白かったよ!で済むのですが。その反対の場合はどう言っていいものか悩むのです。正直、ここまで突っ込みどころ満載のエッセイは初めてでした。一章読むごとに憤り、ぶつぶつ言いながら、もう一章を読み。あげくの果てにはこの本の紹介者の真意までも推し量りました(笑)。まず「彼女(紹介者)はこの作家が好きなのだろうか?」その場合、間違いなく真意としては「面白いから薦めた」でしょう。でもそうでなかった場合は?いろいろ選択肢はあるのでしょうが、まず「この本のダメな女にキミは当てはまると思われる」という警告。「こんな迷著を見つけたよ!」というある意味お勧め。「この本読んでキミはどう思ったか、感想を知りたい」という興味。結局のところ、どれなのかはわかりませんが・・・・私の感想、それは。伏字にしなければ村上龍氏のファンからは怒られると思うので、赤裸々には書きません。が、なんで「ダメな女」なのかなぁ?と。読んでいて思ったのですが、書かれている内容、全て「ダメな男」でもいいんじゃないか。ってことです。ということは結局、「ダメな人々」とすればいいのに。と。「ダメな人々」よりも「ダメな女」の方がハッと人の目を惹きつけるから?としか思えません。これが「ダメな女」でさえなければ、ここまで憤りはしなかったと思います。特に声に出してツッコミを入れた箇所。「男に依存する女はダメな女である」というもの。「女に依存する男もダメな男である」と、言いたい。すでに目新しい言葉ではなくなった「熟年離婚」。男の人が定年を迎えたり、子供が結婚したときに、奥さんから三行半をつきつけられるというもの。男の人で、洗濯や掃除、コーヒーを入れたりすることすら出来ない、コーヒー豆がどこにあるかもわからない。こういうのは依存ではないのでしょうか?「依存する女はどんどん捨てられていくだろう。気をつけてくださいね。」と最後には書かれていますが、フンっと全く逆のことを思ってしまいました。この本を紹介してくれた友人は、自分のHPで日記のようなエッセイのようなものを書いているのだけど、正直この本よりよっぽど含蓄がある。と私は感じました。ので、怒らないでね・・・。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・
2005年01月26日
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S&Mシリーズの7作目になります。(実は割と最近までS&Mの語源がわかりませんでした。SM!?(照)なんて・・・。アハハ)先日感想を書いた「幻惑の死と使途」と対になっており、本書は偶数章のみで構成されているというもの。S&Mである犀川助教授とお嬢様な女子大生「萌絵」は前半ほとんど登場せず、本書のほぼ主人公といえるのは萌絵の親友である「簑沢杜萌(みのさわともえ)」です。前半はほぼ杜萌の視点で語られるからか、事件に密室が絡まないからか(笑)、なんだかいつものシリーズとは違った印象を受けます。いつものメインキャラクターである犀川と萌絵は、同時期に起こった事件「幻惑の死と使途」の方で大忙しだから、ということになっています。この2冊が「奇数章のみ」と「偶数章のみ」で構成されていることについては賛否両論あるようですが、交互に読むよりも一冊ずつ読んだほうがいいのは間違いないようです。同時期に起こった事件として書かれた物語、という点が強調されていて面白いと思いました。いつもの二人が出てこないから物足りない・・・と思ったのも最初のうちだけで、簑沢杜萌が誘拐事件に巻き込まれるあたりから(ってほんの序盤ですが)ぐいぐい物語に引き込まれていきます。そして殺された二人の誘拐犯、消えた目が不自由な杜萌の兄。犯人は一体・・・?密室はありませんが、それでもミステリアスな事件です。最後にはやっぱりメインの二人が事件を解決するのですが、全く予想もしませんでした。はっきりいって、森氏のミステリーで犯人がわかって「やっぱりね!」なんて思ったこと、一回もありません・・・(悲)それでも「幻惑の死と使途」よりも意外でした!!いや~~面白かったです。うん。8作目も楽しみです!
