日本語で話そう

June 16, 2009
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カテゴリ: 東海道五十三次
新幹線こだまが掛川の駅に速度を緩めて停車した。
2ヶ月ぶりに東海道の旅に戻って来た。さあがんばって歩こうと自然に意気が向上して来たその時、夫が叫んだ。
「うなぎアイスクリームのトラックがいるよ」
うーん、やっぱり夫の旅の目的はこれか?

東海道五十三次、昨年の桜の咲く頃日本橋から始めたのは私1人。目的地は京都三条大橋。
夫は箱根越えから参加。その時から「浜名湖に着いたらうなぎを食べよう」と騒いでいた。
もっとも、三島の宿でも由比の宿でも誘惑に負けてうなぎを食べていたけれど・・。
そしていよいよ今回の予定は浜名湖まで。
うなぎまで。

しかしなあ、此処までストレートだと距離と時間から浜松到着時間を昼食時間帯にきちんとスケジュール組むのも責任重大になってくる。

実は今回前述の準備品の他に「浜松うなぎ加盟店マップ」とやらをwebページからしっかり出して持参したのであった。供の者のために。

駅舎を背にして街道に復帰すべくいざ出発。

掛川城、東海道であることを示す見慣れた次の宿場までの距離が書いてある道しるべ。

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車がびゅうんびゅうん通る道、昔の風景などつゆも見えず、東海道を旅していることをつい忘れそうになった時、此処だよと現れる松並木。宿場と宿場の間に設けられた宿泊場所を提供しない間(あい)の宿。現代の旅人向けの案内板などが歩きつかれてなえた気分を一気に昔に引き戻してくれる。

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掛川袋井間はほとんどアップダウンが無い。箱根越え、さった峠越え、先日歩いた日坂峠などに比べ面白みの無い道をひたすら歩く。
それでも旅人を慰めてくれるものは昔も今も多分自然の風景と路傍に咲く花々達。
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時にはこんなものたちも疲れた心を勇気付けてくれる。

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この辺りは平地だけあって用水路や川が多い。護岸がコンクリートで整備してない自然の川が残っていて橋の欄干から川を覗くたびに心を休ませてくれる。
鯉がいて、鮎がいて、かもの親子がいて、体長50センチはあろうかと思われる亀が突然水面に浮かび上がって泳ぎ去る。

やがて東海道一短い宿場といわれる袋井に到着。
町のあちこちに「東海道どまんなか」の表示。
此処は東海道の中間点。1年かかってやっと中間点、まだ中間点。

東海道ど真ん中小学校、ど真ん中公園、東海道ど真ん中袋井宿。

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疲れたので東海道のど真ん中の町にあるレストランで昼食にした。
私は駿河湾特産桜海老掻き揚げそばとそば茶プリン。

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夫が「まだ桜海老なの?由比に戻っちゃったね」という。
そういえば由比の町は桜海老一色で桜海老ご膳を食べたんだった。
一歩でも先に進みたい私はその言葉にがっくり。

途中に大きな和凧を作って売る店があった。
夫が買いたいと言い出し、そんなものを背負って旅を続けることを心配したが、運よくその店はしまっていた。そういえばさっき歩いていた途中にお祭り用の凧を仕舞っておく倉庫のようなものを見た。
この地方には大凧を揚げる風習があるらしい。江戸時代の浮世絵にもそれは見られる。

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何度目かの川を通り過ぎたとき下の流れを見ながら夫が言った。
「さっきの亀、こんなに大きかったよね。」そのジェスチャーを見ると手と手の間が1メートルもある。なるほど、話の中の物事はこうやって大きくなっていくのか。

時々道に迷いながらしかし確実に東海道に復帰しながら歩いていると別れ道に来た。
最初の道しるべは
「明治の道」と「大正の道」

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東海道の旅人の鉄則、それは古いほうの道を行くこと。それが東海道。
時々現れる鎌倉古道は無視しても良いが・・・。
迷わず明治の道をとるが、次に現れたのが左に逸れる急坂「江戸の道」

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さっさと行過ぎる夫に向かって「おーい、こっちだよ。東海道は」
聞こえないふりをする夫。
もう一度、「通り過ぎちゃったよ」
またもや無視する夫。

仕方が無いから追いかけて、「どうして行かないの」
「だって、明らかに急坂じゃない。疲れるじゃない。どうせ先で一緒になるよ」
そう、先で一緒になるのは地図で確かめてある私だが、納得いかないなあ、東海道の旅人としては。

足は疲れてきたけれどまだ3時。
その日泊まるために予約したホテルは見えてきたものの、明日の距離を稼ぐために今日のうちに先を急ぐことにした。
何しろ明日は昼のオーダーストップの前に浜松のうなぎやに到着しなければならないから。
これには夫も異存なし。

磐田の市内に入り見附宿に入る。
宿場を示す高札場。

そしてせっかくだから明治5年に出来たという旧見附学校を見学。
4階建てのその建物、急な階段が付いていた。ところが、歩きつかれた旅人は階段を登るのがやっと。またもやパスしようとする夫を引っ張って最上階へ。
2人でベンチに座って磐田の町を眺める。さわやかな風が吹き抜けていった。

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明日の出発を先の地点にしようと3キロほど明日の分も歩いて磐田駅前にてその日は終了。
33,056歩。
夕食をとろうと磐田駅前をうろついたが食べられるようなところは見つからず、ホテルまでバスで戻って温泉に入ってから食事をすることにした。

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明日はうなぎ。






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Last updated  June 16, 2009 08:58:04 PM
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