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2019年07月19日
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カテゴリ: 自動車
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 長年北米一本足打法で収益を上げてきたホンダは、アコード、シビックのブランドイメージをあげるためのクルマ作りに努めてきた。
 (高価な)良い製品は少々高くても売れる。
 (高価な)良い商品を販売しなければ、ブランドイメージが低下する。
 かくして、アコード、シビックは日本人が買えない、買わない高級車となった。
 2008年リーマンショックによる経済収縮時期、ホンダを救ったのは、2輪と北米でも販売を始めたフィット(ジャズ)だった。
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赤字転落のホンダで吹き荒れる「内紛」の全内幕
井上久男
2019年6月20日 現代ビジネス    
 高い技術力とブランドイメージで世界に名を馳せたこの企業が、振るわない。
 商品・技術戦略の失敗だけが理由ではないようだ。
 社内の対立によって溜まってきた膿のほうが、どうやら根深いのだ。
  …(略)…
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 ホンダが5月8日に発表した2019年3月期決算の売上高は前期比3.4%増加の15兆8886億円、本業のもうけを示す営業利益は12.9%減少の7263億円だった。
 営業利益率は4.6%と、トヨタ自動車(8.2%)や、安価な軽自動車中心のスズキ(8.4%)の足元にも及ばない。
 その要因は不振の四輪事業にある。
 ホンダの事業は、四輪、二輪、汎用エンジンや草刈り機などのパワープロダクツの3部門で構成されるが、売上高の最も多い主力の四輪が、'19年1~3月期決算で売上高2兆9128億円に対し、営業損益は530億円の赤字に陥ってしまったのだ。
 今後も収益性が大きく回復する見込みがない。
 ホンダの四輪が赤字に陥ったのは、過剰設備と開発コストの高さによるものだ。
 国内で最も売れている「N-BOX」シリーズを抱える軽自動車部門でさえも赤字だというから驚く。
 ホンダ低迷の構図はかつての日産自動車と全く同じだ。
 日産は過剰設備と高コスト体質に苦しみ、赤字体質から脱却できずに有利子負債を膨らませて経営危機に陥り、仏ルノーの傘下に落ちた。
  …(略)…
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 日本国内では車種を絞ろうとしたが、八郷社長になり、車種は2輪、4輪とも拡大。
 相変わらずの売れない車種の山となった。
 ホンダは何でも自社で抱え込むことが好きなので、軽乗用車も子会社ではなく、本体で作った。
 製造コストは高くなったはずだ。
 軽自動車部門は販売店を救ったが、メーカーの救いとはならなかったらしい。
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 高い車は売れず、登録車ではコストパフォーマンスに優れたフィット、フィット・ハイブリッド、コンセプトの明確なフリードばかりが売れた。
 ユーザーのことを考えずに製品を開発・製造する体質を改革しないことには、赤字体質から脱却することはできない。
        ​
 ……
「伊東君は辞めるつもりはなかったが、伊東君を引き上げてきた川本さん(信彦元社長)に『お前、責任取れ』と一喝されて退任が決まった。
 ……
        ​
 ホンダは売れる車がなく、三菱自動車に吸収合併されるとの噂が出るほどの時期があった。
 その時期、川本氏は本田技研工業の社長で、本田技術研究所で「売れる車を作れ」と吼えた。
 そして出てきたのが、 オデッセイ であり ステップワゴン だった。
 どちらも初代はコンセプトが明確な製品で、とてもシンプル・簡素かつリーズナブルだった。
 初代オデッセイは、当時普通の装備だったオートアンテナも、ホンダ車にはよく装備されていたタコメーターもついてなかった。
 ステップワゴンは、ホンダの他車と同じFFを活かして床の低さ、四角いシンプルなスタイル、戦略的な低価格が評価され一気に人気モデルとなった。
 エンジンをB20B型のみ、トランスミッションをコラム式4速ATのみだった。
 どちらも技術者の自己満足は見受けられず、ユーザーの満足を最大限高めた製品だった。
 だからどちらも一大ブームとなった。
 研究開発部門だけでなく、ホンダ全体が廉価な製品を作るよう心がけなければ、複雑で高価な製品を作りたがる流れは是正できない。
        ​
 井上氏はホンダに知り合いが多いようで、人事の揉め事のような記事の仕立てになっている。
 人事の是正ではことは改まらない。
 4輪部門が収益力をあげるためには、会社の目指す方向性の是正から始まる。
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最終更新日  2019年07月19日 06時00分15秒
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