2005年01月25日
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本多氏の本は読みやすくて、個人的にはとても好きです。面白い本と分かっていても、読む前に多少の気合が必要(?)な本ってあります。表現が難解だったり、ミステリーだったり、推理物だったり。本多氏の本は、どんな気分の時でも気楽に手に取れ、そして一気に読めてしまいます。内容も、書く人によっては暗くも重くもなれるものなのに、本多氏が書くと、割とあっけらかんとしているような気がします。かといって感情表現に乏しいかというと、そうではなく。本多氏の書かれるキャラクターの持ち味なのです。どんな場面でも、ちょっとすっとぼけているところが、いい味をだしてます(笑)今回もどんなキャラクターかな、と期待して読みました!「真夜中の五分前」はsideAとsideBの2冊組みです。sideAとsideB、前編と後編で間違いないのですが、なんとなくイコールではない気がします。というのも、sideAとsideBではガラリと展開が変わっているのです。(二年後という設定です)むしろ、レコードをひっくり返してA面からB面へ、といった感じ。本の装丁もsideAは昼間の明るい感じ、sideBは夜の落ち着いた感じ。これがまた素敵な装丁なんです~表紙をお見せできないのが残念。本多氏がこの本についてコメントを書いていらっしゃるのですが、「いわゆる「純愛もの」を期待されると、少し違った印象を受ける小説だと思います。それを期待されている方には「こういう恋愛小説はどうでしょう?」と挑むつもりで書きました。」とのこと。私も実はあまり「純愛」には興味がなく(笑)、きっと他にも「純愛」はもういいや、という方もいらっしゃると思います。そんな皆さんは是非!(笑)内容にネタバレしない程度に触れると、一卵性双生児である「かすみ」と「ゆかり」、そしてそれぞれの恋人の物語が軸となっています。「一卵性双生児」、つまり全く同じ遺伝子を持つ姉妹なのです。親でさえ全く見分けがつかず、時々お互い入れ替わっているうちに、自分達も自分が「かすみ」なのか「ゆかり」なのかわからなくなってしまうのです。一卵性双生児の片割れと出会った主人公。お互いに悩みを抱えた二人は、お互いを支えながら次第に親密になっていくのですが・・・。書き様によっては、どれだけ暗くも重くもなれるお話です。。。。恋愛の渦中にあって、誰しもが考える「愛するということとは?」。本当に彼女は僕を愛していたのか。本当に僕は彼女を愛していたのか。時々(心の)悪魔が囁くその言葉に惑わされる主人公たち。切ないのだけど、最後にはすっきりとした気分になれる本です。う~ん、複雑な読後感。(でも面白かったです)
2005年01月22日
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「となりのトトロ」で、ネコバスが大人には見えないように。子供にしか見えない、子供でも見えない子もいる。それと同じように、子供だけが持つ「能力」。子供でも持たない子が大多数の「能力」。そういうお話です。少人数の子供達が持つ、その「能力」を使って、あの日子供たちはたくさんの人々を救った。そして「あの日」までの出来事を、それに関わった数人が回想する形で物語りは展開します。子供達のもつ能力については、こんなこと、あるかもしれない・・・・。なんて思いました。子供だけが持つパワーって、絶対にあると思うのです。自分の子供の頃を思い出しながら、読んでみてほしい一冊です。
2005年01月20日
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V6の岡田准一くんと黒木瞳さんが共演する映画の原作です。岡田准一くん、かっこいいですね・・・。(照)少年から青年へと成長するにつれ、男の色気が!!と、まずは不純な動機から手に取った本です。まぁ、岡田准一くんと黒木瞳さんが恋愛・・・というと、不倫であることはすぐにピーンとくるのですが。なんといっても黒木瞳さんですから!違和感ないですね~~!このストーリーを映画化するとしたら、全然違和感のないキャストだなぁと思いました。ただ、ストーリーがどうだったかというと・・・う~~~ん。男の子の視点で物語は展開するのですが、江國さんの本では珍しいのではないでしょうか。江國さんの書かれる文章は詩的というか、ニュアンスのある文章が多いのですが、男の子の視点として書かれていることもあるのか、今回はそういう表現は少なかったようです。この二人の関係についても、なんだかなぁ・・・と。年上の人に恋焦がれる男の子の気持ちは結構表現されているのですが、相手の女性の気持ちはあんまりよくわからなかったです。(あまり語られていなかった)どちらかというと、主人公の友人(親友?)役の男の子の方がなかなか面白かったような気がします。どちらも「年上の女性」にはまっていくのですが、その関係は二人とも全く違うタイプで。この友人役には一体誰が?映画化されることによって、どんな風に脚色されるのかとても興味深いです。
