後半、書き直しています。(10月17日)
◆アリスの谷村新司(74)さんが死去されました。
いろんな名曲がありますが、中でも「チャンピオン」(1978)が心に残っています。
私の青春時代の、ストライクな曲でした。
つかみかけた熱い腕を
ふりほどいて 君は出てゆく
わずかに震える 白いガウンに
君の年老いた悲しみを見た
……省略……
獣のように挑戦者が
おそいかかる若い力で
やがて君は静かに倒れて落ちた
疲れて眠るように
わずかばかりの 意識の中で
君は何を考えたのか
[you're King of Kings]
立たないで もうそれで充分だ
おお神よ 彼を救いたまえ
……省略……
この歌詞で思いだすのは
1988年1月のマイク・タイソン(58戦50勝44KO6敗)vsラリー・ホームズ(75戦69勝44KO6敗)です。
タイソン(左)vsホームズ
まさに元・名王者vs現役・最強王者の戦いは、アリスの
「チャンピオン」を、そのまま表しています。
当時、全盛期だったタイソンは4R・KO勝ちしますが、ホームズはデビューから48連勝中の王者時代(WBC王座を連続17度防衛)、1985年9月にマイケル・スピンクスに小差の判定負けした時点で全盛期を過ぎていました。
ホームズ(左)vsスピンクス
この判定は当時、白人の元ヘビー級王者・ロッキー・マルシアノ(49戦無敗)に黒人が並ぶことへの嫌悪感と、不人気だったホームズの時代を早く終わらせたいという空気(不快感)も、判定に影響したという。
ボクシング評論家のジョー・小泉さん(世界ボクシングの殿堂入り)は「モハメッド・アリよりホームズのほうが強い」
50戦無敗のメイウエザーも「ヘビー級最強はタイソンでもアリでもない、ホームズ」
ホームズの全盛時代は「アリのような華麗なアウトボクシングに加え、フォアマンのような爆発力&攻撃性もある」と、当時はヘビー級・史上最強の評価だった。
パンチ力だけならタイソンやフォアマンより上といわれるアーニー・シェイバース(89戦74勝68KO14敗1分)にも2度の勝利。
2戦目の第7Rにホームズは、右のパンチで強烈なダウン。
「タイソンよりシェイバースのほうが、断然パンチは強かった。全身が衝撃を受けた」(ホームズ)
シェイバースと対戦したリロイによると、
「ショットガンで撃たれたようだった」(撃たれたことあるんですか?)
シェイバース
ホームズのビッグ・ファイトは
モハメッド・アリ戦(10R終了・TKO)
アリ(右)
とホワイト・ホープ「ジェーリー・クーニー」(13R・KO)戦。
(米国では、白人vs黒人の試合が最も盛り上がる)
クーニー(左)vsホームズ
ただ、アリのスパーリング・パートナーだったホームズは《アリのコピー》と揶揄され、さらにホームズには好敵手(ライバル)がいなかったことも不運なキャリアだったといえるでしょう。
その不人気王者・ホームズに取って代わるように中量級(ウエルター級)が台頭し1981年、シュガー・レイ・レナードvsトーマス・ヒットマン・ハーンズのスーパー・ファイト(レナードの最低保証は1200万ドル)は、未だに語り継がれる伝説の名勝負。
序盤から中盤にかけて、身長&リーチで勝るハーンズ有利の展開が続くが、第6ラウンドに試合が動く。
レナードの左フックが顎の先端をとらえると、たまらずハーンズは腰砕けにグラついた。レナードのラッシュに防戦一方のハーンズだが、幸運にもゴングに救われた。
しかし、その後はダメージから回復したハーンズが持ち直して、再び有利な展開へと戦況は戻った。
試合後に網膜剥離の診断で、一度は引退を余儀なくされるレナードの左目は、やはり12ラウンド終了時点では塞がっていた。
13ラウンド、三度ペースを握り始めたハーンズにレナードの右がヒットしてグラつくハーンズを猛烈なスピードの連打で、レナードは2度のダウンを奪った。
それでも、ポイントではハーンズ有利。
迎えた14ラウンド、ダメージからまだ回復していないハーンズに猛攻を浴びせ、レフェリーストップ❢❢
ハーンズ(左)vsレナード
二転三転するシーソーゲームの試合展開を制し、もろ手を高々と上げて歓喜するレナードが、中量級の黄金時代の主役に躍り出ました。
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