2005年01月17日
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F県警捜査第一課強行班捜査係の刑事達が遭遇する数々の難事件。各事件ごとに六編に分かれて構成されています。・沈黙のアリバイ・第三の時効・囚人のジレンマ・密室の抜け穴・ペルソナの微笑・モノクロームの反転一班、二班、三班とそれぞれの班長達の個性が際立っており、犯人逮捕への道筋もそれぞれ。同じ県警にいながらライバル心をむき出しにし、時には足を引っ張り合い、時には少し協力もし・・・と、内部の実情がとてもリアルに表されています。中でもメインとも思える一班の班長「朽木」は、「笑わない刑事」。「二度と笑わないでください。死ぬまで笑顔を見せないと約束してください。」過去に事件を起こし、その約束どおり二度と笑顔を人に見せることはありません。過去の傷に苦しみながら、犯人逮捕にかける執念はすさまじいものがあります。すごく面白い本で、もしかして続編があるのかな・・・という期待をしたのですが、残念ながら続編は今のところないようです。何故続編があると思ったかというと、表題作でもある「第三の時効」を担当した二班の班長「楠見」について、あまり語られていなかったからです。何故彼がそこまで女性に非情に徹するのか。という説明が、背景を含めて一切明らかにされていません。ミステリアスさでは一番の班長だけに、もう少し書いてほしかった、、、という感想を持ちました。それにしても三人の班長の覇権争い、この一冊だけで終わらせるのは勿体無いです。横山氏の本の中でも特に面白かったと思います。
2005年01月14日
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草なぎ剛くんが主演のこのドラマ、すごく人気があったようなので手に取りました。草なぎ剛演じる小柳徹朗、私はドラマは例によって見ていないのですが、少し前の日本の父親像はこうだったのではないでしょうか。大手の会社に勤める仕事第一人間。毎日仕事に明け暮れ、家庭も顧みず、それでも自分は家族のために働いてるんじゃないか!と思っている人間。ある日突然、妻から離婚を言い渡されるシーンから始まります。子供を家に置き去りにしたまま、出て行ってしまった妻。そして、それから始まる子供と二人の生活。この徹朗の子供の小柳凛ちゃんも、すごく話題でしたね。本を読みながらでもほんと、せつなくなりました・・・。子供に愛情が持てなかった父親が、四苦八苦しながら子育てを初め、だんだん子供を愛おしく思っていく過程では思わずウルウルきてしまいます。正直、日本のサラリーマンで、この徹朗のように育児ができる父親なんているのかな・・・と思います。子供を育てながら、親も育つ。とはよく言われる言葉ですが、本当に徹朗の父親としての成長振りはスゴイです。自分の子供に生まれてきてくれてありがとう。そう子供に言ってあげられる親は最高です。子供を持つ全ての親に読んで欲しい一冊です。
2005年01月10日
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思わずタイトルに惹かれて手に取りました。作者の内藤みかさんは、驚いたことにこの楽天広場で日記を書いていらっしゃる方だったので、さらにビックリ。後でお邪魔しようと思っています。一、私がゲットしたこの爆安品!二、ここで差がつく激安商品の見つけ方の2部構成になっており、どこを読んでもお得情報盛りだくさん!特に、オークションなどで激安品をゲットするためのコツなどは必見。検索用語一つでもお得品が随分検索できるものです。他にもフリーマーケットでお得品をゲットするためのコツや、季節ごとにかかる「子供にかかる費用(七五三など)」をいかに節約するかなど、主婦にとっても嬉しい内容でした。私もオークションはよく利用していますが、1円オークションを本当に1円で落札するなんてありえないと思っていましたが。。。オークション利用者も一度読んで見ると、タメになること間違いなしだと思います!
2005年01月09日
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瀬戸内海の浦津の沖にある島「葉名島」にやって来た、一人の先生。それは子供の頃にかかった病気がもとで、口がきけなくなってしまった吉岡先生でした。葉名島の生徒と、口がきけない(口をきかん→機関車先生とあだ名がつけられた)吉岡先生、そして島民との心の触れ合いを描いた学園小説。口がきけない先生が頑張って授業をしたり、偏見と戦ったりする話かなと思いましたが、そういう話ではありませんでした。いつもにこにこと笑顔の吉岡先生にはとても不思議な魅力があります。人と人とが争うことはなんて醜いことなんだ、ということを学ぶ生徒達。そして島民も、吉岡先生と接するうちにさまざまなことを感じていきます。少し出来すぎた感もありますが、とても感動的で爽やかな学園小説でした。
2005年01月08日
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「天使の卵」「天使の梯子」「翼」と読んできて、この本を手に取りました。村山さんの書かれる小説の主人公は心に傷を持っていることが多いのですが、今回の主人公もそうでした。恋人の裏切りに心をずたずたにされ、大学も途中で投げ出し、信州・菅平にやってきた主人公の祐介。祐介が出会うさまざまな人々がとても魅力的で、信州の大自然の中で繰り広げられる出来事も面白く、結構分厚い本ですが一気に読めてしまいます。一見なんの悩みもなさそうに見える明るい人々、そしてその奥に隠れたさまざまな心の傷。その心の傷に触れながら、しだいに癒されていく祐介と一緒に読者も癒されてしまいます。澄み切った空のような爽やかな後味で、前を向いて歩こう!と思わせる本です。
2005年01月06日
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お馴染みS&Mシリーズの6作目です。本書は7作目にあたる「夏のレプリカ」と並行して展開していくという趣向のもので、奇数章のみで構成されています。偶数章は「夏のレプリカ」に書いてあるようですが、私はまだ読んでいません。並行して起こった事件それぞれで一冊の本になっているので、特に同時に読むような必要性はないようです。「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出して見せよう。」稀代の天才奇術師が、マジックショーで大勢の観客が見守る中で殺害された。偶然そのショーを見ていたお嬢様女子大生の「萌絵」と工学部助教授の「犀川」がその謎に迫るというもの。今回もウンウンと頭を捻って考えたのですが、やっぱりトリック及び犯人は推理できませんでした。。。誰が殺したのか、という段階ではなく、いつ、どうやって殺したのかというところから謎。相変わらず面白いなぁと思いましたが、S&Mシリーズの醍醐味はトリックの謎を解くことだけではありません。犀川と萌絵の関係も、進展しているのかどうなのか?という微妙なところが毎回楽しみだし、登場人物もそれぞれとても魅力的なのです。私は特に今回登場した数人のマジシャンがお気に入りです。森氏の独特なセリフの言い回しがいいです。本書では最初の方に少し登場しただけですが、萌絵の親友だという杜萌は次作「夏のレプリカ」の主要キャラのようなので、杜萌についてはそちらの感想で書こうと思います。本書のタイトルどおり、なるほど「幻惑」の「死と使途」だなぁと思いました。ネーミングセンスも素敵です。
2005年01月04日
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